1/16ページ
ダウンロード(2.1Mb)
More speed More insight More intelligence
R&S ESR は、10 Hz ~ 7 GHz の周波数範囲で EMC測定を行うことができる CISPR16-1-1 規格に完全適合したEMIテスト・レシーバです。本機は、FFTベースのタイムドメイン・スキャンによって、非常に高速に電磁波や妨害波を測定します。また、シグナル・スペクトラム・アナライザの機能も内蔵しているので、研究開発の現場に最適な一台です。さらに、妨害波と発生履歴を詳細解析を可能にするリアルタイム・スペクトラム解析機能を備えています。タッチスクリーン機能付きのユーザ・インタフェースと分かりやすいメニュー構造を採用することによって、抜群の操作性を提供します。
◆詳細はカタログをダウンロードしご覧いただくか、お気軽にお問い合わせ下さい。
このカタログについて
ドキュメント名 | R&S ESR EMIテスト ・レシーバ |
---|---|
ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 2.1Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | ローデ・シュワルツ・ジャパン株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
この企業の関連カタログ
このカタログの内容
Page1
R&S®ESR
EMIテスト・レシーバ
More speed
More insight
More intelligence
Test & Measurement
Product Brochure | 01.00
Page2
R&S®ESR R&S®ESR は、既存の EMIテスト・レシーバと比較して約6,000倍の
測定スピードを実現しているため、長時間を要した妨害波の測定
をわずか数秒で行うことができます。これによって、QP検波器と
テスト・レシーバ 平均検波器を併用して行う妨害波の測定を、広い周波数範囲にわ
EMI たって行う場合や細かいステップ幅で行う場合にも効率よく実施
でき、製品開発や認証取得にかかかるコストと時間の削減に役立
概要 ちます。
また、R&S®ESR は、EMC 認証試験のための機能を提供するだけで
なく、リアルタイム・スペクトラム解析機能を搭載しており、スペ
R&S®ESR は、10 Hz ~ 7 GHz の周波数範囲で EMC測定 クトログラム、残光モード、周波数マスクトリガなどの機能を提
を行うことができる CISPR16-1-1 規格に完全適合した 供します。これらの機能を用いることによって、散発的に発生す
EMIテスト・レシーバです。本機は、FFTベースのタイム るイベントや時間変動するスペクトラムの挙動を確実に捉えるこ
ドメイン・スキャンによって、非常に高速に電磁波や妨 とができます。
害波を測定します。また、シグナル・スペクトラム・ア R&S®ESR は、タッチスクリーン機能付きのユーザ・インタフェース
と分かりやすいメニュー構造を採用し、抜群の操作性を提供して
ナライザの機能も内蔵しているので、研究開発の現場
います。必要に応じて、6つのトレースを同時に表示することが
に最適な一台です。さらに、妨害波と発生履歴を詳細 できます。さらに、約13 kg とコンパクトなので、DC電源やバッ
解析を可能にするリアルタイム・スペクトラム解析機能 テリ・パックのオプションと利用して、フィールドでの測定にも適
を備えています。タッチスクリーン機能付きのユーザ・ しています。
インタフェースと分かりやすいメニュー構造を採用す
ることによって、抜群の操作性を提供します。 主な特徴
J EMIテスト・レシーバとシグナル・スペクトラム・アナライザを一台
に統合
J CISPR 16-1-1 Ed.3.1 完全適合
J 20 dB プリアンプとプリセレクタを内蔵
J CISPR 適合の分解能帯域幅
J MIL STD-461、DO-160 に適合の分解能帯域幅
(10 Hz ~ 1 MHz、Decade step)
J 従来の周波数とスキャンに加えて、超高速タイム・ドメイン・スキ
ャンを搭載
J 妨害信号の詳細解析に最大 40 MHz 帯域幅のリアルタイム・スペク
トラム解析
J 高分解能(10 μs)なタイム・ドメイン表示
J 自動テスト・ルーチン
2
Page3
R&S®ESR J タイムドメイン解析 - レシーバ・モードでオシロスコープ機能
J 6つのトレースと4つのバーグラフを同時に表示
J プリインストール済みのアンテナ・ファクタ
EMIテスト・レシーバ J 商用規格のリミットラインのライブラリ
J R&S®ES-SCAN や R&S®EMC32 を使用した妨害測定の制御とEMIテス
主な特長 トルーチンの自動化
J 一台で全ての測定に対応
J スカラ・ネットワーク解析
▷ ページ 8
わかりやすく簡単な操作
規格に適合した妨害波測定 J タッチ・スクリーンによる操作
J 適合性試験
J 表形式で分かりやすいスキャン設定
J 高性能なスペクトラム・アナライザを内蔵
J 内蔵のヘルプ機能
▷ ページ 4
J 内部または外部メディアへの結果と機器設定の保存
FFTベースのタイム・ドメイン・スキャンによる超高速測定 J テストデータの機密性を保持
J ハードウェアベースの FFT演算 J GPIBまたはLAN経由によるリモート制御
J 妨害波をシームレスに測定 J LabVIEW、LabWindows/CVI、VXI Plug&Play 計測器ドライバ
J QP検波器の重み付けで伝導妨害をリアルタイム測定 J 無料のファームウェア・アップデートによって常に最新の状態を
▷ ページ 5 維持
▷ ページ 12
妨害信号の詳細解析に適したリアルタイム・スペクトラム解析
J スペクトログラム機能:時間領域でギャップのないスペクトラム フィールド・アプリケーションにも最適
表示 J 内蔵バッテリパック・オプション
J 残光モード(ヒストグラム):パルスや連続的な障害を可視化 J ソリッドステートドライブ(SSD)オプション
J 周波数マスクトリガ(FMT):スペクトラム内の散発的なイベント J コンパクトかつ堅牢
を個別に測定するためのトリガリング
▷ ページ 13
▷ ページ 6
周波数領域と時間領域での強力な測定解析機能
J プレビュー測定、データ数の削減と最終測定の自動テストシーケ
ンス
J 妨害信号近傍のスペクトラムを表示するための IF解析機能
Rohde & Schwarz R&S®ESR EMIテスト・レシーバ 3
Page4
規格に適合した妨害波測定 R&S®ESR の表示平均雑音レベルは、-168 dBm(帯域幅:10 Hz、プ
リアンプ・オン時の代表値)と非常に優れているため、振幅が非常
に小さな信号も良好な信号対雑音比で正確に測定することができ
ます。メータ時定数付(CISPR平均)検波器と RMS平均(CISPR-RMS)
検波器、EMC分解能帯域幅(6 dB帯域幅:200 Hz/9 kHz/120 kHz、
インパルス帯域幅:1 MHz)は、最新版の CISPR 16-1-1 の基本規
格を満たしています。MIL-STD-461、DO-160、ICNIRP のガイドラ
インに沿った測定を行う場合には、6 dBの分解能帯域幅(10 Hz ~
1 MHz (decade step))を使用します。
適合性試験
高性能なスペクトラム・アナライザを内蔵
R&S®ESR は、EMC規格で定められた適合性認証試験を主な測定用
ローデ・シュワルツのすべての EMIテスト・レシーバは、フル機能
途として設計されています。認証テストに用いる試験装置は、さ
のスペクトラム・アナライザをベース・プラットフォームとして設
まざまな種類の妨害波信号の処理を行うために厳密に定められた
計されています。R&S®ESR は、柔軟性に優れた R&S®FSV をベース
要求を満たしていなければなりません。また、パルスや正弦波信
に設計されています。これによって、開発中の EMI評価に用いる
号だけでなく、変調された信号や間欠的な信号についても、正確
測定機能と高性能なスペクトラム・アナライザの機能(プリセレ
に重み付けをされる必要があります。
クタおよびプリアンプのON/OFF切替可能)の両方に一台で対応
します。
R&S®ESR EMIテスト・レシーバは、測定周波数範囲全域をカバーし、
16 種類の固定フィルタを備えた 20 dB のプリアンプ、直線性の優
ターゲットを絞った解析を行うために、EMI信号の周波数に最大
れたフロントエンドを備えています。このため、CISPR、EN、ETS、
16個のマーカを配置することができます。マーカと CISPR検波器
ANSI、FCC、VCCI などの商用EMC規格の要件を満たしています。
と組み合わせて使用することによって、リミット値の直接比較を
また、標準仕様の周波数範囲(9 kHz ~ 3.6 GHz/7 GHz)の下限を
行うことができます。スペクトラム解析は、広い周波数範囲にわ
10 Hz に拡張することができます。
たる測定結果の解析と、関連規格に準拠したリミット・ラインを対
数周波数軸で表示することができます。条件の厳しい周波数ポイ
ントについては、リミット・ラインを使用して信号が規格に準拠し
ていることをピークリストに表示します。
R&S®ESR モデル一覧
10 Hz 9 kHz 3.6 GHz 7 GHz
¸ESR3
¸ESR3+¸ESR-B29 オプション
¸ESR7
¸ESR7+¸ESR-B29 オプション
4
Page5
FFTベースのタイム・ドメイン・ ンドウのレギュレータ)などの測定において非常に重要な要素で
す。R&S®ESR のタイム・ドメイン・スキャンが非常に高速であるた
スキャンによる圧倒的な め、こうした評価を簡単に実行することができます。
高速測定 間欠的な干渉やまたはパルス干渉を狭帯域で確実に検出するため
に、意図的に測定時間を増やすことができます。R&S®ESR は、各
周波数セグメントあたり最長 100 秒間の妨害信号をシームレスに
測定することができます。
QP検波器の重み付けで伝導妨害をリアルタイム測定
CISPR/EN のエミッション規格に沿って 150 kHz ~ 30 MHz の周波
数範囲で妨害電圧を測定する場合など、適切に重み付けされた検
ハードウェアベースの FFT演算 波器を用いて伝導妨害の測定を行う際に、タイム・ドメイン・スキ
オプション R&S®ESR-B50 と R&S®ESR-K53 を追加することによっ ャン機能は特に便利です。R&S®ESR は、この周波数範囲をリアル
て、R&S®ESR に FFTベースのタイム・ドメイン・スキャンを追加す タイムで測定し、規格で要求されている QP検波器と平均検波器
ることができます。このスキャン・モードでは、従来の周波数ス の重み付けを行います。プレビューのためのスキャンは、不要に
テップ・スキャン測定の約6,000倍の測定スピードを実現するた なります。
め、R&S®ESR は、市場最速の EMIテスト・レシーバとなります。
妨害波をシームレスに測定
R&S®ESR は、わずか数ミリ秒で CISPRバンドの周波数スキャンを
行い伝導妨害信号の測定します。最大 30 MHz の帯域幅でシーム
レスなタイム・ドメイン・スキャン測定と表示を行うことができま
す。仮想的に分解能帯域幅の 1/4 のステップ幅と 90 %以上のオ
ーバーラップ係数のガウシアン窓による FFT によって、このテス
ト・レシーバは、CISPR16-1-1 規格で要求されるレベル測定確度を
実現しています。
測定スピードは、被測定物の動作が非常に短時間で行われる場
合、特に、DUTの動作が変化する場合(変動またはドリフト妨
害)や、動作サイクルが高速である場合(自動車のパワー・ウィ
R&S®ESR は、QP検波器と平均検波器を併用した妨害波電
圧測定を、わずか数秒で実施することができます。
Rohde & Schwarz R&S®ESR EMIテスト・レシーバ 5
Page6
妨害波の詳細解析に適した スペクトログラム機能:時間領域でギャップのないスペクト
ラム表示
R&S®ESR は、妨害信号の挙動をタイムドメインで解析すること
リアルタイム・スペクトラム解析 ができるスペクトログラム機能を備えています。この機能では、
横軸を周波数として信号レベルを色の階調によって表現します。
ある時点でのスペクトルを水平方向の 1ラインで表し、これを連
続的に生成することで、スペクトラムの時間的な変化を読み取
ることができます。トレースは、毎秒10,000ライン(時間分解
能:100 μs に相当)のレートでシームレスに記録することができ
ます。さらに、R&S®ESR の再演算機能を用いて、最高 4 μs の分解
能で記録データを詳細に表示することができます。
散発的に発生するイベントを周波数ドメインで測定することや被 残光モード(ヒストグラム):パルスや連続的な障害を可視化
測定物のスイッチ切替動作時のスペクトラムの挙動を捉えること R&S®ESR は、シームレスに波形を重ね合わせて表示し、スペク
は、困難かつ時間のかかる作業です。R&S®ESR のリアルタイム・ス トラム遷移状態を把握することができます。各ピクセルの色は、
ペクトラム解析機能は、このような不具合の新しい評価方法を提 信号に含まれる周波数やレベルの発生頻度を表しています。例え
供します。R&S®ESR は、最大 40 MHz の帯域幅で任意の時間長を ば、頻繁に発生する信号は赤色、散発的な信号は青色で表すこ
シームレスに測定することができます。これによって、散発的な とができます。ある周波数/レベルの信号が検出されない場合、
信号も確実に解析することができます。製品の開発段階から、リ そのピクセルは、保持時間が経過した後に消失します。これによ
アルタイム・スペクトラム解析を行うことによって、テスト時間の り、非常に短い時間にだけ存在するパルス障害と継続的な障害を
短縮だけでなく、再設計の時間とコストを短縮します。 明確に識別することができます。さらに、複数のパルス障害を容
易に区別することができます。
妨害信号のスペクトラムを、残光モード(上)とスペク
トログラム(下)で同時に表示することができます。
スペクトログラムは、DUT から放射された妨害信号の
挙動(タイミング)に関するシームレスな情報を提供
します。
残光モード機能は、妨害信号の分布(狭帯域または広帯
域)を判別することができます。
時間位置については、必要に応じてスペクトログラムに
独立表示したスペクトラム(残光モードで白色のトレー
スとして表示)上にスペクトログラムにマーカM1で任意
の位置に示すことができます。
6
Page7
周波数マスクトリガ(FMT):スペクトラム内の散発的なイベ 度で測定した各スペクトラムを測定し、周波数マスクと比較しま
ントを個別に測定するためのトリガリング す。スペクトラムがマスクを違反した場合には、R&S®ESR は、ト
散発的なイベントの検出と測定は困難です。テスト・レシーバの リガリングを行い、画面表示の更新を停止します。また、マスク
周波数マスク・トリガ(FMT)は、周波数スペクトラム内のイベ 違反が発生した場合にも、画面表示の更新を継続することもでき
ントに応答します。R&S®ESR は、1秒あたり最高250,000回の頻 ます。
従来のアナライザ・モードによる広帯域ノイズの表示
この例では、EMI抑制が十分でない電動モーターによっ
てノイズが発生しています。黄色トレースは現在のスペ
クトラム、青色トレースは Max Hold を示しています。
残光モードによってモータが発生するノイズを可視化。
従来のアナライザ・モード(上図)では確認することが
できなかった、広帯域ノイズに埋もれた、1秒未満のパル
ス外乱をはっきりと識別することができます。
Rohde & Schwarz R&S®ESR EMIテスト・レシーバ 7
Page8
周波数領域と時間領域での プレビュー測定、データ数の削減と最終測定の自動テストシ
ーケンス
EMI測定においては、最初にピーク検波器、あるいはアベレージ
強力な測定解析機能 検波器を使用して問題となりそうな周波数を特定し、その後 CISPR
で規定された検波方式で妨害波の最終的な評価を行うことが、標
準的なアプローチです。
R&S®ESR は、このアプローチをサポートしています。商用規格で
定められたリミット値を内蔵しています。高速タイム・ドメイン・
スキャンまたはステップ周波数のスキャンで得られたプレビュー
測定の結果は、リミット・ラインとの比較として表示されます。次
に、テスト・レシーバは、設定したリミット値との差異を測定し、
テーブル(ピークリスト)に表示します。最後に、CISPR 規格準拠
の測定時間と検波器で最終測定が実行されます。最終測定を行う
前に、ユーザはピーク・リストの周波数ポイントの追加や削除を
インタラクティブに編集することができます。
R&S®ESR は、リモートの AUXポートを経由してローデ・シュワル
ツ製の擬似電源回路網をリモート制御することができます。電源
ラインの妨害電圧の測定は、完全に自動的に実行することができ
ます。これによって、妨害レベルのピーク値を確実に検出しま
す。
R&S®ESR は、GUIに従ってボタン操作をするだけで、プ
レビュー測定/データ数の削減/最終測定を簡単に設定
し、実行することができる自動テストシーケンス機能を
備えています。最後測定も、対話形式で実行することが
できます。
8
Page9
妨害信号近傍のスペクトラムを表示するための IF解析機能 タイムドメイン解析 - レシーバ・モードでオシロスコープ機能
R&S®ESR のオプションの IF解析機能は、選択した EMIレシーバ周 R&S®ESR のタイム・ドメイン表示機能により、妨害波のタイミング
波数の近傍について RF入力信号のスペクトラムを表示します。IF 動作を評価するために、設定した同調周波数でオシロスコープと
スペクトラム表示は、現在のレシーバ周波数のバーグラフと組み 同等の性能で評価することができます。広帯域で間欠的に発生す
合わせて表示することができます。また、IFスペクトラムの中心 る妨害波のパルス周期 (PRF) を測定するために、100 μs ~ 100 sの
周波数は、周波数スキャンで検出された EMI 信号のピークに置か 分解能でレベル対時間を測定します。確実にパルス妨害波を測定
れたマーカの位置によって決まります(マーカ・トラック機能)。 するためには、周波数あたりの滞留時間を、信号のパルス繰り返
し周期の逆数以上の長さに設定する必要があります。測定したパ
IFスペクトラムの中心周波数は、現在のレシーバ周波数に常に対 ルス繰り返し周期に基づいて、適切な測定時間を設定することが
応しています。これによって、R&S®ESR は、非常に正確かつ迅速 できます。また、狭帯域妨害信号がどの程度変動しているかを測
に目的の信号に同調することができます。加えて、IFスペクトラ 定し、その変調の種類(振幅変調/パルス変調)を把握すること
ムは、測定チャネルにおける変調信号のスペクトラム分布に関す ができます。
る情報と近傍のスペクトラム占有を詳細に表示します。受信した
信号は、速やかに希望波または妨害信号に分類されます。パルス クリック率の解析は、自動温度調節器付家電機器(電気アイロ
外乱が細い線状に表示され画面上を移動するのに対し、CW信号 ン、電気コタツ等)、自動プログラム電気機器(洗濯機、電気ミ
は、変調されていないキャリアの形で表示されます。AM/FM音声 シン等)などから発生する不連続な電波雑音を測定するための手
復調は、例えば、オープンエリア測定において周囲の干渉を識別 法です。CISPR14 および EN 55014 では、このようなクリック雑
して除外するために、同時に有効化しておくことができます。 音の電圧リミット値を連続性雑音よりも高く規定しています。リ
ミット値は、クリック時間の長さ、繰返し率(クリック率)とレ
ベルの測定結果をもとに許容限界を設定します。R&S®ESR のタ
イム・ドメイン解析機能は、CISPR規格で規定された各周波数に
おけるパルスの振幅と持続時間を測定することができますので、
クリックレート・アナライザと同等に機能します。標準に準拠し
た解析を行うためには、少なくとも 2時間分のピーク値および準
尖頭値をシームレスに記録することができるメモリ容量が必要で
す。R&S®ESR は、トレースあたり最大400万の測定値を記録する
ことができるメモリ容量を備えているので、このタスクに適して
います。CISPR14-1/EN 55014-1規格に準拠した測定向けのアプリ
ケーション・ソフトウェアは、弊社webページより無償でダウンロ
ードいただけます。
規格に準拠した最終測定の結果は、各リミット値に対す
るオフセット値 (delta) を表形式で表されます。結果は、
レポート等に利用しやすいように ASCII形式のファイルと
してエクスポートすることができます。
Rohde & Schwarz R&S®ESR EMIテスト・レシーバ 9
Page10
6つのトレースと4つのバーグラフを同時に表示 プリインストール済みのアンテナ・ファクタ
R&S®ESR は、8.4 インチのタッチスクリーン・ディスプレイを搭載 R&S®ESR には、妨害波の測定に使用するアンテナ・ファクタ(ト
しています。最高 6つのトレース(リミット・ラインを含む)を同 ランスデューサ・ファクタ)がプリインストールされています。ま
時に表示することができます。 た、アンテナ・ファクタ、ケーブル損失、プリアンプなどをユーザ
J 異なる検波器を使用した同時測定による時間短縮 定義補正値テーブルとして R&S®ESR に登録し、測定に使用するこ
ダイアグラム上で直接、トレースを比較 ともできます。R&S®ESR は、自動的にアクティブなトランスデュ
J
ーサを認識して補正係数を適用し、適切な単位を選択します。
J トレースあたり最大400万の測定値を記録可能なメモリ長
IF帯域幅の信号から広い帯域幅の信号まで、シームレスな周波数 商用規格のリミットラインのライブラリ
スキャンが可能です。
R&S®ESR には、アンテナ・ファクタと同様に、商用規格の主要なリ
J 高い周波数分解能 ミットラインの設定がプリインストールされています。リミット
周波数スキャンによる測定でも妨害波を高確度に測定できます。
ラインの設定を変更することや新たにリミットライン設定を追加
これは、少ないポイント数で測定を行うスペクトラム・アナライザ
やテスト・レシーバと比べて大きな利点となります。 することもできます。
J 柔軟な表示周波数範囲
詳細解析のために、拡大ズームした表示を測定値の表示にまで遡
ることができます。
画面の上部:IF解析機能を使用して、現在の EMIレシー
バ周波数周辺の RF入力信号のスペクトラムが連続表示
されます。
画面の下部:プレビュー測定の結果が格納されていま
す。上画面の中心周波数は、下画面のマーカの位置によ
って制御されます(マーカ・トラック機能)。
また、IFスペクトラム表示は、バーグラフ表示と結合す
ることができます。
10
Page11
R&S®ES-SCAN や R&S®EMC32 を使用した妨害測定の制御と 一台で全ての測定に対応
EMIテストルーチンの自動化 R&S®ESR は、ローデ・シュワルツ製の EMIテスト・レシーバのほか
R&S®ES-SCAN および R&S®EMC32 は、R&S®ESR の機能を補完する のモデルと同様に、フル機能のスペクトラム・アナライザをベー
EMI測定ソフトウェアです。R&S®EMC32 は、商用規格および軍事 ス・プラットフォームとして設計されています。R&S®ESR は、柔軟
規格に基づいた EMC測定の自動化(部分的または完全)をサポー 性に優れた R&S®FSV をベースに設計されています。 開発での妨害
トする測定ソフトウェア・プラットフォームです。このソフトウ 波測定の場合、必要に応じてプリセレクタとプリアンプの有効/
ェアを使用することによって、マストやターンテーブル・システ 無効を切り替えることができます。R&S®ESR は、さまざまなラボ・
ムなどのアクセサリ類のリモート制御機能を提供します。また、 アプリケーション用の測定テスト・ルーチンを提供しています(詳
測定結果の確実な記録、評価、文書化、トレーサビリティを保証 細は、R&S®FSV の製品ブローシャ PD 5214.0499.12 を参照してく
します。 ださい)。
R&S®ES-SCAN は、開発現場での EMC測定用途向けに開発された スカラ・ネットワーク解析
強力な Windowsソフトウェアです。 オプション R&S®FSV-B9(内部トラッキング・ジェネレータ)を追加
することによって、R&S®ESR を、9 kHz ~ 7 GHz のスカラ・ネット
ワーク・アナライザとして動作させることができます。選択測定の
テクニックによって、ジェネレータの高調波やスプリアスの影響
を受けることなく、広いダイナミックレンジでゲイン、周波数応
答、挿入損失やリターンロスを測定することができます。
R&S®ESR のアナライザ・モードでは、さまざまなラボ・ア
プリケーション用の測定テスト・ルーチンを提供していま
す。左図は、WLANのチャネル・パワー測定の例です。
Rohde & Schwarz R&S®ESR EMIテスト・レシーバ 11
Page12
わかりやすく簡単な操作 表形式で分かりやすいスキャン設定
レシーバ・モードでは、スキャン・テーブルを用いて妨害波測定の
周波数範囲を設定します。各パラメータは、リスト形式で表示さ
れ、測定タスクあるいは被測定物に対応した形で設定することが
できます。
内蔵のヘルプ機能
ヘルプ機能は、使用中の機能や、対応するリモート・コントロー
ル・コマンドについての説明が詳細に記述されています。このヘル
プ機能によって、経験の浅いユーザでも短期間で使用できるよう
になり、非常に簡単にプログラミングを行うことができます。
タッチ・スクリーンによる操作 内部または外部メディアへのデータと機器設定の保存
測定データと測定器のセットアップは、測定器の内部メモリまた
R&S®ESR は、タッチ・スクリーンによって効率的で感覚的にもわか
は外部記憶メディアに保存され、メニューから呼び出すことがで
りやすい方法で操作することができます。より短時間かつ少ない
きます。R&S®ESR は、USB または LAN を経由して外部メディアに
手順で、効率的に作業を行うことができます。すべての機能や測
アクセスし、測定結果を ASCIIファイルとして保存することができ
定パラメータは、キーとロータリ・ノブまたはマウスやキーボード
ます。これらのファイルには、主要な機器セットアップとトレー
を使用して従来の方法で設定することができます。大型の SVGA
ス・データが含まれおり、USB または LAN 経由でエクスポートす
ディスプレイには、高解像度で読み取りやすい表示となっていま
ることができます。
す。
最大6ステップまで直前の操作を取り消すことができます。この
機能によって、誤操作の訂正や、2種類の状態の切り替えを簡単
に行うことができます。
R&S®ESR のレシーバ·モードでは、スキャン・テーブルで
定義した内容に従って周波数範囲が設定されます。スキ
ャン・テーブルは、10 の周波数サブレンジ(スタート/ス
トップ周波数、ステップ幅、測定時間、分解能帯域幅、
入力減衰量)を設定することができます。
12
Page13
テストデータの機密性を保持 LabVIEW、LabWindows/CVI、VXI Plug&Play 計測器ドライバ
測定結果や設定データの機密性を保つために、R&S®ESR の内蔵ハ ソフトウェアの構築に必要な、LabVIEW、LabWindows/CVI、VXI
ード・ディスク・ドライブ (HDD) を別の HDD(R&S®ESR-B19 オプシ Plug & Play 用の計測器ドライバは、無償で提供されています。
ョン)に交換することができます。これによって、定期校正などの
目的で本機をセキュリティ管理エリア外に移動させる場合に、機 無料のファームウェア・アップデートによって常に最新の状
密データを持ち出すことなく移動させることができます。 態を維持
本機固有のアライメント・データは、ユーザ・データとは別の領域 R&S®ESR で使用されているファームウェアは、USBメモリまたは
に保存され、常に本体内に保存されています。 GPIB/LAN インタフェースによって簡単にアップデートすること
ができます。ファームウェアのアップデートは無料で、ローデ・
GPIBまたはLAN経由によるリモート制御 シュワルツのウェブサイトからダウンロードすることができま
R&S®ESR は、GPIB (IEEE 488.2) インタフェースまたは LAN インタ す。 www.rohde-schwarz.com.
フェース (10/100/1000BaseT) を経由してリモート制御することが
できます。
フィールド・アプリケーション 内蔵バッテリパック・オプション
R&S®FSV-B30 DC電源オプションを使用することで、自動車内な
どの DC電源(12 V ~ 28 V)で R&S®ESR を動作させることができ
にも最適 ます。オプションの R&S®FSV-B32 バッテリ・パックを装着する
と、R&S®ESR 主電源から独立した状態で、約2時間使用すること
ができます。
ソリッド・ステート・ドライブ (SSD) オプション
R&S®ESR は、リムーバブル・ハードディスク・ドライブ (HDD) を
標準装備しています。HDD をソリッド・ステート・ドライブ (SSD)
(R&S®ESR-B18 オプション)に置き換えることができます。SSD
は、自動車に積み込んだ場合など、本機が強い衝撃や振動を受け
る可能性のある環境や、動作温度(0℃~ +55℃)が平均以上に変
動するアプリケーションで使用する場合に適しています。
コンパクトかつ堅牢
R&S®ESR は、約13 kg(ハードウェア・オプションなし)とコンパク
トなので、持ち運びを伴う用途にも非常に便利です。
維持コストの大幅な低減を実現
R&S®ESR には、3年間のフリー・メンテナンス・サービス1) が無償で
付属しています。購入後の3年間は、修理および標準校正(2回分)
の費用を心配する必要がありません。
さらに、メーカ仕様での校正サービスが無償で提供されることで
定期的に質の高い校正を行うことができるため、測定結果がより
確かなものとなり、お客様の製品品質の向上にも貢献します。
1) フリー・メンテナンス・サービスは、日本国内で購入および使用されるローデ・シュワル
ツ測定器の新品を対象とします。詳細については、お問い合わせください。
Rohde & Schwarz R&S®ESR EMIテスト・レシーバ 13
Page14
主な仕様
本体
周波数
周波数レンジ R&S®ESR3 9 kHz ~ 3.6 GHz
R&S®ESR3 (オプション R&S®ESR-B29 搭載時) 10 Hz ~ 3.6 GHz
R&S®ESR7 9 kHz ~ 7 GHz
R&S®ESR7 (オプション R&S®ESR-B29 搭載時) 10 Hz ~ 7 GHz
レベル
最大 RF レベル (CW) 入力減衰量 ≥ 10 dB、プリアンプ: OFF 30 dBm (= 1 W)
入力減衰量 ≥ 10 dB、プリアンプ: ON 23 dBm (= 0.2 W)
最大パルス電圧 入力減衰量 ≥ 10 dB
入力 1 150 V
入力 2 450 V
最大パルス・エネルギー 入力減衰量 ≥ 10 dB、0 µs
入力 1 1 mWs
入力 2 20 mWs
1 dB 圧縮 入力減衰量 0 dB、 +3 dBm(公称値)
プリアンプ: OFF、プリセレクタ: OFF
IF 帯域幅、分解能帯域幅
アナライザ・モード (スパン ≥ 10 Hz) および 10 Hz ~ 10 MHz (‒3 dB)、1/2/3/5/10 ステップ
レシーバ・モード
アナライザ・モード および レシーバ・モード 200 Hz, 9 kHz, 120 kHz (‒6 dB)、
1 MHz (インパルス帯域幅)
アナライザ・モード および レシーバ・モード 上記に加えて、
(オプション R&S®ESR-B29 搭載時) 10 Hz ~ 100 kHz (‒6 dB)、decade steps
プリセレクタ アナライザ・モードにおいては OFF が可能 16 種類の固定フィルタ
プリアンプ ON/OFF 切替が可能 1 kHz ~ 7 GHz, 20 dB ゲイン、公称値
測定時間 アナライザ・モード (掃引時間) スパン = 0 Hz: 1 µs ~ 16,000 s
スパン ≥ 10 Hz (掃引): 1 ms ~ 16,000 s
スパン ≥ 10 Hz (FFT): 7 µs ~ 16,000 s
レシーバ・モード (周波数ステップ・スキャン) 50 µs ~ 100 s (周波数ステップあたり)
レシーバ・モード (タイムドメイン・スキャン) 50 µs ~ 100 s (周波数サブレンジあたり)
周波数ステップ幅 レシーバ・モード (周波数ステップ・スキャン) 最小 1 Hz
レシーバ・モード (タイムドメイン・スキャン) 0.25 × IF 帯域幅
検波器 レシーバ・モード 最大/最小ピーク、平均、RMS、QP(準尖頭値)、
サンプル、メータ時定数付き(CISPR平均)、RMS平
均(CISPR-RMS)
表示平均雑音レベル (DANL) レシーバ・モード、公称値、平均検波器 (AV)、入力アッテネーション: 0 dB、 50 Ω
プリアンプ: OFF
500 MHz、BW = 120 kHz < 6 dBµV
3 GHz、BW = 1 MHz < 17 dBµV
プリアンプ: ON
500 MHz、BW = 120 kHz < ‒7 dBµV
3 GHz、BW = 1 MHz < 5 dBµV
測定(トレース)ポイント数
アナライザ・モード (標準) 101 ~ 32,001
アナライザ・モード (EMI) 101 ~ 200,001
レシーバ・モード 最大 4,000,000
リアルタイム・アナライザ (オプション) 801
総合測定確度 CW、レベル = 基準レベルより 0 dB ~ ‒70 dB、S/N > 20 dB、掃引時間: 自動、
入力減衰量 = 10 dB, 20 dB, 30 dB, 40 dB、プリセレクタ: ON、スパン/RBW < 100、
95 % 信頼度、+20 ℃ ~ +30 ℃
9 kHz ≤ f < 3.6 GHz 0.46 dB
3.6 GHz ≤ f ≤ 7 GHz 0.57 dB
詳細はデータシートPD 3606.7201.22 をご参照いただくか、 www.rohde-schwarz.com をご覧ください。
14
Page15
オーダー情報
品名 型番 オーダー番号
本体(電源ケーブル、プローブ電源用ケーブル、クイックスタート・ガイド、CD-ROM を含む)
EMI テスト・レシーバ R&S®ESR3 1316.3003.03
EMI テスト・レシーバ R&S®ESR7 1316.3003.07
ソフトウェア・オプション
タイムドメイン・スキャン (R&S®ESR-B50 必要) R&S®ESR-K53 1316.3590.02
リアルタイム解析 (R&S®ESR-B50 必要) R&S®ESR-K55 1316.3603.02
IF 解析 R&S®ESR-K56 1316.3610.02
ハードウェア・オプション
OCXO 基準発振器 R&S®FSV-B4 1310.9522.02
OCXO 基準発振器(高安定) R&S®FSV-B4 1310.9522.03
トラッキング・ジェネレータ (100 kHz ~ 7 GHz) R&S®FSV-B9 1310.9545.02
ソリッド・ステート・ドライブ (SSD、リムーバブル) R&S®ESR-B18 1316.3555.02
スペア・ハードディスク・ドライブ (HDD、リムーバブル) R&S®ESR-B19 1316.3561.02
RFプリアンプ (100 kHz ~ 7 GHz) R&S®FSV-B22 1310.9600.02
下限周波数拡張 (10 Hz ~)、EMI 帯域幅 (decade steps) を含む R&S®ESR-B29 1316.3578.02
DC 電源 12 V R&S®FSV-B30 1310.9897.02
タイムドメイン・スキャンおよびリアルタイム解析用ハードウェア R&S®ESR-B50 1316.3584.02
サービス・オプション
校正複数年契約:5年 お問い合わせください。
修理保証を5年間に延長
Rohde & Schwarz R&S®ESR EMIテスト・レシーバ 15
Page16
ローデ・シュワルツについて
高品質に裏打ちされたサービス Rohde & Schwarzグループ(本社:ドイツ・ミュンヘン)は、
70カ国に広がるサービス網 エレクトロニクス分野に特化し、電子計測、放送、無線通信の監
J
視・探知および高品質な通信システムなどで世界をリードしてい
J 顔の見えるサービス ます。
J 個別の要望に応える柔軟性 75年以上前に創業、世界70カ国以上で販売と保守・修理を展開
している会社です。
Certified Quality System
ISO 9001
ローデ・シュワルツ・ジャパン株式会社
本社/東京オフィス
〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-20-1 住友不動産西新宿ビル27階
TEL:03-5925-1288/1287 FAX:03-5925-1290/1285
神奈川オフィス
〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜2-8-12 Attend on Tower 16階
TEL:045-477-3570(代) FAX:045-471-7678
大阪オフィス
〒564-0063 大阪府吹田市江坂町1-23-20 TEK第2ビル 8階
TEL:06-6310-9651(代) FAX:06-6330-9651
サービスセンター
〒330-0075 埼玉県さいたま市浦和区針ヶ谷4-2-11 さくら浦和ビル 4階
TEL:048-829-8061 FAX:048-822-3156
サービス受付
0120-138-065 E-mail: service.rsjp@rohde-schwarz.com
E-mail: info.rsjp@rohde-schwarz.com http://www.rohde-schwarz.co.jp
R&S®は、ドイツRohde & Schwarz社の商標または登録商標です。
PD 3606.7201.16 | Version 01.00 | August 2012 | R&S®ESR
掲載されている記事・図表などの無断転載を禁止します。
おことわりなしに掲載内容の一部を変更させていただくことがあります。
あらかじめご了承ください。
36067201161