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オシロスコープMXO4の電子回路設計についてのアプリケーションをご紹介
オフラインAC/DCスイッチングコンバーターには、制御IC自体に電源を供給する個別のバイアス電源はありません。この場合、制御回路への電源供給用に、補助一次巻線とディスクリートコンポーネントが追加されます。この回路の検証は不可欠で、信号レベルやタイミングを正確かつ詳細に測定する必要があります。起動シーケンスには長い時間がかかるため、測定で考慮する必要があり、十分なメモリを備えた測定器が必要です。
このカタログについて
ドキュメント名 | 補助バイアス電源の電源起動シーケンスの正確な検証 |
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ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 809.1Kb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | ローデ・シュワルツ・ジャパン株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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補助バイアス電源の電源起動シーケンスの正確な検証
オフラインAC/DCスイッチングコンバーターには、制御IC自体に電源を供給する個別のバイアス
電源はありません。この場合、制御回路への電源供給用に、補助一次巻線とディスクリートコン
ポーネントが追加されます。この回路の検証は不可欠で、信号レベルやタイミングを正確かつ
詳細に測定する必要があります。起動シーケンスには長い時間がかかるため、測定で考慮する
必要があり、十分なメモリを備えた測定器が必要です。
これは難しい課題であり、高いサンプリングレートと数百ミリ秒
以上の十分な垂直軸分解能が必要です。
ローデ・シュワルツのソリューション
R&S®MXO 4シリーズ オシロスコープは、400 Mポイントの大
容量標準メモリの搭載により、高いサンプリングレート、遅いタ
イムベース設定で細部を測定できるため、この課題には最適
です。
図1:代表的な起動シーケンス
AC入力
電圧
バイアス
課題 電圧
オフラインAC/DC電源のバイアス電源の回路デザインは、電源
の起動シーケンスに影響を及ぼすため、極めて重要です。バイ
アスコンデンサには、整流されたパルス状のDC電圧源からの PWMLow
微小定電流で充電されるため、このシーケンスには比較的長
い時間がかかります。コンデンサのプリチャージが完了し、バイ 出力
電圧
アス電源が内部電源オンしきい値を超えると、コントローラー
はスイッチング動作を開始できます。補助巻線は、数ミリ秒後に > 150 ms 時間(秒)
バイアス電源を供給します。この補助巻線は、ノーマル動作の > 170 ms
コンバーターの効率を向上させます。ただし、定電流充電の完
了後は、バイアスコンデンサは限られたエネルギーしか供給し 12ビットのADC垂直軸分解能を備えているため、バイアス電圧
ないため、スイッチング動作によって補助巻線経由で十分な電 のオン/オフしきい値を評価する場合に、測定電圧レベルを詳
源を供給できるようになる前に、電圧不足のイベントが発生す 細に表示できます。
る可能性があります。重なり合うコンバーターの関数を評価す
る場合、入力電圧、DCバイアス電圧、PWM信号、出力電圧の 超高感度のデジタルトリガを組み合わせて使用することで、レ
測定が不可欠です。電流源がアクティブな場合、誤ってアクティ ギュレーターが数百ミリ秒後にスイッチング動作を開始した
ブにしたステータス信号などの異常を、長い起動シーケンスで 時に、離れたトリガイベントを捕捉して、重なり合う重要なイベ
検出する必要があります。 ントを正確に捕捉することができます。ズーム機能を使用すれ
ば、高いサンプリングレートでPWMパルスの細部を表示できま
す。図1は、代表的な起動シーケンスを示しています。
Application Card | Version 01.00
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アプリケーション 図2:コンバーターの起動シーケンスの測定
20 Vの出力電圧仕様の起動シーケンスの測定には、フライバッ
クコンバーターをベースとする50 WオフラインAC/DCコンバ
ーターを使用します。この回路は、起動シーケンスを最適化す
るためのインテリジェントな定電流機能を備えています。長時
間にわたる定電流動作が完了し、16.7 Vの電源オンしきい値
電圧を超えると、コントローラーは内部ソフトスタートシーケン
スを実行します。シーケンスが正常に完了すると、コンバーター
は定常状態に入ります。
デバイスセットアップ
起動前に、以下のいくつかの作業を完了する必要があります。
► 適切なチャネルセットアップと適切なプローブの選択 PWMパルス(チャネル3)は、コントローラーの動作を詳細に示
► コントローラー電源オンイベントを捕捉するためのウィンド します。同じ測定データの別のズームウィンドウには、コンバー
ウトリガの定義 ターの定常状態領域のPWMパルスが強調表示されます(図3
► 入出力電圧間の遅延など測定機能のアクティブ化 を参照)。領域上にカーソルを移動すると、定常状態の周波数
► 信号レベルを策定するための各種カーソル設定の選択 が表示されます。シーケンス内の他の重要ポイントに合わせて、
► 急峻なエッジを持つPWMスイッチング周波数(約300 kHz) ズームを調整することができます。
を高確度で測定するための、100 Mサンプル/s以上の高いサ
ンプリングレートの定義 図3:コンバーターの定常状態のPWMの細部
► シーケンス全体を捕捉できるだけの記録長の設定
► 起動測定中のコンバーターとコンバーター用のAC電源に最
適な負荷の定義
起動シーケンスの測定
セットアップが完了したら、AC電源をオンにして測定を開始し
ます。トリガによってバイアス電圧の最小電源オンしきい値が検
出されるとすぐに、スクリーンショットに波形が表示されます
(図2を参照)。上のウィンドウには、シーケンス全体が示され、
入出力電圧間の差が表示されています(チャネル1と4)。この
場合の持続時間は585 msで、電源が定常状態動作に入るまで
に必要な時間も表示できます。ズーム機能を使用すれば、信号 この複雑な測定は、 R&S®MXO 4の大容量メモリの場合のみ
の細部まで表示できます。画像上にカーソルを移動すると、 可能です。400 Mポイントの利用可能メモリのうちの80 Mポイ
17.4 Vのバイアス電圧(チャネル2)および10.6 Vの電源オフ ントしか使用されていません。より長い起動シーケンスやより高
電圧の最大電源オンしきい値が表示されます。このレベルが いサンプリングレートも検証できます。
10.4 Vのデータシートの臨界値を上回ることにより、補助電源
からのバイアス電圧の供給が十分高速になります。 まとめ
R&S®MXO 4は、長時間にわたる記録で非常に詳細な解析が
必要とされる、より長い起動シーケンスの検証に最適です。優
れた大容量標準メモリと12ビット分解能により、極めて重要な
起動シーケンスの非常に詳細な解析が可能です。
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www.rohde-schwarz.com/oscilloscopes
Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG R&S® は、ドイツRohde & Schwarz の商標または登録商標です。
www.rohde-schwarz.com PD 3683.8109.96 | Version 01.00 | 12月 2022 (sk)
補助バイアス電源の電源起動シーケンスの正確な検証
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