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つばきカムクラッチ

製品カタログ

つばきの機械式ワンウェイクラッチ、カムクラッチの総合カタログです。

2つの動力伝達軸間で回転を伝達、遮断する機械要素です。カムクラッチは内・外輪の間に多数のカムを配列した機械式ノンバックラッシ構造で、バックストップ、オーバランニング、インデキシングの3つの用途別にラインアップしています。

このカタログについて

ドキュメント名 つばきカムクラッチ
ドキュメント種別 製品カタログ
登録カテゴリ
取り扱い企業 株式会社椿本チエイン (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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Camclutch_A_00_11

423×297(背幅3mm) カ ム ク ラ ッ チ カムクラッチ カタログに関するお問合せは、お客様問合せ窓口をご利用ください。 TE(L 0120)251-602 FAX(0120)251-603 東 京 支 社 〒108-0075東京都港区港南2-16-2(太陽生命品川ビル) TEL(03)6703-8405 FAX(03)6703-8411 大宮営業所 〒330-0846さいたま市大宮区大門町3-42-5(太陽生命大宮ビル) TEL(048)648-1700 FAX(048)648-2020 名古屋支社 〒450-0003名古屋市中村区名駅南1-21-19(名駅サウスサイドスクエア) TEL(052)571-8187 FAX(052)571-0915 大 阪 支 社 〒530-0005大阪市北区中之島3-3-3(中之島三井ビルディング) TEL(06)6441-0309 FAX(06)6441-0314 広島営業所 〒732-0052広島市東区光町1-12-20(もみじ広島光町ビル) TEL(082)568-0808 FAX(082)568-0814 九州営業所 〒812-0013福岡市博多区博多駅東3-12-24(博多駅東QRビル) TEL(092)451-8881 FAX(092)451-8882 本 社 〒530-0005大阪市北区中之島3-3-3(中之島三井ビルディング) つばきホームページアドレス 工 場 京田辺・埼玉・長岡京・兵庫・岡山 https://www.tsubakimoto.jp ■お願い このカタログに記載の仕様・寸法等は改良のため変更する場合がありますので、設計される前に念のためお問合せください。 Ⓒ本書に集録したものはすべて当社に著作権があります。無断の複製は固くお断りします。 販売店 このカタログはSI 単位{重力単位}で 記載しています。{  }値は参考値です。 価格は販売店が独自に定めていますので、 詳しくは各販売店にお尋ねください。 2023年9月1日発行 Ⓒ株式会社 椿本チエイン Bulletin No.23006
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品種拡大、充実のカムクラッチ さまざまな用途に幅広く対応 内・外輪の間に多数のカムを配列した「つばきカムクラッチ」は、一方向には内・外輪間でトルクを 伝達し、逆方向には自由に回ります。(一方向クラッチ) カムクラッチは、1963 年に日本で始めて国産化されましたが、高精度のインデキシング、瞬間にか み合うバックストップ、経済的な2速駆動などに最も適した一方向クラッチとして、その優秀性を高 く評価されました。その後も、機械の自動化や省力化という時代の要請と共に、順次品種を拡大、あ らゆる業界で「高精度、確実なカムクラッチ」と定評を得ています。 ロールの間欠送り、コンベヤの逆転防止、省エネ・ファンのスピード切換、動力回収装置の自動クラッチ なども、その一端と言えます。 この長年にわたる実績と経験を基に、つばきは、カムクラッチの基本機能を重視しつつ、数々の用 途別新シリーズを拡充、今日では 30 余種のシリーズを保有するに至りました。まさにカムクラッチな らではのワイドセレクションを可能にするラインアップです。用途に応じた豊富なシリーズを活用し て装置設計とシステムの合理化を実現してください。 今後も、つばきは、限りない産業界の進歩と顧客のニーズにお応えできるよう、常に斬新な発想を もってカムクラッチの研究開発を続けてまいります。どうぞカムクラッチの採用についてご検討く ださい。
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回転方向・回転速度差を活用する つばきカムクラッチ 目次 機種一覧表05 シリーズ別能力、寸法、取扱27 構造07 MZ 27 LD39 MG–R 59 MZ–G29 ML 41 BR  61 作動原理08 BB 31 MG43 BR–P 62 BB–1K–K32 MI45 MZ–C 65 特長09 BB–2K–K32 MX47 MG–C  65 BB–2GD 33 MI–S 49 ボックス 66 用途別分類12 BB–2GD1K–K34 MA50 PB 35 MR51 用途別適合シリーズ一覧表13 20037 BS 53 用途別使用法の解説14 選定73  オーバランニング14 寿命77  インデキシング20 潤滑とメンテナンス82  バックストップ24 2
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つばきカムクラッチはあらゆる 印 刷 機 コルゲートマシン 製 袋 機 トラクタ スピードスプレヤ コンバイン 3
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産業機械に使用されています。 バケットエレベータ ピッチングマシン メリヤス丸編機 延縄捲揚機 ロールフィード ジブクレーン 4
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機種一覧表 使用 方法 シリーズ名 形  状 特    長 適する用途 掲 載 ページ ●空転時の発熱が最小におさえ ● 低速から高速まで、幅広く使 られます。 用できます。 MZ ● 取 付けが容易で確実です。 ● インデキシング、バックストッ ● 潤滑に関するメンテナンスは プにも使用できます。 27 不要です。 ● トルク :186〜3040N・m { 19〜310kgf・m} ● 外 周研削タイプです。(MZの姉 ● 低 速から高速まで、幅広く使 妹品です) 用できます。 MZ-G ● 空 転時の発熱が最小におさえられます。 ● イ ンデキシング、バックストッ 29 ● 取 付が容易で確実です。 プにも使用できます。 ● 潤 滑に関するメンテナンスは不要です。 ● トルク :186〜3040N・m { 19〜310kgf・m} BB BB-2GD ● 6 200番台のベアリングにカム ● 低 速から高速まで、幅広く使 クラッチを組み込んでいます。 用でき、小形、軽負尚の用途に BB-1K-K ● 軸 やハウジングへの取付けは 適しています。 ● オ イルシール付きは塵の多い 31 BB 圧入、キー止めの2つのタイプ   BB-2K-K を用意しています。 雰囲気や、グリース漏れを避 けたい用途に最適です。 34 ● オ イルシール付きも揃えてい BB-2GD1K-K ます。 ● トルク :29〜260N・m { 3.0〜26.5kgf・m} ● コ ンパクトで、高いトルク容 ● 中速運転用です。 MG 量をもっています。 ● トルク :314〜176000N・m   オ ● 空 転時の耐摩耗性が優れてい { 32〜18000kgf・m} 43 ー ます。 バ ラ ン ニ ン ● 外 輪がスリーブですから外径 ● 低速〜中速での用途に適して グ PB の小さいスプロケット、ギヤ、 います。 プーリなどの取付けが容易で ● トルク :29.4〜2110N・m 35 す。 { 3〜215kgf・m} ● 軸 に直接取付ける内輪のない タイプです。 ● 低速〜中速での用途に適して 200 ● ス プロケット、ギヤなどの内 います。 部にコンパクトに組込むこと ● トルク :39.2〜1400N・m 37 ができます。 { 4〜142kgf・m} ● 取 付け、取扱いが容易なエコ LD ノミータイプです。 ● 低速、軽荷重専用です。 ● 潤 滑に関するメンテナンスは ● トルク :5.88〜49N・m 39 不要です。 { 0.6〜5kgf・m} ● 伝 動部品の取付けが容易で ● 中 低速、中荷重での用途に適 ML す。 しています。 ● カ ム&ローラ構造によりコン ● トルク :70〜2300N・m 41 パクト設計が可能です。 { 7〜235kgf・m} ● 連続高速運転専用です。 カムクラッチ ● カ ムクラッチをケース内に納 ● 動力回収ポンプにも適してい めた連続高速空転専用タイプ ます。 ボ ッ ク ス です。 ● トルク :314〜80360N・m 66 { 32〜8200kgf・m} 5 6 〜
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機種一覧表 使用 方法 シリーズ名 形  状 特    長 適する用途 掲 載 ページ オ ー ● 外 輪空転専用です。 ● 連 続外輪高速空転専用です。か バ ● 空 転中にカムがリフトオフ(浮き み合い回転速度は低速で使用し ラ ン MR 上る)して内輪との接触がなく ます。 51 ニ なり、空転耐摩耗性に優れて ● トルク :9500 〜 33800N・m ン います。 { 970 〜 3450kgf・m} グ ● 中 低速インデキシングで送り長 さの小さい用途に最適です。 送り ● MI ● 高 精度のインデキシング 連続かみ合い運転で負荷変動の が得られます。 ある場合(オーバランニング) 45 にも適しています。 ● トルク :314〜176000N・m { 32〜18000kgf・m} イ ン ● 低 速インデキシングで送り長 デ ● 特 殊表面硬化処理を施したカ さが大きい用途に最適です。 キ MI-S ムを使用していますので耐摩 ● トルク :43.1〜196Nm 49 シ 耗性に優れています。 { 4.4〜20kgf・m} ン グ ● 高 速インデキシング時におい ● 高 速インデキシングで送り長 さの小さい用途に最適です。 MX て高い送り精度を実現できま ● す。 トルク :78.4〜784N・m 47 { 8〜80kgf・m} ● コ ンベヤの逆転防止専用クラッチ ● 低 速空転用です。 です。(低速用) ● コ ンベヤ、ポンプなどの最終 BS ● グ リース封入タイプで潤滑に関す 回転軸に取付ける低速空転タ るメンテナンスは不要です(。小形 イプです。 53 機種) ● トルク :294〜980000N・m ● 2 重構造の防塵対策を施しています。 { 30〜100000kgf・m} ● コ ンベヤの逆転防止用クラッ チです。(中速用) ● 中 速空転用です。 ● 減速機の中間軸などに取付け MG-R ● M Gシリーズのカムクラッチ にオイルリザーバを取付けた るタイプです。 59 メンテナンスの容易なタイプ ● トルク :314〜176000N・m です。 { 32〜18000kgf・m} バ ッ ● 高 速空転用です。 ク ス BR ● カ ムと内外輪が非接触となる ● モーター軸に取付けるタイプ ト ため、長寿命が期待できます。 です。 61 ● トルク :306〜62034N・m ッ { 31〜6330kgf・m} プ ● 高 速空転用です。 ● B Rのパッケージタイプです。 ● モーター軸に取付けるタイプ BR-P ● そ のまま取付けて使用できま です。 62 す。 ● トルク :306〜62034N・m { 31〜6330kgf・m} ● テ ニスマシン、ピッチングマシ ● 衝 撃荷重に対応できるカムを ンのピッチングアームの逆転 M 使用しています。 防止に適しています。(反復衝 A ● 潤 滑に関するメンテナンスは 撃荷重をともなうバックストッ 50 不要です。 プ) ● トルク :176〜510N・m { 18〜52kgf・m} カ ッ ● M Zシリーズ、MGシリーズ プ リ MZ-C ● M Zシリーズ、MGシリーズ の用途を参照ください。 ン にローラチェーンカップリン ● トルク :MZ:323〜3040N・m グ タ MG-C グを取付けたタイプです。 { 33〜310kgf・m} 65       MG:314〜33800N・m イ プ { 32〜3450kgf・m} 6
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構 造 構造説明は代表例としてMZシリーズを示しています。 主要構成部品 カムクラッチの主要部品は、カム・内輪・スプリング、そしてベアリング です。各部品は、カムクラッチが確実に機能を果すうえで、それぞれ重要 な役割を受持っていますので、各部品は、厳選された材料に適切な熱処理 を施し、厳しい品質管理によってチェックを行っています。 部  品 外   観 働   き 内外輪間に規則的に多数並んだカムは、内外輪の相対回転方向によって、つっか い棒の作用をしたり、すべり状態になったりします。この作用によって、カムク カ   ム ラッチの内外輪のかみ合いと空転が行われます。カムクラッチの生命であるカム は、用途に応じて 14 タイプ 23 種を使い分けています。 内   輪 カムの軌道面である内外周は、カムとのかみ合いの際に作用する圧縮応力や、空 転時の摺動摩耗に耐えられるよう、充分な硬度と硬化層を確保し、真円筒に精密 外   輪 研削しています。 スプリングをカムの両端に一本ずつ圧縮された状態で入れ、すべてのカムを常に 内外輪に接触させています。こうして、カムをかみ合いに即応できる体勢にして スプリング います。これは、それぞれのカムが均等な荷重分担で内外輪とかみ合うために極 めて重要です。 内外輪の同心保持と、ラジアル荷重を受け持つ役目をします。特に同心保持は、 ベアリング カムクラッチがかみ合う際に、すべてのカムが同時に、均等な荷重分担でかみ合 うために重要なことです。 7 8
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作動原理 〈内外輪、カム、スプリングの位置関係〉 〈スプリングの役目〉 独創的な断面形状のカムは内外輪と点A・Bで接していま 圧縮されたスプリングによってカムに F の回転モーメント す。AB は、内外輪の中心線 O − O′と一定の角度(θ=スト を与えて、内外輪と軽く接触させています。 ラットアングル)を保っています。この角度は、カムクラ ッチが“空転”と“かみ合い”の2つの機能を果たす上で重 要な役目をします。 外輪(または内輪)を黒矢印の方向に回すと、AB のつっかい棒(カム)は内外輪に対してはず 空転 れる方向になります。したがって、外輪(または内輪)は黒矢印方向に自由に回転し、内輪(ま (クラッチ解放) たは外輪)には回転を伝えません。この状態を“空転”と言います。 外輪(または内輪)を白矢印の方向に回すと、AB のつっかい棒(カム)は瞬時に A・B 点で内 かみ合い 外輪とかみ合います。外輪・カム・内輪は一体となって(連結状態)駆動機側から被動機側へ動 (クラッチ連結) 力を伝達します。この状態を“かみ合い”と言います。内外輪の軌道面上に多数配列されている カムは、スプリングの作用によって瞬時に均等な荷重分担でかみ合うことになります。 8
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特 長 つばきカムクラッチは、「高い精度」「確実な作動」「優れた耐久性」を有しています。これは、 1. 厳選された最適の材料を用い、独特の熱処理をほどこしたカムおよび内外輪。 2. 専用機による高度加工と品質管理。 3. 一方向クラッチ専門メーカとしての長年の経験とたゆまざる技術開発。 などが基礎になっています。 1. 種類の豊富な標準カム MZ・BS・ML 14 タイプ 23 種の標準カムを用意して、用途に応じて最適のものを使用しています。 カムクラッチの用途は、大別して 3 つに分類され、それぞれに要求される特性も異なりますので、最適のカムを組込んだカムク ラッチを設計・製造せねばなりません。豊富な種類の標準カムを用意して、はじめてこのことが可能になります。 ■カムクラッチの用途と要求される特性 用  途 特   性   ①空転時のエネルギーロスが少ない。 オーバランニング   ②高速域での確実なかみ合い。   ③連続空転における耐摩耗性が良い。   ④変動荷重に対する耐力が大きい。   ①送り精度がよい。 インデキシング   ②ワインドアップ(弾性変形)が少ない。   ③繰返し荷重に対する疲労寿命が長い。   ①衝撃トルクに対する耐力が大きい。 バックストップ   ②比較的良くない潤滑条件での耐摩耗性が良い。 9 10
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特 長 2. カムとローラの組合わせが可能(PAT.) 3個以上のローラをカムの間に配置して、ローラによって内外輪の同心を保持し、かつ、ラジアル荷重を受けています。 低速回転用では、ローラを使用することによって、別途にベアリングを取付ける必要がなく、きわめてコンパクトなカムク ラッチが設計できます。保持器を使用しないもの、使用するもの、いずれもローラとカムの組合わせが可能です。 ローラがベアリングの役目をするので別途ベアリングを取 カムクラッチが空転すると、ローラは自転すると共に、内 付ける必要がありません。そのスペースの分だけ横幅の狭 外輪間を保持器を介してすべてのカムを引っぱりながら公 いコンパクトなカムクラッチになります。 転します。その結果、カムクラッチ内に偏在する潤滑油(脂) そのうえ、コストダウンの効果もでてきます。 が全周にわたって拡散され、すべての部分に潤滑油(脂)が 代表シリーズ…LD、ML 行きとどきます。カムは内外輪間全域を公転するので、内 外輪との接触位置は常に変わり、カムの局部的な摩耗が発 生しません。 代表シリーズ…BS 10
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特 長 3. フリーアクション方式のカム配列 カムクラッチの中に多数組込まれているカムは、保持器を使用するもの、しないものにかかわらず、すべてフリーアクション 方式で、他のカムと無関係に傾きを変えることができます。このことは、それぞれのカムが、そのカム位置における内外輪間 のスペースに合った傾きを、自由にとることが可能だということです。即ち、内外輪間のスペースに多少の差があったとしても、 すべてのカムがかみ合いに対して即応体勢をとり得ることを意味します。 円筒状の側面をもったカムは、他のカムの動きに規制され 一重の保持器は、各カムの傾きを規制する作用は全くなく、 ることなく、自由に動くことができます。 それぞれのカムは自由に傾きを変えられます。 代表シリーズ…MZ、PB、200 代表シリーズ…MX、MI-S、MG300 〜 700 〈参考〉 スペーサ ピボット式保持器も、各カムの傾きを規制することなく、 それぞれのカムは自由に傾きを変えることができます。 即ち、それぞれのカムは、内外輪のわずかな偏心によって 生じる内外輪間の寸法差に応じて、傾きを自由に変えるこ 二重の保持器を使用したカムクラッチは、すべてのカム とができます。 が内・外の二重の保持器で連結されています。このため 代表シリーズ…MG750 〜 MG1300、MI750 〜 MI1300、MR それぞれのカムは、保持器に拘束され自由な動きができ ません。即ち、内外輪の同心性が悪いと一部のカムしか かみ合わないことになります。 11
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Camclutch_B_12_26

用途別分類 カムクラッチの用途は、オーバランニング、インデキシング、バックストップの 3つに大別されます。さらに各々の用途は、回転速度、 送り長さ、負荷条件などによって細分化されます。それぞれに適した機種を選定することが重要です。 機種選定に際しては、次頁を参照ください。 高速空転・高速かみ合い (掲載ページ) (空転 700r/min 以上:かみ合い 700r/min 以上)( 15 ) 高速空転・中低速かみ合い (空転 700r/min 以上:かみ合い 700r/min 以下) ( 16 ) 二元駆動 高速空転・低速かみ合い 二速駆動 (空転 700r/min 以上:かみ合い 200r/min 以下) ( 15 ) 中低速空転・中低速かみ合い (空転 700r/min 以下:かみ合い 700r/min 以下) ( 17 ) オーバランニング カムクラッチの内外輪がかみ合っ 正転かみ合い・逆転空転 てトルクが伝達されている場合と、 (700r/min 以下) ( 17 ) 内外輪の回転速度の差や回転方向 の違いによって、空転を続ける場 合とが任意に繰り返される使用法 フリーホイーリング です。自転車の後輪のフリーホイ (700r/min 以下) ( 19 ) ルの働きと同様です。 空転回転速度、かみ合い回転速度、 荷重変動などによって 7 つのタイ 手動式 プに細分されます。 (手動かみ合い) ( 19 ) 高速・送り角度:小 (頻度 300 回 / 分以上・送り角 90°以下) ( 20 ) カ 中低速・送り角度:小 ム ク (頻度 300 回 / 分以下・送り角 90°以下) ( 21 ) ラ ッ インデキシング 低速・送り角度:大 チ の 間欠送りとも言います。外輪の一 (頻度 150 回 / 分以下・送り角 90°以上) ( 21 ) 用 定サイクルの運動を、間欠的な回 途 転運動に変えて、内輪(軸)に伝達 間欠送りの逆転防止 します。高頻度のかみ合いと空転 を繰返す使用法です。 (送りクラッチと同じ使用条件) ( 22 ) 送り長さ、頻度、負荷条件によって、 6 つのタイプに細分されます。 ストッパ付送り (頻度 300 回 / 分以下・送り角 90°以下) ( 22 ) 変速用 (頻度 300 回 / 分以下・送り角 90°以下) ( 23 ) 低速空転 (150r/min 以下) ( 24 ) バックストップ 中速空転 逆転防止とも言います。機械の逆 (150 〜 700r/min) ( 25 ) 転を防止する使用法です。機械の 稼働中はカムクラッチは空転を続 高速空転 け、まれに発生する逆転時にかみ 合う使用法です。 (700 〜 3000r/min) ( 25 ) 空転時の回転速度などによって、4 つのタイプに細分されます。 反復衝撃荷重をともなうバックストップ (テニスマシン・ピッチングマシンなど) ( 26 ) 12
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用途別適合シリーズ一覧表 下表の中から用途に応じた最適のシリーズを選び、それぞ れの掲載ページをご覧ください。 各ページには、それぞれのシリーズの寸法、能力などにつ ●◎………最も適する いて詳細を記載しています。 ●○………適する オーバランニング シリーズ MZ BR カム 用途 BB PB 200 LD ML MG MI MX MI-S BS MG-R MA MR クラッチ MZ-C MG-C MZ-G BR-P ボックス 二 高速空転・高速かみ合い ●○ ●◎ ●○ 元 駆 動 高速空転・中低速かみ合い ●◎ ●◎ ●◎ ・ 二 高速空転・低速かみ合い ●◎ ●◎ ●◎ ●◎ 速 駆 動 中低速空転・中低速かみ合い ●◎ ●○ ●○ ●○ ●○ ●○ ●○ ●◎ ●○ 正転かみ合い、逆転空転 ●◎ ●○ ●○ ●○ ●○ ●○ ●○ ●○ ●◎ ●○ フリーホイーリング ●◎ ●○ ●○ ●○ ●○ ●○ ●○ ●◎ ●◎ ●○ 手動式 ●○ ●○ ●○ ●◎ ●◎ ●○ インデキシング シリーズ MZ BR カム 用途 BB PB 200 LD ML MG MI MX MI-S BS MG-R MA MR クラッチ MZ-C MG-C MZ-G BR-P ボックス 高速・送り角度:小 ●◎ 中低速・送り角度:小 ●○ ●○ ●○ ●○ ●○ ●○ ●◎ ●○ ●○ 低速・送り角度:大 ●◎ 間欠送りの逆転防止 ●○ ●○ ●○ ●○ ●○ ●○ ●◎ ●◎ ●○ ストッパ付送り 当社までご相談ください。 変速用 ●○ ●○ ●○ ●○ ●○ ●○ ●○ ●◎ バックストップ シリーズ MZ BR カム 用途 BB PB 200 LD ML MG MI MX MI-S BS MG-R MA MR クラッチ MZ-C MG-C MZ-G BR-P ボックス 低速空転 ●○ ●○ ●○ ●○ ●○ ●○ ●○ ●◎ ●○ 中速空転 ●○ ●○ ●○ ●○ ●○ ●○ ●◎ 高速空転 ●○ ●◎ ●◎ ●○ 反復衝撃荷重をともなう バックストップ ●◎ 掲載ページ 27,29 31 35 37 39 41 43 45 47 49 53 61 59 50 51 66 65 65 13 14
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用途別使用法の解説 最適のカムクラッチを選定するためには、その用途や条件を確実に把握する必要があります。以下用途別に分類して、カムク ラッチの使い方を解説しますので、ご使用になろうとするカムクラッチがどの分類にあてはまるかを確認して、それぞれの掲 載ページより詳細データを得てください。 Ⅰ.オーバランニング カムの挙動とカムクラッチの働き 図のようなカムクラッチを考えた 2. 外輪時計方向回転 場合、下記のように様々なかみ合 外輪 2-1 いと空転の様態があります。これ 静止状態から外輪が時計方向に 内輪 らをオーバランニングといいます。 N0 r/min で回転する場合には、カ ムクラッチは空転して内輪は回転 しません。 1. 外輪反時計方向回転 1-1 2-2 静止状態から、外輪が反時計方向 その状態で、内輪が他からの力に に N より時計方向に N 0 r/min で回転を始めると、カ 1 r/min で回され ムクラッチはかみ合って、内輪も る時、N1 < N0 の場合は、カムクラ 同方向に N0 r/min で回ります。 ッチは空転して、内輪は N1、外輪 は N0 r/min で回転します。 1-2 この状態で内輪が他からの力によ 2-3 り、反時計方向に N1 r/min で回さ N1 が増速、あるいは N0 が減速して れる時、N1 > N N 0 の場合にはカムク 1 =N0 となった時点で、カムクラ ラッチは空転して、内輪は N1、外 ッチのかみ合いが始まりN1 > N0 の 輪は N 間はかみ合いが継続し、内輪から 0 r/min で回転します。 外輪へトルクを伝達します。 1-3 N1 が減速、あるいは N0 が増速して 2-4 N1 = N0 となった時点で、カムクラッ 内輪が、他からの力により反時計 チのかみ合いが再び始まり、N1 < 方向に回る場合は、その回転速度 N0 の間はかみ合いが継続し、外輪 にかかわらずカムクラッチは空転 から内輪へトルクを伝達します。 を続けます。 用     途 仕      様 高速空転・高速かみ合い 空転回転速度= 700r/min 以上、かみ合い回転速度= 700r/min 以上 二 元 駆 高速空転・中低速かみ合い 空転回転速度= 700r/min 以上、かみ合い回転速度= 700r/min 以下 動 ・ 二 速 高速空転・低速かみ合い 空転回転速度= 700r/min 以上、かみ合い回転速度= 200r/min 以下 駆 動 中低速空転・中低速かみ合い 空転回転速度= 700r/min 以下、かみ合い回転速度= 700r/min 以下 正転かみ合い・逆転空転 入力を正逆回転して、かみ合いと空転を使いわける。 フリーホイーリング 被動側の回転速度が相対的に駆動側より高速になると空転を始める。 手 動 式 連続空転、手動かみ合い。 14
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用途別使用法の解説 オーバランニング Ⅰ−1 2 元駆動・2速駆動 2 元駆動とは、1 台の被動機のために 2 台の駆動機を設置し、 必要に応じてそのうちの 1 台、または、両方を用いて駆動す る方式を言います。2 元駆動のうち、2 台の駆動機の回転速 度が異なるものを 2 速駆動と呼び、被動機を高速、または、 低速、いずれかの速度で駆動します。カムクラッチは、普 通それぞれの駆動機に 1 個ずつ使用して、駆動機の自動切替 の役目をします。 右図で、駆動機 A によって被動機を矢印の方向に動かす場 合、カムクラッチ A はかみ合って、外輪側からの動力を内 輪側、すなわち、被動機に伝え所定の回転速度で駆動しま す。このとき、被動機に接続しているカムクラッチ B の内 輪も同じく矢印方向に回転しますので、カムクラッチ B は 用   途 空転回転速度 かみ合い 回転速度 適用シリーズ 掲 載 かみ合うことなく空転して、駆動機 B と、被動機の連結を ページ 断ちます。逆に駆動機 B によって、被動機を矢印方向に動 カムクラッチ 27 高速空転・高速かみ合い かす場合には、カムクラッチ B がかみ合って、外輪側から 700r/min 以上 700r/min 以上 BOX 29 MZ,MZ-G 66 の動力を内輪側、すなわち、被動機に伝え所定の回転速度 高速空転・中低速かみ カムクラッチ 27 で駆動します。このとき、カムクラッチ A は、空転し駆動 合い 700r/min 以上 700r/min 以下 BOX 29 機 A との連結を断ちます。カムクラッチの空転回転速度と、 MZ,MZ-G 66 かみ合い回転速度によって、4 つの用途(右記)に分かれま 高速空転・低速かみ合 カムクラッチ 61 い 700r/min 以上 200r/min 以下 BOX 62 す。 BR,BR-P 66 MZ,MZ-G 27,29 中低速空転・中低速か み合い 700r/min 以下 700r/min 以下 MG,200 35,37 39,41 PB,LD,ML 43 Ⅰ− 1-1 高速空転・高速かみ合い ■空転回転速度= 700r/min 以上 ■かみ合い回転速度= 700r/min 以上 ファン、またはポンプ駆動の例 モータとタービンなどによる 2 元駆動によって、ポンプ、フ ッチ B は、タービン駆動の場合に空転し、モータ駆動のと ァンなどの被動機を 700r/min 以上で、高速運転するもので きに、かみ合います。駆動機の切替は全くクラッチ操作な す。カムクラッチは、2 台の駆動機の自動切替用に使われま しに行われます。即ち、モータとタービンの回転速度の差 す。ファンに使用されたカムクラッチの場合、通常はター がカムクラッチの on − off 操作となり、より高速で回転して ビン側から駆動されます。始動時や、タービンに供給され いる側の駆動機が、被動機と自動的に連結します。 る蒸気圧が不足した際は、タービンに代ってモータ駆動と カムクラッチの空転、かみ合いは、共に 700r/min 以上の高 なります。カムクラッチ A は、タービン駆動の場合には、 速で連続的に行われます。 かみ合い、モータ駆動のときは空転します。逆にカムクラ 15 16
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用途別使用法の解説 オーバランニング 省エネ用ポンプ(動力回収装置)の場合は、 省エネポンプ(動力回収装置)の例 カムクラッチの採用によって、効果の大きい 省エネが実現できる使用方法の 1 例です。ポ ンプは、モータで駆動されて高圧液を吐出し ます。循環後の液圧でタービンを回転し、ポ ンプの動力の一部として利用するシステムで す。利用可能な圧力が低くタービンの回転が 低速のときは、カムクラッチは空転していま すが、タービンの回転速度がモータの回転速 度に達すると、カムクラッチは自動的にかみ合 って、タービン+モータでポンプを駆動しま す。タービン出力だけモータの消費電力が節 減できます。カムクラッチの空転、かみ合い 適用シリーズ の際のエネルギロスは極めて少ないものです から、7.5kW 程度の小容量のポンプにも、効 シリーズ 特   長 注意点 掲 載 ページ カムクラッチ 果を発揮します。カムクラッチとタービンを ボックス ○長時間連続運転に耐えます。 ○各種の潤滑方式、冷却方式 ご 発 注 の 際 は、 設置するだけで、ランニングコストの少ない OB-ON を選ぶことができます。 承認用図面を発 OB-SN 行 し ま す の で、 66 高効率のエネルギ回収システムが実現できま ○潤滑油に関するメンテナン OB-SF スは、最小限で済みます。 ご指示ください。 す。 OB-S ○グリース封入タイプで、潤 MZ 滑に関するメンテナンスは MZ- ——— 27 G 不要です。 29 Ⅰ− 1-2 高速空転・中低速かみ合い ■空転回転速度= 700r/min 以上 ■かみ合い回転速度= 700r/min 以下 均熱炉ファンの省エネ駆動の例 その切替えを自動的に行います。急速加熱時は、主モータ でファンを高速運転します。(このときカムクラッチは空転) 保持加熱時は、ファンの回転は低速で充分ですから、減速 モータで低速運転します。(このときは、カムクラッチはか み合い、主モータとファンが同時に回転)ポールチェンジ 方式、インバータ方式に比べ、設備費が大幅に節減でき、 きわめて短期間に設備費の回収が可能です。一年程度連続 運転で設備費を回収するという条件であれば、15kW クラス のファンから効果があります。 モートル 適用シリーズ シリーズ 特   長 注意点 掲 載 ページ ○長時間連続運転に耐えます。 カムクラッチ ○減速機と組合わせた TB タイプ ご発注の際は ボックス を使用していただければ据付 承認用図面を OB-ON も容易で最小のスペースでお 発行しますの 66 OB-PN さまります。 でご指示くだ 2 台の駆動機(高速用、中低速用)を使用して、ファン・セ TB ○潤滑に関するメンテナンスは、 さい。 最小限で済みます。 メントキルン・コンベヤなどを通常運転時は高速に、省エ ○グリース封入タイプで、潤滑 ネルギ、熱変形防止、安全点検、凍結防止その他の目的で MZ に関するメンテナンスは不要 — 27 MZ-G です。 29 は中低速に、適宜切替えて運転するための切替用として、 カムクラッチは働きます。 ○外輪空転形でカムがリフトオフ MR するタイプです。 — 51 上図は、アルミ・鋼などのインゴットの均熱炉用ファンで、 省エネルギ用にカムクラッチが使用された例です。加熱に は、急速加熱と保持加熱の 2 通りがあって、高速と低速の 2 台の駆動機と、カムクラッチを組合わせたドライブを用い、 16
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用途別使用法の解説 オーバランニング Ⅰ−1-3 中低速空転、中低速かみ合い ■空転回転速度= 700r/min 以下 左図は、ダンボール紙製造用コルゲートマシンの糊付ロー ■かみ合い回転速度= 700r/min 以下 ルに使用されたカムクラッチの例です。通常、糊付ロール は主モータで連続運転します。このとき、カムクラッチ A 700r/min 以下の中低速駆動機 2 台で、被動機を 2 速運転する はかみ合い、B は空転しています。トラブルなどで主モー 使用法です。2 個のカムクラッチにより、駆動機の自動切替 タを一時停止する場合にも、ロール表面の糊の乾燥を防ぐ えを可能にします。 ため、糊ロールは回転させる必要があります。このとき、 補助モータによって糊が乾燥しない程度の低速で、ロール 糊付ロールの駆動の例 を駆動します(。カムクラッチ A は空転、B はかみ合い)。こ の外に食品機械のミートチョッパやスクリューフィーダ、 遠心分離機などに、この方式が使用されます。 適用シリーズ シリーズ 特      長 掲 載 ページ MZ ○グリース封入タイプで、潤滑に関するメンテナン 27 MZ-G スは不要です。 29 MG ○コンパクトで、大トルクを伝えます。 ○優れた空転耐摩耗性を持っています。 43 ○スリーブタイプの外輪ですから、小さな外径のス PB プロケットやギヤも取付可能です。 ○含油合金のベアリングを使用しているため、軸受 35 部への給油は不要です。 ○グリース封入タイプで、潤滑に関するメンテナン ML スは不要です。 41 ○中荷重用です。 ○軸に直接取付けるタイプですから、軸径が太くと 200 れます。 37 ○コンパクトな設計ができます。 ○グリース封入タイプで、潤滑に関するメンテナン LD スは不要です。 39 ○軽荷重低速用です。 Ⅰ− 2 正転かみ合い、逆転空転 この使用法は、入力をある時間正転し、カムクラッチのか 1)連結を切るだけが目的のもの。(下図) み合いにより、被動側を駆動した後、入力を逆転させるこ 傾斜形ポンプでの使用例です。 とにより、カムクラッチを空転状態にするものです。カム モータの取付時に結線をまちがったままで起動すると、 クラッチを空転させることの目的により、下記 3 種類に分 ポンプが逆転させられます。モータとポンプの間にカ 類できます。 ムクラッチを取付けておくと、ポンプを絶対に逆転さ せてはならない場合に結線まちがいがあっても、カム 1. 単に、入力側と被動機の連結を切ることを目的とするも クラッチが空転することで、ポンプの逆転を防ぎます。 の。〈詳細は右記 1)〉 カムクラッチは正転時には常時かみ合いを続けます。 2. 入力側を逆転させた後、被動側が他からの力で逆転を始 め、逆転している入力側の回転速度に追いつくと、カム 傾斜形ポンプの例 クラッチがかみ合って、負荷にブレーキを掛けることを 目的とするもの。〈詳細は次ページ 2)〉 3. 同一軸上に勝手違いのカムクラッチ A・B を取付け、その 軸の正転時には、A がかみ合い B が空転、逆転時には B が かみ合い A が空転をして、AB それぞれの外輪に連結され た被動機 A・B のどちらか一方を、随時、選択的に駆動す ることを目的とするもの。〈詳細は次ページ 3)〉 17 18
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用途別使用法の解説 オーバランニング 2)従動側にブレーキを掛けることを目的とするもの。(右図) パイプ内洗浄機の例 パイプ内洗浄機のホースドラム駆動用に使用された例で す。油圧モータを 印方向に逆転すると、カムクラッチ の内輪も逆転し、カムクラッチは、空転状態になります。 この状態で水ポンプを駆動します。水は、ホースを通じ て噴射ノズルより後方に噴出されます。このジェット水 流により、ノズルは走り出しホースを引張りながら、ほ どいて行きます。ホースドラムは同じく 印方向に逆転 を始め、回転速度を増加して行きます。ついには内輪の 空転回転速度に達します。この時点でカムクラッチはか み合い状態となるので、油圧モータがブレーキとなって、 ドラムの回転速度は、これ以上増加しません。したがっ て噴出ノズルの走行速度も、その後一定速度を保ちます。 油圧モータが 印方向に正転する時は、カムクラッチは かみ合って、ほどかれたホースをドラムに巻取ります。 3)入力の正逆転によって、2台の被動機のうち1台を選択的 適用シリーズ に駆動することを目的とするもの。(下図) シリーズ 特     長 注 意 点 記 載 ページ モータが正転時( 印の方向)にはカムクラッチ A がかみ MZ ○グリース封入タイプで潤滑に関する 27 MZ-G メンテナンスは不要です。 29 合い被動機 A を駆動し、カムクラッチ B は空転します。逆 かみ合い時間が ○スリーブタイプの外輪ですから小さ にモータが逆回転( 印方向)するとカムクラッチ A は空 長く、負荷変動 な外径のスプロケットやギヤも取付 が 大 き い と き 転し、カムクラッチ B がかみ合い、被動機 B が駆動されま PB 可能です。 は、−SS 仕様(強 35 ○含油合金のベアリングを使用してい 化スプリングの す。この使用方法では、各々の被動機は独立している必要 るため軸受部への給油は不要です。 もの)をお選び があります。 ○グリース封入タイプで潤滑に関する ください。 ML メンテナンスは不要です。 41 ○中荷重用です。 ○軸に直接取付けるタイプですから軸 200 径が太くとれます。 37 ○コンパクトな設計ができます。 ○グリース封入タイプで潤滑に関する LD メンテナンスは不要です。 39 ○軽荷重低速用です。 ○コンパクトで大トルクを伝えます。 MG ○優れた空転耐摩耗性をもっています。 43 MI ○ MG タイプの強化バネタイプです。負荷 変動への追従性が優れています。 45 SS仕様(強化スプリング仕様) かみ合い中の負荷変動に対して、カムの追従性を高めたも のです。なお、空転回転速度は 50r/min 以下でご使用くださ い。 18
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用途別使用法の解説 オーバランニング Ⅰ−3 フリーホイーリング 駆動側と被動側との回転速度に差が生じた場合、カムクラ 送りロールの例 ッチが空転して駆動機の故障、製品の損傷などを防止する 使用法です。通常、カムクラッチは、かみ合ってトルクを 伝達していますが、被動側(普通内輪側)の回転速度が、駆 動側(普通外輪側)より速くなったり、駆動機を急に減速し たり、停止させたりしたときに生じる回転速度の差だけ、 カムクラッチが空転して、駆動側と被動側の連結を断ちま す。例えば、スリッタや、圧延ロールなどでフープ材・板 材を次工程に送る場合、始めにピンチロールで材料を主ロ ールまで送ります。主ロールは、材料をより速い速度で引 張りながら加工しますので、ピンチロールは材料によって 引張られます。このときカムクラッチは空転して、材料に よってピンチロールが逆に駆動されることを防ぎます。こ ギヤモートル うしてピンチロール駆動部の故障や、ピンチロールと材料 のスリップによる材料の損傷を防止します。その他、乾燥 機・エンジンテスタ・合板機械に応用されます。 適用シリーズ シリーズ 特     長 掲 載 ページ MZ ○グリース封入タイプで潤滑に関するメンテナンスは 27 MZ-G 不要です。 29 ○コンパクトで大トルクを伝えます。 MG ○すぐれた空転耐摩耗性をもっています。 43 で潤滑に関するメンテナンスは 手動式の例 ML ○グリース封入タイプ 不要です。 41 ○スリーブタイプの外輪ですから小さな外径のスプロ PB ケットやギヤも取付可能です。 ○含油合金のベアリングを使用しているため軸受部へ 35 の給油は不要です。 ○軸に直接取付けるタイプですから軸径が太くとれま 200 す。 37 ○コンパクトな設計ができます。 ○グリース封入タイプで潤滑に関するメンテナンスは LD 不要です。 39 ○軽荷重低速用です。 MI ○ MG タイプの強化バネタイプです。 ○負荷変動への追従性が優れています。 45 SS仕様(強化スプリング仕様) かみ合い中の負荷変動に対して、カムの追従性を高めたもの です。なお、空転回転速度は 50r/min 以下でご使用ください。 Ⅰ− 4 手動式 適用シリーズ 位置合せ、調整、インチングなどの目的で機械を手動操作 シリーズ 特     長 掲 載 ページ するためにカムクラッチが使用されるものです。カムクラ ○低速空転用です。 ッチは手動ハンドル部に取付けられ、機械の運転中は空転 LD ○潤滑に関するメンテナンスは不要です。 39 を続けます。その間、このハンドルは静止しているので安 MZ ○中速空転用です。 27 全な作業環境を作ることができます。 MZ-G ○潤滑に関するメンテナンスは不要です。 29 メリヤス丸編機には、カムクラッチが手動ハンドル用とし ○中速空転用です。 て使用されています。始動時は針や糸の調整のため手動で 200 ○軸に直接取付けるタイプですから、太い軸径にも取 37 付け容易です。 運転する必要があるためです。調整後、本運転に入るとカム ○中低速空転用です。 クラッチは空転を始め、ハンドルとの連結が切れます。な ML ○グリース封入タイプで潤滑に関するメンテナンスは 41 不要です。 お、手動運転時に駆動側との連結を切るためにウォーム減 ○中速空転用です。 速機の出力部にもカムクラッチが取付けられています。こ PB ○スリーブタイプの外輪ですから、ボス径の小さいハ 35 ンドルの取付けが容易です。 のカムクラッチは本運転のときにはかみあって丸編機を駆 動しますのでトルク容量の大きいPB12が使用されています。 19 20