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転造タップでメネジを加工すると、メネジの山頂にシームと呼ばれる繋ぎ目ができます。
その製品を組み立てる際、オネジがそのシームに挟まったまま締め付けを開始してしまうことで、締め付け不良が発生することが多々あるようです。
オネジを垂直に挿入できれば良いのですが、自動組み付け機では必ずしもオネジの頭部を垂直に掴めるとは限りません。ネジ部先端を振り回しながら組み付けようとなってしまい、斜めに挿入されてしまうリスクが高まります。
そこでシームレスタフレット(SL-TF、https://www.aperza.com/catalog/page/1793/69560/)で加工するとシーム部が切除され、オネジが挟まりにくくなります。絶対に発生しないとは言えませんが、全く発生しなくなったと言っていただくことが多いです。下穴径によって切除後の状態が変わりますので、下穴径にご注意ください(https://www.aperza.com/catalog/page/1793/69561/)。
組み付け不良が発生した場合、そのワークも組み付け途中だったオネジも、すでに組み付けてある部品も合わせて不良とされてしまいます。組み付けは自動化できても、分解~廃棄には人の手間がかかり大きな費用が発生しますので、大きなコストダウン効果が得られることがあります。弊社のお客様では、300万円/月の削減効果があったところもあります。
詳しくはお問い合わせください。
このカタログについて
ドキュメント名 | 転造メネジにおける組付け不良(斜め締め)対策事例 |
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ドキュメント種別 | 事例紹介 |
ファイルサイズ | 777Kb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 株式会社田野井製作所 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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斜め締め対策におけるSL-TF試作評価
転造タップで形成されるシーム(繋ぎ目)にオネジが挟まってしまうことで、 2020年12月23日
斜め締めが発生してしまう。SL-TFによってシームを除去することで対策する。 (株)田野井製作所 吉川
使用サイズ:M5X0.8 6H
Ⓐ: 通常の転造タップ 下穴径φ 4.60(88.2%)
Ⓑ: SL-TF M5X0.8 B6 下穴径φ 4.58(92.6%)
※サイドエンドミル刃径φ 4.24±0.02
ISO 6H内径規格…φ 4.134(100%)~φ 4.334(76.9%)
Ⓐ(通常の転造タップ、88.2%) Ⓑ(SL-TF、92.6%)※切除してφ 4.242
食付き懸念部およそ1/2周 食付き懸念部およそ1/3周
61μ
35μ
6
口元 22μ 65μ 5μ
17μ
52μ 56μ 74μ
39μ
52μ 78μ
↑シーム幅
穴奥
下穴径φ 4.60(88.2%)での内径…φ 4.236(計算値) 下穴径φ 4.58(92.6%)での内径…φ 4.198(計算値)※切除してφ 4.242
【考察】
・SL-TFで山頂を切除したメネジの方がシーム(繋ぎ目)幅が広かった。
・オネジの山頂が食付いてしまいそうなシーム状態は、A-2ワークが1/2周に対して、B-2ワークでは1/3周とやや短い程度だった。
・通常の転造タップのめねじは山頂がトップロール気味であることから、88.2%以上に盛り上がっている状況(しかし斜め締めは発生している)。
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SL-TFで加工したメネジに
斜め締めが発生した場合
転造タップで加工したメネジに
⇒発生しても外れやすい
斜め締めが発生した場合
⇒シームが深いことで強く勘合
【総評】
芯ズレの状態でオネジが挿入される際、不完全山がメネジに ≪斜め締めを発生させないためには…≫
・オネジを垂直に挿入させる(締め付け機の見直し)
触れた瞬間(⇒)に傾きが発生する。傾いたままオネジが
・口元の不完全部距離を短くする(下穴径を小さめに設定)
回転すると、Ⓐ部がシーム部に勘合してしまいやすい。 ・内径を大きめにする
※下穴径を大きくするとシームが広がり逆効果。
内径を切除することで内径を大きくすることができ、オネジを SL-TFなどで山頂を切除して大きくする必要がある。
奥へ入りやすくできる(⇒オネジを垂直方向に立たせやすくできる)
可能性が考えられる。 ≪斜め締めが発生してしまっても…≫
・シームが浅ければ(SL-TFなどで山頂を切除すれば)回避しやすい。
≪以上より≫
下穴径を小さく設定し、SL-TFで内径を切除することで内径を
広げ、シームを浅くすることで抑制しやすいと考えられる。
組付けテストにて評価・検証いただけたらと思います。
以上
シーム部 SL-TFのサイドエンドミル刃 SL-TFメネジ
【2/2】