産業用ロボットの最新動向を紹介したホワイトペーパーです
【世界的に市場拡大 2018年に40万台へ ~協働ロボット、中小企業への普及がカギを握る~】
産業用ロボットの市場動向や、いま世界的に盛り上がり始めている協働ロボットの最新事情についてまとめたホワイトペーパーです。
産業用ロボットを検討している方、協働ロボットとは何かを知りたい方など、ロボットに興味がある方に最適です。
このカタログについて
ドキュメント名 | 産業用ロボット最新動向2016 |
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ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
ファイルサイズ | 456.7Kb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | アペルザ (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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産業用ロボット最新動向
世界的に市場拡大 2018年に 40万台へ
協働ロボット、中小企業への普及がカギを握る
世界で拡大するロボット市場。2018年に40万台に到達
IFR(国際ロボット連盟)の調べによると、今後の世界の産業用ロボッ
ト市場について2018年には40万台に達する見込みだという。中国や新興
国に加え、日本やアメリカ、ドイツといった先進国でも需要が旺盛。ドイ
ツのインダストリー4.0 をはじめ世界中で国内の製造業強化を図る動きが
ある。産業用ロボットはそのキーデバイスとして位置づけられており、市
場規模の拡大が確実だ。
世界におけるロボットの販売台数の推移をみると、2014年は22万5000
台。15年には 25万台を突破し、16年からは年率 15%の成長率で拡大。
18年には40万台に達すると想定されている。
需要をリードするのは、従来と同じ自動車や電子機器業界。IFRのバロ
ンセリ会長は「産業機器の世界的競争がロボット市場の急拡大を牽引(け
んいん)している。自動車と電子・電気分野のオートメーション化で64%
を占めている」と分析する。
実際に、自動車業界は14年に1年間で10万台を導入し、これまでの新
記録を更新。新興国の生産能力向上とバッテリー製造や自動車向け情報機器 出典:ユニバーサルロボットHPより
といったカーエレクトロニクス関連が支える。 http://www.universal-robots.com/ja/
エレクトロニクス産業も同様に前年の 34%増となる約 5 万台を販売して
新記録を樹立。特に家電や情報機器、コンピュータ、医療機器の製造におけるロボット需要が高まっている。
18年まではこれらの業界が、インダストリー4.0など製造業のデジタル革新とオートメーション化で市場をけん引。特
に人とロボットが協働する協働ロボット(協調ロボット)が普及の担い手になる。
また同時に新しい用途とマーケットの拡大もあり、中小企業がロボットを活用する時代が来る。特に金属や樹脂、食品
や包装業界でロボット導入が進むと IFRでは見ている。
最大の需要先は中国。前年比56%増
地域別では、今と変わらず中国が市場を
けん引する立場になりそうだ。
現在、中国では急速にオートメーション
化が進み、ロボット業界史上最も目覚まし
い発展を遂げている。14 年の販売台数は、
前年の56%増となる5万6000台で世界ト
ップ。18年には13万台超に達し、世界の
ロボット販売台数の3分の1を占めると見
られ、この勢いは当面続くと見られている。
出典:IFR(国際ロボット連盟)HPより
その背景にあるのが、中国のロボット普
及率と導入できるキャパシティの差。1万人あたりのロボットの導入台数は、日本の315台、ドイツの292台に対し、中
国ではまだ36台。日本やドイツと同程度の普及までにはかなりの余裕が残っている。
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一方、日本やドイツ、アメリカといった先進国でも導入意欲は高く、市場としても拡大基調。アメリカは、国家施策と
して国内製造業の強化と国内回帰を掲げており、オートメーション化が進んでいる。アメリカの1万人あたりのロボット
導入数は164台で、中国同様まだ伸びる余地がある。 ドイツはすでにロボット活用が進んでいるが、インダストリー4.0
で国内製造業の強化を実践中で、ロボットの導入にも積極的だ。14年には10%増の2万100台を販売するなど、拡大基
調が続いている。
人と並んで作業できる協働ロボットに期待大
自動車、電子機器以外の業界、中小企業への普及がカギ 協働ロボットに期待
日本はロボットメーカーの数が多く、ロボット大国と言われる。日本ロボット工業会の「ロ
ボット産業需給動向2015年版」によると、14年の出荷台数13万7334台のうち、国内出荷
台数は 2万8609台。台数ベースでは輸出が 8割超を占める。とは言え、国内市場が成熟し
きっているわけではなく、これから普及の本番を迎える。そこで課題となるのが、自動車や
電子機器以外の分野と、中小企業への拡大。その分野をターゲットとして各社が取り組んで
いるのが、安全柵で囲う必要がなく、人と並んで一緒に作業できる「協働ロボット」と呼ば
れるものだ。
協働ロボットとは、作業者の労働安全に配慮した機能が盛り込まれ、人と一緒に作業して
も安全だとリスクアセスメントで評価されたロボット。例えば、人や周辺の構造物に触れた
ら停止する機能や、衝突時の衝撃を和らげる安全カバーなどの安全機能を備えている。
これまで定格出力 80Wを超える産業用ロボットを導入する場合は、「労働安全衛生規則
150 の 4」によって、一律で安全柵や囲いを設けなければならないと規定されていたが、昨
年12月に国際規格に合わせる形で変更が決定。「リスクアセスメントにより危険のおそれ
ファナック、緑のロボット
がなくなったと評価できるときは協働作業が可能」とされ、労働安全が適切に確保できて
出典:ファナックHPより
いれば人とロボットの協働作業ができるようになった。
http://www.fanuc.co.jp/ja/pro
duct/new_product/2015/2015
ロボットメーカー各社、協働ロボットを製品化。ラインナップが揃う 03_kyoudourobot.html
これまでも協働ロボットやシステムは存在したが、最近は多関節の協働ロボットの動きが活発化。メーカー各社から次々
と製品が投入されている。
国内メーカーでは、ファナックは”緑のロボット”「CR-35iA」を発表している。同製品は35kgの高可搬タイプで、全
体が緑色のソフトカバーで覆われているのが特徴。このカバーによって衝撃を和らげ、挟み込みを防ぐ効果があるという。
重量物の搬送や部品の組み付けなどの用途で作業効率に有効だとしている。
カワダロボティクス「NEXTAGE」は双腕タイプの協働ロボッ
ト。画像認識システムを標準搭載し、人ひとり分のスペースで設
置できるオールインワンタイプ。80Wの低出力モーターを採用し、
規定変更以前から電子部品の組み立てラインなどで採用されてい
る。
不二越は、従来の多関節ロボットをさらに小型化した「MZ04」
を開発。80W以下の全軸定格80W以下の低出力モーターを使い、
安全柵が不要の協働ロボットとした。特徴は設置面積が A5 サイ
ズという省スペース。ローディングや検査、ピッキングなどのア
プリケーションで使われているという。 カワダロボティクス NEXTAGE
出典:カワダロボティクスHPより
https://www.kawadarobot.co.jp/
川崎重工業の「duAro(デュアロ)」は、双腕スカラの協働ロボ
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ット。2本の腕とスカラロボットという組み合わせで、シンプルな使いやすさを重視している。現場作業者 1人分のスペ
ースにそのまま収まり、さらにキャスター付きのロボット本体は設置や移動も簡単。レンタルやリースなどの新しいビジ
ネスもスタートしている。
また安川電機やデンソーウェーブ、エプソンなどそのほかの有力メーカーも、国際ロボット展等で協働ロボットを出展
し、内外にアピールしている。
協働ロボットで先行する海外メーカー。すでに導入・稼働実績も多数
海外メーカーでは、ABBが開発した双腕タイプの「YuMi」は、コンパクトで人と同等なサイズと形状で、動きも人に
近く、一緒に働く人にストレスを与えず、安全性と居心地の良さを感じさせる。静電気対策が施され、スマートフォンや
デジタル家電などの電子機器の組立工程を主要ターゲットとしている。
KUKAのインテリジェントなアーム型の協働ロボット「LBR iiwa」
は、7 軸全てにトルクセンサーを搭載し、繊細さと柔軟さを兼ね備えて
いる。最大可搬量 は 7キロと 14キロ の 2種類をラインナップし、人
とロボットが寄り添い、共に難しい作業をすることを可能にする。さら
に自律移動ができる「KBR iiwa」など、進化型も揃えている。
日本国内でも「すでに自動車や電気電子、医療、サービス産業から多
くの引き合いが来ている。現在は各社が自社における LBR iiwa の可
能性を試している段階だ。海外では実用レベルまで来ており、家電メー
カーの生産ラインでのねじ締めやモーターの組み立て業務に使われてい
る。もちろんKUKAのロボットの生産ラインでも使われている」
(KUKA星野泰宏社長)。 国際ロボット展でのKUKA KBR iiwa
また、デンマークに本社があるユニバーサルロボット(日本総代理店・グリーネプランニング)は、小型軽量の6軸多
関節タイプの協働ロボットを展開。フォルクスワーゲンやBMWといった世界的な自動車メーカで採用されている協働ロ
ボットを展開している。エンリコ・イバーセンCEOは現状について、「2015年は、前年比19%の伸びでエクセレントな
年だった。とても満足している。ヨーロッパと北米が好調で、アジアパシフィック地域も良い成長をしている。日本も著
しく伸びている国のひとつだ。他のメーカーも協働ロボットに参入し、同じ方向に目が向いている。ユーザーもオートメ
ーション化を考えたら協働ロボットを使うようになるだろう」と見ている。
■産業用ロボット市場に新規参入の注目メーカー
ライフロボティクス、ピッキングに特化した協働ロボットCORO
ライフロボティクス(東京都江東区富岡 2-9-11、☎03-6458-8258、尹祐根
CEO&CTO)は、ピッキング用の協働ロボット「CORO(koro)」で産業用ロボット
市場に参入する。
同製品は、独自の「トランスパンダーテクノロジー」によって肘回転関節がない6
軸多関節ロボット。安全柵のいらない協働ロボットで、人と並んで作業が可能。伸び
縮みして手先が移動し、アーム全体のシンプルな動作が特徴。動作に意外性がなく、
協働する人の危険予測を容易にし、導入に対する心理的ハードルを下げている。
簡単ティーチングで、一般の作業者でもティーチングが実施可能。人と同程度の専しやすいロボット動作となっている。
用途は化粧品や物流、食品業界等のピッキングを主とし、自動車や電機業界も視野に入れている。
同社は、東北大学や産総研でロボットアームの研究を続けてきた尹氏が 07 年に創業したロボットメーカー。人の近く
で動作し、人の支援や協働作業をする小型ロボットを「コ・ロボット」とし、協働ロボットの普及を目指している。
ライフロボティクスHP https://liferobotics.jp/
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