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真空の定義、真空の分類・用途など初心者向けに基礎から解説
真空状態を作るために欠かせない“真空ポンプ”。多くの種類から適切なものを選ぶ必要がありますが、「選び方に自信がない…」という声もよく聞かれます。
今回は初心者の方に向けて、そもそも真空状態とは何か? といった基本から解説。
特に低真空〜中真空領域において“選ぶべき真空ポンプ”が明確になります。
※2021年6月にaperzaTVで配信したウェビナーの資料です。
【こんな方におすすめです】
●真空ポンプの選び方に自信がない方
●吸引、吸着、酸化防止、真空乾燥、真空冷却、蒸留・濃縮での利用を検討中の方
●水蒸気やコンタミ、ダストの吸引でお困りの方
このカタログについて
ドキュメント名 | 選ぶべき真空ポンプがわかる!「真空ポンプの種類と選び方」【ウェビナー資料】#aperzaTV |
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ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
ファイルサイズ | 7.1Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 株式会社ニクニ (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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事例から学ぶ
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太⽥ 勝之
株式会社 ニクニ
営業部 プロジェクトマネージャー
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株式会社 ニクニ
設⽴ : 1946年
本社 : 神奈川県川崎市
営業所 : ⼤阪・名古屋・福岡・福⼭・⼭形・ベトナム
事業内容 : 各種産業⽤ポンプ、ポンプ応⽤装置、
各種⾃動機の製造・販売、表⾯処理加⼯
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真空とは?
⼤気圧より圧⼒が低い状態 = 存在する分⼦が少ない状態
少ない 気体分⼦の数 多い
気体分⼦
絶対真空(宇宙) 真空(富⼠⼭頂) ⼤気圧(地上)
ほぼ 0 kPa[abs] 64 kPa[abs] 101.3 kPa[abs] 4
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真空の分類
JIS(⽇本⼯業規格)での分類
低真空 中真空 ⾼真空 超⾼真空 極⾼真空
105Pa 102Pa 10-1Pa 10-5Pa 10-8Pa 0Pa
101.3 kPa 0.1 kPa 0.1 Pa
⼤気圧 絶対真空
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真空の⽤途
⽤途 具体例
吸引 医療機器・トイレ・⾦型成型
吸着 真空チャッキング
酸化防⽌ 真空パック
脱気・脱泡 ⾷品・飲料・化粧品・樹脂 製造
真空乾燥 部品洗浄機・⾷品加⼯
真空冷却 フリーズドライ
蒸留・濃縮 製薬・飲料・原油精製・化学分野
断熱・遮⾳ 魔法瓶・⼆重ガラス
蒸着・スパッタリング ミラー・レンズ・半導体製造⼯程
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吸引 医療機器・新幹線トイレ・⾦型成型
吸着 真空チャッキング
⾼真空 中真空 低真空
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真空ポンプとは?
容器内の気体を外に排出し、真空状態を作るための装置
気体
密閉容器 真空ポンプ
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主要部の構造や作動原理は、空気機械である圧縮機と類似しているが
吸込み圧⼒が低く、負荷が吸込み側にかかるため、構造上の⼯夫が必要。
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真空ポンプの分類
油回転式
回転式ポンプ 液封式
容積移送式 ドライ式
ピストン型
往復動式ポンプ
ダイアフラム型
気体移送式
ターボ式
機械式
分⼦式
運動量輸送式
エゼクター
ソープションポンプ 流動作動式
拡張型
ゲッタポンプ
気体溜込式
ゲッタイオンポンプ
クライオポンプ
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真空ポンプの種類
排気 吸気
油回転式真空ポンプ
油によりケース内部を回転するロータと ベーン
ベーン摺動部の潤滑とシールをおこない、
仕切られた空間の体積が変化することで 油
気体を吸排気する ロータ
メリット デメリット
・到達真空度が⽐較的⾼い(中真空) ・排気ガスに油煙を含む
・⽐較的低価格である ・定期的なオイル交換が必要
・メンテンスが⽐較的容易
・⽔蒸気、固形物を含むガスの吸引はできない
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真空ポンプの種類
停⽌時 運転時
液封式真空ポンプ
⽻根⾞の回転でケース内部に⽔環を作り、
⽻根⾞と封液で仕切られた空間の体積が
変化することで気体を吸排気する
メリット ⽻根⾞が上寄り 遠⼼⼒でケース内⾯に⽔の
・構造が簡単で取り扱いが容易 についている 環ができ、内側には三⽇⽉
・⽔を使⽤しているので、⽔蒸気を吸える 型の空気層ができる
・コンタミ・固形物を吸引しても故障することがない
吸気 排気
デメリット
・低真空でしか使⽤できない
・封液を管理するためのタンクや計器類の設計・⼿配が必要 ⽻根⾞で区切られたガス層の体積変化 10
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真空ポンプの種類
吸気
ドライ式真空ポンプ ロータ
回転するロータとケーシングの間に
微細な隙間を保ち、密閉された空間の
収縮により吸排気をおこなう
排気
メリット デメリット
・⽔も油も不要。⼿軽で操作が簡単 ・コンタミ・ダストなどの固形物を吸引できない。
・廃液もでず環境にも良い ・⽔蒸気による錆の発⽣も⼤敵。
・排気量が⼤きいものが多い ・各部品の隙間を微細にしている為、分解組み⽴ての
・到達真空度が⾼い メンテンナンスが⼤変。
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真空ポンプの種類
往復動式真空ポンプ 排気 吸気
ピストンの往復運動により、
密閉された容積が変動する事で気体を吸排気する
ピストン
メリット デメリット
・構造がシンプル ・排気量が⼩さい
・⾮常にコンパクト ・振動が⼤きい
・脈動がある
・⽔蒸気の吸引ができない
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真空ポンプの種類
エゼクター(蒸気エゼクター)
先が窄まったノズルから⽔蒸気を、 圧縮
蒸気 排気
⾼速噴射させることでボディ内部の
圧⼒を下げ、気体を吸引する
吸気
メリット デメリット
・稼働部がないため、故障がすくない。 ・⾼圧蒸気を使⽤するため、運転コストが⾼くなる
・コンタミも⽔蒸気も吸引可能 ・蒸気供給状況により性能がバラつく
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真空ポンプのメリット・デメリット
ポンプ種類 到達真空度 吸引気体の制限 メリット デメリット
△コンタミ・固形物 ・オイルの取り扱いが煩雑油回転式 低〜中真空 ×⽔分 ・到達真空度が⽐較的⾼い (交換の⼿間とコスト)・排気に油煙を含む
・構造が簡単で取り扱いが容易
液封式 低真空 ○制限なし ・爆発性ガス、腐⾷性ガス吸引に向く ・排⽔処理が必要(⼤きな固形物は×) ・⽔分やコンタミ・固形物を含む ・封液の補給と⽔温の管理が必要
ガスの吸引に強い
・吸引ガスによっては頻繁な
ドライ式 低〜⾼真空 ×コンタミ・固形物 ・排気量が⼤きいものが多い メンテナンスが必要×⽔分 ・到達真空度が⾼い ・取り扱いがデリケート
・ポンプの温度管理が必要
往復運動式 低真空 ×コンタミ・固形物×⽔分 ・構造が簡単で取り扱いが容易
・排気量が⼩さい
・振動が⼤きい
蒸気エゼクター 低真空 ×固形物 ・可動部なく保守が容易 ・運転コスト(蒸気費⽤)が⼤きい・排気量が⼤きい ・蒸気の供給状況により性能がバラつく
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ポンプ種類 到達真空度 吸込み量 吸引気体〔Pa〕 〔m3/min〕 の制限 メリット デメリット
・据付⾯積が⼤きい
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⽔蒸気・コンタミ吸引対策
液封式真空ポンプ
メリット デメリット
・⽔蒸気の吸引
・コンタミ、固形物の吸引 ・封液を管理するためのタンク
・薬液を含む気体の吸引など制限がない や計器類の設計・⼿配が必要
・構造がシンプルでメンテナンスも容易
これ解決したのが 液封式真空ジェネレータ
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液封式真空ジェネレータ
UNIVAS
液封式真空ポンプ
セパレータタンク
計器類
ユニット化することで
導⼊時の問題を解決!
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液封式真空ジェネレータ
豊富なオプションを選択するだけで使⽤にあわせて簡単カスタム
・空気エゼクター
真空度をアップ
・メカニカルブースタ
・熱交換器
補給液の循環、温度管理
・チラー
・コンデンサ 凝縮性ガスの吸引
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UNIVAS 導⼊事例1 真空チャッキング
真空チャッキング
・半導体ウェーハ⽣成
加⼯時にワーク(加⼯対象物)を
真空で吸着させ固定する⽅法 超純⽔を噴射
半導体ウェーハ⽣成 ダイジングソー
研削時に切り屑が付着しないよう ウェーハ
超純⽔を掛けながらカットする
切り屑や液体を含む気体の吸引が必要
テーブル
液封式真空ポンプが最適 真空ポンプで吸引し
ウェーハをテーブルに固定
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UNIVAS 導⼊事例2 真空乾燥
真空乾燥
・機械部品、電⼦部品の乾燥
容器内の圧⼒を下げ、対象物の⽔分を蒸発しやすくする ・調味料、⾹⾟料の乾燥
温度を上げなくても乾燥させることができるので
樹脂部品や⾷品などの乾燥に適している
狭い隙間、細管内部、粉末状の内部まで均⼀に乾燥できる
蒸発により、⽔蒸気も吸引する
液封式真空ポンプが最適 イラスト制作
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UNIVAS 導⼊事例3 蒸留・濃縮・脱気・脱泡
蒸留 沸点の異なる液体のうち⼀⽅を気体化させて
分離させる ・製薬、飲料、原油精製
・チョコレート、化粧品
濃縮 溶液の⽔分のみを蒸発させて、溶液の濃度を上げる 樹脂製造
脱気 真空下で材料に溶け込んでいる空気を
脱泡 膨張させ泡状に材料から放出させ取り除く
真空ポンプを⽤いると、沸点を下げるので熱に弱い物質も対応
熱を抑えられ⾼効率
蒸発した気体を吸引する
液封式真空ポンプが最適
イラスト制作
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