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「消費電力削減・生産効率向上・廃棄物削減」をテーマに9つの事例を解説!消費電力70%減、廃液半減、交換周期2倍などヒント満載です!
避けることのできない「CO2削減」と「SDGs」の取り組み。まず手を付けるべきなのが、全産業の電力の1/4を消費するといわれる「ポンプ」です。食品や超硬工具、ゴム製品メーカーの事例をお読みいただけます
このカタログについて
ドキュメント名 | 様々な業界から学ぶ CO2排出量削減・SDGsに効く ポンプ活用事例9選 |
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ドキュメント種別 | 事例紹介 |
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登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 株式会社ニクニ (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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ポンプ4.0 vol.�.�
様々な業界から学ぶ
CO2排出量削減・SDGsに効く
ポンプ活用事例9選
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目次
�� はじめに
�� CO� 排出量削減のガイドライン/日本におけるポンプの使用電気量
�� 事例詳細
�� 事例➀ 消費電力を下げる
�. 少流量・高圧の用途で動力改善
�. 加硫工程に液封式真空ポンプを導入し動力改善
�. サイクロンセパレータで動力ダウン
�� 事例➁ 生産効率を上げる
�. 壊れやすい食材も優しく自動移送
�. 湿式破砕機で反応速度を均一化
�. 脱気で超音波洗浄の効果アップ
�� 事例➂ 廃棄物を減らす
�. 低粘性液の移送用途でポンプの長寿命化
�. クーラント液のろ過システム改善
�. 腐食性ガス移送用途でポンプの長寿命化
�� その他 省エネ化に貢献する製品
�
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はじめに
ポンプは誕生から ���� 年以上もの歴史があり、産業においては水や空気
を送る技術として、環境や人々の生活に深くかかわっています。液体や気体、
固体、粉体を移送する役割を担い、機械・装置の心臓とも言われ、工場は
もちろんのこと、社会のあらゆる場面で活用され、利便性と付加価値を生
み出す源泉となってきました。
しかしポンプが持つ可能性はそこだけにとどまりません。ポンプと流体制
御の技術を融合し、これまでにない価値を生み出すことが可能です。
当社は、ポンプを製造・販売するポンプメーカーである一方、ポンプで培っ
た流体制御技術を活かし、お客様の悩み相談から開発したオリジナル装置
などを手がけてきました。さらに ���� 年からは、第 � 次産業革命やイン
ダストリー �.�、といった製造業の新たな潮流に合わせ、「ポンプ �.�」と
題してスマートファクトリーの実現や生産現場におけるお客様の課題解決
に向けて、デジタル技術の活用も視野に入れた取り組みを強化しています。
本紙ではポンプと流体制御という既存の得意技術をもとに、CO� 排出量
削減や SDGs 対策を実現する � 種類の活用事例を紹介します。他業種の事
例であっても参考になる内容も多くなっておりますので、皆様の現場改善
にお役立ていただければ幸いです。
❶
❷
�
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他業界にヒントあり!CO2削減、SDGs に効くポンプ活用事例 9選
CO2排出量削減のガイドライン
2020年 2021年 2030年 2050年
2050年 地球温暖化 CO2排出量 カーボン
カーボン 対策推進法 46%削減 ニュートラル
ニュートラル (温対法) (2013年対比) (実質排出量0)
宣言 改正
再生可能エネルギー
への移行 + 省エネ
基本理念として
法に位置づけられる 目標達成には両方が必要
3
こんにちは、ニクニ 営業マネージャーの白岩です。
本日はポンプを活用した SDGs・CO2 削減事例をご紹介したいと思います。
2050 年カーボンニュートラル宣言に向けての中間目標である、2030 年温室効果ガス 46% 削減を
達成するため、各企業様もご苦労されてらっしゃると思います。
こんにちは、今回インタビューを担当させて頂きます三上です。早速ですが白岩さん。
この「CO2 削減」、大企業だけの話ではなく、中小企業も取り組まないといけない課題なんですよね?
そうですね。
企業として CO2 排出量を削減するためには、再生可能エネルギーの使用と省エネを併せておこなって
いくことが重要です。今回は様々な業界で弊社のポンプまたは装置の導入によって省エネを実現した
事例をご紹介いたします。また SDGsの観点から、生産効率向上・廃棄物削減についての事例も
あわせてご紹介いたします。
しかもコストが掛かる設備改善ではなく、ポンプや装置の最適化を図ることで取り組みやすい
省エネ対策となっております。
ところで三上さん。本題に行く前にちょっと質問なのですが、産業用途全体の消費電力の内、
ポンプが占める割合は何%ぐらいか知っていますか?
え~どのぐらいですかね。。。
工場にはポンプ以外の設備もとても沢山ありますので、せいぜい3%ぐらいですか?
実は 約25% もある と言われています。
経産省で 発表された 資料によると、、、 【次のページへ】
�
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他業界にヒントあり!CO2削減、SDGs に効くポンプ活用事例 9選
日本におけるポンプの使用電力量
産業用 年間消費電力 ポンプ 年間消費電力
4,900億kWh 1,200億kWh
全ポンプで20%の省エネすれば
ポンプ
約25%
消費電力 CO2排出量
その他 240億kWh 746万t
約75%
CO2換算排出係数:0.000311 t-CO2/kWh(2010年 関電)
経済産業省 第16回省エネルギー基準部会資料参照(2011年)
5
日本における産業用の年間消費電力の内25% がポンプによる消費電力といわれています。
産業全体の25%って、そんなに多いんですね。
「ポンプは現場で沢山使われている」というのもあると思いますが電力消費量も多い機器なんですね。
そうなんです。
ですのでもし仮に全ポンプで 20%の省エネを実現したとすると、
産業分野の全体での消費電力の約5%を削減する事ができるんです。
ポンプで 20%の省エネを実現すると「産業分野での 5%削減できる」なんて
インパクトのある数字ですね。
ポンプの省エネ化が、いかに重要かわかりました。
それではいよいよ、事例をご紹介して頂いてもよろしいですか。
�
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他業界にヒントあり!CO2削減、SDGs に効くポンプ活用事例 9選
事例詳細
CVD
7
はい。今回は 3 つのテーマに分類し、それぞれの事例をご紹介いたします。
1 つ目のテーマは「消費電力を下げる」です。
こちらはポンプの最適化により、動力を下げ、電力を削減した事例となっております。
2つ目は「生産効率を上げる」です
こちらは生産の効率化を図り、コスト削減 ・ 時間短縮 を実現した事例となっております。
最後は「廃棄物を減らす」です
こちらは長寿命化または消耗品を削減によって、廃棄物を削減した事例です。
それぞれのテーマごとに 3 つずつ計9個の事例をご用意しております。
①が「CO2 削減を実現する内容」、そして②と③が「SDGs 達成に有効な内容」ですね。
本当に様々な業界の事例を知ることができるんですね。
直接の業界ではないからこそ、気づかなかった活用方法も見つかりそうですね。
�
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他業界にヒントあり!CO2削減、SDGs に効くポンプ活用事例 9選
①消費電力を下げる
1 少流量・高圧の用途で動力改善
Before After
うず巻ポンプ 渦流タービンポンプ 20m
でバイパスをしている 70 でシンプル化
1.5kW 0.4kW
A
30m 2 50Hz 8
まずは消費電力が 下がった事例をご紹介いたします。
1つ目は、少流量・高圧の用途で動力を改善した事例です。高圧で少ない量の液体を送りたい場合も、
一般用途で多く使われているうず巻ポンプを使用しているケースがよくあります。
左のイラストのような使用方法ですよね。
はい。それですと必要な圧力を得るために、流量も多くなってしまう場合があります。
そんな時は、余分な流量をバイパス配管で逃がし必要な流量のみを使う事になります。
うまくコントロールして、最適な量を供給しているように見えますが、何か問題があるのでしょうか?
確かに、供給量は上手くコントロールされているのですが、逃がした分の仕事が無駄になってしまい、
その分の消費電力も無駄になってしまいます。そこで今回の事例では高圧で少流量の用途に適した
渦流タービンポンプに交換したところ、図のようにモータ動力を 1.5kW から 0.4kW に小さくすることが
でき消費電力を70%削減することができました。
消費電力 70%削減はすごいですね!
ありがとうございます。また、設置サイズも小さくなると共に、配管もシンプルになるので
省スペース化も実現できました。特に毎分 100ℓ以下で揚程が 20m以上必要な場合は、
渦流ポンプの方が効率がいい場合が多いのでお勧めです。
�
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他業界にヒントあり!CO2削減、SDGs に効くポンプ活用事例 9選
①消費電力を下げる
2 加硫工程に 液封式真空ポンプ を導入し動力改善
タイヤ製造 加硫工程 Before After
ニクニ
液封式真空ポンプ 古い鉄製 ニクニ
真空ポンプ 真空ポンプ
高温・高圧
蒸気供給 蒸気 吸引
水蒸気の
吸引に最適
改善
22kW モータ動力
ダウン 18.5kW
再起動時
要メンテ メンテナンス性 メンテなし
年間 17% 年間
生タイヤ 240万円 削減 200万円
9
2 つ目は真空ポンプに蒸気が入って錆びてしまう場合の事例です。
今回はタイヤ製造の加硫工程を例にお話します。
タイヤ製造ではゴムに弾性と耐熱性を持たせる加硫工程という工程があり
生タイヤを金型に入れ、高温・高圧の蒸気を加えます。
加硫反応後は水分を含む蒸気を強制的に吸引し、減圧します。
今回の事例では加硫反応後の蒸気の吸引に、一般的な鉄製の真空ポンプを使用しており、
長期間の停止があった場合、錆が発生し
再起動時にポンプロックが起こる不具合が問題となっていました。
また、古いポンプを使っていると効率が悪く無駄な電力を消費していました。
蒸気の吸引に適している、弊社の液封式真空ポンプで最適化を図ったところ、
モータ動力を 22kW から 18.5kW に減らすことができ
年間で今までの 17%に当たる 40 万円のコスト削減を実現する事ができました。
1 台更新したら年間 40 万円もコストダウンできるんですね。
CO2 削減して、利益は増えて、メンテナンスも現場の停止時間もなくなるなんて
非常に魅力的ですね。
�
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他業界にヒントあり!CO2削減、SDGs に効くポンプ活用事例 9選
①消費電力を下げる
3 サイクロンセパレータの動力ダウン
2.7
A
0.2MPa 98% 95%
0.2MPa 1 10
0.1MPa 97% 85
0.1MPa
Before After モータ動力
47%
0.75kW 0.4kW 削減
※ 処理量:50ℓ/min 50Hz の場合
10
こちらは「クーラントのろ過工程」での改善事例です。機械加工では、加工面の洗浄と冷却を目的として、
クーラント液を射出します。その際、切粉などのスラッジが混入するため循環 再利用するためには
クーラント液のろ過をおこなう必要があります。
金属加工では必須の工程ですね
はい。ろ過には、フィルタなど様々なろ過方法がありますが、今回の事例では、遠心力で液体と
スラッジを分離するサイクロンセパレータを使用したろ過をおこなっていました。
サイクロンセパレータは、 ポンプで一定圧力の液体を送り込む必要がありますが、
液体を送り込む圧力が下がるとスラッジの除去率はどうなると思いますか?
勢いが弱まるので、スラッジの除去率は下がると思います!
一般的なサイクロンセパレータであればそうなります。なので正解です!
ですが、弊社のサイクロンセパレータ VDF では特殊構造により、供給圧力を下げても高い除去率を
キープする事が可能です。
それによりポンプの動力を抑え、消費電力を抑えることができると共にクーラント液の液温上昇を
防ぐ効果もあります。今回の事例では、ポンプによる供給圧力を 0.2MPa から 0.1MPa に下げても
97%の高い除去率をキープできました。ですので、モータの動力も 0.75kW から 0.4kW に
下げることができ消費電力も47%削減することができました。
消費電力を約半分に抑えることができるのはとてもありがたいですね。
�
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他業界にヒントあり!CO2削減、SDGs に効くポンプ活用事例 9選
②生産効率を上げる
1 壊れやすい食材も優しく自動移送
インナーボルテックスポンプで壊れやすい材料を優しく移送
Before After
1 40 1 12
70%
11
「生産効率を上げる」の最初の事例は食品メーカーでの事例です。こちらのお客様は菓子や飲料などを
製造している食品メーカーで、食品加工のプロセスは自動化されているものの一部の工程でタンクへの
材料投入を人力でおこなっていました。左の図のように、作業員が容器を抱えてタンクの上まで
はしごで上り材料を投入するという事をおこなっていました。
わー。。。見るからに危なくて大変そうですね。自動化はできなかったんでしょうか?
そうなんです。壊れやすい材料のため扱いが難しく、いろいろ試しましたがどうしても
材料が破損してしまうとの事でした。
そこで今回導入したのは、通常のポンプではなく、弊社のインナーボルテックスポンプです。
インナーボルテックスポンプ?ですか?
はい。右のイラストをご覧ください。こちらは インナーボルテックスポンプの断面図です。
左から入った固形物が上に送られる時、回転する羽根が接触しない構造になっています。
ですので壊れやすい固形物もやさしく移送する事ができます。このポンプをタンク脇に設置し、
材料をくみ上げることで、腰の高さで作業をおこなえるようになりました。
重量物を運ぶ手間を最小限にし、作業時間にして 1工程あたり 40 分から 12 分に削減できました。
また、重労働だったはしごの昇り降りもなくなり作業者の安全を確保する事ができました。
「生産効率向上」という点で、作業時間 70%削減は効果的ですね。加えて、今回のテーマでは
ないですが、「重労働」がなくなり、「作業者の安全」を確保できるようになったことは
現場や経営者からしても大きな効果を実感されていることと思います。
はい。現在もご使用いただいており、移送中に材料が崩れることはなく高い品質を維持できております。
他にも、タンク内を循環させることで食材と液体の攪拌用途でご使用いただいている事例もあります。
��
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他業界にヒントあり!CO2削減、SDGs に効くポンプ活用事例 9選
②生産効率を上げる
2 湿式破砕機で反応速度を均一化
合成ゴム製品加工の前工程で、溶解時間短縮
Before After
ゴム 溶剤 ゴム
原料 溶剤
原料
攪拌機
攪拌機
サンカッタ
24時間 8時間
12
こちらのお客様では、合成ゴムを原材料としたゴム製品を製造しています。製品加工の前工程で、
ゴム原料と溶剤を撹拌機に投入し、溶解させる工程があり、従来は完全に溶解させるまで
24 時間をかけていました。電力も時間もかかってしまい、生産効率を上げるネックになっていました。
ん。。。?こちらは、撹拌機で材料を溶解する工程なので、
ポンプは関係なさそうですが役に立てることがあるのでしょうか?
はい。弊社では、液体を送るだけでなく機能を追加したポンプがありますのでこういった事例でも
改善する事ができるんです。
今回、導入して頂いたのが、湿式破砕機サンカッタです。
サンカッタはポンプと破砕機を一体化した製品で、液体と固形物を
一緒に流し「圧送・破砕・攪拌・固形物の均一化」を同時におこなう事ができます。
尚且つ、溶剤に適した 材質を選択でき こちらも導入のポイントになりました。
フローとしては右の図のように、撹拌機の前段にサンカッタを設置しました。
投入したゴム原料を均一のサイズに破砕し、溶剤と混ぜ合わせながら 撹拌機に送り込みます。
なるほどー!ポンプの中で、大きさがマチマチの材料を、
均一に、しかも細かくすることで溶解しやすくしているわけですね!
はい。これら一連の工程と送り出しも1台で完結するため簡単に導入する事ができました。
効果としては溶解にかかる時間が24時間から 1/3 の8時間に大幅、短縮できました。
すごいですね。サンカッタを追加するだけで、撹拌機 3台分の仕事が 1台で実現できるんですね
��
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他業界にヒントあり!CO2削減、SDGs に効くポンプ活用事例 9選
②生産効率を上げる
3 脱気で超音波洗浄の効果アップ
Before After
3
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超音波洗浄は液体に含まれる溶存気体量により洗浄効果が大きく変化します。
溶存気体量!?また、聞き慣れない言葉がでてきましたね。
確かにそうですね。超音波洗浄は多くの工場で実施されているんですが、
その効果の決め手になるのが溶存気体量、すなわち液体中に含まれる気体なんです。
通常、液中にはある程度、酸素や窒素などの気体が含まれていますが
一定量を超え、サイズの大きい気泡があると超音波洗浄の効果を阻害してしまいます。
そこで、弊社の脱気装置DeOシリーズを導入して頂き、液中の余分な溶存気体を取り除き、
最適な状態を保つ事で洗浄効果を飛躍的に効果をアップさせることができます。
今回の事例では、超音波の伝わる力が約 3倍になり
洗浄のムラによる不良も減少し、洗浄時間の短縮も実現する事ができました。
脱気装置も小型で既存の洗浄機に後付けもできるため
イニシャルコストも少なく、手軽に導入が可能です。
なるほど。
手軽に後付ができて、洗浄効果が上がり、時間も短縮できるのであれば
早めにやって損はないですね。
��
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他業界にヒントあり!CO2削減、SDGs に効くポンプ活用事例 9選
③廃棄物を減らす
1 低粘性液の移送用途でポンプの長寿命化
Before After
ギアポンプ 渦流タービンポンプ
低粘性液を送る際に 低粘性液に最適!
摩耗が激しい 摩耗なしで移送
ガソリンの吸い上げ
2年に1回 故障で交換 2.5 故障なし
5年経過 使用中
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「廃棄物を減らす」の一つ目は ギアポンプなどの容積式ポンプで低粘液を送る場合の改善です。
こちらの事例では、地下タンクからガソリンを吸い上げる用途でギアポンプを使用していました。
今回の事例は「ガソリンの吸い上げ」ということですが、「低粘度の液体を吸い上げる」
という視点でみれば、多くの業界のお役に立ちそうですね。
はい。お役に立てると思います。ギアポンプの多くは回転するギアの接触部で送る液体が
潤滑剤として働きます。
液体の粘度が高ければ潤滑効果が高くなり粘度が低くなれば潤滑効果が下がり接触部の摩耗が進みます。
なるほど~。そうなると「低粘度の液体」というのは「ギアポンプとの相性の悪い液体」なんですね。
そうですね。低粘度の液体でギアポンプを使用し続けると、摩耗粉が出たり、摩耗により閉性が
悪くなり、ポンプ性能が落ちます。よって寿命は短くなり、ポンプを丸ごと交換するため廃棄物が
多くなっていました。そこで、ポンプをギアポンプから渦流タービンポンプに交換する改善を
おこないました。渦流タービンポンプは回転する羽根車に接触部分がないため、摩耗の心配はなく、
低粘液の移送効率も高い事が特長です。
摩耗による廃棄の心配がなくなる、ということですか?
おっしゃるとおりです。
これにより今まで 2年に1回交換していたポンプが 5年たった今でも故障はなく
快適に使用できるようになりました。よってポンプ交換時の廃棄物が大幅に削減されました。
��
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他業界にヒントあり!CO2削減、SDGs に効くポンプ活用事例 9選
③廃棄物を減らす
2 クーラント液のろ過システム改善
Before After
50%
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こちらは、 クーラント液のろ過システム改善についてです。
こちらの現場ではサイクロンセパレータによるクーラント液のろ過をおこなっていましたが
左の図のように、サイクロンセパレータで分離したスラッジを
再度、ダーティー槽に戻してしまっているため最大限の効果を得られておりませんでした。
この状況では、サイクロンセパレータでクリーン液を作ることはできますが
ダーティー槽のスラッジ濃度がどんどん上がってしまいます。
確かに。。。ただ、仕組み上やむを得ないですよね。
そうなんです。ただ、このまま運転を続けていくと、クリーン液にもスラッジが混じり
加工する製品に傷がつき、加工不良が発生するようになります。
それは困りますね。ダーティー槽のスラッジ濃度が上がると、結果的にそうなってしまうわけですね。
はい。ですから現場では加工不良を防ぐため、定期的にダーティー槽の清掃が必要になり、
その際に交換するクーラント液も廃棄物となって負担なっていました。
そこで、サイクロンセパレータの下にドラムポッドが付いた製品DPVを導入して頂きました。
ドラムポッドではスラッジを濃縮し固形化する事ができます。
固形化したスラッジはワンタッチで廃棄でき、廃棄物を最小限に抑えることができます。
さらにダーディー槽のスラッジ濃度を上げることがないので、清掃の頻度も減り
今まで負担になっていたクーラント液の交換に伴う、液の廃棄も50%削減する事ができました。
また、クーラント液が汚れることによっておこる加工不良による廃棄物も減らすことができました。
これ、とてもいいですね!廃棄物やそのメンテナンスにかかる時間を半減できるだけでなく、
当然廃棄費用も軽減できますし、しかも購入費用まで減らすことができるんですね。
地球に優しいだけでなく、工場の経費にも優しいご提案、ありがとうございます。
��
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他業界にヒントあり!CO2削減、SDGs に効くポンプ活用事例 9選
③廃棄物を減らす
2 クーラント液のろ過システムの改善
全自動式 NAX-CSⅡ の導入効果例
切削工程の事例 研磨工程の事例
1 1 1 50 3 1 1 50
100,000 50,000 40,000 20,000
1 1 1 1 1 1
50 92
30,000 15,000 168,000 14,000
4 1 1 1 67% 1 1 1.5 1 33%
150,000 50,000 1,200,000 800,000
60% 40%
16
ちなみに、一例ですが
サイクロンセパレータ、送液ポンプ、ギャザーアップコンベアが セットに なった装置
NAX-CSⅡを導入して頂いた切削工程と研磨工程では、表のように年間のランニングコストが
最大60%削減された例もあります。
廃棄品だけでもこんなに効果があるんですね。
これに、ライン停止時間やメンテナンス工数、そして消費電力削減効果、にも繋がるなんて
とても嬉しいご提案ですね。
��
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他業界にヒントあり!CO2削減、SDGs に効くポンプ活用事例 9選
③廃棄物を減らす
3 腐食性ガス移送用途でポンプの長寿命化
Before After
全ステンレス仕様 要部ハステロイ/他ステンレス仕様
3カ月
ごと
腐食で穴。要補修 大きな腐食なし
2~5年 50%
50
ポンプ全交換 パーツのみ交換
ZV 17
OK
3つ目は 超鋼工具メーカーにおける CVD装置の廃棄物削減事例です。
工具などに使う金型部品は、耐摩耗性、耐腐食性を高めるために CVDと呼ばれる
化学蒸着でコーティングします。
メッキなどの工程に近いものと考えていいですか?
はい。同様に考えていただいて大丈夫です。CVDではオールステンレス製の真空ポンプが
広く使われていますが、酸性ガスを吸引するためポンプ内部が腐食しやすく、ポンプ寿命が短いという
弱点があります。また腐食しにくいオールハステロイ製のポンプもありますが、
コストが大幅に上がる事がネックになっていました。
なるほど~。「投資を押さえて交換頻度を上げるか」「対策品に費用をかけるか」厳しい二択なんですね。
そうなんです。でもご安心ください。ニクニは 3つ目の選択肢をご用意しています。
今回の事例では、カスタマイズ性の高い液封式真空ポンプ ZVを導入して頂きました。
ZVは、各パーツが分割されておりそれぞれの材質を選択する事ができます。
各パーツを選択できるような「セミオーダー」的な製品があるんですか!?
はい。この ZVをご採用いただき酸性ガスが接するパーツのみをハステロイ製にし、それ以外の部分は
ステンレス製にすることで腐食には強く、低コスト化を実現する事ができました。
また、腐食が起こった際にもそのパーツだけを交換できるため、ポンプ丸ごと交換する必要がありません。
材質を部分的にハステロイ化するにより、ポンプ寿命が延び 廃棄物の削減を実現し、
部品交換時にもパーツのみの交換になるためここでも廃棄物を減らすことができました。
これによりコスト・廃棄物量ともに約50%の削減につながりました。
��
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他業界にヒントあり!CO2削減、SDGs に効くポンプ活用事例 9選
その他 省エネ化に貢献する製品
2019年に「低CO2川崎ブランド」に認定されました。
マイクロバブル発生装置
MBG
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あっ!そういえば白岩さん
事例ではないですが、白岩さんから省エネに貢献できる製品を一つご紹介いただけるんですよね
はい。ありがとうございます。こちらになります。
マイクロバブル発生装置MBGが 2019 年に低 CO2 川崎ブランドに認定されております。
低 CO2 川崎ブランドとは、温室効果ガスの排出量削減に効果がある製品・技術に与えられる認定です。
こちらの製品は半導体製造や加圧浮上による排水処理など
広範囲な環境に貢献する分野で活用されています。
ま白と岩めさん、ここまで事例紹介、製品紹介とありがとうございました。とても役に立ちました。最後にまとめると、、、
1.特性を理解したポンプの最適化で、動力を減らし 省エネ
2.工程を省人化・効率化するポンプを導入し 生産効率を向上
3.用途に合ったポンプ・装置で長寿命化し 廃棄物削減
19
ニクニさんは、他にも様々な事例をお持ちですので、ぜひ直接ご相談ください。
��
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株式会社ニクニ
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サービスセンター 東日本、西日本
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