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生産性、労働力不足の解決へ。広がるニーズと最新動向をご紹介。
ものづくりを応援する業界紙・オートメーション新聞の別冊「産業用ロボットナビ」Vol.3【完全版】は、産業用ロボットの最新動向をまとめたムック本です。
THK、エプソン、旭化成、イノフィスなど各社インタビューやロボット各社の最新動向など盛りだくさんの記事を掲載しています。
<掲載内容>(一部抜粋)
○産業用ロボット世界需要動向 新たに170万台の需要創出へ
○2017年ロボット導入実証事業 三品業界への導入増加
○ロボットシステムインテグレータのためのスキル標準&導入プロセス標準
など
※ダウンロードされたお客様の情報は弊社プライバシーポリシーに則り協賛企業へ共有させていただきます。あらかじめご了承下さい。
【協賛企業】エプソン販売株式会社、株式会社妙徳、株式会社安川電機、IDECファクトリーソリューションズ株式会社、B&R Industrial Automaion株式会社、アンフェノールジャパン株式会社、KUKAロボティクスジャパン株式会社、日本マイクロソフト株式会社、ユニバーサルロボット
このカタログについて
ドキュメント名 | 「産業用ロボットナビ」Vol.3【完全版】〜現場はロボットで大きく変わる〜 |
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ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
ファイルサイズ | 6.1Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | アペルザ (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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別冊
Vol.3
Industrial Robots , Collaborative Robots , Industry4.0 , Smart Factory
生産性、労働力不足の解決へ
現場はロボットで
大きく変わる
~広がるニーズと最新動向~
インタビュー
THK、エプソン、旭化成
日本ロボット産業、8000億円へ
現場導入が進む食品、薬品、化粧品業界
人手不足の解決策・パワーアシストスーツ
KUKA、ロボット簡単導入へパッケージ化
コンバム、ロボットハンド・キット
安川電機、ファナックなどロボット各社最新動向
株式会社アペルザ オートメーション新聞社
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INDEX
産業用ロボットナビ Vol.3
I N D E X
産業用ロボット世界需要動向 新たに170万台の需要創出へ …………………………………………………………………… 1
日本ロボット産業の市場動向 8000億円市場は目の前に ……………………………………………………………………… 2
2017年度ロボット導入実証事業 三品業界への導入増加 ……………………………………………………………………… 3
ロボットシステムインテグレータのためのスキル標準&導入プロセス標準 ……………………………………………… 4〜 5
ロボットSI事業参入・拡大に向けた補助金採択先78件 ……………………………………………………………………… 6〜 7
[インタビュー]THKが進めるロボットハンド標準化 現場利用にこだわったハンド開発へ
THK株式会社・THKインテックス株式会社 ………………………………………………………………………………… 8〜 9
[インタビュー]力覚センサー、小型スカラ、省スペース多関節 3本柱でロボット未導入現場の高度化をサポート
セイコーエプソン株式会社・エプソン販売株式会社 …………………………………………………………………………… 10
[インタビュー]伸びて縮んで曲がって強い 配線の常識を変えるロボットケーブル「ロボ電」
旭化成株式会社 …………………………………………………………………………………………………………………… 11
[インタビュー]作業員を腰痛から守り、労災・人不足を解消する累計3,000台出荷のパワーアシストスーツ
株式会社イノフィス ……………………………………………………………………………………………………………… 12
IDECグループのロボットシステムインテグレータ、IDECファクトリーソリューションズ ……………………………… 13
真空機器メーカーが手がけるロボットハンド「コンバム・ロボットハンド・キット」提案開始 ……………………………… 14
「人手不足の解決策」としてのパワーアシストスーツ導入 ……………………………………………………………………… 15
製造業の国内生産の維持に不可欠な協働ロボットの役割 …………………………………………………………………… 16
KUKA、ロボット簡単導入をサポート 用途に合わせたパッケージ Ready2_use ………………………………………… 17
シュマルツ、小型ロボット向け小型真空ポンプ エア・配管レスで吸着搬送を手軽で実現可能に ………………………… 18
安川電機、“i³-Mechatronics”始動 産業自動化革命の実現に向けた新ソリューションコンセプト
ファナック、FIELD systemサービス開始 製造現場に特化したIoTプラットフォーム …………………………………… 19
ABB、東海道新幹線のメンテナンスをロボットで自動化
川崎重工業、電気・電子業界、食品業界向け小型汎用ロボット新発売 …………………………………………………………… 20
三菱電機、新型ロボット「MELFA FRシリーズ」 高度知能化と人ロボット協働
ヤマハ発動機、1台のコントローラで複数のロボットを統合制御 ……………………………………………………………… 21
パナソニック、三次元距離センサ「3D LiDAR」開発
オムロン、制御機器×オートメーション×ロボットで現場革 …………………………………………………………………… 22
ダイヘン、高速化・スリム化・可搬重量アップ 万能型ロボット「FD − VB8」
デンソーウェーブ、小型軽量コラボレートロボット、小型・高精度スカラロボットなど …………………………………… 23
産業用ロボットナビ Vol.3 発行所:株式会社アペルザ オートメーション新聞社 発行日:2017年11月29日
〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町23番地 日土地山下町ビル13F 電 話 : 045 -228 -8873 FAX : 045 -345 -4790
メール : info@automation-news.jp オートメーション新聞WEB版 http://www.automation-news.jp/
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産業用ロボットナビ Vol.3
潮 流
産業用ロボット世界需要動向
新たに170万台の需要創出へ
国際ロボット連盟(IFR)によると、世界の工場で稼働するロボットの台数は、2020 年までに 300 万台に達し、
170 万台もの新たな需要が見込まれると発表した。その中心はアジア、特に中国が牽引し、日本はロボット製造国と
して生産能力を増強しているとまとめた。
産業用ロボットは、柔軟な生産を実現し、新しいビジネスサ 韓国は世界で 2 番目の規模を持つ市場。特に電気・電子産
イクルに対応する 業によるロボットへの大規模な投資により、年間売上高が大
ための不可欠な自動化装置として世界中で需要が拡大してい 幅に増加し、16 年は前年の 8% 増となる約 4 万 1400 台が
る。IFR のジョー・ジェマ会長は「ロボットは高精度を提供し、 販売された。韓国は世界で最も高いロボット密度を持ち、製
その接続性は新しいデジタル製造環境で重要な役割を果たす。 造業従事者 1 万人に対して 630 台のロボットが導入されてい
可用性の向上により、あらゆる規模の企業のメーカーがますま る。特にディスプレイ産業と半導体メモリ製造を中心に導入が
す自動化されるようになる」としている。 進んでいる。
需要傾向について、産業用ロボットは 16 年末で 188 万 2 日本は 15 年の 10% 増となる 3 万 8600 台で、過去最高
千台が世界の工場で稼働しており、これが 20 年までに 305 を更新。日本は世界的なロボットメーカーが数多くあるロボッ
万 3 千台まで増加。年間平均で 14% の成長と推定している。 ト製造大国。世界的な需要増に対して生産能力も拡充し、16
地域別ではアジアが需要の中心となり、20 年には約 190 年には 10 年の 7 万 3900 台から倍増となる15 万 2600 台
万台のロボットが稼働し、そのうち 95 万台は中国が占めると を製造できる。これは 16 年世界供給の 52% を占める。
見込んでいる。 アメリカは、前年の 14% 増の 3 万 1400 台を導入。産業
競争力の強化のために自動化が進み、さらに海外から工場を
世界トップ 5 市場動向 中・韓・日・米・独 呼び戻すための大規模投資によってロボット導入が盛んになっ
世界のロボット需要のトップ 5 は、1 位が中国、2 位が韓国、 た。アメリカで使われるロボットのほとんどは日本や韓国、ヨー
3 位が日本、4 位アメリカ、5 位がドイツとなっている。2016 ロッパからの輸入となっている。
年末の世界販売台数では、この 5 国で 74% を占めている。 ドイツは世界第 5 位のロボット市場であり、欧州では最大の
中国は 16 年に世界販売台数の 3 分の 1となる 8 万 7 千台 市場。16 年の販売台数は前年並みの 2 万 39 台。しかしなが
を販売。これはヨーロッパとアメリカの合計販売台数とほぼ同 らヨーロッパではトップで、域内の 4 割近くをドイツが占めて
じ規模。ファナック、安川電機、ABB、KUKA の世界 4 大 いる。
ロボットメーカーのシェアが圧倒的で、これらを中心とした日
本やドイツなど海外メーカーのロボットが約 7 割を占めている。
これに対して中国政府は国内メーカーの育成と保護を図ってお
り、16 年には中国メーカー製品はシェアを 30% まで伸ばして
きている。
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産業用ロボットナビ Vol.3
潮 流
日本ロボット産業の市場動向
8000億円市場は目の前に
いまロボット産業は国を挙げて振興が図られ、社会的な関心も高く、需要も拡大していると聞く。では、実際に日
本のロボット産業はどれだけの市場規模があり、どんな推移を見せているのか ? 日本ロボット工業会(JARA)の統
計数値から考える。
日本ロボット産業、市場規模 8000 億円突破へ
日本のロボット産業の市場規模について、日本
ロボット工業会によると同会の会員と非会員の合
計値で 15 年の年間生産額は 5321 億 3200 万
円、16 年は 5466 億 2400 万円と増加している。
17 年は第 3 四半期の時点で 5203 億 7900 万
円と過去 2 年の年間生産額に匹敵する額となっ
ており、このままいくと年初の予想である 7500
億円を大幅に上回る 8000 億円を突破するのは
確実と見られている。
出典 : 日本ロボット工業会
輸出産業のロボット 最重要市場は中国。アメリカも拡大中
ロボット産業は輸出産業と言われ、実際に国
内出荷と輸出の割合は 3:7 で輸出の方が多い。
2016年の国内出荷額は1665億9900万円だっ
たのに対し、輸出額は約 2.3 倍となる 3879 億
7200 万円。世界的な需要の高まりに合わせてそ
の比率は年々拡大している。
仕向け先については、中国が圧倒的に多く、次
いでアメリカ、韓国、ドイツ、台湾と続く。中
国への輸出金額は 1744 億 600 万円(前年比
11.3% 増)で総輸出額の約 35% を占め、最も
重要なマーケットとなっている。アメリカも年々
輸出額が拡大し、16 年は初めて 1000 億円突破
となる1067億 5900 万円(同 7.1% 増)となった。
半導体やディスプレイ製造が盛んな韓国も拡大傾 出典 : 日本ロボット会
向の 464 億 100 万円(6.1% 増)だった。
直近の 3 四半期は過去最高を更新中
直近の需要について、日本ロボット工業会が発表した17 年 総出荷台数、総出荷額、輸出額においても、四半期ベース
7~9 月期の産業用ロボットの統計受注・生産・出荷実績(会員 で過去最高値を達成。総出荷台数は前年同期比 49・3% 増
ベース 32 社)によると、受注台数は前年同期比 39・5% 増 の 56258 台で 17 四半期連続のプラス、総出荷額は同 39・
の 5 万 1768 台で 8 四半期連続のプラス、受注額は同 25・ 9% 増の 1960 億円で 5 四半期連続のプラスとなり、いずれ
9% 増の1782億円で 5 四半期連続のプラスとなり、受注台数、 も記録的な伸びを続けている。
受注額ともに 7~9 月期で過去最高値となった。生産台数も同
44・9% 増の 5 万 5998 台で 17 四半期連続プラス、生産額
は同 34・4% 増の 1891 億円で 5 四半期連続のプラス。生産
台数、生産額ともに、こちらは四半期ベースで過去最高値を
記録した。
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産業用ロボットナビ Vol.3
潮 流
ロボット普及に向けた基盤整備進む
ロボットSI事業参入・拡大に向けた補助金採択先78件
労働人口の減少と生産性向上の課題解決に対する産業用ロボット活用について、実際の現場へのロボット導入を担
うロボットシステムインテグレータ(SI)の不足が問題となっている。それに対し経済産業省と日本ロボット工業会は、
SI 育成事業について補助金の交付を決定。第 1 次募集と追加募集の分を合わせて、採択先 78 件を公開している。
「ロボット導入促進のためのシステムインテグレータ育成事 せる拠点として期待される案件が採択。東北地方における常
業」は、ロボット普及のカギを握る SI に対して、新たに SI を 設ロボットセンターを目指すマトロ(宮城県角田市)、北関東
目指す企業や既存の SI の事業拡大に対して補助を行うもの。 において製造・物流用ロボット導入と IoT 化の支援を組み合
育成事業は 3 つの事業を対象とし、ロボット SI を新規事業 わせた FA プロダクツ(東京都港区)、東海北陸地方における
とする、または既存事業からの拡大を目指す計画「A・ロボッ メカトロニクス(岐阜県飛騨市)など。さらに機能や特徴に
ト SI 事業参入・拡大型」、ロボットの展示と操作や安全教育 特化したショールームとしてビルメンタナンス・清掃ロボット
の場所や講習計画に向けた「B・ロボットセンター開設型」、 に絞ったアクティオ(東京都中央区)、ビジョンと知能化を組
汎用的な現場の課題解決のためのロボット活用法を考える「C・ み合わせたロボットの三次元メディア(滋賀県草津市)など。
ロボットシステムのモデル構築型」に対し、最大 5000 万円(B アプリケーションに特化した拠点としても、食品産業向けの
類型)を交付する。今回採択された78 件は、A 類型が 42 件、 ケイズベルテック(東京都足立区)やイシダ(京都市)、協調
B 類型が 17 件、C 類型 19 件となった。 安全ロボットに特化した IDEC ファクトリーソリューションズ
新規参入・事業拡大を目指すロボット SI 42 件 (愛知県一宮市)、溶接に特化したアスカ(愛知県刈谷市)な
A 類型では、例えば形やサイズが不揃いで柔らかい農水産 どが採択された。
物に対するハンドリング技術の開発(ニッコー、北海道釧路市) 具体的な用途を実現するシステム化 19 件
や、衛生・効率的な製麺ロボット(スズキ麺工、岡山県浅口市) C 類型は、岩手産業振興センター・アイシーエス(岩手県
といった 3 品産業から、ばら積みワークの自動プレス加工す 盛岡市)による水産加工用ロボットシステムや知能化ロボット
るシステム(しのはらプレスサービス、千葉県船橋市)、ロボッ システムのリンクウィズ(静岡県浜松市)、マルゴ工業のテー
トとリニア搬送を組み合わせた包装ライン(京都製作所、京 プ貼り作業ロボットシステム、オフィスエフエイ・コムによる
都市)、ビジョンセンサ活用によるロボット未活用領域への導 ORiN 活用による IoTロボット導入パッケージ(栃木県小山
入促進(松栄テクノサービス、愛知県長久手市)、物流分野へ 市)、AUC のバイオ研究の作業自動化ロボットシステム(群馬
のロボットシステム提案(ロボコム、東京都品川区)、地域産 県安中市)、MUJIN の物流における多品種デバニングロボッ
業のためのロボット提案拡大(宮脇機械プラント、兵庫県明 トシステム(東京都墨田区)、大沢工業の中小食品製造業向け
石市)、ロボット SI 事業基盤の確立(栄工社、広島県福山市) ロボット検査システム(神奈川県相模原市)など、具体的な
など、未活用領域や SI としての新規事業参入など多種多様な アプリケーションに落とし込んだロボットシステムへの補助が
取り組みが揃った。 行われた。
ロボットを見て触れて試せる拠点整備 17 件 ■詳細は日本ロボット工業会のホームページから確認できる
B 類型では、各地方においてロボット実機を見られる、試 http://www.jara.jp/
事業名 事業者 地域
食品製造業向けシステム提案及び構築技術向上事業 株式会社シンテック 新潟県新潟市
多関節ロボットと付帯NC機器を融合する機械加工ロボットシステムの提案 メカトロ・アソシエーツ株式会社 石川県小松市
食品業界へのロボットSI事業拡大を目的とした食品用マニピュレータ開発 株式会社オフィス エフエイ・コム 栃木県小山市
人協調ロボットのAI化と共通プラットフォーム化によるロボットSI事業参入 システムセイコー株式会社 群馬県高崎市
ロボットによるバラ積ワークの自動プレス加工システムの商品化 しのはらプレスサービス株式会社 千葉県船橋市
病院物流を効率化する搬送ロボットのSI事業参入 株式会社エフエスユニマネジメント 東京都港区
高精度センサを用いた緻密組立ロボットシステム構築技術習得 株式会社日本設計工業 静岡県浜松市
実験機導入による顧客への開発支援事業とロボット操作技術の向上 株式会社モス 静岡県静岡市
A
陶磁器製造作業向けロボットSI事業拡大 高浜工業株式会社 愛知県高浜市
バラ積みロボットの環境構築と導入検証サービスによる事業拡大 株式会社明和eテック 愛知県豊田市
ロボット減速機部品の3次元バリ取り作業向けロボットSI事業参入 株式会社田口鉄工所 岐阜県大垣市
視覚装置と連動したロボットシステム構築技術習得 日晃オートメ株式会社 岐阜県各務原市
ロボットとリニア搬送システムを組み合わせた次世代包装ライン設備の提案 株式会社京都製作所 京都府京都市
ボビン装脱着システム開発による協働型ロボットSI技術高度化 株式会社HCI 大阪府泉大津市
社内検証システム構築による人手作業のロボット化SI事業拡大 株式会社ケイエスエス 兵庫県神戸市
中小企業向け知能化ソリューション提案事業 三光電業株式会社 広島県広島市
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潮 流
2017年度ロボット導入実証事業
三品業界への導入が増加
経済産業省と日本ロボット工業会は、2017 年度のロボット導入実証事業についての補助金採択先 55 件を決定し
た。このうち主に中小企業、三品産業とサービス業を対象とした未活用領域への導入を支援する A 類型は 25 案件が
採択された。特に食品・医薬品・化粧品の三品産業が高い関心を寄せている。
A 類型での採用が多かったのが、三品産業の製造ラインに ど。ANA エアポートサービスの案件は、重量と大きさ、形状
おける単純作業での用途。ここは地方の中小企業が多く、労 さまざまな手荷物を機内に搭載するコンテナへの積み込み工
働集約型で自動化が進んでいない上に、人手不足による影響 程に対してロボットを利用するとしている。
が深刻化している。 革新的な考え方で、その実現可能性を調査する FS(フィジ
具体的な作業としては、弁当・惣菜パックのフタを閉める作 ビリティスタディ)案件も 4 件採択。ロボットと AI によるトマ
業、ハムソーセージを包装機械に投入する作業、洋菓子の成 トの熟度選別システム、自動荷役システム、屋根の塗装作業、
形型へのクッキングシートの供給、即席麺用チャーシュー供給、 鉄のスクラップ解体作業に対するロボット化とな っている。
真空冷凍パックの箱詰め、少量多品種の化粧品のビニール袋 このほか、より効率的で安価にロボットを導入できる手法の
詰め、製品の整列作業など。単純な作業がほとんどで、一部 確立を目指す B 類型は 22 案件。2020 年に向けて空港や駅、
に協働ロボットの利用案件があるが、垂直多関節ロボットやパ ホテル、商業施設、飲食店など公共空間でのロボット実証をす
ラレルリンクロボットなど従来型のロボットを使って大胆に変 る C 類型は 8 件が採択された。
える案件が目立つ。 ■採択案件の一覧は日本ロボット工業会のホームページで確認
また工場内や物流倉庫内のピッキングや重量物の上げ下ろ できる
し作業の効率化の案件も散見。レトルト製品のパレット積みな http://www.jara.jp/hojyo/koubo/saitaku_kekka3.pdf
平成 29 年度ロボット導入実証事業 採択案件 A 類型 : 未活用領域における導入実証・FS 事業
事業名 導入者 ロボットSI
画像処理技術により重量計算を行う焼鳥整列ロボットシステム コスモジャパン シンセメック
弁当・惣菜製造ラインにおける蓋閉め工程の自動化 タマムラデリカ ワイ・イー・データ
少量多品種化粧品のパウチビニール袋詰め工程のロボット化 ビーテック グローリー
空港内手荷物のバックヤードにおける搭載工程へのロボット導入 ANAエアポートサービス チェンジ、メイキコウ、マイクロ・テクニカ
倉庫における自律走行型ピッキングロボットの導入実証 シーオス シーオス
食堂における調理から提供までの一連作業のロボット化 西洋フード・コンパスグループ ノエックス
自走式点検ロボットと人工知能技術を組み合わせた死亡鶏検知システム ノエックス 大豊産業
包装機へのハム・ソーセージ製品投入ロボットシステム 日本ハムファクトリー ライフロボティクス
不規則に配置されたレトルトパウチ製品の整列作業の高速ロボット化 セントラルパック タクト
次世代マイクロニードル化粧品の高度精密生産へのロボットの導入 コスメディ製薬 三菱システムサービス、ファスト
食品スーパーにおける飲料自動陳列作業のロボット化 八百彦商店 ロボプラス、アルファス
人協調ロボットとパレットストレージ導入による医療用分包紙検査作業環境の改善 タカゾノ キムラ電機
免疫検査抗体製造における凍結真空乾燥準備工程へのロボット導入 トラストメディカル トラストメディカル
熊野筆の技術を生かしたネイル筆製造工程のロボット化 北斗園 ソリトンコーポレーション
ロボットによる食品の重量検査作業とパレタイズ作業の標準化 堂本食品 ヒロテック
人協調ロボットとパラレルリンクロボットを組み合わせたラベル貼付システム タカキベーカリー サトー
洋菓子成形型へのクッキングシート供給作業のロボット化 五洋食品産業 サトー、福陵技研
飲料製品の製造工程における菌数検査ロボットシステム コカ・コーラウエスト サンワテクノス
即席麺用チャーシュー供給作業へのロボット導入 西野物産 T・プラン
真空冷凍パックの箱詰めから箱の積み付けまでの一連工程のロボット化 ナカガワフーズ タイヘイテクノス、モアコンセプト
少量多品種生産に対応したレトルト製品パレット詰み工程のロボット化 釜屋 タイヘイテクノス、モアコンセプト
【FS】ロボットと人工知能技術を組み合わせたトマトの熟度自動選別FS 東京デリカフーズ オフィスエフエイ・コム
【FS】物流倉庫における自動荷役ロボットシステムFS トランスシティロジスティクス中部 パワービー
【FS】屋根塗装作業のロボット化FS 竹延 ロボプラス、HCI
【FS】鉄スクラップ解体作業のロボット化FS シマブンコーポレーション ロボプラス、髙丸工業
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産業用ロボットナビ Vol.3
可搬式ロボットシステムを用いた出前教育による導入促進 有限会社ICS SAKABE 福岡県北九州市
農水産物特有の不定形・柔軟物ハンドリング技術の高度化 株式会社ニッコー 北海道釧路市
中小菓子製造業向け少量多品種対応ロボット生産ラインの展開 株式会社ASCe 北海道札幌市
独自ねじ締めシステムとロボットを組み合わせたロボットSI事業 有限会社サワ 岩手県花巻市
水産加工工程での不定形・柔軟物原料の搬送ロボットシステムの展開 株式会社ピーアンドエーテクノロジーズ 岩手県盛岡市
機械加工分野へのSI事業進出とロボット導入前サービスの展開 ロボットエンジニアリング株式会社 群馬県前橋市
検査・制御技術と連動した物流プロセス自動化ロボットシステム提案事業 株式会社トムスシステム 群馬県前橋市
物流分野の技術課題に対応したロボットシステム設計提案事業 ロボコム株式会社 東京都品川区
鋳型製造業向けロボットSI事業への本格参入 株式会社松下工業 静岡県磐田市
非接触・非破壊での残留応力計測ロボットシステムの提案 パルステック工業株式会社 静岡県浜松市
目視に代わる外観検査装置をコアとしたロボットSI事業の拡大 オーム電機株式会社 静岡県浜松市
シミュレーションシステム構築によるロボットSI事業の拡大 株式会社豊電子工業 愛知県刈谷市
衛生陶器のバリ取り及びならし作業向けロボットSI事業への参入 鍛治島工業株式会社 愛知県常滑市
A
ビジョンセンサを活用したロボット未活用領域への導入促進 松栄テクノサービス株式会社 愛知県長久手市
炭素繊維プラスチック製品製造工程の二次加工ロボットシステムの展開 スターテクノ株式会社 愛知県名古屋市
多軸ロボットと自律搬送システムの連携によるロボットSI事業 HILLTOP株式会社 京都府宇治市
金属表面処理作業へのロホ ッ゙トSI事業参入 株式会社加美機工 大阪府松原市
協調ロボット活用によるセンシングシステムロボットSI事業参入 棚橋電機株式会社 大阪府大阪市
ボイルパスタ自動計量小分けロボットシステムの提案 細田工業株式会社 大阪府八尾市
地域産業のためのロボット自動化提案拡大事業 宮脇機械プラント株式会社 兵庫県明石市
衛生・効率的な製麺提供ロボットシステムの展開 株式会社スズキ麺工 岡山県浅口市
多関節ロボットを用いた溶接ビード検査装置の事業拡大と人材育成 コアテック株式会社 岡山県総社市
人協調ロボットによるSI事業を通した地域のロボットSI事業拡大提案 株式会社ヒロテック 広島県広島市
事業者ニーズに対応した提案型ロボットSI事業実施基盤の確立 株式会社栄工社 広島県福山市
海苔生産現場の課題に着目した柔軟物対応ロボットSI事業の提案 有限会社MECS 佐賀県三養基郡みやき町
複合センシングを用いた高精度組み付けロボットSI技術の習得 シナジーシステム株式会社 熊本県菊池市
食品産業向け東京ロボットセンター開設 株式会社ケイズベルテック 東京都足立区
ロボット導入支援センター開設 株式会社MUJIN 東京都文京区
中小企業向けロボットセンター開設 株式会社ヤナギハラメカックス 静岡県榛原郡吉田町
協調安全ロボットセンターの支所開設及び本所機能拡充 IDECファクトリーソリューションズ株式会社 愛知県一宮市
溶接に特化したロボット操作教育事業化 アスカ株式会社 愛知県刈谷市
導入提案が可能となる実習型ロボット研修センターの設立 株式会社マクシスエンジニアリング 愛知県名古屋市
FA-ITセンター開設によるSIer育成事業 株式会社ブイ・アール・テクノセンター 岐阜県各務原市
食品産業を支えるロボットセンターの開設 株式会社イシダ 京都府京都市
B 人協働型ロボットSIer育成事業 公益財団法人大阪市都市型産業振興センター 大阪府大阪市
総合ロボットテクニカルセンター開設 髙丸工業株式会社 兵庫県西宮市
ロボットセンター開設による中国・四国地方のものづくり支援 トリツ機工株式会社 岡山県岡山市
九州ロボットセンター及びSI研修センター開設 五誠機械産業株式会社 佐賀県佐賀市
東北地方のモノづくりに貢献する常設ロボットセンター開設 株式会社マトロ 宮城県角田市
北関東中心の製造・物流用ロボット及びIoT化支援センター開設 株式会社FAプロダクツ 東京都港区
ビルメンテナンスロボット普及促進センター開設 株式会社アクティオ 東京都中央区
ロボットセンター開設による東海・北陸地方のものづくり支援 株式会社メカトロニクス 岐阜県飛騨市
目と脳を持った知能ロボットの導入支援センター開設 株式会社三次元メディア 滋賀県草津市
水産加工用ロボットシステムとローカルロボティクスモデルの構築 公益財団法人いわて産業振興センター/株式会社アイシーエス 岩手県盛岡市
ホタテウロ取り機への機能追加によるロボットシステムモデル 株式会社石巻水産鉄工 宮城県石巻市
多品種対応型インサート成形ロボットシステムモデル 筑波エンジニアリング株式会社 茨城県稲敷郡阿見町
現物融合生産、検査、IoTを実現する知能化ロボットシステムモデル リンクウィズ株式会社 静岡県浜松市
テープ貼り作業を自動化するロボットシステムモデル マルゴ工業株式会社 長野県岡谷市
バリ取りロボットシステムモデル 株式会社シリックス 三重県四日市市
誰でも使える予防保全・保守機能付き精密機器組立ロボットシステムモデル エイコー測器株式会社 大阪府大阪市
グラインダ研削ロボットシステムモデル 東洋理機工業株式会社 大阪府大阪市
FA-ITミドルウェア「ORiN」を活用したIoTロボットシステム導入パッケージ 株式会社オフィスエフエイ・コム 栃木県小山市
C バイオ研究分野の作業工程を自動化するロボットシステムモデル 株式会社AUC 群馬県安中市
小売業でのパレット積み特売品仕分け積付けロボットシステムモデル トーヨーカネツソリューションズ株式会社 東京都江東区
化合物半導体ウェハ研削工程を自動化するロボットシステムモデル 秀和工業株式会社 東京都足立区
物流における多品種デバンニングロボットシステムモデル 株式会社MUJIN 東京都墨田区
溶接ライン追跡・制御ロボットシステムモデル 株式会社アイシイ 神奈川県横浜市
2腕ロボットを活用した外観検査プラットフォームの構築 富士通株式会社 神奈川県川崎市
中小食品製造業における安定稼働検査ロボットシステムモデル 大沢工業株式会社 神奈川県相模原市
多品種少量生産にフレキシブルに対応出来る画像検査ロボットシステムモデル ケーテック株式会社 静岡県湖西市
多芯ケーブル端末加工ロボットシステムモデル 株式会社HCI 大阪府泉大津市
高精度曲面貼付ロボットシステムモデル 株式会社サンテック 兵庫県尼崎市
※ A=A 類型ロボット SI 事業参入・拡大型 B=B 類型ロボットセンター開設型 C=C 類型ロボットシステムのモデル構築型
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潮 流
経産省、ロボットSIに必要な能力とシステム構築手順
スキル標準&ロボット導入プロセス標準RIPS
ロボット普及に向けた大きな 2 つの課題が、ロボットシステムインテグレータ(SI)の不足と、ロボット導入手順の
標準化。ロボットシステムを構築する SI の不足に加え、システム構築の手順が標準化されていないため、SI を教育し
て増やすことも難しい状況があります。そこで経済産業省は、SI に必要な能力とレベルをまとめた「ロボットシステム
インテグレータ(ロボット SI)スキル標準」と、ロボットシステムの構築プロセスをまとめたロボットシステムインテグ
レーション導入プロセス標準「RIPS(Robotsystem Integration Process Standard)」を発表した。
ロボット SI に必要な能力を定めたスキル標準 増え、費用増や納期遅れが発生してきていた。それを、作業の
ロボット SI は、ロボットシステムを導入する際の提案から設 見える化と顧客との合意形成を明確にすることでスムーズな構
計、構築業務の主導的な役割を担い、その能力がロボット導入 築を目的としている。
の成功の可否を握る。ロボット SI スキル標準は、ロボット SI 構築プロセスとして、準備フェーズの引合、企画構想、設計
に必要なスキルを抽出し、レベルを分けて一覧でまとめたもの。 フェーズの仕様定義、基本設計、詳細設計、製造フェーズの製造、
技術区分は 12 あり、それを最大 7 段階のレベルに区分。 出荷前テスト、テストフェーズの総合テスト、ユーザーテストと
機械や制御などエンジアリング系の能力に加え、生産技術や 進み、それぞれの工程で、顧客、SI が作るべきドキュメントを
営業技術、組織体制まで多面的に設定している。例えば、機 規定している。例えば、企画構想ではマスタスケジュールと見
械設計では製図や CAD の習熟度、ハンドや架台の設計能力 積仕様書、仕様定義ではプロジェ
を定め、電気設計では産業用ネットワークへの対応力や制御 クト計画書やテスト計画書、ス
盤の設計・組み立て能力など。ロボット制御では制御プログラ ケジュール(中日程)、納入仕様
ムやティーチング能力、このほか画像処理やシステム制御、電 書、総合テストでは総合テスト報
気配線などエンジニアリング系の能力をピックアップしている。
また組織体制では秘密保持や特許や意匠の調査能力、安全教 告書、ユーザーテストでは顧客が
育を挙げ、このほか技術区分として営業や生産技術、安全対 ユーザーテスト報告書やリスクア
応などがある。 セスメントシートなどを作る必要
ロボット導入プロセス標準 RIPS があるとしている。
RIPS は、ロボットシステムの導入に際し、工程ごとに作成 ■スキル標準と RIPS は、ロボッ
する文書を標準化したもの。これまではロボット SI と顧客の ト革命イニシアティブ協議会ホー
合意形成が曖昧なままプロジェクトが進み、後半になって認識 ムページから入手できる
の食い違いが発覚して、変更や追加改修などの手戻りで工数が http://robo-navi.com/sier_download.html
■ロボット SI スキル標準
技術区分 スキル項目 レベル5
プロジェクト管理能力 プロジェクト状況を第三者が内部監査するなど定期的にプロジェクト監査が行われている。
秘密保持体制 相手方の秘密保持契約を理解したうえで、相手方と交渉を行うことができる。
特許権、意匠権の侵害についての調査対策能力
組織体制 ロボット安全教育能力 4に加えて実技講習ができる。
海外対応能力 社内に海外向けの専門部署がある。
アフターサービス対応能力 分析結果を元に、IoTの観点から予兆保全を提案できる。
製作可能な設備の規模 工場は300m2以上あり、クレーン5t以上の能力がある。
システムインテグレーション基礎知識
仕様書作成能力 仕様書の変更履歴管理が徹底されており、顧客の合意を得た最新版を維持管理できる。
契約書作成能力 商法、関連法案を熟知しており、適応有無を判断できる。
営業技術 コスト積算・提案能力 価格表や商品データベースを備え、参照できるようになっている。
課題検証能力 課題検証のための専門の部署がある。
実機による検証提案能力 外部要因を考慮した検証ができる。
シミュレーションによる検証提案能力 検証結果に基づいて、メリット・デメリットを定量的に提案することができる。
工程分析能力 工程図記号を用いて工程分析の遷移図を作ることができる。
生産プロセス提案能力 レイアウト案から品質、コスト、タクトタイムなどを考慮した提案ができる。
生産技術 費用対効果分析能力 二酸化炭素排出量等の環境負荷を考慮した費用対効果分析ができる。
設備概要図、動作フロー図、構成機器、安全対策仕様、配線仕様、非常停止回路仕様、使用機器材料指
設備仕様書作成能力 定、表面処理、例外処理仕様、ユーティリティー容量、製品精度、タクト、使用機器メーカーのうち3項目
を含んだ仕様書を作成できる。
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産業用ロボットナビ Vol.3
安全な構造・機構の設計(計算)能力 制御システムの安全関連部についての社内設計規程がISO 13849(JIS B 9705)に準拠して作成されている。
安全対応 安全を考慮した電気設計能力 機械類の電気設備安全性についての社内設計規程が、IEC60204(JIS B 9960)に準拠している。
リスクアセスメント能力 社内リスクアセスメント規程がISO12100(JIS B 9700)に準拠している。
安全を考慮した現地調整能力 社内安全規程が、労働安全衛生法に準拠し作業従事者全員が遵守している。
機械設計製図技能対応能力 溶接構造のフレームを有したり、歯車を使用した組立図から強度なども念頭にJIS規格に基づく部品図を記述できる。
CAD設計対応能力 3Dモデルをアセンブリし、装置全体の具現化及び、干渉の確認できる。
ハンド設計対応能力 ハンドチェンジャーを使ったハンドの設計ができる。
機械設計
ロボット架台設計対応能力 走行軸タイプの架台の設計ができる。
適切な駆動機器を使用した設計対応能力 空圧機器・油圧機器・モータ機器・ステッピングモータ・サーボモータのうち、3機種を使用した設計ができる。
適切なセンサを使用した設計対応能力 検出用センサ、計測用センサ、画像センサのうち3機種を使用した設計ができる。
ネットワーク対応能力 複数メーカーのコントローラーのネットワーク設計ができる。
制御盤設計対応能力 「盤の温度上昇を抑える熱対策」・「IP、保護等級を考慮した設計」・「ノイズを考慮した設計」のうち3項目を使用した設計ができる。
電気設計 電気CAD使用能力
「PLC、ロボットを使用した配線図」・「各種アナログ機器の配線図」・「ステッピングモータ、サーボモー
配線図設計技術 タを使用した配線図」・「ノイズ対策を考慮した配線図」・「FAネットワークを用いた配線図」のうち3項
目を使用した設計ができる。
対応可能メーカー数 3メーカーのプログラミングができる
用途別ロボットタイプ対応能力 直交型ロボット・水平多関節型ロボット・垂直多関節型ロボット・パラレルリング型ロボット・双腕型ロボット・共働ロボットのうち3種類を使用することができる
シミュレーション対応能力 3メーカーのロボットシミュレーションが使用できる。
通信技術対応能力 RS-232C(専用プロトコル)・RS-232C(無手順・) Ethernet(UDP・) Ethernet(TCP/IP・) Ethernet/IPのうち3種類を使用することができる。
ロボット制御 力覚センサ対応能力 3メーカーの力覚センサが使用できる。
コンベアトラッキング対応能力 3メーカーのセンサコンベアトラッキングが使用できる。
付加軸制御対応能力 3メーカーの付加軸インターフェースが使用できる。
ピック&プレース動作・入力信号による判別・分岐処理・ロボットプログラムから外部機器制御・変数を用
制御プログラム対応能力 いた算術演算や論理演算・マルチタスクプログラム・外部機器からのデータを用いた位置補正のうち3
種類のプログラムを作成できる。
ティーチング対応能力 ピック&プレース・座標系の切替・ハンドの切替・MDIでのティーチングデータの編集・オフラインティーチングのうち3項目のティーチングができる。
文字認識対応能力 3メーカーの文字認識ができる。
画像処理 バーコード・2次元コード対応能力
外観・画像検査対応能力 有無欠損検査・寸法計測・個数計測・傷汚れ検査・形状判断・個数計測・文字検査・位置決め計測のうち3項目ができる
モーションコントロール対応能力 3メーカーのモーションコントローラーが使用できる。
タッチパネル画面作成能力 スイッチ、ランプの配置と割付・部品移動・コメント、アラーム表示・グラフ表示・SDなどへのデータ保存のうち、3項目ができる。
システム制
ネットワーク技術 CC-Link・CompoNe・t DeviceNe・t CC-LinkIE・PROFIBUS・FL-Ne・t Ethernet/IP・ModBus・
御 EterCATのうち3項目ができる。
PLCプログラミング言語対応力 配線図が理解でき、動作仕様書から動作プログラムを作ることができる他、IEC 61131-3で定められた言語が使用できる(。※6)
ミドルウェア・情報連携(IoT)対応能力 他工場と情報連携したグループ全体のFAシステムを構築することができる。
動力系配線対応能力
機内配線対応能力 パルスによる位置決め機器の配線ができる。
電気配線 LAN工事対応能力 アナログ伝送路設備に端末設備又は端末設備を接続するための工事、もしくは、デジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事ができる(。※11)
制御盤製作対応能力 展開接続図により、三相誘導電動機の制御盤の組立ができ、また 配線点検盤の抵抗回路及びリレー回路のスイッチの入切を点検できる(。※14)
機械組立対応能力 やすり、きさげ、スコヤ、卓上ボール盤等を使用し、はめあい、心出し、すり合わせ等により、部品を所定の精度に仕上げ加工を行い、その部品と丸ロッドを含む部品を組立てることができる(。※17)
機械組立 配管対応能力 鋼管の施工ができる。
組立精度評価能力 センサを使用して1/100mm以下の精度を計測できる。
最終商品の品質分析・確認 品質分析、確認、計測器、分析機器に対して精度が保たれているかを一定期間毎に確認することができている。
品質保証 図面レビジョン管理能力 機械製図・電気製図のレビジョン管理規程を一定期間毎に確認及び見直ししている。
プログラムバージョン管理能力 PLC・パソコンソフトのバージョン管理規程を一定期間毎に確認及び見直ししている。
※ロボット SI スキル標準はレベル1から最大レベル7 まで、それぞれに必要な項目が記されている。
ここではレベル 5 の内容を紹介している
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インタビュー
THK 株式会社・THK インテックス株式会社
THKが進めるロボットハンド標準化
ネイル交換式など
現場での利用にこだわったハンド開発へ
対象となるワークが変わればロボットハンドの形も変わる。そのためハンドはシステム
インテグレータ(SI)の専用設計によるカスタム品が主流で、価格が高く、納期は長め。
また品質の再現性や安定供給能力にも疑問が残り、産業機器としてこれからロボットの普
及を進めるにあたり、ハンドに関わるこの構造がボトルネックになりかねない。
それに対し、ハンドの標準化で解決に取り組むのが、LM ガイドで直動機構部品の世界トッ
プメーカーである THK と、その子会社でロボット SI の THK インテックス。汎用性が高く、
低コストで導入できるハンドを開発し、同時に「産業部品」として安定品質・安定供給の
仕組みも整備している。THK インテックス 装置事業本部 ロボット部 内山勝博課長に THK インテックス装置事業本部 ロボット部
話を聞きました。 内山 勝博 課長
—ロボット市場の現状についてどう見ていますか ? 状況です。ロボットをもっと工場で使ってもらえるようにす
非常に盛り上がっていると感じます。当社(THK インテッ るためには、産業部品としてのハンドとその仕組みを整える
クス)もロボット SI として、多くの製造現場にロボット導 必要があります。
入のサポートを行い、カワダロボティクス製双腕型産業用ロ すでに多くの工程でロボットを使っている自動車業界から
ボット「NEXTAGE」(以下 NEXTAGE)を中心によく動い は、こうした状況を改善してほしいという声が上がっていま
ています。 す。ある自動車メーカーのお客様からは「故障した時に予備
またメーカーとしても自社でロボットハンドを開発・製造 のハンドに交換したら、従来のものと寸法や精度に違いがあ
し、これまでに NEXTAGE 用を中心に 100 台以上導入され りそのまま使えなかった。結局、予備のハンドに合わせて再
るなど順調です。これまでの SI とハンドメーカーとしての 調整する手間がかかった」と指摘されました。
経験を生かし、NEXTAGE 以外でも使える汎用ロボットハ いまハンドは種類が多すぎて使う側にとっては不便で、製
ンドに力を入れています。 品の再現性が低い。納期も長く、価格も高いという課題があ
—ハンド市場についてはいかがですか ? ります。それを解決するために今回、新たなハンドを開発し
研究やテスト段階のものを含めれば、本当に様々な方式や ました。
形状のハンドが世に出て、賑わっているという印象です。し —どのようなハンドですか ?
かし産業用ロボットに取り付け、工場で使うハンドの状況を ひとつは「エントリーツールハンド」という製品で、これ
見ると、SI が案件ごとに設計した専用ハンドを使うのが当た までの経験から使用頻度の高いハンドを標準化してパッケー
り前になっていて、これはこれで大きな問題だと思っていま ジ化したものです。導入から立ち上げまでをスピーディーに
す。 行えるようにオールインワンにし、その名の通りロボットを
—どこが問題なのでしょうか ? 初めて導入する場合に最適なモデルです。
ロボットは製造装置であり、現場に導入したら何十年と使
うものです。ハンドはワークを掴む動作を何千回何万回と繰
り返し、次第に指先は経年劣化していきます。そのためハン
ドにも定期的なメンテナンスや交換が必要です。メーカーは
それを見越した設計と製品を用意し、製造を止めないための
仕組みを用意しておかなければいけません。
また、今はロボットを試験的に 1 台導入してテストライ
ンで使ってみるというニーズが多いですが、あと数年もすれ
ばすぐに何台何十台と並べて使いたいという需要が出てきま
す。その時には同一製品の需要が発生し、メーカーは量産に
対応しなければなりません。また製造者の責任として、同一
製品を何年も供給し続けることも必要になります。
しかしながら、今のロボットハンド市場にはこうした仕組
みが整っていません。案件ごとにその時だけに対応している エントリーツールハンド小型
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産業用ロボットナビ Vol.3
最も大きな特徴は「ネイルチェンジャー」構造を開発して ムは、ロボットとは別の場所にビジョンカメラを固定して撮
採用したことです。ネイルチェンジャーは、ハンドの指先(爪) 影するため、決められた場所でしかできません。一方、当社
が脱着式になっていて、ワークに応じて交換できる新しい技 は三次元メディア社と協力してカメラ付ハンドを開発しまし
術です。従来はワークが変わるごとにハンドごと交換が必要 た。NEXTAGE に取り付ければ、場所にこだわらず、可搬
でしたが、ここではネイルを交換するだけで済みます。交換 式で動かしてばら積みピッキングができます。例えば AGV
のスピードや手間、スペースを大きく削減できます。 のような搬送ロボットに NEXTAGE を載せたシステムを組
エントリーツールハンドでは形状の異なる 8 種類の指先 めば、人間のように移動しながらピッキングすることも可能
(爪)を 1 セットとして提供しています。この 8 種類でほと です。部品棚の間を移動しながらピッキングし、組み立て準
んどワークのピッキングに対応できます。価格はハンドとネ 備工程に使うなんてこともできます。
イルセットで 20 万円です。 高機能ハンドの新製品として電動モデルも新たに開発しま
した。こちらもオールインワンでドライバ一体型となってい
もうひとつがばら積みピッキング用のハンドに取り付ける ます。把持力の制御と高速把持ができる高性能タイプです。
ビジョンカメラです。既存のばら積みピッキング用のシステ
—今後について教えて下さい
色々なハンドがありますが、当社は工場での使用、産業向
けハンドにこだわっていきます。中小製造業でも購入できる
現実的なコストで、品質が安定して再現性があり、短い納期
で手に入れられる製品と仕組みづくりを引き続き行なってい
きたいと思います。
今回、新たに自動ネイルチェンジャーの開発に成功し、ハ
ンド標準化のための基盤ができました。これからは用途に合
わせて多くのネイルを開発し、パッケージ化をどんどん進め
ていきたいです。
また、ロボットは安全性が重要であり、ハンドの安全性を
高めるような機能追加を検討しています。ロボット本体には
アームにものが触れると停止する機能がついていますが、現
在はハンドは対象外。ハンドにもそうした安全機能をつける
ことで、より多くの人が安全にロボットを使える環境づくり
に貢献したいと思います。
カメラ付ハンド 双腕ロボットNEXTAGEに取り付けたカメラ付きハンド
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産業用ロボットナビ Vol.3
インタビュー
エプソン販売株式会社・セイコーエプソン株式会社
力覚センサー、小型スカラ、省スペース多関節
3本柱でロボット未導入現場の高度化をサポート
スカラロボットをはじめ、小型ロボット分野で世界をリードするセイコーエ
プソン。すでにロボットによる自動化が進んでいる自動車部品や電子機器など
の組み立て領域に加え、現在は、得意とする小型、高速・高精度のロボット制
御技術を武器に、新たな分野やアプリケーション領域の発掘を進めている。
—国内における小型ロボットの需要見込みは ?
先進国でも小型ロボットの需要伸び率は 5% あるとされ、特 エプソン販売産業機器営業部 セイコーエプソン
に国内消費されるものは国内生産が多く、その分野に需要を見 FA 機器営業課 RS 営業部
込んでいます。 原 明 課長 安田 光一 課長
例えば自動車は、軽量化や EV 化すると、そこで使われる部 —T3 について教えてください
品も小型・軽量化されていきます。そうなると当社がスマートフォ ロボットによる自動化には数千万円というお金がかかり、特
ンや精密機器、家電等などで培ったロボット技術が生きてきま に多品種少量生産の中小製造業では諦めていた企業がとても
す。また食品工場での生産は、ほとんどが専用機と人手で行わ 多くあります。
れています。特に加工品をトレイに詰めるのは人手が多く、そう T3 はコントローラー一体型
した単純作業はスカラロボットが得意とする分野で、多くの市 のスカラロボットで、100V の
場があると見ています。 電源で使え、モーターユニッ
ト・バッテリーの交換もいりま
—現在、力を入れている製品を教えてください せん。さらに 16kg の小型で、
主に 3 つの製品にフォーカスしています。1 つ目は、自動化 標準価格は 72 万円。構造は
が難しかった作業に対して、力覚センサーを使ったソリューショ とてもシンプルで操作も簡単な
ン。2 つ目は、ロボットを使ったことがない企業に向けて、低 ので、ロボット未経験の企業で
価格でコンパクトなスカラロボット「T3」シリーズを提案してい も導入しやすくなっています。
ます。3 つ目は、人手不足の問題に対して、特に狭い工場の中
で自動化したいという企業に向けて、折り畳み式スリムアームを —N2 については ?
持つ省スペース多関節ロボット「N2」を提案しています。 N2 は腕をバッタの足のように折り畳めるスリムアーム採用
—力覚センサーに力を入れている理由は ? の省スペース多関節ロボットで、狭いセルの中で自由に動くこ
職人が手の感覚で行っていた作業を自動化したいというニー とができます。通常、多関節ロボットを使う場合は 800 〜
ズが多くあります。そこで、スカラロボットや多関節ロボットの 900mm 幅の範囲が必要でしたが、
手首に力覚センサーを取り付けて、微妙な力加減でアームを動 N2 は 700mm 幅程度のセルで十分
かすことで代替していこうと考えています。 です。人1人の作業範囲と同じスペー
ロードセルを使った力覚センサーもありますが、微妙な制御 スで設置でき、人手不足解消に役立
が難しく、測定範囲も狭く、少しでも大きな力がかかると壊れ ちます。
てしまっていました。それに対し、当社はクオーツの MEMS 技 協働ロボットを入れる動きもあり
術を使い、桁違いの高精度 ますが、協働ロボットは安全のため
で、壊れにくい堅牢性、幅 動きが遅く、生産性の面から見ると
広い計測レンジを実現して 満足し難い部分があります。そこに
い ま す。0.1N か ら 250N セルで囲った N2 であれば、スピー
までの広い範 囲を、0.1N ドは速いまま、狭いスペースの作業
単位で検知でき、1000N に使うことができます。
で叩いても壊れません。
—今後について教えて下さい
—どんな作業や用途を想定していますか ? T3 と N2 を中心に、製造業の自動化と生産性向上に貢献し、
例えば、部品同士のはめ合い作業。アームが指定された穴の 合わせて力覚センサーのアプリケーションを増やして、ソリュー
位置まで部品を持っていくと、そのあとは部品が接触した小さ ションを世界に広げていきたいと思っています。
な力を感じて、向きなどを調整しながらはめ込んでいくことが また当社はエプソンブランドで世界中に販売とサポート拠点
できます。また、精密ネジ締めなどにも適しており、上向きの穴 があるのが強みです。日本の工場から世界中の工場に移設する
や横穴、斜めなど死角になっているような穴でも可能です。こ 際にもエプソンによるサポートが可能です。こうした強みを生か
のほかコネクタの挿入作業や、表面研磨などにも適しています。 していきたいと思います。
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産業用ロボットナビ Vol.3
インタビュー
旭化成株式会社
伸びて縮んで曲がって強い
配線の常識を変えるロボットケーブル「ロボ電」
ロボットの性能をさらに高度化し安全性も向上させようとしたら、今よりもっと多くのセンサ・アクチュエータを取
り付け、感覚を研ぎ澄ませなければならない。しかし、そのためのハードルは高く、そのひとつが「ケーブル配線」
の問題だ。センサとアクチュエータの数が増えればそれだけ配線も増える。現在でも多くの機器
が取り付けられ、配線が複雑化している。これ以上、追加するには配線を見直さなければならず、
その解決策として期待されているのが、旭化成が開発した伸びるロボットケーブル「ロボ電」だ。
■ 1.4 倍まで伸縮。断線寿命 10 〜 100 倍 旭化成
従来のロボットケーブルは硬めで耐久性に優れるが柔軟性 繊維事業本部 ロボ電事業推進室 巽 俊二 室長
に欠けるため、動きの激しい屈曲部や可動部ではケーブルを
長めに取ってたわみを作り、ダメージを最小化するのが一般 スク軽減に本体に密着した外皮配線が役立つと考えている」
的だった。しかしこれだとケーブルが本体からはみ出し、機 と話す。
能的にも見た目にもスッキリとしない。 ■有線と無線の間を埋める新たな配線技術
それに対しロボ電は、これまでのロボットケーブルの通信 ロボ電はロボットケーブル以外にも、イヤホンなどモバイ
性能を持たせたまま、伸縮性を追加。芯となる弾性体に導体 ル機器や、ヘッドマウントディスプレイ、手袋や衣類などに
線を巻きつけて伸縮性を持たせ、引っ張ると 1・4 倍まで伸 組み込んだウェアラブルデバイスなどでも広がっている。そ
び、柔軟性に優れている。ロボットの表面に密着させて皮膚 の用途は拡大中だ。
のように這わせるような配線ができ、激しい動きも伸縮で吸 巽室長は「有線からワイヤレスへの動きが進んでいるが、
収。その効果は、従来のロボットケーブルに対して断線寿命 それぞれに一長一短がある。ロボ電は大電流が流せ、高速伝
が 10 倍から 100 倍。配線が省スペース化でき、センサ追 送でき、伸縮する。どちらも満足できないところ、その間を
加による機能拡大や、デザイン性の向上にも適している。ロ 埋めることができる。今後ビジネスを拡大して量産化し、使
ボット本体の内部配線に加え、外部機器の取り付け用の配線 いやすい価格で提供できるようにしたい。特に協働ロボット
としても採用され、特に先進的な研究開発などで多くの実績 分野などに働きかけを強化していきたい」と話している。
がある。
■たわみのない外皮配線。リスクアセスメントにも有効
また、近年のロボットの普及拡大に対し、その高い伸縮性
が安全性を高め、リスクアセスメントに有効だとして評価も
高まっている。
ロボットケーブルの配線では、長さに余裕を持たせ、たわ
みを作ることが当たり前とされてきた。これまでの産業用ロ
ボットの作業環境は、安全策で囲まれ、人やモノが入らない
閉鎖された空間だったため、たわみは危険要素にならなかっ
た。しかし最近、人と一緒に作業を行う協働ロボットが急
拡大し、本体から飛び出ているケーブルに人やモノが引っか
かって事故になる危険性が指摘されている。
協働ロボットは、人やモノが行き交う作業環境に設置され
るため、想定外のトラブルが起こりやすい。そのためロボッ
ト本体には衝突感知センサや触れたらすぐ停止する機構、柔
らかい外皮、挟み込み防止など安全機能が施されている。シ
ステム構築においても事故の可能性がある要素を極力排除す
る必要があり、これまでのようなたわみを作る配線のやり方
は、協働ロボットの作業環境では適切ではない。その解決策
としてロボ電に期待する声も出てきている。
同社の繊維事業本部 ロボ電事業推進室 巽俊二室長は
「これまではロボットメーカーが断線や配線が絡まないよう
にうまく設計し、上手にロボットを使ってきた。しかしこれ
から新しい協働ロボットの時代に入り、ロボットを使ったこ
とのない企業も多くロボットを使うようになる。その時のリ
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産業用ロボットナビ Vol.3
インタビュー
株式会社イノフィス
作業員を腰痛から守り、労災・人不足を解消する
累計3,000台出荷のパワーアシストスーツ
「マッスルスーツ」
腰痛は現場作業者にとっての職業病。重い荷物を持ったり、長時間にわたる中腰での作業など、いつ腰痛を発症して
もおかしくありません。腰痛は作業者にとって不幸だが、経営者にとっても貴重な労働力が離脱し
てしまうことは大きな痛手。その解決策として近年注目を集めているのが、人を補助し、体への負
荷を減らす「マッスルスーツ」。すでに累計出荷台数 3000 台を超えたというイノフィスの藤本隆代
表取締役社長に話を聞いた。 株式会社イノフィス
代表取締役社長
藤本 隆
ー開発のきっかけを教えて下さい 標準タイプは 4 本の人工筋肉を使用し、別置きのコンプレッ
「生きている限り自立した生活を」を掲げ、体に障害を持っ サから空気を注入しながら約 35kg の補助力を発揮して腰へ
ている方や高齢者の自立支援を行うロボットを東京理科大学 の負荷を減らします。女性やシニア層にはもう少し軽いモデル
の小林宏教授が長年の間、研究開発してきました。開発の過 もあります。最新型の「スタンドアローン」は、小さな空気入
程で、ユーザー先である介護事業者や各種作業現場で評価テ れで人工筋肉に空気を入れてから使用するもので、場所や動
ストを実施するうちに、作業する側にも腰痛予防という大き きに制限がなく、自由に歩き回ることもできます。
な潜在ニーズがあることがわかりました。そこで、健常者の作 ー他のアシストスーツとの違いを教えて下さい
業支援、腰補助用のロボット、すなわち現在の「マッスルスーツ」
を先行して商品化することを目的に、小林教授を中心に創業 最大の特徴は、圧縮空気を使い、力強さと軽さを両立した
しました。 人工筋肉を採用したところです。人工筋肉は 1 本 130g と軽
量ですが、200kgを引っ張れる力を持っています。マッスルスー
ー具体的にマッスルスーツとはどのようなものですか ? ツにはそれを複数本使っています。また、モーターを使ってい
装着すればスーパーマンのようにすごいパワーが出ると思わ ない防爆仕様なので、火花が散ったり水がかかるような現場
れがちですがそうではありません。あくまで腰を補助し、腰痛 でも問題なく使えます。耐久性が高く、センシングで間違えた
を予防するものです。 動きをしてしまうこともない。こだわりのシンプルさです。
リュックのように本体を背負い、腿にパッドを当てて装着が ー導入実績と、製造業での事例を教えてください
完了。慣れれば 10 秒ほどで簡単に装着できます。そして人工
筋肉に圧縮空気を注入し、その収縮運動で動きを補助します。 7 割は介護ですが、最近は工場など製造業をはじめ、建築
具体的には、お辞儀するような姿勢で荷物を持って体を起 や農業などからもお問い合わせが多くあります。工場ラインは
こすと、腿パッドを起点にテコの原理で後ろに力が働いて体が 自動化が進んでいるとはいえ、材料の投入や製品の箱詰めや
起き上がります。腰に負担をかけずに重量物を持ち上げるこ パレタイジングといった入口と出口には必ず人が作業していま
とができます。 す。また検査工程も人がやっていることが多くあります。そう
したところへのニーズがあるようです。そのため、腰痛で休暇
や退職をされ、人材確保がままならないとなると製造現場に
とっては大問題。従業員の労働環境改善や雇用の際の PR 材
料として導入する企業も増えています。
ー課題と今後について教えて下さい
パワーアシストスーツは、1 週間か 1カ月使ったところです
ぐに定量的な効果は見えにくく、むしろ作業者にとっては煩わ
しいと感じてしまうこともあります。しかし半年、1 年後には、
腰が痛くない、休暇や退職が減るという結果が出てきます。
現場も経営者も短期間で効果を求めがちで、ここにジレンマ
があります。これを解消するためにも啓蒙活動は必要だと思っ
ています。
またメーカーとして、多様化するニーズにどう応えていくか、
ニーズにマッチした製品を提供できるかが課題です。今後はそ
こを見極めてラインアップを拡充していきたいと思っています。
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産業用ロボットナビ Vol.3
寄 稿 IDEC 株式会社式会社
IDEC ファクトリーソリューションズ株式会社
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産業用ロボットナビ Vol.3
寄 稿
株式会社妙徳
真空機器メーカーが手がけるロボットハンド
『コンバム・ロボットハンド・キット』提案開始
株式会社妙徳は、昭和 26 年創業の真空発生器「CONVUM(コンバム)」および吸着パッドの専門メーカー。吸着パッ
ドは、ロボットなどを使用した真空吸着搬送シーンで使用され、直接最終製品に触れる重要な部品である。同社製品
ラインナップには、大きさや材質の違いで、5,000 種類を超える吸着パッドがある。半導体製造装置から自動車部品、
食品機械、包装機までありとあらゆる自動化生産設備において使用されている真空機器だが、この度、吸着パッドの
部品単体ではなく、ロボットでの使用を想定し、ハンド部分との一体化を提案する「コンバム・ロボットハンド・キッ
ト」の販売を開始する。
【ロボットハンド提案への背景】 選べる組み合わせとなっている。ピッチの選択が可能。
同社では、近年のロボット需要の拡大に伴い、真空機器選 2.FH シリーズ ・・・H 型のロボットハンド。小、中型ロボッ
定に関する問合せや依頼が増大している。また、吸着パッド ト向け。バータイプのフレームを任意に組み合わせることが
をロボットへ取り付けるための相談や、設計の依頼が日々増 できる。フレーム内で吸着パッド位置が調整可能。フランジ
加している。理由は、吸着対象ワークが変わるたびに変更し をセンターに配置し、パーツの追加により H 型からの拡張が
なくてはいけない『ワンオフ (one off )』のハンド設計の工 可能となっている。
数に時間が取られるからである。通常は吸着対象ワークの変 3.FX シリーズ ・・・X 型のロボットハンド。中型ロボット向け。
更に伴い、使用する吸着パッドの大きさや形状も変更される フレーム内で吸着パッド位置が調整可能。より剛性に優れる
が、このとき、ハンド側の取り付け寸法の変更等、ハンド設 シリーズ。フランジをセンターに配置し、そこからの拡張が
計に多くの工数が発生している。そこで同社では、吸着対象 可能となっている。ツールチェンジャーにも対応する。
ワーク毎に行わなければならなかったハンド設計の煩わしさ 全てのタイプのハンドに、同社標準の吸着パッドを取り付け
を「ロボットハンドを標準化 = キット化」することで削減し、 ることができ、吸着対象ワークのバリエーションは広がる。
ロボットを使用するお客様及びシステムインテグレーター ロボットハンドキットの基本セットでの購入から、拡張部品
(SI)様の工数を大幅に減らすことを目的に、「コンバム・ロ のみの購入まで可能としており、ユーザーの利便度は高い。
ボットハンド・キット」の提案を開始することとした。 【次世代ロボットハンドへ対応】
【コンセプト】 同社は、吸着パッド単体のほかに、既に、ロボット用多機能
可搬重量 1~7kgf の多関節ロボット / パラレルリンクロボッ 吸着ハンド『SGH シリーズ』を販売開始している。これは、
トをターゲットとして、ハンドの汎用性、拡張性、ロボット 2重構造の吸着パッドとなっており、内側の吸着パッドでワー
での稼動を見据えた剛性、を満たした製品としている。 クを吸い込み、外周の独立気泡体で作られたスポンジパッド
①選びやすさ でシールをして真空で掴む。様々な形状のワークに対応でき、
・ワークサイズからハンド選定が可能 今まで吸着搬送が困難であったワークに対して非常に有効な
・同社標準の吸着パッドの取付けに対応 ロボットハンドとなっている。
・「ロボットフランジ」+「フレーム」+「パッド金具」+「吸 ロボット需要が高まる中、ワークをハンドリングするロ
着パッド」が一度に揃う ボットハンドの重要度は高く、真空機器の専門メーカーが提
②取扱い易さ 案するロボットハンド『コンバム・ロボットハンド・キット』
・金属製フレーム製で追加工が可能 の活躍の場は、大きな可能性を秘めている。
・長穴を採用し吸着パッド取り付け位置の微調整が容易
・供給エアの分岐アダプ有無を選定できる
③剛性
・可搬重量を満足できる剛性を確保
・位置決め精度の向上
④短納期対応
・カタログ掲載品は在庫品とし短納期を実現
【バリエーション豊富なキット設定】
ロボットとハンドを接続するフランジは、主要ロボットメー
カーの取り付け部に対応。ハンド部分の形状は、一般的な吸
着搬送に適応できる 3 種類を標準化している。 ( 株 ) 妙徳
1.KDP シリーズ ・・・ ロボットへのダイレクト取付けタイプ。 東京都大田区下丸子 2-6-18(〒 146-0092)
パラレルリンクロボット、スカラロボット、小型ロボット向 03-5741-7352http://www.convum.co.jp
け。吸着パッド位置は固定式で、吸着パッドが 1~3 個まで
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