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盤設計、いよいよ次のステージへ「制御盤・配電盤ナビ」Vol.4【完全版】

ホワイトペーパー

共通仕様、自動化で目指す高付加価値化

ものづくりを応援する業界紙・オートメーション新聞が展開する別冊「制御盤・配電盤ナビ」Vol.4【完全版】は、制御盤・配電盤に関する各種情報をまとめたムック本です。

「盤設計、いよいよ次のステージへ」がテーマの第4弾は、富士電機機器制御が追求する制御盤・受配電盤の新しいカタチや、オリエンタルモーターの制御盤向けファンユニットの最新動向、ライオンパワーの制御盤自動配線システムの開発秘話など、耳寄りな最新情報が満載です。


※ダウンロードされたお客様の情報は弊社プライバシーポリシーに則り協賛企業へ共有させていただきます。あらかじめご了承下さい。

【協賛企業】富士電機機器制御株式会社/ライオンパワー株式会社/スワロー電機株式会社/B&R Industrial Automation株式会社/株式会社壬生電機製作所/日東工業株式会社/河村電器産業株式会社/内外電機株式会社/共立継器株式会社/ワゴジャパン株式会社/株式会社新愛知電機製作所/EPLAN Software&Services株式会社

このカタログについて

ドキュメント名 盤設計、いよいよ次のステージへ「制御盤・配電盤ナビ」Vol.4【完全版】
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
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このカタログの内容

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別冊 制御盤・配電盤ナビ Industrial Control Panel & Distribution Board Vol.4 特 集 盤設計、 いよいよ次のステージへ ~共通仕様、自動化で目指す高付加価値化~ 制御盤・配電盤の発展を支えたイノベーション 富士電機機器制御、制御盤・受配電盤の新しいカタチ オリエンタルモーター、ファンユニット最新動向 ライオンパワー、制御盤自動配線システム 急速に普及が進む感震ブレーカー 株式会社アペルザ オートメーション新聞社
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高速、高解像度印&チューブ、記銘版、ラベル への印字がこの一台で チューブ、記銘版、ラベルを 1 台で印字できる高速プリンターです。 新設計の印字ヘッドユニットや搬送ローラーの採用により従来機と比べ、チューブ等の差し替え作業性が格段 に向上しました。印字可能なチューブサイズもØ2~22mmと広範囲になり、さらに高解像度院にヘッドを 採用したことで、小さな文字がより鮮明に印字できるようになりました。 パソコン操作で簡単印字! 「チューブ&ラベルプリンターMP-012」専用 オプション チューブストッカー MS-012 セロハンテープに全カットしたチューブを 自動で貼り付けます。 巻き取ったチューブはそのまま段ボールなどに 貼り付けて使えますので、後工程や後作業が楽になります。 株式壬生電機製作所 京都営業所 京都府京都市南区吉祥院仁木ノ森町5 0 名古屋営業所 愛 知 県 名 古 屋 市 名 東 区 上 社 2 - 2 0 5会社 TEL:075-681-8561 FAX:075-661-0455 TEL:052-775-1115 FAX:052-775-1119 MIBU DENKI INDUSTRIAL CO.,LTD. kyoto@mibudenki.co.jp nagoya@mibudenki.co.jp 東 京 営 業所 東 京 都 港 区 芝 浦 1 丁 目 1 4 - 5 - 1 F 九 州 営 業所 福岡県北九州市小倉北区昭和町 2 0 - 7 TEL:03-3453-6271 FAX:03-3453-8059 TEL:093-923-3800 FAX:093-923-3801 tokyo@mibudenki.co.jp kyusyu@mibudenki.co.jp
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INDEX 制御盤・配電盤ナビ vol.4 I N D E X 制御盤・配電盤業界の発展を支えたイノベーション 過去・現在・そして未来 …………………………………………… 1 株式会社アルファ TKG 代表取締役社長 高木俊郎 富士電機機器制御が追求する制御盤・受配電盤の新しいカタチ …………………………………………………………… 2 富士電機機器制御株式会社 制御盤向けファンユニットの最新動向 熱対策に関する問題を解決へ ………………………………………………… 4 オリエンタルモーター株式会社 制御盤自動配線システムへの夢 全自動電線加工機Hi−2000の開発秘話 ……………………………………………… 6 ライオンパワー株式会社 盤に関する最新ニュース ……………………………………………………………………………………………………… 8 オムロン、制御盤設計・製造プロセス変革へ パナソニック、分電盤の配線作業時間を半減 日東工業、感震ブレーカー実証実験プロジェクトが優秀賞 オーム電機、最長2年間メンテナンスいらず くるくるフィルター 盤用部品 製品市場 …………………………………………………………………………………………………………… 10 PLC、インバータ、サーボモータ、 配線接続機器、制御用リレー、操作用スイッチ 防災のため標準的機器として普及拡大 地震時の電気火災を防ぐ感震ブレーカー …………………………………… 12 製品紹介 ………………………………………………………………………………………………………………………… 13 EPLAN Software&Services株式会社 河村電器産業株式会社、株式会社新愛知電機製作所、 スワロー電機株式会社、内外電機株式会社、日東工業株式会社、株式会社B&R Industrial Automation、 富士電機機器制御株式会社、株式会社壬生電機製作所、ワゴジャパン株式会社、 WashiON 共立継器株式会社 制御盤・配電盤ナビ vol .4  発行所:株式会社アペルザ オートメーション新聞社   発行日 : 2017年5月15日   価 格 : 1000円+税 〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町23番地 日土地山下町ビル13F 電 話 : 045 -228 -8873 FAX : 045 -345 -4790       メール : info@automation-news.jp オートメーション新聞WEB版 http://www.automation-news.jp/
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制御盤・配電盤ナビ vol.4 寄 稿 制御盤・配電盤業界の発展を支えた イノベーション ■■■ 過去・現在・そして未来 ■■■ 株式会社アルファTKG 高木俊郎社長 1. 制御盤・配電盤の発展を支えた『板金加工』 顧客の要望に沿った一品一様でのものづくりが要求され、 大量生産は不可能で、多品種少量生産が必須であった。こ  日本の歴史において、制御盤・配電盤・分電盤が『社会 の要求に応えるには、NCT が最適であった。 インフラ』整備の一翼を担ってきた。特に戦後の日本にお  第三次産業革命と呼ばれている『コンピュータによる自 いて、業界の急成長が日本の経済発展に大きく貢献してき 動化』を最も的確に実現し、大きな成果に繋がった実例 た事は明白である。この急成長の背景には『板金加工のイ が、『制御盤・配電盤業界における NCT 加工』であった。 ノベーション』が重要な役割を担っており、『板金加工の発 1970 年代に誕生した NCT は、誕生から 40 年以上を経 展を語らずして、この業界を語れない』と言っても過言で 過し、今日でも現役で活躍している。40 年の間にレーザ加 はない。 工技術も誕生し、今  板金加工とは、薄板鉄板を精密に加工(穴あけ・曲げ・溶接・ 日ではレーザ加工を 組立・塗装)し、金属製の筐体を製造する業種であり、自 搭載した『レーザ・ 動車の板金修理や建築の屋根板金とは全く違う業種である。 パンチ複合機』も注 板金加工業界は、目立たない業界であるが、非常に高度な 目を集めているが、 ものづくりを必要としている。 NCT 誕生の頃の『驚  制御盤・配電盤をはじめ医療機器・ATM・自販機・工作 き』を体感すること 機械カバー・航空機など、先進国産業の大半の業種で板金 はできない。 加工製品が必要とされている。日本国内には 2 万社を超え NCT(NC付きターレットパンチプレス) る加工業者が存在し、数千万円から 1 億円を超える機械が 何万台も稼働しており、技術水準に於いても日本は世界の 3. 業界の成長戦略…唯一の打ち手『デジタル革命』 頂点に立っている。  制御盤・配電盤業界は、板金加工業界を牽引してきた業  制御盤・配電盤業界はリーマン・ショックで深い谷底に 界であり、日本で製造される板金製品の約 30% を制御盤・ 落ち込んだが、ここ数年は活況を呈し、業績好調企業が続 配電盤が占めている。 出しているが、かつての(NCT が誕生した頃の)ワクワク 感や、未来への希望を、感じられないのは、何故であろうか ?  その理由の一つに、『マシンイノベーションの行きづまり』 が挙げられる。現在のマシン業界は、イノベーション要素 の欠乏に喘いでいる。かつての NCT が誕生した頃の熱狂的 な『イノベーション』が無くなってしまった。  では、これからの制御盤・配電盤業界が実行すべきイノ ベーションは何か ?  その答えは、『デジタル化(デジタル・トランスフォー メーション)』の実現に尽きる。第四次産業革命と称される、 IoT, 人工知能、データベース、ネットワークなど、人類の 英知が結集し、開発され開発されていくイノベーションに 板金自動化工場 は計り知れないパワーが秘められている。  制御盤・配電盤業界は、(家電業界などとは違い)需要減 2.『NCT』がもたらした歴史的イノベーション 少リスクは少ない堅調業種であるが、将来的にはこの業界 にも『人手不足』が襲いかかるであろう。この危機を跳ね  板金加工に飛躍的イノベーションをもたらした機械は、 除けて業界の継続発展を目論むには、『人工知能』を筆頭と 1970 年代に登場した『NCT(NC 付きターレットパンチ したデジタル革命以外に方策は無い。 プレス)』であった。NCT の誕生により、それ以前は手加  多品種少量生産・短納期は日本のお家芸であるが、その 工に近かった(鉄板への穴あけ)作業を、コンピュータ制 半面で間接工程や段取り工程に多くの労力を割き、生産性 御による自動機械加工に変えてしまった。このイノベーショ を極度に低下させているのも事実である。この課題解決も ンをいち早く取り入れ、飛躍的な生産性向上を実現したの デジタル化以外の方策は考えられない。業界の成長戦略… が、制御盤・配電盤業界である。特に配電盤は、時として 唯一の打ち手は『デジタル革命』である。 — 1 —
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寄 稿 富士電機機器制御が追求する 制御盤・受配電盤の新しいカタチ 富士電機機器制御株式会社 開発本部 開閉制御開発部長 淺川浩司  富士電機機器制御は、制御盤・受配電盤の主要コンポーネントサプライヤとして、盤のコンパクト化と省工数・ 省施工・省配線化を追求した取り組みを進めているが、年々深刻化する労働力不足という課題解決にもつながるこ とから、各方面から注目されている。  制御盤では、次世代に向けたモデル制御盤を製作し、ユーザーの声を聞く取り組みをしている。盤をどうすればもっ と小形にできるか、省工数を追求したらどうなるか、できるだけスキルに頼らない配線はできないか、そして高機 能な機器を使ったらどうか、といった課題に様々なアイディアを持ち寄ってチャレンジし、次世代に向けた制御盤 におけるコンポーネントのカタチを検討している。 次世代モデル制御盤の概要 使われる工具も最小限で済む。また、スプリング端子とねじ端子との電線配線作業時間の比較も、実務経験 6 年以上  配電制御コンポーネンツには、スプリング端子を中心と の熟練者で 30% 減、実務経験 2 年以下の非熟練者で 50% して、分岐渡りバーや連結ブロックで、ねじレス・工具レ 減が期待できる。 スを実現するとともに、熟練者に頼らないスキルレス配線  メインブレーカの負荷側にスプリング端子を採用した 9 を追求している。また、ブレーカ背面ハンドルやコンタク 回路の分岐ブロックを配置したことで、端子台レスを提案 タ 2 段積みなど、徹底した省スペースのこだわりから盛り している。分岐ブレーカには、主回路にスプリング端子の だくさんのアイディアをイメージモデルで具現化し、モデ 分岐ブロックを装着して配線性を向上させ、4 回路の分岐 ル制御盤に盛り込んだ。これにより、大きさ・重量が従来 を可能にしている。 比 40% 減、配線工数も時間比で 40% 減を可能にしている。  また、分岐渡りバーの使用や補助回路にもスプリング式 端子ブロックを使用するなど、ねじレスによる配線工数の 構成する主要コンポーネンツのアイディアのカタチ 削減にこだわっている。サーキットプロテクタではプッシュ インのスプリング端子とし、単線、フェルール端子を接続  この制御盤ではスプリング端子を各所で使用している。 する場合は、電線を挿入するだけで配線が完了する。 スプリング端子のメリット(リレーソケットを例にした場  コンタクタ、サーマルリレーも同様な検討をしている。 合)は、「ねじ端子時の工程」で必要な、①電線切断 ②被 さらにコンビネーションスタータのための連結ブロック、 覆ストリップ ③圧着端子かしめ ④ねじ端子に取付 ⑤ねじ 押しボタンスイッチ「minico」のスプリング端子式速結ソ 締め ⑥トルク管理 ⑦マーキングに対し、「スプリング端子 ケットなど、あらゆるところで省工数・省施工のアイディ 時の工程」は ①電線切断 ②被覆ストリップ ③電線差込み、 アを具現化し、リレー・タイマ・ソケットもスプリング端 と、多くの工程を省略することが可能になり、配線作業に 子式にしている。 ▲従来型制御盤 ▲次世代型制御盤 — 2 —
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制御盤・配電盤ナビ vol.4  加えて、国内業界初のブレーカ背面ハンドルや二重化コ た、挿入部分の構造を見直し、さらにスムーズな挿入を実 ンタクタの 2 段積み、DIN レール下を配線スペースとして 現するなど、使いやすさと安全性を向上させている。 活用するなどして省スペース化を追求。  電灯分電盤用「コンパクトツインシリーズ」は、ブレー  二重化コンタクタを 2 段積みでは、空間デッドスペース カ本体は横幅 25mm の省スペース設計。一次側はプラグイ を有効活用した結果、取付面積を 1 台分に削減でき、DIN ン式で施工時間短縮、さらに二次側にスプリング端子品も レール下を配線スペースとして活用することで、ダクトレ 用意しているので、電灯分電盤の徹底した省施工が実現可 スとしている。 能。  そして、プラスワン機能として、これからの IoT 時代に  サーバ分電盤用は、サーバ分電盤で主流の 30mm ピッチ 対応して、盤の空きスペースに小形電力監視ユニット「F のブスバーに対応した母線プラグイン形を、高遮断タイプ − MPC」を取り付け、装置の状況をインターネットで監 と低遮断タイプの 2 種類を用意。サーバ分電盤に要求され 視し、盤単位、装置単位の省エネ・器具の状態監視により、 るコンパクトさはもちろん、プラグインで施工時間の短縮 予防保全の活用なども提案している。 が図れ、負荷の変更や追加作業を大幅に改善できる。タイ プの違いは限流性能によるもので、高遮断タイプは超限流 受配電盤の省工数と省配線化 形のため選択遮断協調がとれ、短絡事故時に分岐ブレーカ だけを確実にトリップさせる。低遮断タイプは、高い限流  受配電盤では、配線作業の省工数化と簡易化が同時に実 性能を求められない回路に適した経済的なタイプとなる。 現できるプラグインブレーカで、ビル、工場、病院、デー  加えて、サーバ分電盤向けに、より高機能でメンセナン タセンターなどさまざまな用途に合わせた「母線プラグイ ス性向上を追求したソケット式ブレーカを用意。ソケット ン形」と「ソケット形」プラグインブレーカを用意している。 式制御リレーの発想で開発された同製品は、ブレーカ本体  母線プラグイン形は、電流によってブスバーピッチ とプラグインベースが分離しており、配線はベース側のみ 70mm と 30mm の 2 種類をラインアップ。各プラグイン で本体側には一切不要。そのうえ、本体はデータセンター 方式は「動力分電盤用」「電灯分電盤用」、データセンター で要求される上位ブレーカとの選択遮断協調が確保可能な に設置される「サーバ分電盤用」で最適な使い方ができる。 高性能ブレーカ「G − TWIN Λ」をベースとしており、警   動 力 分 電 盤 用 の「TWIN − Plug BV・EV シ リ ー ズ 」 報接点回路も差し込むだけで同時に直列配線が完了するた 70mm ピッチは、ベースとなるブレーカ「G − TWIN シリー め、ブレーカ交換時に電気的配線に触る必要がなく、安全 ズ」の 50 〜 630A までを母線プラグイン形でラインアッ な省施工形ブレーカといえる。 プ。70mm ピッチのブスバーにブレーカを差し込むだけで 一次側の配線が完了。プッシュクリップ方式により、ブラ ンクカバーの取り付けねじを業界で初めて不要とした。ま ソケット式ブレーカ 母線プラグイン形ブレーカ(70mm ピッチタイプ) — 3 —
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寄 稿 制御盤向けファンユニットの最新動向  熱対策に関する課題を解決へ オリエンタルモーター株式会社 オリエンタルモーターのファンと周辺機器 制御盤設計・組み付けを楽にする 「制御盤ファンユニット」  オリエンタルモーターでは精密小型モーターと制御用電子 回路の設計・製造・販売をおこなっています。1 台から購入  制御盤ファンユニットは、ファンと周辺機器(カバー、フィ 可能な多様・多品種の標準製品は、約 50,000 種類。最適 ルターメディア、フレーム、フィンガーガード)を一体化した な駆動システムを提供することを目指しています。 製品です。すべての製品にファンなし(パネル部分のみの製品)  生産設備や外販装置においては、加熱されたワークの冷却 を用意しています。多種多様な制御盤(キャビネット)内の状 などのほか、制御機器・電子機器などが実装された装置内部 態や、設置する周辺環境に合わせた最適な冷却ができるよう、 の換気・冷却といった熱対策、温度管理が求められます。装 様々なサイズ、IP グレード、パネル色の製品を展開しています。 置の設置環境によっては、寒冷地対策や湿度対策も必要です。 ●制御盤ファンユニットの構造 さらに、熱対策機器の省エネ化、長寿命化、メンテナンス性 周辺機器があらかじめ一体化しているため、少ないねじ本数 の向上、安全規格への対応など、盤の設計に求められる要素 でファン、周辺機器を固定可能です。 や課題は多岐にわたります。当社は、このような設計者が抱 える熱に関する課題を、ファン & サーマルマネジメント製 品群によって総合的に解決したいと考えています。 ▼オリエンタルモーターのファン&サーマルマネジメント製品群 課題 対応製品 特徴 例: フィンガーガー ド カバー フィルターユニット メディア フレーム ファンモーター フィンガー ガード プロペラファン ・風量の大きい送風 フィルター付 AC入力、DC入力 ・省エネタイプ、長寿命タイプ、 アラーム付を標準ラインアップ ▼動画で構造と取付方法をご覧いただけます 換気・冷却・乾燥・ ブロワ 吸引 AC入力、DC入力 ・静圧が大きく、指向性の強い送風 クロスフローファ ン ・均一で幅の広い送風 AC入力、DC入力 換気と粉塵・水滴 制御盤ファンユ ・粉塵や水滴が舞う環境に設置した QR コード の浸入対策 ニット 制御盤内の換気冷却に適したガード、フィルターやファン付ユニット ・ヒーターで温めた空気をファンで 拡散 低温対策 制御盤ファンヒー ・装置周囲や内部温度が低温になる 結露、高温度対策 ターユニット 場合や、昼夜で気温差があるなど結 ●制御盤ファンユニットの特徴 露がおきやすい環境での高湿度対 策が可能 1)特性確認、取り付け、メンテナンスが簡単 ファンと周辺機器を一体構造にし、フィルターやカバーをつ ファン・ヒーター ・換気・冷却やヒーティングが必要な の自動運転・停止 温度スイッチ ときだけ自動運転 けた状態の風量 - 静圧特性を公開しているため、選定時の手・省エネ化が可能 ご参考:製品による風量 -静圧特性の違い  本稿では、近年バリエーションを増やしている当社の制御 50 ファン単体 盤向けファンユニットについて取り上げ、その構造と特徴、 フィンガーガードユニット メリットを紹介します。 IP2X仕様40 スリット板金ユニット IP4X仕様 30 防塵・防滴ユニット IP43仕様 20 フィンガーガード、フ ィルター、カバーなど フフィィンンガガーーガガーードユニ 10 ドユニッットト ススリリッットト板板金金ユユニニッットト 防防塵塵・・防防滴滴ユユニニッットト が着いた状態での特性 IIPP22XX仕仕様様 IIPP44XX仕仕様様 IIPP4433・・IIPP5555仕仕様様 が明確なため、選定の 手間が省けます。 パパネネルル色色 ベベージュ クリーム ライトグレー 0 1 2 3 (板金塗装色 (5Y ー7/ジ1)ュ ク(2.リ5Yー9/ム1) ライトグレー (板金塗装色)) (5Y7/1) (2.5Y9/1) 風量[m3/min] — 4 — 静圧[Pa]
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制御盤・配電盤ナビ vol.4 間が少なく、手配も簡単です。またファンや周辺機器を個別 ンなしタイプを使い分けることで、ダスト・水滴対策など環 に手配・組み付ける場合と比べ、制御盤への取り付けやフィ 境に合った熱対策と設計・設置の手間の削減を両立できます。 ルター交換などのメンテナンスも簡単におこなえます。 3)アラーム付製品で冷却異常の早期発見と機器長寿命化 ▼表面カバーの着脱だけでフィルターメディア交換が可能  アラーム付製品を標準ラインアップしています。機器の冷  動画でフィルター交換方法をご覧いただけます 却異常を検知することで、装置の過熱によるダメージを防ぐ ことができます。 4)ファン用温度スイッチ併用で盤内冷却の効率アップ  ファン用温度スイッチは、周囲が設定した温度になると接 点が ON になるスイッチです。換気・冷却が必要なときだ QR コード け運転することで省エネ・低騒音運転を実現可能です。 低消費電力 AC ファン、制御盤ファンユニット登場  2016 年、フィンガーガードユニットとスリット板金ユ 2)様々な環境に対応する保護等級 IP2X/4X/43/55 仕様 ニットに低消費電力 AC ファン EMU シリーズを搭載した製  指の接近から保護する IP2X 仕様のほか、ダスト・水滴の 品を新たにラインアップしました。ブラシレスモーター採用 浸入を防ぐスリット板金ユニット IP4X 仕様、防塵・防滴ユ で、取付角寸法 120mm ファンで最大 68% 消費電力を低 ニット IP43・IP55 仕様をラインアップ。ファン付、ファ 減(従来比)。また期待寿命が 60,000 時間と従来品の 2.2 倍になりました。単相 100~240V(50/60Hz)の電源対 【ダスト・水滴がある環境】 応で世界中でそのまま使用でき、電源周波数にかかわらず同 防塵・ 防滴パネル 一特性が得られます。 IP43・IP55仕様 下部ファンより空気を吸い ンなし 込み、上部のパネルから風ファンなし ◇ 仕様比較 を吐き出す使い方です。 筐体内の圧力を上げ、吸込 対象製品 ✽EMU1238 従来品 口以外の隙間(板金のつな 項目 50/60Hz ぎめ・ケーブル穴)からも外 防塵・防滴 部のダストを筐体内に侵入 消費電力[W] 4.4 約66∼68%減 14/13ユニット IP43・IP55仕様 しにくくします。 吸込みタイプ 回転速度[r/min] 3250 2800/3250 ファフンァ付ン付 ダスト 最大風量[m3/min] 3 2.7/3 水滴 最大静圧[Pa] 84 同等特性 81/81 騒音[dB] 42 43/46 【ダスト・水滴がある環境で盤内密度が高い場合】 質量[kg] 0.29 約45%減 0.53 防塵・ ✽ MU1238A-11Bの場合。 防滴ユニット IP43・IP55仕様 吐き出しタイプ ▼低消費電力ファンEMUシリーズ搭載の制御盤ファンユニット ファァンン付付  ラインアップ下部ファンより空気を吸い 込み、上部ファンから風を フィンガーガードユニット スリット板金ユニット 吐き出す使い方です。筐体 IP2X仕様 IP4X仕様 内の実装密度が高く、冷却 防塵・防滴 ユニット しにくい場合に適していま IP43・IP55仕様 す。 吸込みタイプ ファフンァ付ン付 ダスト 水滴 パネル色 ベージュ クリーム パネル塗装色 ライトグレー ベージュ クリーム 【ダスト・水滴がない環境】 (5Y7/1) (2.5Y9/1) 防塵・ 定価:5,100円~ 定価 :8,350 円 ~ 防滴ユニット IP43・IP55仕様 吐き出しタイプ ファァン付ン付 周辺機器をうまく使ってコストの削減を 筺体内の圧力を下げ、吐出 口以外の隙間(板金のつな ぎ目・ケーブル穴)から外部  このように、ファンモーターだけでなく既成のパネルや温 に空気を漏れにくくします。 周囲にダスト、水滴がない環 度スイッチなど状況に適した製品をうまく使うことで、設計 防塵・防滴 ユニット 境に適しています。 を簡易にできたり、省エネな装置が実現できます。当社の、 IP43・IP55仕様 吸込みタイプ 小型から大型・大風量まで揃うファン、設計や手配、設置を フファァンンなし 簡便にする周辺機器は、WEB ショップなどでも 1 台からす ぐご購入いただけます。ぜひご利用ください。  — 5 —
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潮 流 制御盤自動配線システムへの夢 全自動電線加工機 HI − 2000 の開発秘話 ライオンパワー株式会社  これまでずっと制御盤の製造では、盤内の配線は技術者が手作業で行うのが当たり前だった。しかし近年の コンピュータや CAD/CAM の進化によって、少しずつ自動化の道が開き始めている。  石川県小松市のライオンパワー(高瀬敬士朗代表取締役社長)は、制御盤づくりのなかでも複雑と言われる 電線加工を自動化する全自動電線加工機「ST-SYSTEM」を開発。電線カットや被覆剥き、端子圧着など、全 自動のハーネス製作を可能にし、制御盤製造の新たな文化を切り開こうとしている。 全自動電線加工機 ST − SYSTEM とは ?  ライオンパワーは、工場の生産性向上を目的とした自動化 ロボットシステムを手がける、1973 年創業のエンジニアリ ング会社。  ST-SYSTEM は、制御盤用に専用設計したオリジナルの 全自動電線加工機。一連の電線加工工程を行う中心的装置 「HI − 2000」と、0.3sq~2.0sq までの電線を自動選択し て装置本体へ送り込む電線セレクタ、JST またはニチフの 1.25sq~2.0sq 用の丸または Y 端子を自動で選択し圧着ユ ニットへ供給する端子セレクタ、加工した電線を収納する収 納機、ハーネスの両端にそれぞれ配線先が印字されたシール を貼り付ける配線情報システムで構成されている。 ST−SYSTEM  電線カットからマークチューブの印字と挿入、電線被覆剥 き、端子圧着まで、全自動でハーネス製作が可能。端子の圧 全自動電線加工機の開発に至る経緯 着も、丸・Y 端子・コネクタ端子・フェルール端子・オープ ンバレル端子など様々に対応している。  全自動電線加工機の開発を始めたのは約 25 年前。当時、  作業者は完成したハーネスを制御盤に配線するだけ。これ 火力発電所の制御盤製造を請け負い、尋常でない量のハーネ までハーネス製作に割いていた人員を制御盤製作に回すこと ス加工に非常に手こずっていたなかで、あまりに手間のかか ができ、生産性は大幅アップ。製造コストの大幅削減、リー る作業と、「技術を楽しむメーカー」というビジョンがあり ドタイムの削減に効果を発揮する。 ながら大手企業の下請け仕事ばかりの日々。クライアントに  また機械による全自動製作のため、ハーネスの品質安定や はロボットを使った自動化装置を納品しながら、自社の作業 深夜の無人運転など導入メリットも多く、その効果は 80% は手作業ばかり。その違和感と置かれた状況に発奮し、「制 のコストダウンに成功した例もあるという。 御盤を自動で製造するシステムを開発しよう !」と取り組み 始めたのが始まりだ。 ハーネス製造の大きな壁曲がる電線と ひしゃげた チューブ  全自動機の開発を始めてみたが、すぐに大きな壁に直面し た。  ハーネスには識別用のマークチューブを付けなければなら ないが、ハーネスといっても電線はくねくねと曲がり、マー クチューブは潰れたりひしゃげて変形している状態。人間な らチューブの変形を補正しながら電線を挿入できるが、機械 はそれが不可能だった。  その解決に向けてはじめに取り組んだのが、ひしゃげた筒 ST−SYSTEMの導入メリット を正円に近づけること。ボール盤の三つ爪チャックとチップ — 6 —
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制御盤・配電盤ナビ vol.4 部品を載せるマウンターの部品傾き補正機を活用したとこ とができ、端子も圧着できる装置はライオンパワーしかない』 ろ、潰れや変形を修正し、正円に近づけることに成功。マー と技術力の高さを買ってのことだった。 クチューブが正円になることでハーネスを通す成功率が格段  HI-1000 に改良を重ね、全自動機「HI-1001」テスト機 に上がり、ハーネスの自動加工にも目途がたった。 を開発。中央部にあるチャックユニットが回転し、交差点を  このユニットは現在「チャックユニット」と呼ばれ、同社 整理する警察官のように、後ろから来るマークチューブを受 が特許権を取得している。 け取り、右に方向を変えてハーネスを通し、向きを変えて端 子を圧着するという画期的な構成。そのアイデアは高く評価 されたが、耐久性や精度が基準に達せずにテスト機止まりと なった。  しかし同社はこの経験を生かし、HI − 1001 販売機を完 成。「ハーネスをまっすぐにしなければならない」という既 存の考え方を捨て、 わざとハーネスを曲 げて加工する手法を 採用。これにより試 作 機 よ り も 25% の コンパクト化も達成 し、大阪の S 社に納 加工電線:通常のマークチューブ 入した。 完成した半自動電線加工機。だが市場の評価はイマイチ  こうして完成した最初の装置が、半自動の電線加工機「HI- 1000」。配 ( はい ) → HI、線 ( せん ) → 1000。そのものズ HI1001試作機 バリ「配線」という名前が冠された。 全自動機 HI − 2000 が完成 海外販売も検討中  完成した HI-1000 を持って意気揚々と展示会に出展した が、実機を見たお客の反応はいまいち。「アイデアはいいけど、  HI − 1001 販売機を S 社に納入した後もトラブルは続い 動きが遅い」「100% の成功率でなければ使えない」。制御 た。「全自動だから常に動き続けてほしい」というクライア 盤製造業界ではハーネスに 1 本不良が出ると、何百、何千 ントと、「問題が起きれば一時停止する」という開発陣の意 もある制御盤内の全てのハーネスをチェックしなければなら 見の相違、ハーネスを早く送るための送りローラの溝が、逆 ず、HI − 1000 ではリスクがメリットを大幅に超えていた。 にハーネスの表面を傷つけるといったミスなど。S 社の協力 を得て、改善を繰り返して 1 年半後、ついに全自動加工機「HI − 2000」が完成した。  あるクライアントでは、これまで 1 週間かかっていた制 御盤製造を 2 日間に短縮したことが評価され、最終的に社 内賞『社長賞』を受賞。「現場の若いやつらは、ハーネスは 自動で出来るものと思っている」「昔は 1 本ずつ作っていた のにね」など高く評価され、その後、2 号機、3 号機の購入 につながった。  2 号機(HI-2000 バージョン)は、molex や AMP といっ たコネクタ端子の圧着など対応端子の種類を大幅に増やし、 さらにユーザー別の特注設計を容易にする形へと進化。この 仕様がヒットし、その後毎年のように 2~3 台売れるヒット 商品になっている。 1995展示会の様子  また、毎年のマイナーチェンジで対応端子や電線種類を増 やしており、最近では 150mm の渡り線も自動で製作可能 半自動機から全自動機への挑戦 になった。これも人気商品になり、装置購入済みのユーザー も改良して導入することもあるとのこと。  販売からしばらくの間、半自動機が 2 セットしか売れて  現在は、従来の半自動電線加工機と全自動加工機の次世代 いなかった当時、ある大阪の企業が「全自動機が欲しい」と 装置の開発も進行しており、外資系企業と提携しての海外販 注文。その係長曰く『ハーネスのマークチューブを入れるこ 売も計画中とのことだ。 — 7 —
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盤ニュース オムロン、制御盤設計・製造プロセス変革へ 製品仕様の共通化やプッシュイン採用  制御盤の小型化、省スペース化、短納期化、国際化は、  「国際化への対応」についても、制御盤の輸出サポートと 制御盤業界が直面している大きな課題。これに対しオムロ してグローバル主要拠点 35 カ国の緊急配送網を展開。欧 ンは、制御盤内の製品仕様の共通化や効率化に役立つ技術 州拠点では新商品発売に合わせて、既存商品も含めた盤内 の採用、サービスの拡充を行い、課題解決をサポートして 機器の標準在庫機種 / 数量を増加させている。同時に UL いる。 Listed や CE、CSA 等の認証規格も全機種で取得している。  「制御盤の小型化、省スペース化」に対しては、制御盤  これらの新コンセプトの対応製品は順次発売を開始して 内の製品仕様を共通の設計コンセプト "Value Design for いる。2016 年 4 月に電源、タイマー、監視リレー、温度 Panel" としてデザインとサイズを統一。盤内の余分なス 調節器、レール端子台など 20 カテゴリー 952 形式をはじ ペースを従来比横 50%、上下 20%、体積 30% 削減を実 め、10 月にはパワーサプライ、押しボタンスイッチ、電力 現している。 量モニタ、マシンオートメーションコントローラなど 7 カ  「制御盤の納期短縮」については、プッシュイン Plus 端 テゴリー 1 万 5583 形式、2017 年 4 月には端子台、I/O 子台を配線方式に採用。工具がいらず、イヤホンジャック リレーターミナル、漏液検出器、スイッチング電源など 4 に挿しこむような感覚で配線作業ができ、増し締めも不要。 カテゴリー 36 形式まで拡大している。 従来のネジ端子台と比べて 60% の配線工数を実現してい る。また振動にも強く、信頼性も向上している。  さらに、制御盤設計・製造情報をまとめた専用 WEB サ イト「Panel Assist Web(http://www.fa.omron.co.jp/ solution/panel/)」を開設。商品の選定とリスト化、さら に熱シミュレーション、端子台の選定や取り付けスペース をチェックできるツールを備え、設計の効率化を支援して いる。 パナソニック、分電盤の配線作業時間を半減 ブレーカアース端子付搭載分電盤を発売  パナソニック・エコソリューションズは、電線接続部の  さらに、アース線をブレーカに接続できるようになった 全端子を速結端子にし、アース端子をブレーカに内蔵した ため、アース線の接続先がわかりやすくなり、施工監理や 「カンタッチブレーカアース端子付搭載分電盤」を、9 月 メンテナンス時の省力化も図ることができ、加えて、接続 21 日から発売する。希望小売価格は、配線保護用が 6150 完了表示付きで接続信頼性も向上している。 円、漏電保護付が 1 万 2760 円。2018 年度 3 億円の販売 を目指す。  全ての電線接続部に電源線を差し込 むだけで接続ができる速結端子を採用 し、アース端子を含め、ねじ締めによ る接続作業は不要。また、アース端子 をブレーカに内蔵することで、アース 線の長さの調整や先端加工も不要とな り、従来に比べ配線作業時間を約 2 分 の 1 に短縮し、配線作業の効率化を実 現している。 — 8 —
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制御盤・配電盤ナビ vol.4 日東工業、感震ブレーカー実証実験プロジェクトが優秀賞 IoT で地震と雷のデータを有効活用  日東工業が進めているプロジェクト「高機能感震ブレー 活用したりするシステムを実証するもの。どの家にも必ず カー(地震・雷 IoT)実証実験」が、レジリエンスジャパ ある住宅用分電盤から情報を収集するため、普及が進めば、 ン推進協議会主催の「ジャパン・レジリエンス・アワード(強 より高密度な地震観測網が構築でき、即時の被害把握、構造・ 靭化大賞)2017」の優秀賞を受賞した。 地盤分析、建物の危険度・劣化判定などの防災・減災に活  同プロジェクトは、住宅用分電盤の中に組み込む感震ブ 用することが期待できるとしている。 レーカーと避雷器にセンサーを取り付け、あらゆるモノが  首都圏の住宅 100 軒程度に設置工事を進め、データの取 ネットにつながる IoT 技術を使って地震と雷のデータをク 得を開始。地震、建築、防災などの専門家 9 人で構成する ラウドで蓄積・分析することにより、居住者に被害状況を 第三者委員会を組織し、実験方法やデータの有効性を検証 メール通知したり、多数の住宅から集めたデータを防災に していく。 オーム電機、最長 2 年間メンテナンスいらず フィルターを自動で巻き上げ くるくるフィルター  空冷ファンで外気を取り込み、風の 力で機器を冷やす盤の熱対策。そのま までは現場に舞う塵やホコリ、オイル ミストを吸い込み、故障や性能劣化の 原因となるので、ファンの外側にはフィ ルターを取り付ける必要がある。しか しながらファンも毎日使っていると目 詰まりし、定期的に交換をしなければ ならず、その手間も面倒だ。  オーム電機の「くるくるフィルター」 は、ファンの吸気口の両端にユニット を取り付けるだけで、あとは定期的に 自動でフィルターを巻き取り。メンテ ナンスの手間を大きく減らすことがで きる。巻き取り距離を 9 段階で設定で き、最長 2 年間メンテナンスいらず。 電池駆動なので、わずらわしい配線作 業ナシで取り付けできる。 — 9 —
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制御盤・配電盤ナビ vol.4 製品市場 PLC(プログラマブル・コントローラ)  PLC(プログラマブル・コントローラ)の生産は、日本電  一方、日本電機工業会(JEMA)では 2017 年度予測を 気制御機器工業会(NECA)の統計によると、2016 年度 103.5% の 1190 億円としているが、2017 年 1月以降の受 の国内出荷額は前年度から12 億円増加の 821 億円、輸出 注が急増していることから、今後は大幅な上方修正が予想さ 額は 94 億円増加の 558 億円で、総額では 106 億円増加 れる。 の 1380 億円(108.3%)と大きく伸長した。輸出比 率も   富士 経 済 の調 査によると、PLC 市 場 の 2019 年には 40.5% と、4 ポイント増加している。 1921 億円まで伸長すると予測している。  PLC を取り巻く市場環境は、半導体・FPD(フラットパネ ルディスプレイ)製造装置の生産が好調で近年に無い活況で、 とくにスマホの有機 EL 採用に伴う需要増は PLC の生産を牽 引している。加えて、工作機械市場の反転、ロボット需要の 拡大などが大きな追い風になっている。  NECA では、2017 年度出荷予測を前年度比 102.3% の 1348 億円と見ていたが、16 年度の需要が予想以上に増加 したことから、2017 年度予測を超える結果になっている。 インバータ  インバータは、モータの最適化ができる装置として国内外の ストの削減にもつながる。同時に、誰でも扱える操作の簡便 省エネや新エネルギー・再生可能エネルギー活用に向けた強力 性が志向されており、スマートフォンなどとの連携も進む。イ な取り組み機運を背景に堅調な需要を見せている。2015 年 ンバータ同様にエネルギー効率化につながるマトリックスコン からのモータのトップランナー基準の適用も定着し、さらに需 バータにも注目が集まっている。 要増が加速している。  汎用インバータの市場は、日本電機工業会 (JEMA) の生 産統計によると、2016 年度実績は 624 億円で、前年度比 93.0%となっている。2017 年度の生産見通しは 101.0%の 586 億円。上期 284 億円と下期 302 億円としている。  インバータは、電力消費量の半分近くをモータが占めるとい う環境の中で、モータの駆動を効率化するものとして採用が 増加。高効率モータ規制の開始により、インバータと組み合わ せた利用が増えている。また最近は、誘導モータ (IM) や同期 モータ (PM) も同時に制御できる機能を搭載し、モータによる 使い分けが不要になっている。予備品の用意もいらず、在庫コ サーボモータ  サーボモータは、半導体製造装置や工作機械、ロボットな なしで発振せずに俊敏に動作可能となっている。装置内のサー どの高精度な制御のキーデバイスとしてこのところ急拡大を続 ボエネルギーを有効活用し、2 軸アンプや DC バスの接続に けている。 よる複数軸間での回生エネルギーなどにより大幅な省エネ化  日本電機工業会 (JEMA) の 2016 年度の生産実績は、前 も実現している。しかも、機能 年度比 102.9% 増の 957 億円。半導体・FPD 製造装置受 安全規 格で自動 IEC61508 安 注拡大、工作機械の需要増加、ロボットをはじめとして自動 全度水準 SIL3 への対応や、マ 化投資が大きく貢献した、17 年度は 106.5% の 1019 億円 ニュアルやトラブルシュート情報 と再び 1000 億台突破を予測している。アメリカの調査会社 を表示できる製品も出ている。 MarketsandMarkets では、サーボモータの世界市場は 16 年から 22 年にかけて金額ベースで 6.25% の伸びで推移し、 102 億ドルから159 億ドルに達すると予想している。  技術的には、高機能化、小型・軽量化、高速応答、高精度化、 位置決め時間の短縮化のほか、ネットワーク化、モジュール 化などがポイントとなっている。とくに高速応答や振動抑制機 能などが進化し、調整レス機能の進化によって、ゲインの調整 — 10 —
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制御盤・配電盤ナビ vol.4 製品市場 配線接続機器  端子台やコネクタ、ソケット、ケーブルアクセサリなどの配 線作業性、設置スペースなどで優位性を発揮し、急速に需要 線接続機器は、用途が産業全般にわたり、社会インフラ整備 を伸ばしている。 やエネルギーに絡んだ需要が生まれている。またスマートファ  コネクタは、単価の下落、海外生産の増加などもあり、グロー クトリーや IoT による「つなぐ」という点から各方面で配線接 バル需要では車載関係向けの好調も加わり拡大基調を継続。 続機器への期待も高まっている。 小型化と接続信頼性、高い保護特性などが求められ、特に厳  国内の配線接続機器の市場は 4600 億円前後と見られる。 しい環境下や高電圧対応が コネクタが約 4000 億円、端子台・ソケットが 500 億円、ケー 求められる。 ブルアクセサリ類が 100 億円程度となっている。  端子台は、作業性や設置スペースを重視した開発が活発に 行われており、使いやすさがいっそう増した製品が人気。薄 型化や省スペース化、インテリジェント化、狭ピッチ化などが 進む。また、圧着端子を使わずに配線をそのまま端子台に差 し込むスプリング式の市場が拡 大している。接続信頼性や配 制御用リレー  制御用リレーの市場規模は、日本電気制御機器工業会 多く、依然として主流になっている。少点数でローコストなシー (NECA)の統計によると、2016 年度の制御用リレーの出荷 ケンス制御では、リレーを使った盤が増えている。 額は 1570 億円(タイマ・カウンタ・安全関連リレー含む)で、  リレーの用途は FA 用から民生用、車載用と非常に幅広い 前年度比 97.8% と若干減少した。国内出荷は 102.0% の 分野で使用されている。近年、大きな市場になっているのが 673 億円と増加したが、輸出が 94.8% の 897 億円と減少幅 車載分野である。車載用は車の乗り心地向上と連動する形で が大きかった。輸出比率は 1.8 ポイント減の 57.1% と依然高 需要が増えており、車の生産台数以上に使用個数が増加して い水準を維持している。 いる。加えてハイブリッドカーや電気自動車、燃料電池車な  2017 年度出荷 額は、102.3% の 1611 億円と予測。国 ど、環境車両の開発も追い風に 内が 101.8% の 679 億円、輸出が 102.6% の 932 億円と なっている。またこのところ急 2015 年度の水準への回復を目指している。 速に広がる風力発電も有望な市  リレーは、電気信号を受け機械的な動きに変換する電磁石 場で、現在、世界で 500 万 kW と、電気を開閉するスイッチで構成される電磁式が一般的だ が 50 年には 7500 万 kW にな が、半導体技術を使い、小さな電力で大電力を開閉できソリッ る見通し。制御装置と変換装置、 ドステートリレーや光半導体式などもある。電子式は、メカニ 保護装置などにリレーが使われ カル構造の特徴を生かしたアプリケーションが各分野で非常に ている。 操作用スイッチ  操作用スイッチは、製造業に加え、非製造業や公共分野な 会インフラ整備に向けたリニューアル需要が旺盛。ビルや工場 ど満遍なく伸びている。製品傾向も小型・薄型化に加え、省 も省エネや効率化に向けた設備更新が進んでいる。 配線化や省工数化、DC 機器用高電流対応、デザインなどが  また新たな市場として期待されているのが、医療機器業界と 重視されている。 エネルギーハーベスト。医療機器市場は、15 年度 3500 億ド  日本電気制御機器工業会 (NECA) によると、2016 年度の ルから18 年度に 4536 億ドルまで拡大する見込みで、特に中 出荷額は、前年度比 102.9%の 399 億円となった。国内が 国市場が伸びると言われている。日本市場では検査医療器の 99.4%の 261億円、輸出が110.3%の138 億円となっている。 需要が多く、スイッチの使用台数も多くなっている。 2017 年度は 101.4%の 406 億円を予測している。  操作用スイッチは、押しボタン、照光式押しボタン、セレクタ、 カム、トグル、ロッカー、フット、多方向、デジタル・DIP、シー トキーボード、タクティルのほか、イネーブルやセーフティなど 安全関連で、多種多様なスイッチが使用用途によって使い分け されている。取り巻く環境は全般的に好調に推移。製造業は、 自動車、半導体、工作機械、電子部品実装装置、ロボット、 3品(食品、薬品、化粧品)関連機械などが安定した需要を維持。 非製造業で東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた社 — 11 —
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制御盤・配電盤ナビ vol.4 ニュース 防災のため標準的機器として普及拡大 地震時の電気火災を防止する感震ブレーカー  地震の際、揺れとともに被害拡大に甚大な影響を与えるのが「火災」だ。電気を原因とする電気火災は出火原因 の多くを占めると言われ、近年その被害を防ぐために「感震ブレーカー」の普及が急速に進んでいる。配電盤の機 能として組み込んだ新製品や、後付け式など、多くの製品が発売されている。  内閣府によると、東日本大震災の本震で発生した火災 寺田電機製作所、生方製作所、エヌ・アイ・ピー、リンテッ 111 件で原因が特定されたもののうち、過半数を超える ク 21 の簡易タイプ感震ブレーカー、第一通商の出火防止 65% が電気関係からの出火だった。電気関係からの出火は、 コンセントが推奨製品として登録されている。 一次配線における変圧器への過負荷による加熱による出火 のほか、二次配線の分電盤を介してからの配線コードの損 ■表 1:分電盤内に取り付ける感震装置 傷による出火や、電気ストーブやヒーターの転倒、白熱灯 メーカー名 品番 が落下して可燃物に接触したことによる出火などに可能性 KRB-1(en ステーション専用) 河村電器産業株式会社 があるとされている。そのため分電盤で電気を遮断するこ KNR-1(スマートホーム分電盤専用) とができれば、家庭内からの出火を防ぐ予防策となる。 テンパール工業株式会社 ES-2B  これに対し感震ブレーカーは、設定値以上の揺れを感知 日東工業株式会社 MGP3A したらブレーカーやコンセントなどの電気を自動的に遮断 パナソニック株式会社 BQX700 し、電気火災を防止する装置で、不在時や緊急避難をしな ければならない際に有効とされる。住宅が密集し、延焼し 【後付タイプ】 たり、避難が難しく危険性が高い「地震時等に著しく危険 河村電器産業株式会社 NFK-1KR NFK-1KR な密集市街地」では緊急的・重点的な普及促進が必要とさ テンパール工業株式会社 ES-BX ES-BX れている。電気設備の保安に関する民間規格である「内線 日東工業株式会社 MG4 規程」でも、これらの地域の住宅では設置が勧告的事項に、 BQE8306ZA それ以外の地域でも推奨的事項となり、住宅における防災 BQE8406Z 設備の標準的な機器となりつつある。 パナソニック株式会社 BQE8506Z BQE8606Z BQE8706Z ■消防防災製品等推奨制度の推奨マーク 河村電器 : 感震ブレーカー付ホーム分電盤  感震ブレーカーには、感震ブレーカーを分電盤内に搭載 した「分電盤タイプ」、既存の分電盤に外付けして感震ブレー  また日東工業は、感震リレーとブレーカーが一体化した カー機能を付与する「後付けタイプ」、揺れを感知してコン 「感震機能付ブレーカー」を開発。家庭用ホーム分電盤、産 セントで電気を遮断する「コンセントタイプ」、オモリの落 業用分電盤に取付け可能で、住宅以外の工場、飲食店など 下やバネの力でブレーカーを落とす「簡易タイプ」などい にも使用範囲が広が くつかのタイプがある。 るとしている。  2015 年 2 月に内閣府の大規模地震時の電気火災の発生 抑制に関する検討会によって『感震ブレーカー等の性能評 価ガイドライン』がまとめられた。これにともない感震ブ レーカーの性能評価を行う第三者認証制度として、日本配 線システム工業会の「感震機能付住宅用分電盤認定制度(分 電盤タイプ)」があり、適合機種は、現在 4 社 13 機種となっ ている(表 1)。また日本消防設備安全センターの「消防防 災製品等推奨制度(コンセントタイプ、簡易タイプ)」では、 日東工業 : 感震機能付ブレーカー — 12 —
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制御盤・配電盤ナビ vol.4 製品紹介 EPLAN Software & Services 株式会社 河村電器産業株式会社 ■世界最大の総合電気 CAD「EPLAN」 ■制御盤用キャビネット 世界中で使用されている EPLAN で 高い防錆性能と全体溶接構造でキャビネットの強度を向上 電気設計の標準化、ボーダレスな設計に対応  河村電器産業は、基本性能を大幅にグレードアップしたキャビ  制御盤業界を取り巻く状況が急激な変化を見せている。製造業 ネットを販売、好評を博している。 のグローバル化に伴い、設計から組み立て、配線、検査、出荷、  キャビネットの基本性能として、錆に強い防錆性能、強度を向上、 立ち上げが日本国内だけで完結せず、国境をまたいだ最適化が進 さらに加工に関して板金加工技術、溶接技術も向上させ、新たな んでいる。 スタンダードとして開発された。  世界最大の統合電気 CAD メーカー「EPLAN」が世界中で選  防錆性能としては、つなぎ目のない全溶接構造を採用。カドを ばれている。すでに 45,000 を超えるユーザーに 11 万ライセン 板金処理し、端面カドに塗装がのりやすい電着塗装を実施して、 ス以上が導入され、顧客の設計効率・品質の飛躍的な向上に寄与 さらに錆びにくくしている。また、本体以外に錆びる要因となる蝶 している。CAD としての使い勝手はもちろんのこと、顧客のニー 番部にステンレスを採用するなど、環境負荷にも配慮した最新の ズにあわせたコンサルティング力がその背景にある。 塗装技術も採用している。  さらに同社の強みは、ポータルサイトに存在する 73 万点を超  強度に関しては、板金設備の自動化により、汎用キャビネット える部品ライブラリ。電気 CAD と連携することで、部品が廃盤 にて「全体溶接構造」を実現している。その結果、設備環境によ になった場合のエラー表示、新型式への一斉置換などが容易にで るキャビネットのゆがみが軽減化された。 きる。もちろん部品表、結線図、シーケンス図など多くの図面に  CAE 構造解析結果でも、ゆがみ部分の減少を確認でき、従来 も自動反映、自動ワイヤリング、ケーブ に比べて強度が 15~20% アップした。 ル太さのチェックなども行い、図面の修  これらの基本性能向上に合わせて、新 正モレ・ミスを未然に防ぐ。特に制御盤 たな加工サービスも展開している。「e@ を海外に輸出する際は、仕向け先にあ ssist(イー・アシスト)for キャビネット」 わせた規格に準拠する必要があり、図 で、web 上での簡単な CAD 作業により、 面を仕向け先に応じ、自動変換すること 穴加工図を作成、データをそのまま発注 もできるため、輸出製品の設計はもちろ データとして利用できる設計支援システ ん、企業間でのデータ受け渡しが発生す ムになっており、制御盤設計者を支援す る場合は特にメリットが大きい。 る。 http://www.eplanjapan.jp http://www.kawamura.co.jp/ 株式会社新愛知電機製作所 スワロー電機株式会社 盤、機器、点検サービスの三事業で、無停電社会に貢献 ■出力コンセント付トランス「CL シリーズ」  新愛知電機製作所は、電力を建物内に安全かつ最適に配電する 高性能 + 安全性と使いやすさを追求 配電盤などを生産する「盤事業」、電源の切替により停電を防ぐ電  スワロー電機は、電源トランスを主力とする電源装置・変圧器の 源切替開閉器などを生産する「機器事業」、これら機器が安心して リーディングカンパニー。配線工数を従来比 1/5 に短縮するネジ 利用できるための「点検サービス」の三事業を展開することで、無 アップ端子台や、配線ミスを防止するカラー端子台、差し込むだけ 停電社会に貢献している。 で結線ができるプッシュイン式端子台、通電表示用 LED などを業  製品は、有名施設をはじめ、大手メーカー工場、官公庁、銀行、 界他社に先駆けて産業用トランスに搭載、ユーザーニーズに応え続 病院などで活躍し、電力の安全供給に貢献。 けている。また、2010 年に堺工場を竣工、大型トランス用に独自  万一の停電時には、電源切替開閉器「MAC―DT(マックディー の加圧式巻線機を導入するなど設備投資も積極的に行っている。 ティー)シリーズ」により瞬時に電源を自動的に切り替えることで、  最近、特に業界の注目を集めているのが、出力コンセント付(LED 電気の安全供給をサポートするオーソリティ企業。アメリカにおい 照明 + サーキットプロテクタ内蔵)トランス「CL シリーズ」。PLC ても MAC―DT シリーズの評価は高く、今後さらなる国外需要を目 やタッチパネルなどに代表されるように、制御盤に使われる機器に 指すと共に、東南アジアなどで積極的な販売活動を展開していく。 は PC で設定変更を行う製品が増え、ノート PC の充電用に盤内 最新の電源切替開閉器「CMAC―C」は、住宅用分電盤に搭載で に AC100V のコンセントを設ける場合が多い。従来は別途部品を きるように世界最小クラスの小型化を実現。コントローラーを内蔵 購入、配線、設置をする必要があったが、電源トランスとして「CL し、配線スペース、接続工数を削減。内蔵のタイマーにより電源の シリーズ」を採用することで、コンセントはもちろんのこと、高輝 切替タイミングを遅らせることができる。 度 LED 搭載により盤内照明も不要にな  このように新愛知電機製作所は、常に次代のニーズを的確に捉え、 るため、部品点数や配線工数・設置工 問題解決提案営 数が削減できる。しかも、2 次側端子 業と付加価値の 台から一般配線を行なう場合、要望に 高い製品を創造 応じてコンセント保護用のサーキットプ し、日東工業グ ロテクタ容量の変更も可能なため、制 ループの一員とし 御盤設計者・保全担当はもちろん、制 て前進している。 御盤・配電盤業界に大きく貢献している。 http://www.aichidnk.com http://www.swallow.co.jp/ — 13 —
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制御盤・配電盤ナビ vol.4 製品紹介 内外電機株式会社 日東工業株式会社 ■トレーボード/交換用内器ユニット/アジャストダクト ■協約形プラグイン小型動力分電盤 分電盤のリニューアルニーズなどに対応 最大 30% の製品質量小型化を実現  内外電機は電力の安定供給の一翼を担うことを標榜し、リニュー  日東工業は、従来品より大幅に省スペース化された協約形プラグ アル工事においても最適なアドバイスと製品提供ができるメーカー イン小型動力分電盤「i saver compact(アイセーバコンパクト)」 を目指している。老朽化した電気設備の更新は「独特の手間」「限 を発売した。 られた停電時間」といった制約や、「大規模更新」から「部品交換」  近年、店舗・事務所などでは、分電盤の設置スペースを確保す などニーズが様々。同社は施工性にこだわった製品開発を進め、カ ることが難しく、一方ではサービス多様化、電源の大容量化によ タログ品やイージーオーダー品、カスタム品など幅広い製品群から る負荷回路数増加、エネルギー監視機器搭載による高機能化で、 提案を行っている。 分電盤が大型化してしまうという課題があった。  新商品の組立てタイプの盤用キャビネット「トレーボード」は、  「i saver compact」は、この課題に対する日東工業の解答で らくらく施工と配線作業を広々と行なえることを考慮し、ボデーは ある。業界で約40 年間、変わる事のなかったJIS協約形 3Pブレー ねじ止めで簡単に固定できる。古くなった盤の改修のほか、新設の カサイズの既念を一新し、大幅な小型化を実現した動力分電盤に 盤施工にも効果を発揮する。また、分電盤のリニューアルに対応し なっている。同製品は、従来から動力分電盤で使用されている分 て、既設盤(キャビネット)をそのままにしながら、同社の標準分 岐ブレーカの横幅サイズ 75mm を3 分の 2 の 50mm に小型化し、 電盤(TOP 盤)をコンパクトな内器ユニットとして組み込むことで、 革新的な省スペース化を実現、店舗・事務所などの限られたスペー 丸ごと交換に対応できる。分岐回路の増設や機器の追加、交換作 スヘ設置することができる。 業の短縮などに最適。  重量も最大約 30% 軽量化され、使用  そのほか、工具無しで+− 25 mmの範囲で高さを自由に伸縮調 材料が削減、環境負荷の低減にも結び付 整できる「アジャス く。また、老朽化による分電盤の更新だ トダクト」も新商品 けでなく、キャビネットが同一サイズであ として発売。 るため、サービス多様化による負荷回路 数増加、エネルギーマネジメントシステム・ IoT 関連機器を搭載する高機能化など、幅 広いリニューアルに対応することが可能。 http://www.naigai-e.co.jp/ http://www.nito.co.jp/ B&R Industrial Automation 株式会社 富士電機機器制御株式会社 ■ディスプレイ・データ伝送テクノロジー「Smart Display Link 3」 ■小型配線用遮断器「G-TWIN Λ(ラムダ)」 HMI 間の通信 100m 実現 幅18 mm の薄型で、遮断容量 15kA 実現  B&R Industrial Automation は、インダストリアルオートメー  富士電機機器制御は、機械装置の高機能化と制御盤内の電気 ションの大手メーカーとして、産業用 PC、モーションコントロール、 回路の増加傾向に対応して、盤内機器の小形化・省工数化・省施 PLC、HMI、統合安全技術で先進的な製品を販売している。従業員 行化・省配線化に意欲的に取り組んでいる。 数約 3000 人のうち、約 1000 人が R&D(研究開発)およびアプ  MCCB/ELCB と して、2001 年 に「 α -TWIN シ リ ーズ 」、 リケーション・エンジニアに従事するなど、技術力に定評がある。 2007 年に「G-TWIN シリーズ」と、小形化・モジュール化および  「Smart Display Link 3」(SDL3) は、これまで培ってきた技 国内外規格に適合するマルチスタンダード製品を発売し、市場の変 術を基に、バージョンアップしている。PC とパネルの距離を最大 化を先取りしてきている。 100m にすることが可能になり、特にモジュラーマシン、システムの  「G-TWIN シリーズ」の思想を継承し、機械装置・制御盤の市場 製造に大きなメリットが出る。Smart Display Link テクノロジーは、 ニーズにマッチした 32AF-63AF の小形ブレーカとして「、G-TWIN 2004 年に 40m までの距離で HMI デバイスを操作できるとして初 Λ(ラムダ)シリーズ」を開発した。「 G-TWIN Λシリーズ」は、 めて発表された。  1 極あたり18mm 幅の薄幅構造で、当社比 28% 小形化しつつ遮  SDL3 は、通信チャネルはすべて標準のイーサネットケーブルを通 断容量を格上げし、高遮断容量品で 15kA(AC200V) を実現して じて伝送でき、ケーブルコストを削減できるだけでなく、細径ケーブ いる。 ルと RJ45 コネクタはフィードスルー開口部やサポートアームシステ  また G-TWIN シリーズと同様、標準品 (JIS/IEC/CCC)、UL ムのような狭いスペースにも使用できる。また、高性能なグラフィッ 登録品 (JIS/IEC/CCC/UL489) を用意 クパフォーマンスにも対応でき、グラフィックデータは PC システム し、端子部前面からの保護構造は IP20 からパネルに直接伝送される 確保した安全構造となっている。 ことから、パネル内部にもう1 台の PC を用意することなど  さらに、直流専用品やプラグインタイプ が不要で、分散処理を簡単に などの応用機種も充実しており、幅広い適 実現できる。しかもこのテクノ 用範囲に対応している。 ロジーはオペレーティングシス テムに関係なく使用可能。 www.br-automation.com/ja http://www.fujielectric.co.jp/fcs/ — 14 —