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レーザ溶接業界注目の新技術「OCT溶接深さ検査」の基礎編技術資料です。2021年1月から公開を始め、ダウンロード数が多い技術資料(ホワイトペーパー)になります。概要把握に最適です。
抜き取りによる破壊検査からリアルタイムによる非破壊・全数検査へ展開可能な 「OCT溶接深さ検査」の技術概要・事例紹介など記載しています。
従来からの溶接モニタリングでは実現出来ない「溶接深さ検査」の検討に活用下さい。
技術資料の内容は下記になります。
①会社紹介
②OCT搭載ガルバノヘッドのご説明
③OCT事例のご紹介
④アプリケーションラボのご紹介
このカタログについて
| ドキュメント名 | 「OCT溶接深さ検査」技術資料(基礎編) |
|---|---|
| ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
| ファイルサイズ | 4.4Mb |
| 取り扱い企業 | パナソニックプロダクションエンジニアリング株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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基礎編
ホワイトペーパー
リアルタイムでの
非破壊・全数検査が可能
「OCT溶接深さ検査」
In-process inspection
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スライド番号 1
●Agenda ※Ver1.0(2023年9月25日)
01 OCT搭載ガルバノヘッド
02 事例のご紹介
03 アプリケーションラボのご紹介
04 弊社の会社紹介
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スライド番号 2
●Agenda
01 OCT搭載ガルバノヘッド
02 事例のご紹介
03 アプリケーションラボのご紹介
04 弊社の会社紹介
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スライド番号 3
OCT(光干渉断層法)とは
●OCT(光干渉断層法)とは ●OCTの原理
・Optical Coherence Tomography ・物体からの反射/散乱光を干渉計測することで,距離計測を行う。
→「光干渉を利用した精密な距離計測」
光 干渉 断層計測
●歴史
・1985年に原理が報告され,1991年に装置実現
・医療用途(眼科用検査器)として普及し,
その後に産業用途として発展
眼科用検査器の事例(TOPCON様HPより引用)
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スライド番号 4
レーザ溶接におけるOCTの活用
◆ レーザ溶接によるOCTの活用
→①溶接前検査,②溶接中検査,③溶接後検査で使われる。
→弊社のOCTは,「②溶接中検査:溶接深さ検査」に特徴があります。
●レーザ溶接によるOCTの活用事例 ③溶接後検査
②溶接中検査
①溶接前検査:溶接前高さ検査,シームトラッキング
②溶接中検査:溶接深さ検査
①溶接前検査
③溶接後検査:ビード幅検査,ビード高さ検査
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スライド番号 5
レーザ溶接におけるOCTの活用
◆ レーザ溶接によるOCTの活用
→キーホール底の到達位置を測定することで,溶け込み深さとの相関が得られ,「溶接深さ検査」に活用できる。
●前提条件 ●溶接プロセスとの関係
・キーホール溶接に適用可能(熱伝導溶接には適用不可) シングルモード使用時 マルチモード使用時
OCT計測光 レーザ光 レーザ光
溶接レーザ光
溶融
凝固部 金属
キーホール底
金属部材 精密に計測
溶け込み深さは, 溶け込み深さは,
キーホール キーホール底位置とほぼ一致 キーホール底位置+熱伝導層
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スライド番号 6
OCTの導入メリット
◆ OCT検査により,「抜取りによる破壊検査」から,「リアルタイムによる非破壊・全数検査」が可能になる。
●工程フロー ●導入メリット
量産時の導入メリット 開発・試作時の導入メリット
Before Afftterr 「従来からの,抜取りによる破壊検査」 「破壊検査による断面検査」
→「リアルタイムによる非破壊・全数検査」 →「非破壊による断面検査」
インプロセス溶接保証への展開が可能 溶接深さを確認したワークで強度検査可能
溶接 溶接
+ 「検査工程・検査工数の削減」, 「稼働率向上」 「評価工数の削減」, 「リードタイムの削減」
OCT検査
外観検査 (溶接深さ検査) Totalコスト削減が可能 開発検証サイクルを素早く回すことが可能
「全数の溶接品質裏付けデータを集積・保管」 「測定者に依存しない溶接深さ測定」
抜取検査
トレーサビリティ―が可能 以前の測定結果との比較が可能
※断面検査
※引張試験
【現状の量産工程課題】 【導入後】
・過剰な検査・保全によるロス 検査頻度,保全タイミングの最適化が図れ,
完成品 完成品 ・突発不具合による事後調査によるロス Totalコストが削減可能
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スライド番号 7
弊社OCT搭載ガルバノヘッドの特徴
◆ 弊社OCT搭載ガルバノヘッドは,「溶接深さ検査」に特徴をもち,大きく5つの強みがあります。
●OCT搭載ガルバノヘッド概略図 ●5つの特徴
① ガルバノスキャン光学系でOCT検査を実現
ガルバノ OCT光学系
加工用レーザ
② 溶接中のWobbling動作に追従したキー
ホール深さ計測が可能
溶接方向
③ シングルモードファイバーレーザの使用において
も測定可能 Wobbling加工例
(マイクロキーホールも測定可能)
④ 適用が難しいと言われているアルミ材も測定
可能
OCT測定(溶接深さ測定)結果
⑤ 従来はキーホール底の位置合せに時間を要
すると言われていましたが,調整レスを実現 断面実測値とOCT測定値の相関
3σ=77~135.5um
※詳細は「03 事例のご紹介」を参照のこと
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スライド番号 8
検証事例 ※Wobbling加工時のOCT計測結果
◆ その他検証事例は,「03 事例のご紹介」を参照のこと。
●実験条件 ●実験結果
・部材:C1020
・溶接条件
・溶接送り速度:6㎜/s
・Wobbling直径:φ1㎜
・Wobbling周波数:100Hz 上面写真
※レーザ走査速度:314㎜/s
Cu小片
断面写真 約1.4mm
Cu小片
部材 2×4mm
C1020
OCT検査 約1.4mm
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スライド番号 9
OCT搭載ガルバノヘッド仕様
◆ 評価等は,随時対応可能。(詳細は,お問い合わせ下さい。)
●OCT搭載ガルバノヘッド外観 ●仕様
ガルバノヘッド部 OCT計測部
適用波長 1030~1070nm 測定方式 SS-OCT
レーザ出力 MAX:6kW 測定波長 1310nm
周波数 ~CW サンプリング周波数 100kHz
走査範囲 □100mm@ f255 測定分解能 10μm
ビームプロファイル DOE方式(カスタム対応可能) 測定深さレンジ 0.1~6mm
接続ファイバー QBH 測定範囲 □100mm@f255
サイズ / 重量 65×210×806mm/30kg サイズ / 重量 238×177×250mm/10kg
● 製品仕様,およびデザインは改善等のため予告無く変更する場合があります。
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スライド番号 10
OCTと各溶接検査の比較
◆ 溶接検査は,溶接後検査・インプロセス検査(パッシブ式・アクティブ式)に分類できる。
◆ OCT検査(溶接深さ検査)は,インプロセス検査のアクティブ式であり,計測器として使用可能。
◆ 溶接欠陥は,内部欠陥と外部欠陥に分類できる。ただし,溶接強度に影響する内部欠陥を計測可能な検査方式は少ない。
溶接後検査 インプロセス検査 インプロセス検査
(パッシブ式) (アクティブ式)
オフライン インライン
断面研磨 X線検査 画像検査 抵抗検査 レーザ超音波 戻り光モニタ スパッタ計測 OCT
引張り試験 超音波探傷 高さ検査
磁粉探傷 気密試験
方式 浸透探傷
内 溶け込み深さ
部 接合面積 (引張り試験) - - - △
接合面積を計測 - - ○
溶け込み深さを計測
欠 ボイド 断面研磨 X線検査 - 抵抗検査? - - - -
溶 陥
接 クラック 断面研磨 超音波探傷 - - - - - -
欠 穴あき 磁粉探傷 気密試験 △ - - ○ △ -
陥 表
面 スパッタ - - △ - - △ ○ -
欠
陥 ビード外観 磁粉探傷
※欠け・ヒゲ 浸透探傷 - ○ - - △ - -
抜取り検査 投資コスト:大 外観検査のみ 用途:限定的 用途:限定的 条件抽出に時間:大 量産適用:難 数値管理:可能
備考 インライン化:難 ※計測器ではなく, ※計測器として使用可能。
あくまでモニタリングのみ
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スライド番号 11
インプロセス検査の歴史と今後の展望
◆ ガルバノスキャン光学系に対応可能なOCT検査により,幅広い分野への導入が加速すると推測する。
●インプロセス検査の歴史と今後の展望
現在
ガルバノスキャン式 自動車業界を中心に
OCT 幅広い分野への導入が加速する…
アクティブ式
同軸式
OCT 【欧州・中国】 導入開始
【日本】 車両の溶接を中心に導入開始
【自動車部品を中心に普及】
パッシブ式 ・O2センサー
※戻り光モニタ(3波長モニタ) ・TWB
・エアーバック
2000年 2010年 2020年
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スライド番号 12
●Agenda
01 OCT搭載ガルバノヘッド
02 事例のご紹介
03 アプリケーションラボのご紹介
04 弊社の会社紹介
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スライド番号 13
検証事例 ※Wobbling加工時のOCT計測結果(Cuを用いて評価)
◆ Wobbling加工時もキーホール深さ計測が可能。
●円Wobblingと直線Wobblingの例 ●円Wobbling加工時の溶接断面,およびOCT計測結果
・条件①:円Wobbling
●実験条件
・部材:C1020プレート 溶接方向
・溶接条件
・レーザ出力:1.8kW
・溶接長さ:3㎜ 約1. 4㎜
溶接方向 ・溶接送り速度:6㎜/s
・Wobbling直径:φ1㎜
・ Wobbling周波数:100Hz
※レーザ走査速度:314㎜/s 溶接断面
・条件②:直線Wobbling
約1. 4㎜
溶接方向
OCT計測結果
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スライド番号 14
検証事例 ※実断面の溶け込み深さとOCT測定値の相関評価(Alを用いて評価)
◆ 溶け込み深さ0.4mm~1.2mmの範囲で実断面と測定値の相関は,135.5um@3σ。
●溶接条件 ●断面実測値-OCT測定値 相関グラフ
部材 A1050P
(純アルミ) レーザ走査方向
パワー 700~1500W
溶接速度 240mm/s 溶け込み部
約1.1㎜
溶け込み底
±40um程度
400μm 未溶融部
3σ=135.5um
(±40um程度の比較時誤差含む)
実断面確認の溶け込み深さ[μm]
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OCT測定による溶け込み深さ[μm]
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スライド番号 15
検証事例 ※突合せ溶接での断面比較(Cuを用いて評価)
◆ 銅の突合せ溶接でも測定できることを確認。 ※不安定な溶接においても,測定可能。
●溶接条件 ●OCT測定結果と断面写真の比較
部材 C1020 ●OCT計測結果
パワー 1800W
加工速度 6mm/s
溶接長さ 3mm
①Cu小片2個の突合せ溶接
②不安定な溶接状態を再現
備考 ※不安定な溶接状態
→スパッタ・ハンピングが
発生する溶接状態 ●断面写真(破断面) ●OCT計測結果と断面写真の重ね合せ
レーザ走査方向
3㎜
Cu小片
1.7~2.4㎜
Cu小片
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スライド番号 16
EV・HEVモータ用レーザ溶接を想定した事例紹介
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スライド番号 17
車載モータ進化の方向性,およびヘアピンレーザ溶接の分類
◆ 車載モータの進化を考量すると,ヘアピンレーザ溶接は,TIG溶接→レーザ溶接への移行するものと推測される。
●製品進化の方向性 ●コイルエンド部短縮化とヘアピンレーザ溶接の分類
小型軽量化 短縮化
機電一体化
(電動アクスル)
低コスト化
コイルエンド部短縮
軸
長
短 従来方式 次世代方式(TIG→レーザ溶接)
縮
化
※レーザ溶接が必要な理由
突合せ部のみを溶接する方式(次世代方式)では,溶接玉を形成する
溶接方法(従来方式)で採用したTIG溶接では製作困難なため…
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スライド番号 18
ヘアピン溶接の検査方法確立に関して ※次世代方式を想定
◆ OCT検査の活用により,次世代方式の課題である「溶接部の検査方法確立」が可能になる。
●次世代方式における課題 ●OCTを適用した実験 ●実験結果
品質保証の確立
課題
(溶接部の検査方法確立)
・従来からの画像認識が適用不可 上面写真
→新たな検査方法確立が必須
内容
断面写真 約1.4mm
TIG置換え 次世代 Cu小片
現状 - Cu小片
OCT検査 約1.4mm
弊社
提案 OCT検査 部材 2×4mm
C1020
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スライド番号 19
車載モータのレーザ溶接アプリケーション
◆ 車載モータ製造に必要な多くのレーザ溶接アプリケーションは, 「OCT検査」を用いることで課題解決が可能。
●車載モータ概略構造 ●レーザ溶接事例と課題解決のご提案
ギア溶接 事例 概要 課題,および解決策
ギア
ギア&シャフト 溶接
「溶け込み深さ管理」が必要
ローターシャフト溶接
OCT検査
ローターシャフト
溶接
ローター ヘアピン溶接
ヘアピン 「次世代方式において,溶接検査の確立」が必要
溶接 OCT検査
ステーター 「熱による電磁特性の劣化対策」が必要
積層電磁鋼板 →溶け込み量の管理が必要
溶接
積層電磁鋼板溶接 OCT検査
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