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リニアガイドウェイを選定するために知っておきたい6つのポイント

ハンドブック

リニアガイドウェイには様々な種類があり、それぞれ特長があります。製品選定を行う上での6つのポイントについて説明します。

リニアガイドウェイは、非常に正確な動きを必要とする機械・装置を陰で支える重要部品です。 マシニングセンタからワイヤボンディングシステム、医療機器に至るまで、これらのリニアガイドウェイはマイクロメートルレベルの精度が必要なモーションコントロールを提供します。ここでは、さまざまなリニアガイドウェイのアプリケーションとこれらコンポーネントをカスタマイズする必要性や、高い費用対効果を成功させるための製品選定について説明します。

このカタログについて

ドキュメント名 リニアガイドウェイを選定するために知っておきたい6つのポイント
ドキュメント種別 ハンドブック
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取り扱い企業 日本シュネーベルガー株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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リニアガイドウェイを選定するために知っておきた い6つのポイント はじめに リニアガイドウェイは、非常に正確な動きを必要とする機械・装置を陰で支える重 要部品です。 マシニングセンタからワイヤボンディングシステム、医用画像機器ま で、これらのリニアガイドウェイはマイクロメートルレベルの精度が必要なモーシ ョンコントロールを提供します。 リニアガイドウェイには、次の3つの主要なタイプがあります:ボールベ アリングを採用したスライド、ローラータイプのベアリングを採用したク ロスローラーガイドウェイ、再循環ベアリングです。この幅広い製品ライ ンナップは装置メーカーのシステムおよび装置設計に多くの選択肢を提供 しています。 ここでは、さまざまなリニアガイドウェイのアプリケーションについて説明します。 これらコンポーネントの多くをカスタマイズする必要性や、高い費用対効果を成功さ せるための製品選定についての洞察を提供します。 アプリケーション 理化学機器 液体処理システム、DNAプレートリーダー リニアガイドウェイは、数多くの産業および医療/研究 患者搬送テーブル CT、MRI アプリケーションの直動システムに見られます。高精度 かつ高い再現性を必要とする動きが不可欠なシステムに 取り付けられます。リニアガイドウェイは、主に次のア プリケーションで使用されます。 ミクロトーム機器 病理学で試料を顕微鏡下で観察す る為の試料を100μm以下の切片にスライスする機器 マシニングセンタと寸法測定 XYZ軸金属切削機 ワイヤボンディングマシン 集積回路やプリント基板に15 µm の細線ボンディングの製作 ピックアンドプレース 電子部品をプリント基板に配置する装 Type R ボールタイプリニアベアリング, Type R ローラータ イプリニアベアリング, Type RN Formula S ケージコントロー 置 ル付きリニアベアリング 1
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知っておきたい6つのポイント 適切なリニアモーションのサプライヤと製品を選択することは、システム構築において非常に重要です。 間違ったサイ ズまたは低品質の部品を組み込むとシステム全体の性能が低下します。装置の動きが遅くなり精度が低下するため、ス ループットが悪くなり完成した製品が損傷する可能性があります。さらにはシステムが停止し、障害がより頻繁に発生 することによりリニアガイドウェイの寿命が短くなり、メンテナンスコストが上昇します。 これらのリスクを軽減しシステム構築を成功させるため • スティックスリップ現象なし に、知っておくべき6つの重要なポイントがあります。 • 高速 1. リニアガイドウェイの製品タイプに • 低摩耗 合ったアプリケーションの理解 • 高信頼性・高剛性 クロスローラーガイドウェイは、より高い負荷をより正 確に搬送でき、かつ安価な製品です。 バランスの取れた • 高負荷容量 特性を備えた理想的なオールラウンド製品です。ローラ • 真空・クリーン環境準拠 ーベアリングを搭載したケージにより、耐荷重能力と剛 性の点で最良の結果を提供します。クロスローラーガイ ドウェイをコンポーネントとして搭載したテーブルは簡 単にシステムへ据付できるよう事前に組立・予圧されて います。 スライドは、小さな負荷に適しています。簡単にシステ ムへ据付できるよう事前に組立・予圧されています。さ らに、エンコーダ内蔵ミニスライドも提供できます。 再循環ベアリングはベアリングが循環することにより無 制限のストロークを可能にします。 ボールベアリングタイプのリニアガイドウェイは、スムーズ 2. リニアガイドウェイの要件を定義 な動きを必要とするアプリケーションに優れた結果をもたら モーションシステムに必要な負荷、精度、力、速度、お します(高い耐荷重と剛性を要するアプリケーションには不 よび加速度は、リニアガイドウェイを選定する上で最も 向きです)。 重要な要素です。タイプとサイズを決定するには、最初 ケージコントロール付きニードルベアリングタイプのリニア にそれらを計算する必要があります。 ガイドウェイは、きわめて高い負荷、剛性、および精度の要 リニアガイドウェイの仕様を満たすために、ガイドレール 件を満たします。 ケージコントロールは、脈動を確実に防止 の長さを選択する必要があります。 レールサイズの種類 し、走行性能を最適化します。 は、1、2、4、6に分けられています。ガイドレールの正し リニアガイドウェイを選択する際には、アプリケーショ い長さを計算するための式は、当社のリニアガイドウェイ ンにとって望ましい属性を探す必要があります。: 製品カタログに記載されています。 • 非常にスムーズな動作 さらに、経験豊かなサプライヤは、リニアガイドウェイコン • 一貫した正確な動作 ポーネントの予想寿命を決定する計算を提供します。 3. ベースフレームの機械加工及び組立の正確 性 モーションシステムを支持するフレームやベースの組立 と機械加工は、精度が必要とされます。 平坦度、真直 度、角度はすべて正しくなければなりません。要件仕様 与圧ウェッジタイプNRV, を外れるとケージの動き、機械操作に誤差を引き起こす 循環ベアリングタイプNRT, 可能性があります。 タイプSK再循環ボールベアリング 2
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4. ケージクリープの防止 5. リニアガイドウェイの予圧 正確に機能を確保するために、リニアガイドウェイの転動体 装置設計において、ケージの動きまたは「クリープ」の を取り付ける前に、予想される負荷を転動体にかける必要が 可能性を認識する事は重要です。ケージは、ガイドレー あります。 ルの中央にあるハウジングに収まるローラーまたはボー ルベアリングのセットです。すべてのリニアガイドウェ スライドは、出荷前にサプライヤが事前に組み立てて予圧す イで、ケージは中心から縦軸に沿って移動できます。ケ る必要があります。この手順は、マイクロメートルオーダー ージクリープは最適な負荷領域を減少させます。ケージ の許容誤差と精度を確保するために不可欠です。 を中央の位置に戻すにはケージ補正ストロークが必要で す。 6. カスタマイズの優位性 ケージクリープは、次の理由で発生する可能性がありま すべてのリニアモーション製品の50%以上がカスタマイズさ す: れています。 なぜか?装置メーカーは、競合他社との独自 • ベースフレームの不適切な加工 の優位性を備えた製品を構築したいと考えているためです。 このリクエストには、より小型軽量で、より大きな力、速 • 高すぎる加速度、速度 度、および負荷を処理する機能を備えたコンポーネントが必 • リニアガイドウェイの垂直設置 要です。ケージの改造、特殊コーティング、または耐食性材 料が必要になる場合があります。 • 不均一な負荷分散 カスタマイズが必要な場合は、装置メーカーと協力して独自の • ケージの飛び出し 製品生産を専門とするサプライヤを探してください。優れたサ プライヤは通常、2つのレベルのカスタマイズされたコンポーネ • 異なる熱膨張係数 ントを提供します。 • 設計、据付の不具合(構造の剛性および/または精度の欠如) • 既存製品に小規模の変更を加えたカスタマイズ: ケージクリープは機械の精度に影響を与えるため、防止す • 完全なカスタマイズ製品は、特別な要件に基づいて構築 る必要があります。当社のフォーミュラSシステムなどのケ されており、固有の形状を指定する場合があります。ク ージコントロール技術は、ケージの動きをなくすために開 リーンルーム、真空、高温アプリケーション向け特殊グ 発されました。 リース、および特殊パッケージ。 装置の負荷が大きく、精度が重要な場合は、ローラータイ カスタマイズされたリニアモーション製品を専門とするサ プのケージを選択する必要があります。 負荷が小さくスム プライヤは、共同設計および開発プロセスを採用し、新し ーズな操作が必要な場合は、ボールタイプのケージを選択 い機能を必要とするカスタマイズされた製品に投資するた する必要があります。 めに、迅速な意思決定から開始する必要があります。以下 ケージコントロールは、さまざまな重要な利点を提供しま は一般的なカスタマイズの手順です。: す: • 製品のニーズ、アプリケーション、仕様をサプライヤへ • ケージの滑りがなく一定の負荷条件 提供 • 補正ストロークの回避 • サプライヤが製品ソリューションを作成 • ケージリセットの推力不要 • デザインレビューの共有 • 300 m/s2 (30 g)までの継続的な動作 • サプライヤによる設計の改訂 • 速度 1 m/s • サプライヤがコンポーネントのプロトタイプを、顧客が システムのプロトタイプを製作 • 簡単な据付けまたは/および分解 • コンポーネントの設計をサポートおよび検証するデータ • 耐用年数の延長 を生成するために、コンポーネントのプロトタイプをシ • 真空対応>10-7 mbar ステムのプロトタイプでテスト • 改訂後、サプライヤが最終コンポーネントを提供 3
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まとめ リニアガイドウェイは、システム製品の運用において重要な役割を果たします。これらシステムの多くは、患者の健康に影 響を与えたり、軍事、宇宙航空科学、通信の機能や性能に影響を与える可能性のあるアプリケーションが含まれています。 正しいリニアガイドウェイコンポーネントを選択するには、アプリケーションに最適な製品タイプを深く理解する必要があ ります。たとえば、ケージのクリープが予想される場合は、実績のあるケージコントロールシステムを選択することが重要 です。リニアガイドウェイのベアリングは、必要な精度と、精度を確保するために予圧する必要があります。さらに、モー ションシステムのベースフレームは非常に正確な公差で機械加工する必要があります。 カスタマイズされた製品が必要な場合は、共同開発プロセスを備えたモーションコントロールのスペシャリストよる知識と 柔軟なエンジニアリング、および製造能力を発揮しなければなりません。これらのスペシャリストは、追加の精密機械加工 技術を提供する部門と同じ企業に配置する必要があります。 これらの6つの重要な問題を理解することで、必要な精度、再現性、および動作寿命を提供するリニアガイドウェイの選択 が保証されます。 SCHNEEBERGERについて SCHNEEBERGERは1923年にスイスで設立され、ボール、ニードル、クロスローラーベアリング、ミニチュアガイドウェイ、ボール、ローラ ーを含む高精度のリニアガイドウェイを製造しており、オプションでリニアエンコーダ内蔵型を提供します。また半導体、フラットパネル、計 測、電子機器、医療、ライフサイエンス業界向けの特注多軸ステージシステムを提供します。 03 -6435-7474 Sales-Japan@schneeberger.com www.schneeberger.com