差動電気化学質量分析(DEMS)・オンライン電気化学質量分析(OEMS)オプション

Gas Analysis | DEMS Technical Information TI-20022 製品概要 DEMS / OEMS オプション 差動電気化学質量分析(DEMS)とオンライン電 気化学質量分析(OEMS)は、調査対象の溶解ガ こちらのDEMS薄層検出器は、静的電解質での 脱離成分分析に特化しています。また、水性電 スと発生ガス両方の分析を行う為、様々なサン 解質を利用する多くの電気化学研究にも利用で プル挿入オプションを用意しています。 きます[1]。 溶解ガスの測定は、通常、差分真空ポンプシス サンプルガス供給量を継続して少量に抑えるこ テムを介して質量分析計(MS)のPTFE半透過膜 とで、サンプルが薄い電極層を通過してMSに達 を使用して行われます。 する前にセルから離脱しないよう注意します。そ の際、スポイトポンプを使用して1μl/s分量を供 発生ガスの測定は、キャリアガスフローの有無 給することを推奨します。 にかかわらず、ヘッドスペース内で対象プロダ この検出器には、直径5mmのガラス質炭素用電 クトガスを直接解析することで行われます。 極と1/16インチAg/AgCl電極が装備されていま す。対極はなく、直接セルに挿入するか、または この文書では、DEMS 使用例に対する各挿入イ 容器外の電解液と接触することでサンプルを挿 ンレットの特徴について概説します。 入します。サンプル物質は動作電極の表面に付 着します。電解質、対極および参照電極は1/16 インチポートから検出器に挿入します。 ハイデンアナリティカル DEMS検出器 PEEK本体とPTFE浸透膜が、腐食性電解質の 分析を可能にします タイプA検出器 適正あり 適正なし 溶存ガス 発生ガス 静流動下 高流動下 水溶性電解質　　　　 　 揮発性電解質 ガラス状炭素 WE Technical Information TI-20022 1 Hiden Analytical

タイプ B 検出器 適性あり 適性なし 溶解ガス 発生ガス 低流動下 高流動下 水溶性電解質 揮発性電解質 Cu, Ag, Au WE DEMS 検出管 DEMS二重透過膜セルは、プロダクト形成率と転換 頻度判定による流体力学制御で、継続的なファラ DEMS検出管はカスタマイズされた検出器で溶解ガ デー電流測定に最も適しています。[1]. スを測定することが可能です。検出管は柔軟なステ ンレス鋼管の端に位置しているので、測定中でも簡 タイプBセルはCO2削減[2]研究に適しており、希 単に移動することができます。 薄な二重イオン伝導性透過膜を使用し、陽極部と 陰極部を区画化します。 DEMS検出管も他のDEMS検出器と同様のPTFE透 過膜および差動ポンプ技術を利用していますが、表 この検出器は２つのコンパートメントに低流動電解 面積が小さい為、ポンプと透過膜に微調整を要しま 質を要し、発生ガスはMS測定の陰極のみに生成 す。ポンプ式制限器を採用している為、ぶ厚い浸透 されます。推奨される流量は、二重スポイトで毎分 膜にも適切なMSサンプリング圧力を適用します。 2mlです。 柔軟なチューブと、ぶ厚い浸透膜を採用している PTカウンター電極とAg/AgCl参照電極を標準搭載 為、反応時間が若干(2秒程)損なわれます。また、検 し、固体Cu/AgまたはAuめっき電極のオプションが 出器は、WEにできるだけ近い位置に配置してくださ 用意されています。 い。 タイプBセルもPEEK本体とPTFE透過膜を利用する １/16インチの計測チューブ径および6mm検出器 為、腐食性電解質分析に適しています は、様々なメチル基酸化還元反応(Redox.me)セルの 分析に適しています。 Technical Information TI-20022 Hiden Analytical 2

超低流量キャピラリー 超低流量キャピラリーの利用により、キャリアガスフ ローによる生成ガスの希釈を最小限に抑えながら、 発生ガスを測定できます。毎分200μlで、流量は電 界発光セル(EL-Cell)[3]の楕円曲線セル(ECC- DEMS)で推奨されるフローと類似しており、またメチ ル基酸化還元反応(Redox.me)またはカスタムセル への接続にも適しています。 1：メチル基酸化還元反応(Redox.me)セル内に 取り付けられたDEMSプローブ 適正あり 適正なし 溶解ガス 発生ガス 図2：メチル基酸化還元反応(Redox.me)検出器に接 低量電解質 続された超低流量キャピラリー 低流動化&高流動下 水溶性電解質 揮発性電解質 耐腐食性オプションで、キャピラリーはリチウムイオ メチル基酸化還元反応 キャリブレーション反応 ン電池テストと揮発性電解質使用に適応します。 カスタムセル 推奨測定環境は、キャピラリーをセル排出口接続中 に、調整済みキャリアガス流がセル挿入口を通過す るようにします。上記環境設定でキャリアガス流量 が毎分200μlに設定します。 Technical Information TI-20022 3 Hiden Analytical

マイクロフローキャピラリー マイクロフローキャピラリーは、測定対象が非常に 低濃度のプロダクトガスで、希釈すると検出限界濃 度を下回ってしまうサンプル分析に推奨されます。 挿入量が毎分12ulまたは25μlの場合、セル内圧力 3：超低流量キャピラリーの推奨実験セットアップ を大幅に変更することなく、ヘッドスペース内ガスを サンプリングできます。 加熱されたQIC注入口は高速応答（〜3000 ms） により、サンプリング中に凝縮性ガスを蒸気とし 1/16インチのフィッティング接続部を使用している て滞留します。 為、カスタムセルまたはコマーシャルセルに容易に 適合します。 適性あり 適性なし 発生ガス 溶解ガス キャピラリーの長さは1m（毎分25μl）または2m（毎 低プロダクトガス流 キャリアガス無し 分12μl）で、応答時間は対象が空気の場合、それ ぞれ8秒または16秒です。 フィルターは、微粒子が 濃縮性ガス 低プロダクトガス 毛細管をブロックするのを防ぐ役割を担いますが、 高速反応 複数ストリーム 加熱対象ではない為、結露が発生する可能性があ 複数検出器 ります キャリブレーション反応 揮発性電解質 最大8個の多重キャピラリー毛細管のオプションで 複数の分析対象またはセルからの連続サンプリン グを自動で実施します。 Technical Information TI-20022 4 Hiden Analytical

スタンダード QIC キャピラリー 容積または製品ガスが高濃度の場合、スタンダード QICキャピラリーを使用します。 挿入量は毎分800μl〜16 mlで利用可能で、加熱 キャピラリーによって高速分析（300ms）を実現しま す。 キャピラリーを長めに取っておけば（2m）、取り 回しがしやすくなります。 キャピラリーを複数ストリームバルブに接続すること で、単一キャピラリーで最大16の対象ストリームを 測定できます。 QICキャピラリー挿入量はキャピラリーライナーを交 換することで容易に変更できる為、OEMをはじめ、 多種多用な分析ソリューションを提供します。 適性あり 適性なし 発生ガス 溶解ガス 高ガスフロー キャリアガス無し 図4：マイクロフローキャピラリーの8つのオプション 複数ストリーム 低セル容積 適性あり 適性なし 複数検出器 発生ガス 溶解ガス キャリブレーション反応 低ガスフロー 高速反応 揮発性電解質 複数ストリーム 圧縮ガス 高速反応 複数検出器 汎用性 キャリブレーション反応 圧縮ガス 揮発性電解質 Technical Information TI-20022 5 Hiden Analytical

References 1. Ashton S J (2012), Design, Construction and Research Application of a Differential Electrochemical Mass Spectrometer (DEMS), Springer Theses 2. Clark, Ezra L., et al. (2015) Differential electrochemical mass spectrometer cell design for online quantification of products produced during electrochemical reduction of CO2. Analytical chemistry 87.15: 8013-8020. 3. Z. Peng at al. (2012) A Reversible and Higher-Rate Li-O2 Battery, Science, Vol. 337 no. 6094 pp. 563-566 Technical Information TI-20022 6 Hiden Analytical