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パワーエレクトロニクスに関するアプリケーションノート
パワーエレクトロニクス回路は、多くの場合、主要機能に加えて、システムデザイン要件を満たすために、サブモジュールとのインタフェースなどの他の基本的機能の提供を要求されます。 このため、パワーデザインには、マイクロコントローラーとの組み合わせによるバス通信が含まれます。このためにデザインが複雑化し、伝導性エミッション測定に悪影響を与える場合があります。このような補助機能から発生するエミッションは頻度が少ない場合があり、根本原因の発見と特定が困難になります。発生頻度の少ないイベントを効率的に発見するには、超高速のFFT解析機能を備えた測定器が不可欠です。
このカタログについて
ドキュメント名 | ミックスドシグナル・パワーデザインにおける スペクトラム内の発生頻度が少ない異常信号の 検出 |
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ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 857.4Kb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | ローデ・シュワルツ・ジャパン株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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ミックスドシグナル・パワーデザインにおける
スペクトラム内の発生頻度が少ない異常信号の
検出
パワーエレクトロニクス回路は、多くの場合、主要機能に加えて、システムデザイン要件を満た
すために、サブモジュールとのインタフェースなどの他の基本的機能の提供を要求されます。
このため、パワーデザインには、マイクロコントローラーとの組み合わせによるバス通信が含ま
れます。このためにデザインが複雑化し、伝導性エミッション測定に悪影響を与える場合があり
ます。このような補助機能から発生するエミッションは頻度が少ない場合があり、根本原因の
発見と特定が困難になります。発生頻度の少ないイベントを効率的に発見するには、超高速の
FFT解析機能を備えた測定器が不可欠です。
出するには、標準のFFT実装を備えたオシロスコープでは限界
があります。その主な原因は、FFTスペクトラムを表示するため
の計算プロセスに時間がかかりすぎることにあります。FFTスペ
クトラムの計算が行われている間に、発生頻度の少ない短時間
のイベントが見逃される可能性があるのです。根本原因の発見
には、超高速のFFT性能が不可欠です。
ローデ・シュワルツのソリューション
R&S®MXO 4シリーズ オシロスコープは、スペクトラムを測定し
て伝導性エミッションに関する詳細な情報を短時間で提供でき
るので、このような困難な作業に最適です。
図1:伝導性エミッションのデバッグ。
課題 電源
ブラシ付きDCモーター用のモータードライバーなどのパワーデ
ザインでは、アナログ回路とデジタル回路が同じプリント回路
基板上に共存しています。デザイナーはこの複雑性を考慮する
必要があります。特に問題になるのが、パワーライン上に存在す
る伝導性エミッションです。プリント回路基板のデザインが不適 DUT
DCモーター
電源
切な場合、マイクロコントローラーやSPIなどのバス通信用のク 疑似電
源回路網 マイクロコ SPI
ロックがエミッションに寄与することがあります。バス動作は継 ントローラー パワー
続的に起きるとは限らず、多くの場合は他の外部システムコント CAN
ローラーによって引き起こされます。パワーライン上の伝導性エ グランドプレーン
ミッションを測定する際に、このようなバス動作によって、周波数
スペクトラム内に発生頻度の少ないイベントが生じることがあ 高速FFT機能により、最大45,000 FFT/sの速度でスペクトラム
ります。開発プロセス中の伝導性エミッションのデバッグ用に用 を収集できます。低雑音アナログフロントエンドとの組み合わ
いられる標準的な測定器はオシロスコープです。ただし、発生 せにより、発生頻度の少ないイベントをきわめて効率的かつ正
頻度の少ないきわめて短時間のイベントをスペクトラム内で検 確に検出できます。
Application Card | Version 01.00
COMインタフェース
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さらに、FFTがタイムドメイン設定から独立しているという特長 図2:パワーライン上の伝導性エミッション測定。
が、EMIデバッグにとってはきわめて便利です。標準的なFFT実
装では、FFTの更新速度が分解能帯域幅によって大幅に低下し
ます。さらに、近磁界プローブを使用することで、システム内のノ
イズソースを発見できます。このためにも、高速なFFTが必要で
す。安定した再現性のある測定には、疑似電源回路網(AMN)
が必要です。
アプリケーション
ブラシ付きDCモーターが接続された完全統合型ハーフブリッ
ジドライバーを使用して、伝導性エミッションスペクトラム内の
発生頻度の少ないイベントの例を示しました。この被試験デバ
イス(1ページの図1を参照)は、2つのハーフブリッジを持つパ
ワーパートを備え、SPIバスを通じて設定できます。バスにはマ
イクロコントローラーが接続されており、ドライバーのステータ 最後のステップで確証が得られます(図3を参照)。この測定で
スをモニターして、モーターの速度と方向を制御する役割を果 は、ノーマル・トリガ・モードをオンにして、SPI通信ポートをパッ
たします。システム外部のモジュールとの通信には、CANバス シブプローブ(チャネル3)で測定します。スペクトラムも同時に
が用いられます。 表示されています。結果より、コントローラーとレシーバーの間
のSPI通信の開始(トリガイベント)と同時に、大きい広帯域エミ
根本原因の発見 ッションがディスプレイ上に現れています。詳細がわかったら、
この手順は3つのステップに分けられます。 SPIバス動作から生じ、パワーライン上の伝導性エミッションに
► ステップ1:残光モードをオンにして(発生頻度の少ない異常 反映されるこのエミッションを制限するための対策を定義でき
を見やすくするため)、CISPR25などの必要な規格に基づく ます。
伝導性エミッション測定を実行します。
► ステップ2:さまざまなサイズの電気プローブと近磁界磁気 図3:SPIデータの伝送中のEMIスペクトラム。
プローブを使用して、根本原因を発見し、その位置を特定し
ます(特定のボード機能と相関があるエミッションを見つけ
ます)。
注記:非周期的現象に関する情報を得るため、残光モード
はまだオンにしておきます。
► ステップ3:スペクトラムと専用機能の間の相関が見つかっ
たら、無限残光モードをオフにし、根本原因の可能性が高い
信号でトリガします(この仮定が正しいかどうかを測定によ
って確認し、正しくない場合はステップ2を繰り返します)。
測定例
図2に、ブラシ付きモーターアプリケーションのパワーライン上
の伝導性エミッション測定結果を示します。高速FFTと残光モ
ードの組み合わせにより、スペクトラム全体に大きいエミッシ まとめ
ョンを生じる発生頻度の少ないイベントを検出できます。この R&S®MXO 4シリーズ オシロスコープは、発生頻度の少ないイ
ノイズエンベロープ(白い矢印で示した薄黄色の部分を参照) ベントが発生する可能性があるミックスド・シグナル・アプリケ
は、バス通信やクロックなどの広帯域のノイズソースから生じ ーションでの伝導性エミッションの検証に最適です。
る信号の典型的な特徴を示しています。伝導性エミッション測 45,000 FFT/sという超高速のFFT実装と、低雑音アナログフロ
定の後で、近磁界プローブを使用することで、プリント回路基板 ントエンドの組み合わせにより、ミックスド・シグナル・パワー・
上のマイクロコントローラーのそばのSPIデータトラックの近く デザインの周波数スペクトラム内の発生頻度の少ないイベント
に、類似の特性を持つエミッションが見つかります。これより、 を見つけることができます。
高い確率でSPIの動作が根本原因だと仮定できます。
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ローデ・シュワルツ トレーニング ミックスドシグナル・パワーデザインにおけるスペクトラム内の発生頻度が少ない異常信号の検出
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