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盤制作の生産性を上げるヒント ~部品標準化、電気CAD導入など広がる効率化~
ものづくりを応援する業界紙・オートメーション新聞が展開する別冊「制御盤・配電盤ナビ」Vol.3ダイジェスト版は、制御盤・配電盤に関する各種情報をまとめたムック本です。
「盤制作の生産性を上げるヒント」がテーマの第3弾は、制御盤部品も標準化するオムロンの取り組みや、電気CAD利用のメリット、作業効率化やミス防止に役立つIoT、ウェアラブル端末など、盛りだくさんの内容でお届けします。
※ダウンロードされたお客様の情報は弊社プライバシーポリシーに則り協賛企業へ共有させていただきます。あらかじめご了承下さい。
【協賛企業】河村電器産業株式会社/B&R Industrial Automation株式会社/リタール株式会社/株式会社新愛知電機製作所/アンフェノールジャパン株式会社/株式会社壬生電機製作所/スワロー電機株式会社/相原電機株式会社/日東工業株式会社/EPLAN Software&Services株式会社
このカタログについて
ドキュメント名 | 制御盤・配電盤ナビVol.3 ダイジェスト版 |
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ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
ファイルサイズ | 5.9Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | アペルザ (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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別冊
制御盤・配電盤ナビ
Industorial Contorol Panel & Distribution Board Vol.3
特盤制作の生産性を
集上げるヒント
~部品標準化、電気CAD導入など広がる効率化~
制御盤部品も標準化へ オムロンの取り組み
電気CAD利用のメリットとは?
SOLIDWORKSなど電気CADにも新たな力
JSIA、制御盤のハード合理化に向けた中間報告
作業効率化に役立つIoT、ウェアラブル端末
株式会社アペルザ オートメーション新聞社
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INDEX
制御盤・配電盤ナビ vol.3
I N D E X
日本配電制御システム工業会、制御盤ハード合理化に向けた中間報告を発表 …………………………………………… 1
制御盤部品も標準化へ オムロンの統一コンセプト …………………………………………………………………… 2
盤製作の効率化、ミス防止に効果的 ……………………………………………………………………………………… 3
IoT、ウェアラブル端末を使った作業者支援
電気CAD利用のメリット QCDに目覚しい効果 ………………………………………………………………………… 4
電気CAD業界に新たな力 …………………………………………………………………………………………………… 5
機械と電気の統合のSOLIDWORKS、無料CADのDesignSpark Electrical
ノンフロン化が進む制御盤用クーラー …………………………………………………………………………………… 6
河村電器産業、防錆・強度を大幅に向上させた新キャビネット …………………………………………………………… 7
新たな加工サービス展開も
新愛知電機製作所、盤と機器の生産、点検サービスで無停電社会に貢献 ………………………………………………… 8
日東工業、協約形プラグイン小型動力分電盤 …………………………………………………………………………… 9
JECAフェア2016製品コンクールで経産大臣賞を受賞
リタール、小田原プロダクトサポートセンターを開設 …………………………………………………………………… 10
制御盤・配電盤ナビ vol . 3
発行所:株式会社アペルザ オートメーション新聞社 発行日:2016年11月28日 価 格:1000円+税
〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町23番地 日土地山下町ビル13F 電 話:045-228 -8873 FAX:045-345 -4790
メール:info@automation-news.jp オートメーション新聞WEB版 http://www.automation-news.jp/
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制御盤・配電盤ナビ vol.3
潮 流
日本配電制御システム工業会、
制御盤ハード合理化に向けた中間報告を発表
制御盤製作の合理化・効率化は、ハードウェアの製作や配線など、手作業の部分も多く、また制御プログラム作成といっ
たソフト技術など、その課題は多岐に渡る。この課題解決は、今後の日本がグローバル市場で競争力を維持する上で避
けては通れない。日本配電制御システム工業会(JSIA)では、2009 年に「PLC ソフトウェアの開発効率化の試験研究」
を行い、引き続き 2012 年からは「制御盤ハードウェア合理化に関する調査研究」を開始し、その成果として、「#1. 制
御配線の合理化調査研究」を 2014 年 9 月に発表した。このほど最終テーマである「# 2. 盤筐体、機器取付け、主回
路配線の合理化」の中間報告をまとめた。
2013年4月から取組んでいるこの調査研究では、国内 ル取付け薄型端子台など。
外の機器・部品・部材メーカーの最新の技術情報収集を行い ②制御機器
ながら、盤メーカーとしての課題を明確化し、有効な解決策 プッシュイン端子台リレー・ソケットはソケットを密着付けし
を探っている。 てもリレーの交換が容易にでき、盤面積も省スペース化にも
一口に制御盤といっても、機器内蔵用から専用加工組立てラ 貢献。
イン用、大型工場設備用、建築・公共設備用など多岐にわたり、
それぞれに構造・寸法の自由度や設置後の改造・増設の頻度、 ③主回路機器
同一仕様盤の生産数量などが異なる。 制御盤用小型配線遮断器(MCCB)は、フィーダ回路ごと
JSIA では制御盤メーカーの立場から、合理化に寄与すると に使用することが多く、横幅を小さくすることで盤の省スペー
見られる新技術や製品についての視点から次の5つに分類し ス化が大きく見込める。
検討した。 マニュアルモータスタータ(MMS)は、電動機回路の電源
1)省スペース視点からの合理化技術・製品 接続点に過電流保護機器や過負荷保護機器の設置義務に対
2)組立工数削減視点からの合理化技術・製品 して注目されているもので、45%の省スペース化につながる
3)改造・増設容易性の視点からの合理化技術・製品 効果を見込まれている。
4)信頼性・設置容易性の視点からの合理化技術・製品 電磁接触器、電磁開閉器は、設置面積、体積の大幅な小型
5)制御盤の新たな構成方法・アイデアの視点からの合理化 化が進んでおり、加えて省電力化も著しい。DC駆動では、
技術・製品 駆動中継リレーも不要で、さらに省スペース・省コストに貢
献する。
このうち、本稿では「省スペース視点からの合理化技術・
製品」と「制御盤の新たな構成方法・アイデアの視点からの 「制御盤の新たな構成方法・アイデアの視点からの
合理化技術・製品」について触れる。 合理化技術・製品」
省スペース視点からの合理化技術・製品 ①ジョーダクトシステム
グリッド配線(X配線)と35mmDINレール・H60mm
機器内蔵用から専用加工組立ライン用制御盤では、小型 取付け金具を組み合わせたこの盤内配線システムは、ダクト
化や設置スペースの省ニーズが強く、また、専用加工組立て を使用しないで、中板と機器間の空間を利用している。配線
ライン用や大型工場設備用制御盤では、盤設置後の改造や は横・縦・斜めに自由に通す背面配線方式で最短距離を実現。
増設への対応ニーズが強い。いずれも、小型化技術・製品ポ 盤面低減、冷却効果大、配線工数とEMCリスクの大幅低減、
イントは、幅・高さ・奥行き寸法、盤内の無駄なスペースの などの効果が見込める。
排除、盤内温度上昇の抑制などがあげられる。
そこで有効な技術・製品としてJSIA では以下のものを挙げ ②スケルトンラック
ている。 骨組み(スケルトン)のみアルミ押し型材3種で構成するこ
とで、専用の筺体やカバーを不要にしている。両面に機器を
①入出力インタフェース 取付けた立体的な配置と、配線ダクトが不要になることで約
制御盤と外部装置間は中継端子を介してケーブルで接続す 30%の省スペースが図れる。また、必要最低限の部材だけ
る。薄型化と多機能化になり、盤幅減に有効で、外部からケー での構築のためコストを削減でき、あらかじめピラーフレー
ブル経由で侵入するサージ電圧やノイズから盤内制御機器を ムに位置決め用の穴加工がされていることで、DINレール
保護できる。 をネジ止めするだけで済むなど、作業がスピーディに進む。
主な製品して、端子台とリレー・ソケットをプラグインで付け 強度や耐震性、フレームの加工精度など、課題も多いが制御
できる薄型SPD(サージ保護デバイス)、DIN35mmレー 盤に求められている課題解決方法の一つとして注目される。
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制御盤・配電盤ナビ vol.3
潮 流
制御盤部品も標準化へ オムロンの統一コンセプト
製造業では、あらゆる分野で標準化や規格化による効率向上や品質向上が試みられている。規格を統一することで、一定
の品質が担保され、ユーザビリティの向上が図られるケースも多い。国際標準規格でなくとも、メーカー社内で独自規格
を設けて仕様をあわせたり、他社の高シェア製品に製品寸法をあわせ互換性を高めたりするケースも多い。
オムロンが統一コンセプトの FA 機器を発売 により、全体最適が図られ、制御全体の設計のしやすさに寄
与すると考えられる。
制御盤分野でも「標準化」「規格化」のニーズは高い。設備 一方で、今回の新コンセプト製品群はオムロン製品の話で
メーカーや制御盤メーカー各社は、設備や制御盤の「小型化」 あり、他社製品や従来製品と混在して使用するケースが殆ど
「省スペース化」「グローバル対応」「信頼性向上」が求められ であろうと推測される。しかし、制御盤全体を網羅する製品
ながらも、「エンジニア不足」「短納期対応」といった課題へ 群を持つメーカーは世界を見渡してもほとんどなく、リレー
の対応が必要になっている。設備メーカーや制御盤メーカー やタイマ、カウンタなど高いシェアを誇る製品を持っていると
は電気CADの導入による設計の効率化や、製品自体の小型化・ いう同社の強みが最大限発揮され、ユーザーに還元できるソ
性能アップ、協力会社との緊密な連携など様々な工夫を行い、 リューションであるとも言える。
コスト削減に努めている。 ドイツの大手電気 CAD メーカー「EPLAN」、国内最大手の
その様な時流の中、制御機器大手オムロンは、2016 年 3 図研「E3 シリーズ」などにも部品ライブラリを提供している
月に商品仕様を共通の設計コンセプトで統一した FA 用制御 ほか、専用 WEB サイト「Panel Assist Web」をオープンし、
機器の第一弾として「プッシュイン Plus 端子台」「盤内用スリ 部品選定から制御盤における熱課題リスクを事前にチェック
ムタイマ」「監視リレー」「DIN レール端子台」「プッシュイン できる「熱シミュレーション」、端子台の選定、取り付けスペー
Plus 端子台リレー」など 20 カテゴリー、952 型式を発表。 ス、適合電線のチェックができる「端子台サポートツール」も
続いて同年9月には「スイッチングパワーサプライ」「プッシュ 提供する。
イン Plus 端子台対応押ボタンスイッチ、表示灯」「電力量モ また、制御盤の輸出サポートとして、グローバル対応も強化
ニタ」「マシンオートメーションコントローラ」など 7 カテゴリー している。UL、CE、CSA などの認証規格の取得はもちろん、
15,583 型式を第二弾として世界一斉に追加発売している。 グローバル主要拠点 35 カ国の緊急配送網を展開。欧州拠点
においては新商品
発売に合わせて、
既存商品も含めた
盤内機 器の標準
在庫機種・数量も
増やしている。
統一デザインの FA 機器群
統一コンセプトのメリットとオムロンの取り組み
統一コンセプトでは高さや縦幅などのサイズを極力統一する
ことで、モデルケースで組み合わせた場合、盤内の余分なスペー 統一デザインの FA 機器で製作した制御盤
スを従来比横 50%、上下 20%、体積 30% 削減できるという。 提供:因幡電機産業株式会社
また、オムロン独自の技術を備えた「プッシュイン Plus 端子台」
を配線方式に採用し、従来型の「ネジ端子台」と比較して工 今後の展望
具も不要で、増し締めなどもいらないなどの特性から 60% の 今後新コンセプト製品群が普及した場合、かつて光電セン
配線工数削減を実現している。前面からイン・アウトともに配 サの取付寸法で実際にあった様に、高シェア製品に他社製品
線できる設計で、配線作業やメンテナンスもしやすい構造にし が寸法を合わせ、実質規格化されたりするなども想定される。
ている。 また、現在日本国内で主流のネジ端子による配線接続が、欧
従来は各機器個別のスペックや省スペース化を追求し、他 州で主流のプッシュイン端子に置き換わるなども起こり得る。
社との差別化を行っていたが、実際は余剰スペースが発生して 新コンセプトの市場の反応と今後の各メーカーの動きに注目し
しまうなど、ロスが発生していたという。新コンセプト製品群 たい。
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制御盤・配電盤ナビ vol.3
潮 流
盤製作の効率化、ミス防止に効果的
IoT、ウェアラブル端末を使った作業者支援
いま組み立て製造業の現場では、IoT 技術を活用した作業者支援の導入が進んでいる。組み立て作業は部品の配置から
取り付け、配線・配管など作業が多岐にわたり、しかも部品や取り付け場所によってもやり方は異なる。それに対し、複
雑な作業を補助し、取り付けミスや作業方法に迷う時間のロスを減らすことで作業効率を上げる各種ツールが注目を集め
ている。特に多品種少量、カスタマイズに効果的で、盤業界にも広がる可能性がある。
りながら作業できるようになったという。また同社の場合、作
業確認者は複数の作業者の状況を同時確認できるようになっ
ていて、リーダーがメンバーの作業支援を行う場合などにも最
適となっている。
京セラコミュニケーションシステムは、スマートグラスを使っ
た作業の遠隔モニタリングをシステムとして提供している。現
場の作業者のスマートグラスと事務所の管理者の PC を同期
し、現場で見ているものがそのままパソコンに映し出される
環境を作り、管理者は画面に作業指示を書き込むと、現場の
これまで組み立て作業では、作業指示書やマニュアル、作 作業者のスマートグラスにもそれが出てきて、作業者はその通
業報告書が紙で存在し、作業者はそれを手元に置いて使って りに作業をするというソリューションとなっている。メガソー
きた。数年前からは紙がスマートフォンやタブレットに変わり、 ラーの保守点検作業の指示などに使われているが、製造現場
これまで紙だったものが電子化されていった。そして今注目 などにも応用できるとしている。
を集めているのが、ディスプレイとカメラ、通話機能を備えた
メガネ型のスマートグラスやヘッドマウントディスプレイなどの さらに進んだところでは、製品設計の際の 3D CAD データ
ウェアラブル端末。紙やタブレット端末と異なり、両手で作業 を製造や保守にも応用し、作業支援を行う例も出てきている。
をしながら見たり話したりできる。特に組み立て作業において 例えばイタリアの客船運行会社コスタ・クルーズは、AR
は、作業を中断せずにマニュアルを見て、管理者や他の技術 (拡張現実)技術を使って 3D を現実空間に重ねて映し、よ
者にアドバイスを求めることができ、作業効率化やミス防止に り具体的で分かりやすい形で作業者に見せることで作業効率
効果的と高く評価されている。 アップにつなげている。船内の設備メンテナンスの際、現実
に見えている風景に配管図の 3D モデルを重ねて表示。普通
例えば、群馬県邑楽郡にあるパナソニック大泉工場では作 では見えない部分を 3D モデルで補うことで作業のしやすさ
業員にヘッドマウントディスプレイを支給し、多品種少量生産 を助けている。
の効率化を実現。同工場では大小さまざまな業務用の冷蔵ケー また VR(仮装空間)を使った例も。ダッソー・システムズ
スを製造しており、多品種少量なので作業手順が複雑で、作 は先日中国で行われた製造業向けの国際イベントで、3D モデ
業員がやり方を忘れたり、取り付けミスが起きたりしていた。 ルを使って組み立て手順を再現できるソリューションを公開。
そうした問題に対しヘッドマウントディスプレイを導入し、ディ 作業者が実際の作業に入る前に、シミュレーションで何度も
スプレイにマニュアルを映し出し、手を動かしたまま目線をディ トレーニングして作業を体に覚えさせることで、作業のスピー
スプレイに向けるだけで作業内容を確認できるようになり、 ドアップやミスの防止につながるとしている。
作業ミスの減少や生産効率のアップにつながった。
また保守運用などフィールドエンジニアリングでもウェアラ
ブル端末を使った作業支援がはじまっている。
NTT データでは、データセンターの保守など IT 設備の運
用にスマートグラスを活用している。保守運用作業はスピー
ディーでミスのない作業が必須とされるが、データセンター内
のサーバーは何本ものケーブルがつながっていて、配線作業は
非常に複雑。さらに作業中に作業指示書やマニュアルを見た
り、作業報告書に記入する必要があり、従来の作業方法では
効率や安全性、正確性の面で問題があった。
同社ではそこにスマートグラスを使うことで、両手で作業し
ながら指示書を見たり、遠隔地にいる作業確認者と連絡を取
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制御盤・配電盤ナビ vol.3
潮 流
電気CAD利用のメリット QCDに目覚しい効果
日本では電気 CAD の普及が海外に比べて遅れているとも言われている。専門メーカーとして、電気設計者のみならず制
御盤・配電盤メーカーの多くの工程で業務効率・品質向上のためのソリューションを提供している統合電気 CAD「EPLAN」
を事例に電気 CAD のメリットと最新機能をまとめた。
そもそも電気専用 CAD を導入するメリットは? に対応した。これにより、AutoCAD ユーザーが行ってきた回
路図作成は「手書き」ではなく「取り込み」でできる様になる。
電気 CAD 導入のメリットとしては、大きく4つあると言われて PLC、インバータ、スイッチなど多くの製品に対してこの方法
いる による設計を実現することで、作図工数の削減はもちろん、メー
・エンジニアリングプロセスの時間短縮 カーが提供する正確なデータでの図面化を実現し、図面の標
・電気図面の整合性の保証 準化による視認性アップ、設計資産価値アップが期待できる。
・高品質なドキュメンテーション 「 インバ ー タの
・コストの大幅な削減 CAD 図面を簡単
機械設計同様、制御盤設計においても CAD の普及が進ん に探して図面に
でいる。ところが、日本国内で電気設計エンジニアが図面を 取り込む事がで
書く場合、機械 CAD を使い「手書き」を「コンピュータ」に きる」このこと
置き換えることが主目的になり、図面をデジタルする本来の 一つだけをとって
メリットを享受できていないケースも散見される。実際、機械 もエンジニアに
CAD では無く電気 CAD を導入することで、回路図、部品表、 とってはメリット
ケーブル接続図など多岐にわたる図面の統合管理が可能にな が大きい。
る。このことで、エンジニアリングプロセスの時間短縮はもち
ろん、電気図面の整合性も補償される。また、製品開発から 配線作業まで確実かつ簡単に
生産、組み付け、運用、保守点検までに至る各エンジニアリ 電気 CAD は電気設計エンジニアが設計に活用するだけで
ング段階で必要なすべての情報をプロジェクトの各工程に提供 はなく、後工程である「組立」「配線」の工程でもデータ活用
でき、手戻りの減少なども含めて、時間を含めたコストの大幅 が進められている。従来、制御盤組立の工程では「紙」ベース
な削減を可能にする。 で配線指示の図面が設計担当者からなされる場合が殆どで、
部品を「描く」のではなく「取り込む」という発想 作業中の確認も作業者がペンで記載して進めるケースが多い。
例えば「製品データをポータルサイトからダウンロードす 協力会社に作業委託する場合などは、大判出力のプリンタが
る」ということも、一つの工数削減の手法として提供されて 無く、図面を手で持ち運んだり郵送したりするケースもある。
いる。同分野のデファクトスタンダードサイト「EPLAN Data エンジニアにとっては当たり前に行っている図面出力工数も、
Portal」は 157メーカー、66 万機種(2016 年 10 月現在) データのデジタル化により削減する試みが始まっている。
の製品データが無料でダウンロードでき、部品を「取り込む」 EPLAN ではこの課題に対し「スマートワイヤリング機能」
ことができる。機械CADでも各メーカーが提供するCADデー を開発した。紙で出力する工数が削減できるのはもちろんだ
タを「図」として取り込む事はできるが、同サイトからの製品デー が、作業者は手元の端末で、実際に作業する部分の図面を簡
タを EPLAN に取り込んだ場合、外形データはもちろん、型番・ 単に呼び出すことができる。画面には配線の太さや端子形状
製品仕様・電気仕様なども一緒に統合管理できるようになる。 など、作業に必要な情報が表示され、作業者は表示された内
容に従って作業を進めることができる。完了確認なども端末
上で実現している。2017 年 3 月末には正式リリースを予定
しており、ユーザーに実際の便利さを実感してもらうためのフ
リートライアルを実施している。
装置設計の分野では、一般的に機械設計担当者の方が人
数も多く、エンジニアリングにおける上流の工程と捉えられる
ケースが多いため、設計環境の整備でも後工程となる電気設
計者の環境整備は機械設計向け環境に比べ後回しになってし
まうケースも多い。ただし、電気設計分野において専用 CAD
を導入することが、電気設計者の工数削減や制御盤製作トー
当初は EPLAN ユーザー向けサービスであったが、2016 タルにおいて工数・コスト削減と、製品品質向上につながる
年 5 月には全てのエンジニアがオンライン登録するだけで、無 という実例が日増しに増えている。エンジニアの人材不足が今
料でアクセスできる様にサービスを拡大、CAD データフォー より深刻になる前に IT 投資を検討し、対策を打つべきではな
マットとしてデファクトスタンダードともいえる「DXF 形式」 いだろうか。
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制御盤・配電盤ナビ vol.3
潮 流
電気 CAD 業界に新たな力
機械と電気の統合の SOLIDWORKS、無料CADの DesignSpark Electrical
もっとも手軽で確実に盤設計を効率化する方法は CAD を使うこと。盤設計において機械設計で CAD は当たり前に
使われているが、実は電気 CAD の普及率はまだ不十分。機械 CAD で配線図を書いていたり、紙図面で対応していたり
とアナログなやり方が残っている。それに対し電気 CAD メーカー各社は提案を強めるなか、電気 CAD 市場に新たなプ
レイヤーの存在感も増している。
SOLIDWORKS が提供する電気 CAD う場合にも、ユーザー企業の段階に合わせて選ぶことができ
電気と機械の統合環境を実現 る。すべての環境を統合する完全3次元統合から、電気回路
図の開発だけを機械設計環境と統合するものまでパッケージ
SOLIDWORKS は 世 界 で 320 万人のユーザーが い る が用意されている。
3D CAD の世界トップブランド。主として機械設計用途と
なるが、2012 年 8 月にアメリカとヨーロッパで、電気 CAD 無料で使える本格的な電気 CAD
「SOLIDWORKS Electrical シリーズ」をリリースし、電気 DesignSpark Electrical
CAD 市場に参入した。SOLIDWORKS Electrical シリー 電子・電気部品、産業用部品の通信販売を行っているアー
ズは、電気設計市場で 20 年を超える経験を持つTrace ルエスコンポーネンツは、2015 年 9 月から無料で使える電
Software 社の「eleworks」をベースに開 発された電 気 気制御設計 CAD「DesignSpark Electrica(l デザインスパー
CAD で、発売当初から好評で、日本では 2013 年春から販 ク エレクトリカル)」を提供している。
売している。 DesignSpark Electrical は、制御機器の電気設計を行
SOLIDWORKS Electrical は、電気設計と機械設計を統 う無料 CAD ツールで、直観的で解りやすい操作性によって特
合したプラットフォームで、電気システムの計画に使用する単 別なトレーニングを受けなくても誰でも制御機器の CAD 設
線図および複線図ツールを備えている。同じ環境で設計でき 計を始めることができる。これまで電気 CAD には、導入時
るため、強力なコラボレーションによって設計効率が上がるだ にかかるコストと、使いこなせるようになるまでのトレーニン
けでなく、データの再利用や修正、更新などにも便利だ。 グが大きなハードルとされていたが、この2つを解決したのが
例えば共通の環境で設計するため、干渉の可能性を早い段 DesignSpark Electrical だ。CAD を導入できなかった中小
階で見つけることができ、手戻りや試作の手間を減らすことが 企業、新規参入企業でも、高品質な制御システム開発が可能
できる。また BOM(部品表)の作成は、従来の2次元 CAD となっている。
の場合、手作業で部品表を作る必要があったが、同製品を使 DesignSpark Electrical は、オムロンをはじめとする国
うと 50 万点以上のライブラリから簡単・正確な図面を作り、 内外主要メーカーの 25 万点超の電気・制御部品の CAD ライ
部品表も自動生成される。 ブラリを標準搭載している。それらを組み合わせて、電気回
路・配線・制御盤レイアウトを設計することができる。回路
図/配線図/レイアウト図/部品表で部品番号が連動してい
るため、修正が頻発するプロジェクトでも部品番号の一貫性を
完全に保つことができる。手間取る部品の見積もりや購入も、
アールエスコンポーネンツのオンラインサイト「RS オンライン」
に連動しているツール上の「Quote(見積もり)」機能で簡単
に行うことができる。
表示言語は日本語を含む 14 言語に対応し、図面は JIS・
ANSI・IEC といった国際規格をサポート。英語に不慣れな初
心者ユーザーから、海外パートナー企業と設計データを共有
したいビックプロジェクトのユーザーまで幅広く使うことがで
きる。同社は今後、部品ライブラリやリファレンスデータの拡
充を行っていく。
また電気設計では、従来は電気や空気圧・油圧などの回路 DesignSpark Electrical は、同社が開発・運営するエン
図設計が完了してから機械設計に戻すというプロセスだった ジニア向けコミュニティーサイト「DESIGNSPARK(デザイン
が、同製品を使えば回路図設計と機械設計を同時進行で行っ スパーク)」内の専用ページ http://www.rs-online.com/
て統合するので圧倒的にスピーディーな設計が可能になる。 designspark/automation/designspark-electrical-jp)
とは言え、いきなり統合環境は複雑でハードルが高いとい から無料でダウンロードできる。
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採用情報はこちら
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●電話/大阪 06(6707)3456(代表) ●FAX/06(6799)1234
ISO9001:2008 認証取得
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Industrie4.0への対応:
設計のグローバル対応 One Design
ドイツに本社を置くEPLANは世界最大の統合電気 CAD専門メーカーで
30年以上に渡りグローバルに EPLAN製品を販売しております。
すでに 45,000のお客様と 120,000ライセンスを導入させていただいております。
世界の製造業では、ヨーロッパ、特にドイツを中心に Industrie4.0という次世代の
産業革命と呼ばれる「ITと生産の融合」を進めています。
その中で日本の製造業は新興国の台頭によりより価格競争にさらされているのが現実であり、全社的なコストの
削減、マーケットの拡大が至上命題になっております。
そこで私ども EPLAN社は、コスト削減の一環として「設計のグローバル対応」をご提案させていただきます。
具体的には、ひとつの言語、規格、ロジックで設計をし、ワンタッチ変換で仕向国ごとの言語、規格にあった
図面を自動で生成いたします。今まで仕向国の数だけ図面を作成していたのが自動で作成することで大幅な製作
時間の短縮、しいてはコスト削減につながるソリューションです。
その他にも設計の効率と品質向上につながる製品がございます。
詳しくは以下にご連絡ください。弊社エンジニアがご対応させていただきます。
EPLAN Software & Services 株式会社
〒222-0033 横浜市港北区新横浜 2-5-11 金子第一ビル 7階
TEL:045-274-7904
Mail:info@eplanjapan.jp
URL:www.eplanjapan.jp
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