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クーラント液の寿命、フィルタ目詰まり、稼働率、チョコ停など その悩み、原因はろ過工程かも?ろ過工程の課題解決事例20選
「スラッジによる加工不良が原因でクーラント液を頻繁に交換している」「鋳物・アルミスラッジによるフィルタ目詰まりを軽減したい」「フィルタの延命対策をしたい」「加工機の稼働率を上げるためにチョコ停を削減したい」などの製造現場で聞かれるお悩み。実はその原因は“ろ過工程”にあるかもしれません。
今回ポンプメーカーのニクニからお届けするのは『ろ過工程 課題解決事例20選』。下記のような幅広い業界の課題解決事例をまとめたハンドブックです。
【掲載内容(抜粋)】
●シャッタースラットのろ過
●ギヤ部品研削加工のろ過
●食品工場の排水処理工程
●冷却水のろ過
今注目のサイクロンセパレータの基礎知識や選び方も掲載されているので、ぜひこの機会にダウンロードしてご覧ください!
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このカタログについて
ドキュメント名 | その悩み、原因はろ過工程かも?「ろ過工程の課題解決事例20選」 |
---|---|
ドキュメント種別 | 事例紹介 |
ファイルサイズ | 12.1Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 株式会社ニクニ (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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その悩み 原因は
ろ過工程 かも?
ろ過工程の
課題解決事例 20選
基礎 サイクロンセパレータの効果的な導入方法 P 2~21
~ 環境にやさしいフィルタレスろ過の原理と選び方 ~
応用 クーラントまわりの課題と解決 P 22~27
~ 5つの課題と解決提案 ~
事例 導入事例20選 P 28~37
~ 幅広い課題解決をご紹介 ~
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基礎編|サイクロンセパレータの効果的な導入方法
こんにちは、ろ過製品の販売をしている商社マンの井澤です。
最近、クーラント装置メーカーに転職した矢崎にろ過の基本について
説明しながら、選び方のアドバイスをしたいと思います。
こんにちは、矢崎です。ほとんど、知識がないのでいろいろ質問させてね。
そもそも、「ろ過」ってどういう事なの?
ものすごくシンプルに言うと、液体のなかにある固体を取り出して、
液体だけにすることだよ。つまり、液体と固体を分離するということだね。
世の中の様々な用途で使われているよ。
例えば
●工作機械:切削油から切粉を除去 これにより 切削性能の維持
●洗浄機:洗浄液から異物を除去 これにより 洗浄性能の維持
●食品:不純物を取り除き安全性・品質・保存期間の向上
など幅広い分野で使われているんだ。
そうなんだ。
ろ過の中にもさまざまな種類・方法があるのかな?
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基礎編|サイクロンセパレータの効果的な導入方法
世の中には様々なろ過の方法があるけど、
取り除きたい対象物のサイズによってどの方法をとるか選択するんだ。
例えば「人の髪の毛」は太い人でも100µm程度(1㎜の1/10)、
花粉は30µm、黄砂は5µm、コロナウイルスは0.1µm以下なんだ。
この表にある通り、取り除きたい対象物のサイズごとに適したろ過の
方法があるけど、今回は「サイクロンセパレータによるろ過」は、
赤枠のサイズ(肉眼で見える範囲)を紹介するよ。
サイズとしては10µm~1㎜程度のものが
ろ過して取り除きたい対象物だよ。
この範囲のろ過を、「粗ろ過」っていうんだね。
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基礎編|サイクロンセパレータの効果的な導入方法
それでは、一般的によく粗ろ過で使用されているフィルタを用いた「フィルタろ過」
とフィルタを用いない「遠心ろ過」(以降サイクロンセパレータ)のメリット・デメ
リットを簡単に比較しよう。「フィルタろ過」は、その名の通りフィルタに液を通過
させて固体を取り除く。メリットは、除去したい対象物のサイズを考慮してフィルタ
の目の粗さを選択することで、ろ過の精度を安定して確保できること。デメリットは、
フィルタはやがて目詰まりを起こし、液体の流れが悪くなることで機械の停止や工程
の不具合の原因となってしまう。それを防ぐためには、定期的なフィルタ交換が必要
となり、メンテナンスの手間・交換フィルタのコストがかかるんだ。
確かに工作機械のクーラントなんかでも「フィルタの目詰まり」や
「メンテの手間」といったお悩みはよく聞くね。
フィルタは消耗品だし、コストもかかるよね。
そうだね。一方、サイクロンセパレータはサイクロン掃除機のように
遠心力を利用して液体と固体を分離する方法。
フィルタを使用しないため、「フィルタレスろ過」とも呼ばれるんだ。
メリットは、フィルタがないため、交換メンテナンスの手間がない事と、
消耗品であるフィルタのコストはかからない事。
デメリットは、除去出来る固体や設置方法には適した条件があることだよ。
メンテナンスが不要なのは大きなメリットだね。
一方で、除去できる対象物や設置方法には制限があるって、
どんな条件であれば導入が可能なの?
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基礎編|サイクロンセパレータの効果的な導入方法
それではまずサイクロンセパレータの原理についてご説明しよう。
物体に円運動を加えた時、外向きにかかる力が遠心力だね。
例えば、水の中に鉄粉が混ざった混合液の容器を、ハンマー投げの要領で
高速で振り回したとすると、図のように重たい鉄粉は遠心力の影響を
強く受け外側に集まり、鉄に比べて軽い水は中心寄りに集まる事が
イメージできるよね。
うん。鉄粉が外側に集まるね。
ここでいう「重い」というのは、比重の事。
比重とは、ある物質の質量と、それと同体積をもつ標準物質の質量との比で
通常、セ氏4度の水を標準物質とするので、4℃の水を1とした時、
同じ体積で何倍の重さになるかという事なんだ。
鉄の比重は「7.85」、つまり水の比重「1」の7.85倍重いため、
自然沈降つまり重力加速度1Gの条件下においても分離するけど、
振り回すことで発生する遠心加速度により、より素早く分離させることが
出来るんだ。
この遠心力を利用してろ過を行うのが、「サイクロンセパレータ」なんだね。
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基礎編|サイクロンセパレータの効果的な導入方法
サイクロンセパレータには、メーカーによって様々な形状があるけど、
ニクニ製品は「VDF=ヴォルテックス・ダイナミック・フィルタ」
と言うんだ。
今日はVDFの選び方として説明するけど、一般的な
サイクロンセパレータ全般にも応用できるから安心してね。
この写真が「VDF」ね。
上部側面から、液体と固体の混合液である「処理液」を勢いよく
VDF内に送り込む事で、固形物を多く含む液体を「ダーティー液」
として下から排出し、固形物を除去した液体「クリーン液」を上から
送り出す事ができるんだ。
つまりこのVDFの内部で液体と固体とを分離するわけだね。
なるほど。中がどうなっているのか、気になるね。
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基礎編|サイクロンセパレータの効果的な導入方法
左の図は上から見た断面だよ。
勢いよく送り込まれた処理液は、内部で高速回転し旋回流が発生する。
その際、回転の遠心力によって固体は外側に集まり、中心側には固体が
除去されたクリーン液が集まるんだ。
右の図は横から見た断面図だよ。
VDFは円錐形、つまり下に行くほど窄まった形状になっている。
そのため、内部で発生した旋回流は螺旋を描き、内壁周辺では下向きの
螺旋状の流れになり、集まった固体が下からダーティー液として
排出されるんだ。
一方、中心に集まったクリーン液には上昇流が発生し、上の吐出口から
送り出される、という構造になっているよ。
うーん。ちょっと想像が追いつかなくなってきちゃった・・・・
実際の動きを解りやすく動画でも見れるから、ここから見てみてね。
VDF(サイクロンフィルタ)ってどんな製品!?
スラッジでお困りのお客様、必見!|株式会社ニクニ
https://www.youtube.com/watch?v=hE34-a5Q4fc
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基礎編|サイクロンセパレータの効果的な導入方法
次は導入する際の注意事項と、確認ポイントを説明するね。
VDFによるろ過に適しているかどうかを各条件から判断するんだ。
各条件は表にまとめたから重要な所を説明していくね。
【液体】
ろ過の対象となる液が水溶性なのか油性なのか、あるいは清水など
ここでは動粘度がポイントとなってくるんだ。
サイクロンセパレータは水系で粘度が5cst 以下の液体を得意としているよ。
【固体】
一つ目は、比重。原理でもご説明したように、遠心力による分離には、
液体と固体との比重の差が最も重要なる。だからアルミのような比較的
軽いとされる物でも十分にとることが出来るんだ。要求されるろ過精度が
高くなければ、より軽いものでも分離は可能だよ。
二つ目は、固体のサイズ=粒子径だね。目安は直径が10μm以上だよ。
比重は2.7以上、粒子径は10μm以上、液体の粘度は5cst 以下
ってことね。
運転条件として書いたのは、VDFへの供給圧がどれぐらい必要かと
いうもの。除去率の説明と併せてそのあたりを次に説明し、
続いて分離した固体の回収方法を紹介しよう。
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基礎編|サイクロンセパレータの効果的な導入方法
VDFは、物理的に固体を捕捉するものではないので、先に説明した条件、
比重・粒子径・動粘度・供給圧によって除去率が変化するんだ。
このグラフは、横軸が粒子径、縦軸が除去率。
緑の曲線がVDFへの供給圧0.2MPa時、赤の曲線が供給圧0.1MPa時
を示していて、供給圧が下がると除去率も低下することがわかるね。
ただしニクニ製のVDFは、粒子径が10μm以上であれば、圧力が
下がっても安定して90%以上の除去をおこなう事ができるのが特徴だよ。
肉眼で見えるサイズのものであれば、しっかり除去できるんだね。
次の確認事項も教えて。
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基礎編|サイクロンセパレータの効果的な導入方法
VDFの使用条件に適していることを確認したら
次は必要な処理流量に応じてサイズを、液質に応じて材質を選択するんだ。
ニクニではステンレス製は処理流量が毎分20L~1000Lまでの8種類、
PVC製は10L~100Lまでの6種類ラインナップしているよ。
金属性の固形物の場合は強度の高いステンレス製を、処理液が溶剤の場合は
PVC製が最適なんだ。
また、処理流量に応じてVDFに送り込むためのポンプも決まってくる
例えば、CL-50LWを選んだ場合、50ℓ/minのとき供給圧0.2MPaの
ポンプを選定するんだ。
なるほどね。あとは分離した固体の回収方法だね。
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基礎編|サイクロンセパレータの効果的な導入方法
VDFは、ダーティー液として、固体を含む液体が一緒に排出されるから、
どのように固体を回収するかを考える必要があるんだ。
図を見ると、結構種類があるんだね。
どのように選べばいいの?
他にもいろいろあるけど、処理例として5つを紹介しよう。
①そのまま沈殿タンクなどに垂れ流して排出する方法
②スラッジポッドと呼ばれる濃縮器を設置して排出する方法
③ドラムポッドを設置し凝縮固形化させて回収する方法
④タンクに沈殿した固体をギャザーアップコンベアで自動回収する方法
⑤固体が磁性体であればマグネットセパレータで脱水回収する方法
どの方法をとるのが良いのかについては、固体の量や含水状態、
フローのレイアウトやご予算などにより、最適な回収方法を選べるよ。
だから、VDFをより効果的に使用することができるんだ
。
それじゃ、実際にVDFを設置ケースをフロー図とともに説明していこう。
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基礎編|サイクロンセパレータの効果的な導入方法
1つ目は、「現在フィルタを使用されていないケース」だね。
この図は、装置とタンクでクーラント液を循環させる場合だよ。
タンクの左と右をメッシュで仕切っていて、大きな固体は左に残り、
固体が沈殿した上澄みを吸い上げて再利用するフロー。
(これによりタンクの清掃回数を減らすことができる。)
ここにVDFを導入する場合は
左の図のVDFで1次槽内を循環ろ過させる「循環」方法と
右の図の装置への供給ポンプのインライン上にVDFを設置し、
ワンパスろ過する方法があるんだ。
(これにより清浄度の高いクリーン液を装置に送ることができる。)
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基礎編|サイクロンセパレータの効果的な導入方法
2つ目は、「フィルタを使用しているケース」だね。
フィルタの前段に、粗取り用としてVDFを導入する事をお勧めするよ。
どちらのフローでも、前段のVDFで大きな固体は取り除くので、
フィルタに到達する固体を少なくすることができる。
このことで、フィルタの目詰まりを防ぐことができ、
フィルタ交換のコストを削減する事ができるんだ。
また、フィルタをより高性能なものにグレードアップしても
目詰まりしにくくなるため、より精密な濾過をおこなう事ができる。
左の図は1次槽内をVDFで循環ろ過する方法。
右の図は1次槽から2次槽へ送っているフィルタのインライン上に、
VDFを設置し、ワンパスろ過する方法。これは、VDFへの供給ポンプを
新たに設ける必要がないというメリットがあるよ。
反面、現状のフィルタが目詰まりを始めると抵抗となり、ろ過除去率が
落ちる可能性があるため、注意が必要なんだ。
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基礎編|サイクロンセパレータの効果的な導入方法
最後は、すでにサイクロンセパレータを使用しているケースだね。
すでにサイクロンセパレータを使用しているケースでも、
ニクニなら、より最適なご提案ができるよ。
良く現場で見かけるのが、図のように、せっかくサイクロンセパレータで
分離したダーティー液を、そのまま1次槽に戻しているフローに
なっているケース。
これだと、当然徐々に1次槽の固体濃度が濃くなり、
サイクロンセパレータでろ過しきれずに2次槽も汚れてしまう。
そこで、サイクロンセパレータから分離したダーティー液をタンクに戻さず
ドラムポッドで濃縮し、固体のみを定期的にタンク外へ廃棄することで、
2次槽の清浄度が保てるようになるんだ。
なるほど、設置フローについてはよくわかったよ。
実際に導入した場合、具体的にはどのような効果が期待できるのかな?
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基礎編|サイクロンセパレータの効果的な導入方法
導入で期待できる効果は、代表的な所で3つ
①ランニングコスト低減
②不良品発生の低減・品質向上
③機械の保護・延命化
それぞれの詳細については、
次のページにまとめておいたから確認してみてね。
製造業では、とても重要なメリットだね。
コスト削減って、実際にどのぐらいの効果があるの?
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基礎編|サイクロンセパレータの効果的な導入方法
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基礎編|サイクロンセパレータの効果的な導入方法
あくまで一例だけど、切削工程で弊社の「NAXーCSⅡ」 を
導入した時の効果を紹介しよう。
「NAXーCSⅡ」って、VDFが組み込まれた装置?
そうだよ。
NAXーCSⅡはVDF・濃縮ポッド・ポンプとギャザーアップコンベアを
一体化させた装置で、濃縮・沈殿した固体を自動で排出できるんだ。
そして、この事例は「インジェクター部品加工の ろ過」だよ。
NAXーCSⅡを導入した結果、不良率が8%から2%になり、
クーラント液の交換頻度が月1回から2か月に1回になったんだ。
全体としては、年間で30万円の削減ができたよ。
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基礎編|サイクロンセパレータの効果的な導入方法
2つ目は、「成形ロール製造工程における ろ過」のケース。
不良率が7%から4%になり、
ロール リグラインドのコストが9万円から4万円になり、
またメッシュフィルタ事態を削除する事が出来たから
月20回おこなっていたフィルタ交換がなくなったんだ。
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基礎編|サイクロンセパレータの効果的な導入方法
3つ目は、「シリンダヘッド加工の ろ過」のケース。
これはフィルタの目詰まりによりクリーンタンクが
液不足になっていたんだ。
そこにNAXーCSⅡを導入する事で
目詰まりがなくなり、液面不足によるチョコ停は完全に解消された。
またフィルタ寿命も4倍以上伸ばすことができたんだ。
すごい効果だね。
後からの導入も比較的簡単で、しっかり効果が得られるのであれば
ぜひ検討してみたいところだね。
ここまでは工作機械などのクーラント液の用途が中心の話だったけど
他の用途にもVDFは使われているの?
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基礎編|サイクロンセパレータの効果的な導入方法
クーラント以外にもいろいろ使われているよ!
一例だけど、このリストのようなところで活躍しているんだ。
この他にも様々な用途への発展しているから、
ニクニに相談してみると解決する事も多いんじゃないかな。
最後に、ニクニならではのVDFの特長を紹介するね。
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