1/12ページ
ダウンロード(2.4Mb)
インダストリアル・セミ・ポータブルなハブダイナモメーター
ROTOTEST® Energy™は、ハブ結合式のパワートレインダイナモメーターです。
本製品を使用して加速試験、制動試験、モード走行試験など自動車の各種試験を行うことができます。
台車構造をとっているためピット工事が不要で、様々な場所で使用いただくことができます。
また走行中にステアリング操舵が可能なため、自動運転車の開発にも応用が期待されます。
【特長】
・簡単なセットアップで繰り返し精度の高い試験、台上での走行再現試験の新たな可能性を提供します
・実走行負荷を模擬できる500kW‒250kWのモデル
・環境試験室内で使用可能な-35~40℃対応モデル
・音振動の測定に最適な低騒音モデル
◆詳細はカタログをダウンロードしてご覧下さい。
----------------------------------
関連キーワード:自動車、自動運転、計測ソリューション、計測器、ROTOTEST、ロトテスト、シャシダイナモシステム、セットアップ、ドライビングサイクル、インダストリアル・セミ・ポータブル、ハブ結合式シャシダイナモメータ、生産性向上ツール、ローラー式シャシダイナモメータ、車、car、シャシダイ、シャシーダイナモ
関連メディア
このカタログについて
ドキュメント名 | ハブダイナモメーター「ROTOTEST(R) Energy(TM)」 |
---|---|
ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 2.4Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 株式会社東陽テクニカ (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
この企業の関連カタログ
このカタログの内容
Page1
テクニカルリサーチラボのご案内
当社テクニカルリサーチラボ(神奈川県厚木市)において、Vehicle Hub Dynamometer および DMTS® のデモをご覧いただくことがで
きます。デモのご要望は随時受け付けております。東陽テクニカ機械計測部または各支店営業所までお問い合わせください。
Vehicle Hub Dynamometer
ROTOTEST® Energy™
東陽テクニカ テクニカルリサーチラボ
次世代の自動車開発をラボで実現する
〒243-0124 神奈川県厚木市森の里若宮 11 番 1 号 ハブダイナモメーター
【小田急小田原線】
本厚木駅・愛甲石田駅から タクシー 15 分
愛甲石田駅から 神奈中バス 愛 15 〜 18 系統
若宮橋下車 1 分
テクニカルリサーチラボ外観
DMTS デモ機
機械計測部
〒103-8284 東京都中央区八重洲1-1-6
TEL.03-3245-1048 FAX.03-3246-0645 E-Mail : web-car@toyo.co.jp
https://www.toyo.co.jp/mecha/
大 阪 支 店 〒532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原1-6-1(新大阪ブリックビル) TEL.06-6399-9771 FAX.06-6399-9781
名 古 屋 支 店 〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄2-3-1(名古屋広小路ビルヂング) TEL.052-253-6271 FAX.052-253-6448
宇 都 宮 営 業 所 〒321-0953 栃木県宇都宮市東宿郷2-4-3(宇都宮大塚ビル) TEL.028-678-9117 FAX.028-638-5380
R & D セ ン タ ー 〒135-0042 東京都江東区木場1-1-1 TEL.03-3279-0771 FAX.03-3246-0645
JQA-EM4908 JQA-QM8795
技術センター
本カタログに記載された商品の機能・性能は断りなく変更されることがあります。
Page2
Rototest社の紹介
Rototest 社は 1988 年 1 月、自動車業界で製品開発に長年従事してきたエキスパートエンジニア集団によって設立されました。その後数
年間の開発とテストを経て、世界初のハブ連結ダイナモメーターを発表し、市場の先駆けとなりました。以来、Rototest 社はモビリティ
のテストシステムサプライヤーとして、業界で幅広い認知を得た企業へと成長してきました。技術向上に対する飽くなき姿勢と長期的な
研究開発投資を軸に、製品開発とテスト技術の双方に精通したチームが、日々設計改善に取り組んでいます。Rototest 社のテストソ
リューションは長年にわたって高い評価を得ており、北米や日本、ヨーロッパ、アジア、アフリカの 25 か国以上で、世界的に著名な企業
で採用されています。
Rototest社の歩み
1988 年 創業
創業に携わった Nils G Engström を代表としたエンジニアが、車両の動的
テストを行うベンチマーク用の油圧ダイナモメーターシステムを開発しまし
た。 OEM やサプライヤー、モータースポーツ、試験検査機関で使用され
ています。
2003 年 シェル社とのコラボレーション
シェル社「V-Power」Fuels のグローバル発売において、Rototest 社のダイ
Founder Nils Engström CEO Christian Engström ナモメーターを使用して、従来製品からのパフォーマンス向上を実証しました。
20 年以上自動車会社でパワートレ 大きな変革期を迎えた自動車産業 (V-Power はシェル社のトレードマークです。)
イン開発に従事。そこでの経験を を支える次世代製品の開発と自社
活かしてRototest 社を設立。 のグローバルビジネスの成長を担 2008 年 新しい電動プラットフォーム
うリーダー。 業界リーダーである ABB 社と提携し、モジュラー式電気ダイノアーキテク
チャを開発し、動的応答や精度、再現性を向上させました。
2013 年 外部からの出資
スウェーデン政府系 VC が成長加速のために投資を実施しました。FCA による
新規顧客のプロジェクト成功により、Rototest 社のソリューションに対する
業界のニーズがさらに認識され、技術的なリーダーシップの位置を確立しま
した。
2018 年 ドライビングシミュレーションとADAS
Rototest HQ in Rönninge, Stockholm 自動車シミュレーションソフトウェアの大手企業との新しいパートナーシッ
プにより、従来のパワートレインテストだけでない新たなサービスを拡大し
ています。
2020 年 ADASとステア反力装置
ステア反力装置をリリースし、ダイナモメーターを使用したテストでステア
リング力のフィードバックを提供し、OEM やサプライヤー各社の要件を満
たすことができます。
2023 年 東陽テクニカによる 100%株式取得
東陽テクニカグループのモビリティビジネス戦略により同社の株式を
100%取得しました。これによりRototest 社が積み上げてきたソリューショ
ンと東陽テクニカが推進する DMTS®とを融合させ、顧客に新たなソリュー
ションを提供いたします。
2008 年にリリースし、現在の主力製品である電動式ハブダイナモメー
ター ROTOTEST® Energy™ ■ ROTOTEST® Energy™ の特長
• ハブ直結により正確な測定が可能
• 正転・逆転、力行・回生の 4 象限対応
• 急加速と急減速に対応
• ステアリング操作可能
• 4 輪独立制御
• 走行抵抗の再現
• 最小限の設備投資
• 簡単かつ素早いセットアップ
Rototest 社最初の製品 ROTOTEST APG
モータースポーツの現場で素早く簡単に測定ができるよう、可搬型の油
圧式ハブダイナモメーターを開発。
2
Page3
AD/ADAS試験用Vehicle in the LoopシステムDMTS® パワートレインダイナモメーター
安全な自動車を目指して
現在、自動車には様々な安全機能が搭載されており、その機能の多くはドライバーの運転を支 柔軟で効率的なパワートレインダイナモメーターでこそ、
援する ADAS(Advanced Driver Assistance System)と呼ばるものです。ADAS の歴史を振り返 自動車開発は、追加投資を抑え需要と要件の大幅な変化に対応できる。
ると、日本で は 1991 年 に自動 車 事 故 の 削 減 に向 けて国 土 交 通 省 が ASV(Advanced Safety
Vehicle) 推進会議を開催し、同年に安全装置の技術検証を開始したことが大きな変化点と言える 変化する自動車開発のプロセス
でしょう。それから30 年以上が経過し安全技術は飛躍的に進歩しました。車両にはカメラやレー 自動車開発においては、刻々と変化する技術の変化に対処するだけでなく、世界的な部材調達の混乱による生産管理にも対処する必要
ダーをはじめとする多くのセンサが搭載され、車両や人を認識して自動でブレーキをかけたり があります。この困難な時期に対処すべき方法を見つけていくのが重要な課題とされています。課題解決のひとつは、柔軟性を備えた
白線を検知して内側を走行するように制御したり、かつての自動車には存在しなかった多くの 組織を構築することです。柔軟性を備えた組織は刻々と変化する技術をチャンスとして活かすことができます。
安全機能が搭載されています。今後もさらなる安全機能が開発され車両に搭載されることで、
自動車はより安全な乗り物になると期待されています。 Rototest社は30年以上の経験
Rototest 社は 30 年以上にわたってパワートレイン試験分野に取り組んできました。直近の 10 年間では、ハブ結合型のパワートレイン
ADAS 機能の増加と高度化による課題 ダイナモメーターの提供に専念し、自動車開発に柔軟性や、開発効率の向上とコストの低減に貢献するソリューションを提供してきまし
前方衝突警報
安全機能が数多く車両に搭載され自動車の安全性が高まる一方、機能の増加と高度化により開 車線逸脱警報 レーンキープ た。例えば、パワートレインのキャリブレーションをラボに移すことにより、テスト環境を安定させ、その結果、再現性が向上しコストと
発現場では試験工数の増加が大きな課題となっています。増加する機能に対して単体試験だけ 時間を大幅に節約できます。
でなく他の機能と複合的に試験をしなければならなかったり、安全性の範囲も例えば前方だけ オートクルーズ 死角モニタリング
だったものが横方向や後方にまで拡張されることで試験範囲が拡張されたり、試験工数は増加 モデリングとシミュレーション
の一途となっています。特に実車両試験では車両・場所・人員などの準備とその工数、発生頻 自動操舵回避 自動ブレーキ 開発時間とコストを節約するために重要なのは、モデリングとシミュレーションです。モデルを使用すると、開発車両が完成する前に、そ
度の少ない事象の潰し込みや再現が難しい環境の再現などに費やす時間が増加しています。 ドライバーモニタリング の機能を完全にシミュレートすることが可能です。これにより開発速度を向上させるとともに、完成前に大きな問題の回避が可能になり
試験工数の増加や対象車種の拡大、さらには認証やアセスメントについても項目が増加することに ます。Rototest 社の製品は、統合された車両モデル用のインターフェイスと、あらゆる外部モデルに対応するオープンなインターフェイ
伴う期間増が懸念されており、開発期間の短縮が求められる中で解決手段が求められています。 スの 2 つのインターフェイスをサポートしています。 CAN や Ethernet、EtherCAT などの標準通信インターフェイスがサポートされてい
ます。更に、Rototest 社では、IPG Automotive 社と協力して、IPG のシミュレーションソフトウェア「CarMaker」と組み合わせて実行でき
るように、「IPG Xpack4」リアルタイムシステムへの接続機能を追加しました。これにより、「CarMaker」を使用している顧客は、その投資
Vehicle in the Loop テストによる実車両試験の工数削減 をパワートレイン段階のモデリングにも割くことで、大幅な節約が可能になります。今日の自動車産業におけるトレンドのひとつは自動
近年、MIL(Model in the Loop) や SIL(Software in the Loop) に代表される X-in-the-Loop が多く用いられており、機能検証のフロント 運転ですが、完全な自動運転機能がサポートされるにはもうしばらくの時間がかかるかもしれません。一方、ADAS は、自動車がドライ
ローディングや開発期間の短縮に大きく貢献しています。実機の試験においても、コンポーネントレベルでは HIL(Hardware in the バーから制御を引き継ぐという重要な役割を果たします。この分野のキャリブレーションと検証のニーズは急速に高まっており、
Loop) が多くの現場で採用されており、早期に且つ効率的にコンポーネント試験を実施することができます。しかし、実車両を用いた試 Rototest 社は世界中で様々なテストや開発プロジェクトに携わっています。
験においては実走行が主体となるためシミュレーションを用いた効率化が難しい領域とされています。この課題の解決方法の1つが (「CarMaker」は IPG Automotive 社の登録商標です。その他の製品名はそれぞれの登録商標です。)
VIL(Vehicle in the Loop) です。ハブダイナモメーターを用いて実車両の走行状態を再現し、シミュレーションを用いてシナリオや周辺環
境の再現を行うことにより、一部の実走行試験を台上で行うことができるようになり、実走行場所の確保が不要になることや準備工数の 開発の効率化
削減が期待できます。また、実環境では再現が難しいシナリオを容易に再現できたり、特定のシナリオを短期間に何度も実施することが Rototest 社のある顧客のケースでは、一連の試験を路上によるテストからラボ環境に移すことで、最大 80% の時間の節約ができたと報
できるため、実走行試験で費やしていた時間を大幅に削減することが可能になります。VIL は統合 HIL の置き換え、一部の実走行試験の 告されています。 Rototest 社のパワートレインダイナモメーターシステムは、モジュール式の構造により、ADAS 機能のキャリブレーショ
置き換え、そして実走行試験での工数を削減するための事前の検証として今後の需要拡大が見込まれています。 ンと検証のための効率的なテスト環境を提供します。大幅な時間の節約を実現するだけでなく、硬くて平らな床へのフローティングマウ
ントソリューションなどの独自の機能も備えています。テスト中に車両に水平方向の力が作用しないため、フル加速や急ブレーキは問題
Model in the Loop
Software in the Loop Hardware in the Loop Vehicle in the Loop
(MIL/SIL) (HIL) (VIL) Proving Ground Test Public Road Test なく、安定したテスト環境が確保され、車両の設置時間は数日または数時間ではなく分単位という驚異的な時間の短縮も可能になります。
Rototest社のダイレクトカップル接続技術
計測機器や試験方法による不確かさの影響を受けずに正しい測定データを得
るにはどうすればよいか。この疑問に対して Rototest社は最も基本的なことと
して、車両のパワートレインをダイナモメーターに直接接続するという答えを出
しました。これにより、タイヤのスリップ、タイヤの空気圧、ローラーの大きな慣
性などの問題が解消され、試験計測エンジニアが必要とする測定結果を得るこ
とができます。
東陽テクニカの提供するVILシステム DMTS®
ハブダイナモメーターを使ったADAS機能の台上試験を実現 車両のパワートレインとダイナモメーターを直接接続するハブ結合方式を現実
的に利用できるようにするために Rototest社は台車方式を採用し、それによる
DMTS®(Driving & Motion Test System)はテストコースで行われる実車走行試験を実験室で行う”ROAD to LAB”というコンセプトを掲 取り付けの簡便さを実現しました。
げて開発したトータルソリューションです。Rototest 社のハブダイナモメーターで操舵を含めた走行状態を模擬し、各種シミュレーター 台車型によりホイール交換の要領で簡単に取り付け可能
やエミュレーターで周辺環境を模擬することで、ADAS 機能の試験を台上で行うことができます。 ・車両サスペンションとダイナモのダンパーがつり合い、水平を実現
実走行では再現が難しい試験や危険を伴う試験を何度でも同じ条件で繰り返し且つ安全に屋内で行えます。 ・芯ずれによる振動もダイナモのダンパーが吸収
パワー ダイレクト ダイナモ ・車両専用ハブアダプターを用意することで芯合わせ精度向上可能
ハブダイナモメーターにより「走る・曲がる・止まる」を再現 各種シミュレーターによる環境再現 トレイン カップル接続 メーター ・汎用ハブアダプターを用意することで様々な車両の試験利用可能
・ボールキャスターを採用することですることで移動の自由度向上可能
ROTOTEST® Energy™ カメラターゲットシミュレーター レーダーターゲットシミュレーター
車両への 汎用ハブアダプター
ハブアダプター装着
10 3
Page4
Rototest 社ハブダイナモメーターによる「Road to Lab 」の 実現。
安定したテスト環境の構築で、再現性ある試験と工数を低 減へ。
大規模な設備インフラ投資が不要
硬い床以外の設置を必要としないフローティングマウントソリューションなどの革新的な機能を誇ります。試験中に車両に水平方向の力
が作用しないため、フル加速や急ブレーキの実施が簡単になり、安定した試験環境と比類のない設置時間が確保されます。ダイナモ
メーター システムは、複雑なユーザー インターフェイスを必要とせずに、車両が現実的な道路状況を体験できるように、制御システム
に高度なアルゴリズムを使用しています。この車両は全輪駆動ダイナモメーター システムに取り付けられ、通常の自動車整備工場の
ツールを使用して 20 分以内にテストの準備が整います。
4輪独立制御
ハブ直結のため、各輪のトルクを独立に制御することができます。また、車両荷重
と各駆動輪のタイヤ摩擦係数 ( μ値 ) を定義することで、走行抵抗を再現することが
でき、様々な走行状態の模擬が可能になります。
各輪で路面状態を設定可能
モデリングとシミュレーション
リリース前に問題を見つけることが可能です。ROTOTEST®
Energy™ は、統合された車両モデルを備えたインター
フェイスと、任意の外部モデルを適用できるオープンな
インターフェイスの2つのインターフェイスをサポート
しています。 CAN や Ethernet、EtherCAT など、すべて
の標準通信インターフェイスがサポートされています。
また、ROTOTEST® Energy™ のオープンインターフェイス
を介した IPG「 Xpack4」リアルタイム システムへの接続も
トルク測定例:3輪がスリップ、1輪のみグリップ
4
Page5
Rottottesstt社のハ提ブ供ダイすナるモハメーードタウェーアに・よソる「フトRoウaェdア to Lab 」の 実現。
ハ安ー定ドウしェたアテスト環境の構築で、再現性ある試験と工数を低 減へ。
Rototest 社のハードウェア製品構成は以下の通りです。
• MPU(Main Power Unit) :インバーターユニット(1 台のダイナモに対して 1 台必要 )
• SCU(System Central Unit) :ダイナモやインバーターを制御するユニット 急加速・急減速試験に対応
• ダイナモメーター :ハブに接続するダイナモメーターユニット ハブ直結方式を採用した ROTOTEST® Energy™ はローラー構造を持たないため、超低慣性を実現しました。また、タイヤが存在しない
• NATURAL STEERING :ステア反力装置 ( オプション ) ことから急加速状態でもスリップすることなく試験すること可能で、特に EV の試験で大いに有効となります。テスト中に車両に水平方向
の力が作用しないため、フル加速や緊急ブレーキの実行は問題なく、安定したテスト環境が構築されます。
従来の ROTOTEST® Energy™
“ ローラータイプ ” “ハブ結合タイプ ”
水平方向の力を発生 水平方向の力を発生しない
回転方向のトルクのみが生じるため、急加速・急減速試験においても固縛の必要がなく安全なテスト環
基本構成品:MPU(4台)、SCU(1台)、ダイナモ(4台) システム構成図 境を提供
ソフトウェア ステアリング機能
フローティング ソリューションにより、物理的なステアリング機能がサポートされ、
全てのモデルに共通して利用できる試験設定・制御・モニターソフトウェアを提供しております。 テスト中に車両のステアリングを使用できます。これは、特定の先進運転支援シス
• ROTOTEST® DynoVision™ • 複数のテストモジュールの有効活用 テム (ADAS) 機能や自動運転 (AD) テストにとって重要な機能です。路面からのキッ
• 機能性の高い先進的試験システム - 走行負荷シミュレーション クバックを再現するステア反力装置と組み合わせてご利用いただくことで、操舵を
• 最適化された簡易な操作性 - 定走行速度制御 含めた実路走行状態を再現し、AD/ADAS 評価に最適なシステムを実現します。
• 30 分でマスター可能な直観操作性 - 定負荷制御
- 定加速度制御 フローティングマウントソリューション
車両の走行中でもホイールベースとトレッド幅を自動的に調整できるほか、キャン
バーやトーなどのホイール角も自動的に調整できます。この設計により、サスペン
ションコンポーネントにかかる不自然な応力が回避されます。
サポートし、IPG Automotive 社のシミュレーション ソフ
トウェア「CarMaker」 と組み合わせて実行が可能となり、
パワートレイン段階のモデリングにリソースを投資する
パラメーター設定画面 モニター画面(ニードル) モニター画面(グラフ) ことに貢献します。
*「CarMaker」は IPG Automotive 社の登録商標です。その他の製品
名はそれぞれの会社の登録商標です。
フローティングマウントにより不自然な応力を回避
車両諸元設定画面 試験パターン設定画面 リミット設定画面
8 5
Page6
Rototest社のハブダイナモ製品
ROTOTEST ® Energy™(標準モデル)
Rototest 社は目的に合わせて以下2種類のシリーズで合計6種類のダ
イナモメーターラインアップを準備しています。
汎用シリーズ
様々な目的で広くご利用いただくシリーズとして、主に 3 種類の容量別
モデルを揃えています。
ベーシックモデル :基本的なスペックを持つモデル
スタンダードモデル :電動車両での利用を視野に入れた、
これからの時代の標準的なモデル
ハイパフォーマンスモデル :8,000Nm の測定を可能にしたモデル
スペシフィックシリーズ
汎用シリーズとは異なり、大きな特徴を持つシリーズとして 3 種類のモデルを揃えています。
・高トルクモデル :10,000Nmという大きなトルクの測定を可能にしたモデル
・トランジェントモデル :定常トルクに比べ急激なトルク変化に対応したモデル
・アカデミックモデル :機能と性能を最小限にしたローコストモデル
ROTOTEST® Energy™ ‒ CP(環境モデル)
電動車両の熱マネジメント・エネルギーマネジメントの課題解決に
昨今、世の中はカーボンニュートラルの実現に向けた1つの手段とし
て、EV の普及を推進しています。しかし EV の普及には様々な課題があ
り、そのうちの1つとして熱マネジメントやエネルギーマネジメントと
いったマネジメント関連が上げられます。バッテリーは周辺温度によっ
て特性が大きく変わるため、温度のコントロールが重要になります。特
に寒冷地ではバッテリーの温度を維持することが難しいとされており、
開発時には低温環境での試験が強く求められています。また、バッテリ
の電力をいかに効率的に利用するかが航続距離に大きく影響するた
め、エネルギーマネジメントが重要になっています。そのため、各コン
ポーネントの消費電力を抑えるだけでなく、回生ブレーキを含めエネル
ギーをどのように得て、そして使うか、そのマネジメントが重要になってきます。真冬の夜間走行を考えると、ライトや HVAC などの電力
消費に加えバッテリの熱マネジメントを並行して行う必要があり、このような状況下での試験を事前に十分に行う必要があります。
ROTOTEST® Energy™-CP は環境試験での利用を目的とし、動作温度範囲を -40℃~ +60℃に拡張したモデルです。スペースの要件を満
たしていれば既にお使いの環境試験室でご利用いただくことができます。環境試験室において操舵を含めた実際の走行状態を再現し、
車両としての熱マネジメント、エネルギーマネジメントの向上に貢献できるシステムとなります。
ROTOTEST® NATURAL STEERING™(ステア反力装置)
リアルなステアリングフィールの提供とADAS試験の可能性を追求
操舵可能なダイナモメーターは Rototest 社の代名詞といっても過言で
はありません。従来のローラー式ダイナモメーターではステアリングは
容易ではなく、加速と減速が主な試験となっていました。操舵を可能に
したことで Rototest 社のダイナモメーターを使った試験では、走る・曲
がる・止まるの基本動作を全て台上で試験することが可能になります。
加えて、Rototest 社はステアリングフィールをよりリアルにし、真にステ
アリングを含めた試験を実現するためにステア反力装置 ROTOTEST®
NATURAL STEERING™ を開発しました。反力を再現するのに十分な力
を持ちつつコンパクトで軽量なシステムは車両を改造することなく短時
間で取り付けが可能となっています。リアルなドライビングフィールをド
ライバーに与えるだけでなく、例えば ADAS 試験においては LKA(Lane Keeping Assist/ 車線維持補助機能 ) のアプリケーションでご利用
いただくことができます。本システムには汎用的なステアリングモデルが含まれていますが、より精度の高いモデルや、外部のリアルタ
イムシステムや HIL(Hardware in the Loop) などの外部制御を利用するよう拡張することもできます。
6
Page7
Rototest社のハブダイナモ製品 製品仕様
ROTOTEST ® Energy™(標準モデル) ROTOTEST ® Energy™(標準モデル)
Rototest 社は目的に合わせて以下2種類のシリーズで合計6種類のダ 汎用的にご利用いただくモデル
イナモメーターラインアップを準備しています。
型式 d72 d32 d25
汎用シリーズ 20℃での仕様
様々な目的で広くご利用いただくシリーズとして、主に 3 種類の容量別 モデル ハイパフォーマンス スタンダード ベーシック
モデルを揃えています。 最大トルク(1 分以内)(2 輪 1 軸) 8000Nm(0-835rpm) 3600Nm(0-850rpm) 2400Nm(0-995rpm)
ベーシックモデル :基本的なスペックを持つモデル 通常トルク(連続)(2 輪 1 軸) 4000Nm(0-955rpm) 1900Nm(0-1000rpm) 1600Nm(0-995rpm)
スタンダードモデル :電動車両での利用を視野に入れた、 最大電力(1 分以内)(2 輪 1 軸) 700kW 320kW 250kW
これからの時代の標準的なモデル 通常電力(連続)(2 輪 1 軸) 400kW(955-1600rpm) 200kW(1000-1430rpm) 160kW(995-1800rpm)
ハイパフォーマンスモデル :8,000Nm の測定を可能にしたモデル 最大速度 2500rpm 2500rpm 2500rpm
最大車速 ( タイヤ直径 650㎜ ) 300km/h 300km/h 300km/h
スペシフィックシリーズ 速度計測 (1500rpm 時 ) 0.03% 0.03% 0.03%
汎用シリーズとは異なり、大きな特徴を持つシリーズとして 3 種類のモデルを揃えています。 角度分解能 0.05 度 0.05 度 0.05 度
・高トルクモデル :10,000Nmという大きなトルクの測定を可能にしたモデル トルク計測確度 0.1% 0.1% 0.1%
・トランジェントモデル :定常トルクに比べ急激なトルク変化に対応したモデル コントローラ HDC HDC HDC
・アカデミックモデル :機能と性能を最小限にしたローコストモデル イナーシャ(1 輪) 2.2kgm^2 0.8kgm^2 0.8kgm^2
最大負荷(荷重)(2 輪 1 軸) 3500kg 3500kg 3500kg
ハブセンター高さ 350mm 330mm 330mm
冷却方式 空冷 空冷 空冷
ROTOTEST® Energy™ ‒ CP(環境モデル) 幅 x 長さ x 高さ(1 輪あたり) 1.7 m x 1.1 m x 1.2 m 1.45 m x 0.8 m x 1 m 1.45 m x 0.8 m x 1 m
重量(1 輪あたり)約 1450kg 740kg 740kg
電動車両の熱マネジメント・エネルギーマネジメントの課題解決に 温度範囲 10℃ -40℃ 10℃ -40℃ 10℃ -40℃
昨今、世の中はカーボンニュートラルの実現に向けた1つの手段とし 相対湿度(結露厳禁) 10%-90% 10%-90% 10%-90%
て、EV の普及を推進しています。しかし EV の普及には様々な課題があ 標高(海抜) 1000m 未満 1000m 未満 1000m 未満
り、そのうちの1つとして熱マネジメントやエネルギーマネジメントと 単相 240VAC(8A) or 120VAC(16A) 240VAC(8A) or 120VAC(16A) 240VAC(8A) or 120VAC(16A)
いったマネジメント関連が上げられます。バッテリーは周辺温度によっ 3相 380-500VAC 4x405kVA 380-500VAC 4x185kVA 380-500VAC 4x145kVA
て特性が大きく変わるため、温度のコントロールが重要になります。特
に寒冷地ではバッテリーの温度を維持することが難しいとされており、
開発時には低温環境での試験が強く求められています。また、バッテリ
の電力をいかに効率的に利用するかが航続距離に大きく影響するた 目的を明確にしてご利用いただくスペシフィックなモデル
め、エネルギーマネジメントが重要になっています。そのため、各コン
ポーネントの消費電力を抑えるだけでなく、回生ブレーキを含めエネル 型式 i82 a62 u14
ギーをどのように得て、そして使うか、そのマネジメントが重要になってきます。真冬の夜間走行を考えると、ライトや HVAC などの電力 20℃での仕様
消費に加えバッテリの熱マネジメントを並行して行う必要があり、このような状況下での試験を事前に十分に行う必要があります。 モデル 高トルク トランジェント アカデミック
ROTOTEST® Energy™-CP は環境試験での利用を目的とし、動作温度範囲を -40℃~ +60℃に拡張したモデルです。スペースの要件を満 最大トルク(10 秒以内)(2 輪 1 軸) N/A 8000Nm(0-560rpm) 1500Nm(0-890rpm)
たしていれば既にお使いの環境試験室でご利用いただくことができます。環境試験室において操舵を含めた実際の走行状態を再現し、 最大トルク(1 分以内)(2 輪 1 軸) 10000Nm(0-765rpm) N/A N/A
車両としての熱マネジメント、エネルギーマネジメントの向上に貢献できるシステムとなります。 通常トルク(連続)(2 輪 1 軸) 4000Nm(0-1315rpm) 1800Nm(0-955rpm) 800Nm(0-995rpm)
最大電力(10 秒以内)(2 輪 1 軸) N/A 600kW 140kW
最大電力(1 分以内)(2 輪 1 軸) 800kW N/A N/A
通常電力(連続)(2 輪 1 軸) 550kW(1315-2500rpm) 180kW(955-1800rpm) 80kW(995-1800rpm)
ROTOTEST® NATURAL STEERING™(ステア反力装置) 最大速度 2700rpm 2500rpm 2100rpm
最大車速 ( タイヤ直径 650㎜ ) 330km/h 300km/h 255km/h
リアルなステアリングフィールの提供とADAS試験の可能性を追求 速度計測 (1500rpm 時 ) 0.03% 0.03% 0.03%
操舵可能なダイナモメーターは Rototest 社の代名詞といっても過言で 角度分解能 0.05 度 0.05 度 0.05 度
はありません。従来のローラー式ダイナモメーターではステアリングは トルク計測確度 0.1% 0.1% 0.1%
容易ではなく、加速と減速が主な試験となっていました。操舵を可能に コントローラ HDC HDC HDC
したことで Rototest 社のダイナモメーターを使った試験では、走る・曲 イナーシャ(1 輪) 2.2kgm^2 0.8kgm^2 0.45kgm^2
がる・止まるの基本動作を全て台上で試験することが可能になります。 最大負荷(荷重)(2 輪 1 軸) 3500kg 3500kg 3500kg
加えて、Rototest 社はステアリングフィールをよりリアルにし、真にステ ハブセンター高さ 350mm 330mm 330mm
アリングを含めた試験を実現するためにステア反力装置 ROTOTEST® 冷却方式 空冷 空冷 空冷
NATURAL STEERING™ を開発しました。反力を再現するのに十分な力 幅 x 長さ x 高さ(1 輪あたり) 1.7 m x 1.1 m x 1.2 m 1.45 m x 0.8 m x 1 m 1.45 m x 0.8 m x 1 m
を持ちつつコンパクトで軽量なシステムは車両を改造することなく短時 重量(1 輪あたり)約 1450kg 740kg 510kg
間で取り付けが可能となっています。リアルなドライビングフィールをド 温度範囲 10℃ -40℃ 10℃ -40℃ 10℃ -40℃
ライバーに与えるだけでなく、例えば ADAS 試験においては LKA(Lane Keeping Assist/ 車線維持補助機能 ) のアプリケーションでご利用 相対湿度(結露厳禁) 10%-90% 10%-90% 10%-90%
いただくことができます。本システムには汎用的なステアリングモデルが含まれていますが、より精度の高いモデルや、外部のリアルタ 標高(海抜) 1000m 未満 1000m 未満 1000m 未満
イムシステムや HIL(Hardware in the Loop) などの外部制御を利用するよう拡張することもできます。 単相 240VAC(8A) or 120VAC(16A) 240VAC(8A) or 120VAC(16A) 240VAC(8A) or 120VAC(16A)
3相 380-500VAC 1x950kVA 380-500VAC 4x350kVA 380-500VAC 4x80kVA
ROTOTEST ® Energy™ CPモデル
動作温度範囲を拡張した CP モデルに関する詳細は当社営業担当者までお問合せください。
6 7
Page8
Rototest社の提供するハードウェア・ソフトウェア
ハードウェア
Rototest 社のハードウェア製品構成は以下の通りです。
• MPU(Main Power Unit) :インバーターユニット(1 台のダイナモに対して 1 台必要 )
• SCU(System Central Unit) :ダイナモやインバーターを制御するユニット
• ダイナモメーター :ハブに接続するダイナモメーターユニット
• NATURAL STEERING :ステア反力装置 ( オプション )
基本構成品:MPU(4台)、SCU(1台)、ダイナモ(4台) システム構成図
ソフトウェア
全てのモデルに共通して利用できる試験設定・制御・モニターソフトウェアを提供しております。
• ROTOTEST® DynoVision™ • 複数のテストモジュールの有効活用
• 機能性の高い先進的試験システム - 走行負荷シミュレーション
• 最適化された簡易な操作性 - 定走行速度制御
• 30 分でマスター可能な直観操作性 - 定負荷制御
- 定加速度制御
パラメーター設定画面 モニター画面(ニードル) モニター画面(グラフ)
車両諸元設定画面 試験パターン設定画面 リミット設定画面
8
Page9
Rototest 社ハブダイナモメーターによる「Road to Lab 」の 実現デ。ータ収録とオフライン解析
安定したテスト環境の構築で、再現性ある試験と工数を低 減へ試。験車両の計測を同時に行い、ROTOTEST® Energy™ のデータと合わせて記録・解析を行うために imc Test & Measurement 社の収録
システムおよびオフライン解析ソフトウェアを提供しています。
大規模な設備インフラ投資が不要 設定・制御・モニター・解析
硬い床以外の設置を必要としないフローティングマウントソリューションなどの革新的な機能を誇ります。試験中に車両に水平方向の力
が作用しないため、フル加速や急ブレーキの実施が簡単になり、安定した試験環境と比類のない設置時間が確保されます。ダイナモ
メーター システムは、複雑なユーザー インターフェイスを必要とせずに、車両が現実的な道路状況を体験できるように、制御システム
に高度なアルゴリズムを使用しています。この車両は全輪駆動ダイナモメーター システムに取り付けられ、通常の自動車整備工場の
ツールを使用して 20 分以内にテストの準備が整います。
ダイナモデータ 車両データ
4輪独立制御 試験車両
ハブ直結のため、各輪のトルクを独立に制御することができます。また、車両荷重
と各駆動輪のタイヤ摩擦係数 ( μ値 ) を定義することで、走行抵抗を再現することが Rototest SCU データロガー
でき、様々な走行状態の模擬が可能になります。
imc Test & Measurement社のデータ収録システム
imc Test & Measurement 社のデータ収録システムは、少ないチャンネル数から多チャンネルまで、低速から高速サンプリングまで、試
験用途に合わせて拡張できる自由度の高いシステムとなっており、どのような目的においても最適なデータ収録を提供いたします。
• 4ch ~ 512ch/ 台の計測チャンネル ( 複数台同期計測により1000ch 以上の計測にも対応 )
• 0.1Hz ~ 100kHz/ch のサンプリングレート( システム合計は 5MHz)
• -40℃~ 125℃の動作温度 ( 一部の分散計測フロントエンドのみ )
試験対象車両によって計測チャンネル数が変化することがあり -40℃~ 125℃の動作温度範囲を持つ分散計測フロントエンド
ますが、imc Test & Measurement 社のデータ収録システムは は、環境モデル ROTOTEST® Energy™ ‒ CPと合わせて環境ベン
計測モジュールを着脱することで、簡単にチャンネル数の増減 チ内で利用することができます。従来は環境ベンチの外側に設
ができます。 置する必要のあった計測機器をベンチ内で車両に搭載したまま
試験を行うことができます。
各輪で路面状態を設定可能
計測モジュールを追加してチャンネル増設
恒温槽にて-40℃環境で試験 エンジンルーム内設置例
リアルタイムモニターおよび解析ソフトウェア
imc Test & Measurement 社のソフトウェアは、直感的な操作と多彩なデータ表示機能、そして圧倒的なカスタマイズ性により効率的な試
験計測の実現を支援します。
モデリングとシミュレーション
リリース前に問題を見つけることが可能です。ROTOTEST®
Energy™ は、統合された車両モデルを備えたインター
フェイスと、任意の外部モデルを適用できるオープンな
インターフェイスの2つのインターフェイスをサポート
しています。 CAN や Ethernet、EtherCAT など、すべて
の標準通信インターフェイスがサポートされています。
また、ROTOTEST® Energy™ のオープンインターフェイス 計測設定画面 リアルタイムモニター画面 レポート画面
を介した IPG「 Xpack4」リアルタイム システムへの接続も チャンネル毎に細かく設定したり、複数チャンネルを一 時系列グラフ、ニードルメーター、バーメーターなど様々 あらかじめ設定しておいたレポート画面を呼び出して、
括して設定することが可能 な表示ツールをドラッグ&ドロップしてカスタム画面の 試験毎に自動でレポートを作成することが可能
トルク測定例:3輪がスリップ、1輪のみグリップ 作成が可能
オフラインモニター画面 マクロ作成画面 オフラインレポート画面
2D、3D によるあらゆるデータ表示が可能 定型の解析を自動化し、呼び出して実行可能 収録後の解析結果をレポートとして出力
マクロによる自動化が可能
4 9
Page10
AD/ADAS試験用Vehicle in the LoopシステムDMTS®
安全な自動車を目指して
現在、自動車には様々な安全機能が搭載されており、その機能の多くはドライバーの運転を支
援する ADAS(Advanced Driver Assistance System)と呼ばるものです。ADAS の歴史を振り返
ると、日本で は 1991 年 に自動 車 事 故 の 削 減 に向 けて国 土 交 通 省 が ASV(Advanced Safety
Vehicle) 推進会議を開催し、同年に安全装置の技術検証を開始したことが大きな変化点と言える
でしょう。それから30 年以上が経過し安全技術は飛躍的に進歩しました。車両にはカメラやレー
ダーをはじめとする多くのセンサが搭載され、車両や人を認識して自動でブレーキをかけたり
白線を検知して内側を走行するように制御したり、かつての自動車には存在しなかった多くの
安全機能が搭載されています。今後もさらなる安全機能が開発され車両に搭載されることで、
自動車はより安全な乗り物になると期待されています。
ADAS 機能の増加と高度化による課題
前方衝突警報
安全機能が数多く車両に搭載され自動車の安全性が高まる一方、機能の増加と高度化により開 車線逸脱警報 レーンキープ
発現場では試験工数の増加が大きな課題となっています。増加する機能に対して単体試験だけ
でなく他の機能と複合的に試験をしなければならなかったり、安全性の範囲も例えば前方だけ オートクルーズ 死角モニタリング
だったものが横方向や後方にまで拡張されることで試験範囲が拡張されたり、試験工数は増加
の一途となっています。特に実車両試験では車両・場所・人員などの準備とその工数、発生頻 自動操舵回避 自動ブレーキ
度の少ない事象の潰し込みや再現が難しい環境の再現などに費やす時間が増加しています。 ドライバーモニタリング
試験工数の増加や対象車種の拡大、さらには認証やアセスメントについても項目が増加することに
伴う期間増が懸念されており、開発期間の短縮が求められる中で解決手段が求められています。
Vehicle in the Loop テストによる実車両試験の工数削減
近年、MIL(Model in the Loop) や SIL(Software in the Loop) に代表される X-in-the-Loop が多く用いられており、機能検証のフロント
ローディングや開発期間の短縮に大きく貢献しています。実機の試験においても、コンポーネントレベルでは HIL(Hardware in the
Loop) が多くの現場で採用されており、早期に且つ効率的にコンポーネント試験を実施することができます。しかし、実車両を用いた試
験においては実走行が主体となるためシミュレーションを用いた効率化が難しい領域とされています。この課題の解決方法の1つが
VIL(Vehicle in the Loop) です。ハブダイナモメーターを用いて実車両の走行状態を再現し、シミュレーションを用いてシナリオや周辺環
境の再現を行うことにより、一部の実走行試験を台上で行うことができるようになり、実走行場所の確保が不要になることや準備工数の
削減が期待できます。また、実環境では再現が難しいシナリオを容易に再現できたり、特定のシナリオを短期間に何度も実施することが
できるため、実走行試験で費やしていた時間を大幅に削減することが可能になります。VIL は統合 HIL の置き換え、一部の実走行試験の
置き換え、そして実走行試験での工数を削減するための事前の検証として今後の需要拡大が見込まれています。
Model in the Loop
Software in the Loop Hardware in the Loop Vehicle in the Loop
(MIL/SIL) (HIL) (VIL) Proving Ground Test Public Road Test
東陽テクニカの提供するVILシステム DMTS®
ハブダイナモメーターを使ったADAS機能の台上試験を実現
DMTS®(Driving & Motion Test System)はテストコースで行われる実車走行試験を実験室で行う”ROAD to LAB”というコンセプトを掲
げて開発したトータルソリューションです。Rototest 社のハブダイナモメーターで操舵を含めた走行状態を模擬し、各種シミュレーター
やエミュレーターで周辺環境を模擬することで、ADAS 機能の試験を台上で行うことができます。
実走行では再現が難しい試験や危険を伴う試験を何度でも同じ条件で繰り返し且つ安全に屋内で行えます。
ハブダイナモメーターにより「走る・曲がる・止まる」を再現 各種シミュレーターによる環境再現
ROTOTEST® Energy™ カメラターゲットシミュレーター レーダーターゲットシミュレーター
10
Page11
Rototest社の紹介
Rototest 社は 1988 年 1 月、自動車業界で製品開発に長年従事してきたエキスパートエンジニア集団によって設立されました。その後数 DMTS®を利用した試験例1 自動ブレーキ
年間の開発とテストを経て、世界初のハブ連結ダイナモメーターを発表し、市場の先駆けとなりました。以来、Rototest 社はモビリティ ハブダイナモメーター上で自動ブレーキの試験を行うためには、試験車両に対してターゲットを認識させる必要があります。DMTS® で
のテストシステムサプライヤーとして、業界で幅広い認知を得た企業へと成長してきました。技術向上に対する飽くなき姿勢と長期的な はカメラターゲットシミュレーターの映像を車載カメラに入力し、レーダーターゲットシミュレーターの信号を車載レーダーに入力するこ
研究開発投資を軸に、製品開発とテスト技術の双方に精通したチームが、日々設計改善に取り組んでいます。Rototest 社のテストソ とで試験車両にターゲットを認識させます。また、MIL/SIL で利用したシナリオを再利用し、試験車両とターゲットの位置や速度の条件を
リューションは長年にわたって高い評価を得ており、北米や日本、ヨーロッパ、アジア、アフリカの 25 か国以上で、世界的に著名な企業 変更しながら試験を行うことができます。ROTOTEST® Energy™ は急ブレーキ試験を安全に行えることに加え、適切なタイヤモデルと路
で採用されています。 面モデルを準備することで様々な路面条件での試験を行うことができます。
Rototest社の歩み
1988 年 創業
創業に携わった Nils G Engström を代表としたエンジニアが、車両の動的
テストを行うベンチマーク用の油圧ダイナモメーターシステムを開発しまし
た。 OEM やサプライヤー、モータースポーツ、試験検査機関で使用され
ています。
2003 年 シェル社とのコラボレーション
シェル社「V-Power」Fuels のグローバル発売において、Rototest 社のダイ
Founder Nils Engström CEO Christian Engström ナモメーターを使用して、従来製品からのパフォーマンス向上を実証しました。 車両に入力 カメラターゲットシミュレーター レーダーターゲットシミュレーター
20 年以上自動車会社でパワートレ 大きな変革期を迎えた自動車産業 (V-Power はシェル社のトレードマークです。) ターゲットシミュレーション
イン開発に従事。そこでの経験を を支える次世代製品の開発と自社
活かしてRototest 社を設立。 のグローバルビジネスの成長を担 2008 年 新しい電動プラットフォーム
うリーダー。 業界リーダーである ABB 社と提携し、モジュラー式電気ダイノアーキテク DMTS®を利用した試験例2 レーンキープ
チャを開発し、動的応答や精度、再現性を向上させました。 レーンキープの試験を行うためには車載カメラに白線情報を入力する必要があります。東陽テクニカの提供するカメラターゲットシミュ
レーター「TrueSim」は実路面を撮影した映像を用いているため、例えば CG では再現が難しい白線の擦れや光の反射などをカメラに
2013 年 外部からの出資 入力することができます。操舵可能なハブダイナモメーター「ROTOTEST® Energy™」とステア反力装置「NATURAL STEERING™」を組み
スウェーデン政府系 VC が成長加速のために投資を実施しました。FCA による 合わせることにより、実車における路面からのタイヤ横力もシミュレートできるようになります。レーンキープに代表される操舵 ADAS の
新規顧客のプロジェクト成功により、Rototest 社のソリューションに対する 評価の他、ドライバーの操舵力の官能一次評価、またモデル作成により例えば横風の模擬などを行うことも可能となります。
業界のニーズがさらに認識され、技術的なリーダーシップの位置を確立しま
した。
2018 年 ドライビングシミュレーションとADAS
Rototest HQ in Rönninge, Stockholm 自動車シミュレーションソフトウェアの大手企業との新しいパートナーシッ
プにより、従来のパワートレインテストだけでない新たなサービスを拡大し カメラターゲットシミュレーター 車両に入力
ています。 白線の擦れや光の反射をリアルに表現
2020 年 ADASとステア反力装置
ステア反力装置をリリースし、ダイナモメーターを使用したテストでステア
リング力のフィードバックを提供し、OEM やサプライヤー各社の要件を満 DMTS®のシステムイメージ
たすことができます。 DMTS® はお客様の資産を活用しシステムを組み上げることができます。組み合わせるシミュレーターは HIL で構築した既存資産を活か
して VIL を構築することも可能ですし、例えば当社のカメラターゲットシミュレーター「TrueSim」の追加により従来の CG では難しかった
2023 年 東陽テクニカによる 100%株式取得 り作成に工数がかかっていた画像認識系を含んで検証範囲を拡張できたりします。また、物標数を飛躍的に増やすことが可能な当社の
東陽テクニカグループのモビリティビジネス戦略により同社の株式を レーダーターゲットシミュレーター「ASGARD」と組み合わせれば、従来の物標に加えて構造物などからの種々の反射波を含む、よりリ
100%取得しました。これによりRototest 社が積み上げてきたソリューショ アルに近いシミュレーションまで拡張することも可能となります。GNSS シミュレーターや V2X シミュレーターが必要なマップ連動や交通
ンと東陽テクニカが推進する DMTS®とを融合させ、顧客に新たなソリュー 流シナリオも実車を用いて検証が可能となります。DMT®S は各ユーザー様のニーズに応じたコンポーネントを組み合わせて構築、およ
ションを提供いたします。 びその提案を行っております。
2008 年にリリースし、現在の主力製品である電動式ハブダイナモメー
ター ROTOTEST® Energy™ ■ ROTOTEST® Energy™ の特長
• ハブ直結により正確な測定が可能
• 正転・逆転、力行・回生の 4 象限対応 カメラターゲットシミュレーター
• 急加速と急減速に対応 GNSSシミュレーター
• ステアリング操作可能
• 4 輪独立制御
• 走行抵抗の再現
• 最小限の設備投資
• 簡単かつ素早いセットアップ
レーダーターゲットシミュレーター
Rototest 社最初の製品 ROTOTEST APG
モータースポーツの現場で素早く簡単に測定ができるよう、可搬型の油 ハブダイナモメーター
圧式ハブダイナモメーターを開発。 V2Xエミュレーター
2 11
Page12
テクニカルリサーチラボのご案内
当社テクニカルリサーチラボ(神奈川県厚木市)において、Vehicle Hub Dynamometer および DMTS® のデモをご覧いただくことがで
きます。デモのご要望は随時受け付けております。東陽テクニカ機械計測部または各支店営業所までお問い合わせください。
Vehicle Hub Dynamometer
ROTOTEST® Energy™
東陽テクニカ テクニカルリサーチラボ
〒243-0124 神奈川県厚木市森の里若宮 11 番 1 号
【小田急小田原線】
本厚木駅・愛甲石田駅から タクシー 15 分
愛甲石田駅から 神奈中バス 愛 15 〜 18 系統
若宮橋下車 1 分
テクニカルリサーチラボ外観
DMTS デモ機
オートモーティブ・ソリューション部
〒103-8284 東京都中央区八重洲1-1-6
TEL.03-3245-1048 FAX.03-3246-0645 E-Mail : web-car@toyo.co.jp
https://www.toyo.co.jp/mecha/
大 阪 支 店 〒532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原1-6-1(新大阪ブリックビル) TEL.06-6399-9771 FAX.06-6399-9781
名 古 屋 支 店 〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄2-3-1(名古屋広小路ビルヂング) TEL.052-253-6271 FAX.052-253-6448
宇 都 宮 営 業 所 〒321-0953 栃木県宇都宮市東宿郷2-4-3(宇都宮大塚ビル) TEL.028-678-9117 FAX.028-638-5380
R & D セ ン タ ー 〒135-0042 東京都江東区木場1-1-1 TEL.03-3279-0771 FAX.03-3246-0645
JQA-EM4908 JQA-QM8795
技術センター
本カタログに記載された商品の機能・性能は断りなく変更されることがあります。
ROT-00-2407000-132-1.0-F19-CA