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応用事例: ホームアプリケーション
本アプリケーションノートは、Icemos Technology Ltd.が提供する高耐圧 SJMOSFET 製品の電気的特性、各種回路例、データなどを参考資料として電源製品を設計される技術者の皆様にご提案いたします。
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このカタログについて
ドキュメント名 | 【アプリケーションガイド】高耐圧 スーパージャンクションMOSFET |
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ドキュメント種別 | その他 |
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取り扱い企業 | アイスモス・テクノロジー・ジャパン株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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応用事例: ホームアプリケーション
アプリケーションガイド
高耐圧
スーパージャンクションMOSFET
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Applications Guide Rev.5 31.08.2022
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目次
1.適用 P3
2.電気的特性
2.1 最大定格 P3
2.1.1 EASアバランシェエネルギー P3
2.1.2 逆回復特性時のdv/dt耐性特性 P4
2.2 熱的特性 P5
2.2.1 実装についてのガイドライン P6
2.3 静的特性 (DC特性)P6
2.4 動的特性 (AC特性)P9
2.5ゲートチャージ、ボディーダイオード特性 P11
2.6 安全動作領域について P12
2.7 過渡熱抵抗特性についてP13
3.製品ファミリー P14
3.1製品リスト
3.2製品タイプ別のDC-DCコンバータ―の出力パワーレンジ
4. アプリケーション
4.1 使用されるアプリケーションのマトリクス P15
4.2 回路図
4.2.1 フルブリッジコンバーター P16
4.2.2 LLC Resonant ハーフブリッジコンバーター(隔離タイプ) P16
4.2.3 フォワードコンバーター(隔離タイプ) P17
4.2.4 フライバックコンバーター(隔離タイプ) P17
4.3 ホームアプリケーション P18
モータードライブ、ハードスイッチコミニケーションについて
4.4 再生エネルギーインバーター 太陽光アプリケーション P19
ソーラーインバーター技術
4.5 電気自動車や家庭用家電への充電について P21
4.6 データセンターサーバーの電源マネージメント P22
5. パワーMOSFETの不良モードについて P23
5.1 アバランシェ破壊(UISモード)
5.2 EOS(安全動作領域を超えた過電圧および過電流破壊)
5.3 ESD破壊
6. 信頼性データ P24
7. マーキングルール(捺印仕様) P24
8. 新パッケージ DFN8x8 P25
9.パッケージの情報 P26
製品の取り扱いについて P27
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1.適用:
本アプリケーションノートは、Icemos Technology Ltd.が提供する高耐圧
SJMOSFET 製品の電気的特性、各種回路例、データなどを参考資料として電源製品を設計
される技術者の皆様にご提案いたします。
2.電気的特性
2.1 最大定格
ICE20N170の例 (Tj=25℃)
Maximum ratings , at Tj=25oC, unless otherwise specified
パラメーター 記号 条件 規格値 単位
ドレイン電流 I Tc=25oC 20
D A
Tc=100oC 11
パルスドレイン電流 ID, pulse Tc=25oC 62 A
アバランシェエネルギー E AS ID=10A 520 mJ
EAS=1/2*L*I^2(VBRDSS/(VBRDSS-VDSS))
VDS=480V, ID=5A,
MOSFET dv/dt 耐性 dv/dt 50.0 V/ns
Tj=125oC
アバランシェ電流 、繰り返し I AR limited by Tjmax 10 A
Static ±20
ゲート・ソース電圧 VGS V
AC (f>1Hz), ±30
消費電力 Ptot Tc=25oC 236 W
-55 to o
ジャンクション温度および、動作温度 Tj, T C
stg +150
取り付けトルクa M 3 & 3.5 screws 60 Ncm
a When mounted on 1inch square 2oz copper clad FR-4
2.1.1 EASアバランシェエネルギー
EASアバランシェエネルギーとはMOSFETがスイッチング動作オフ時に
誘電起電力が影響して流れる電流を耐圧中にアバランシェエネルギーとし
てMOSFETが耐えうる耐量を示したもので、簡易的にはE=L*di/dtで示されます。
実際のテスト回路としては、インダクタンス(L)にオンする時間を調整して
電流のエネルギーを蓄積し、一気にドレイン電流を流して負荷をかけ、
アバランシェ耐量試験を行います。このL負荷試験のことを別名でUISテスト
(Unclamped Inductive Switching)とも呼びます。
time (μsec)
図1 UISテストの出力波形例 図2 測定回路例
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2.1.2 逆回復特性時のdv/dt耐性特性
SJMOSFET内の寄生npnバイボーラトランジスタとその等価回路を示します。
ターンオフ時に電圧変化dv/dtが生じると、電流がコンデンサCや抵抗Rに流れます。
この電流が抵抗によって電圧が生じるため、寄生npnトランジスタのゲートがONしてしま
い、さらに電流が流れるため、破壊に至る可能性があります。
図3 寄生npnトランジスター 図4等価回路図
MOS1
T IF
rr
IF
Ta Tb MOS2
Irm
図6 スイッチング回路例
MOS2に電流流れてからOFFすると、
MOS1にIFが流れます。
再びMOS2がONするとこの電流が
MOS2に流れ、MOS1のボディー
図5 逆回復時間Trrの波形 ダイオードは逆回復動作として
時間の比 Tb/Taはソフトリカバリーの 電圧が上昇、このdv/dt変化の電流波形
指標となります。 が図5に示されます。
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2.2 熱的特性
規格値
パラメーター 記号 測定条件 単位
Min Typ Max
Thermal characteristics
熱抵抗
R
(ジャンクションーケース間) thJC - - 0.53
oC/
熱抵抗 W
R le
(ジャンクションー外気間) thJA aded - - 62
実装温度 1.6mm (0.063in.) from
T
(ウエーブソルダリング10秒) sold case for 10 s - - 260 oC
Ptot =I*I*Rmax*Tc=(TJ-Tc)/RthJC
=(150-25)/0.53
235.8491
図7 各温度のポイントの定義および消費電力の計算
PTOT(消費電力)は熱抵抗のRthJCをもとに算出されます。
3.2.1 実装についてのガイドライン
(JSTD020/JSTD-020より鉛フリープロセス参照)
方法(method) はんだ温度 浸漬時間 回数
(solder temp) (Duration)
フロー/リフロー 260℃ MAX 10sec MAX 2 times
手はんだ(Soldering iron) 380℃ MAX 3sec MAX 1 time
図8 フロー温度プロファイル例
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2.3 静的特性 (DC特性) (Tj=25℃) :温度依存あり
規格値
パラメーター 記号 測定条件 単位
Min Typ Max
Electrical characteristics , at Tj=25oC, unless otherwise specified
Static characteristics
ドレイン・ソース破壊電圧
PとNのチャージバランスや V(BR)DSS VGS=0 V, ID=1mA 600 650 -
RDSONと相関あり V
ゲート閾値電圧
V
スイッチング動作に影響 GS(th) VDS=VGS, ID=250µA 2.1 3 3.9
VDS=600V, VGS=0V,
o
T C - 0.1 1
j=25
ドレイン遮断電流 IDSS µA
VDS=600V, VGS=0V,
o - 100 -
Tj=150 C
ゲート漏れ電流 IGSS VGS=±20 V, VDS=0V - - 100 nA
VGS=10V, ID=10A,
ドレイン・ソース オン抵抗 o
R T 0 1 0 1 9
j=25 C - . 7 . 9
オン特性損失に関連する重要 DS Ω
パラメータ (on) VGS=10V, ID=10A,
o
Tj=15 C - 0.49 -
0
ゲート抵抗 RG f=1 MHZ, open drain - 3.8 - Ω
図9 オン抵抗の成分
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Gate Threshold Voltage
Transfer Characteristics vs. Junction Temperature
40 1.3
35 1.2
1.1
30 ID = 250µA
1.0
25
0.9
20
0.8
15
TJ = 125˚C 0.7
10
25˚C -55˚C 0.6
5 0.5
0 0.4
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 -50 -25 0 25 50 75 100 125 150
VGS - Gate-to-Source (V) TJ - Junction Temperature (oC)
図10のVGS-IDS特性 図11 VGS(th)とジャンクション温度
VGS(th)以上流すとドレイン―ソース間に の関係
電流が流れだします。温度によって特性が
影響します。
Drian-Source On State Resistance Drain-Source On-State Resistance
vs. Junction Temperature vs. Drain Current
3.0 0.40
2.5 0.35
0.30
2.0 VGS = 10V
ID = 10A 0.25
VGS = 10v
1.5
0.20
1.0 0.15
0.10
0.5
0.05
0.0
0.00
-50 -25 0 25 50 75 100 125 150
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20
TJ - Junction Temperature (oC) ID- Drain Current (A)
図12 オン抵抗RDS(ON)とジャンクション温度 図13 ID-RDSON特性
の関係
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RDS(on) - On State Resistance ID - Drain Current (A)
(Normalized)
RDS(on) - On State Resistance (Ω) VGS(th) - Gate Threshold Voltage
(Normalized)
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VDSS vs IDSS V(BR)DSS
Output Characteristics
40 1.0E-03
36
32 8.0E-04
28 VGS=10 thru 6V
24 6.0E-04
20
16 4.0E-04
12
V IDISDSSS
GS=5V
8 2.0E-04
4
0 0.0E+00
0 2 4 6 8 10 0 100 200 300 400 500 600 700 800
VDS - Drain-to-Source Voltage (V) VDSS Drain-Source Voltage [V]
図14 VDS-ID特性 図15 VDSS-IDSS特性
VDSードレイン・ソース間電圧とID-ドレイン ゲート電圧0Vの状態でドレインーソース間に
電流の出力特性について 電圧を加えていくと雪崩電流が流れだし、そ
ゲート電圧をVGS(th)以上に上げることで、 の時の規定の電流に達した電圧を
ドレイン電流をドレイン電圧に応じて流します。 ブレークダウン電圧(ドレイン・ソース間破壊
電圧)としてV(BR)DSSと定義します。
Drain-toSource Breakdown Voltage Drain-Source On-State Resistance
vs. Junction Temperature vs. Gate-to-Source Voltage
1.12 0.60
1.10 0.55
1.08
0.50
1.06
ID = 2mA 0.45
1.04
1.02 0.40
ID = 10A
1.00 0.35
0.98
0.30
0.96
0.25
0.94
0.92 0.20
0.90 0.15
-50 -25 0 25 50 75 100 125 150 2 3 4 5 6 7 8 9 10
TJ - Junction Temperature (oC) VGS - Gate-to-Source Voltage (V)
図16 V(BR)DSS とジャンクション温度の 図17 VGS- RDSON特性
関係
VGSーゲート・ソース間電圧とRDSONオン
25℃を1としたとき、相対的に温度が上が 抵抗の関係
ると、V(BR)DSS電圧も上がります。 ID 10Aを流すために必要な電圧と、
その時のRDSONオン抵抗の値を示します。
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V(BR)DSS - Drain-to-Source Voltage
ID - Drain Current (A)
(Normalized)
Idss[A]
RDS(on) - On State Resistance (Ω)
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2.4 動的特性 (AC特性) (Tj=25℃) :温度依存あり
規格値
パラメーター 記号 測定条件 単位
Min Typ Max
Dynamic characteristics
入力容量 C
VDSに依存 iss VDS=25 V - 2064 -
出力容量 C VGS=0 V,
oss VDS=100 V
f - 87 - pF
VDSに依存 =1 MHz
逆伝達容量 C V 25 V - 18 -
VDSに依存 rss DS=
VDS>2*ID*RDS,
相互コンダクタンス gfs - 17 - S
ID=10A
ターンオン遅延時間 t 3.2 -
VGS,Rg、Qgdに依存 d(on) - 2
上昇時間
Vg,Rg、Qgdに依存 tr VDS=380V, VGS=10V, - 11.8 -
ターンオン損失に影響
ID=10A, ns
ターンオフ遅延時間 RG=4Ω (External)
VGS(th)、,Rg、Qgdに依存 td(off) - 92.5 -
下降時間
VGS(th)、,Rg、Qgdに依存 tf - 3.9 -
Capacitance
100000
10000
Ciss
1000
Coss
100
Crss
10
1
0 50 100 150 200
VDS - Drain-to-Source Voltage (V)
図18 各静電容量Ciss,Coss,Crssの 図19.SJMOSFETの簡易構造図と静電容量
VDS依存の関係
図20デバイス回路図におけるCiss,Coss,Crssとそれぞれの寄生容量の関係
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C - Capacitance (pF)
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ICE20N170 のスイッチング特性例@ Id 10A.
Td tr Td Tf Condition
(on) (ns) (off) (ns)
(ns) (ns)
Vgs(5V/div) 23.0 11.5 82.2 5.5 VDS=380V VGS=10V ID=20A Rg=4ohm (external)
23.2 11.8 92.5 3.9 VDS=380V VGS=10V ID=10A Rg=4ohm (external)
Vds(200V/div) 測定コンディション 20Aと10Aに
大きな差は見られない。
Duty50%で周波数は380kHzとなる。
Id(10A/div) (安全率を適用しない場合)
td(on)=23.2ns td(off)=92.5ns
Tr=11.8ns Tf=3.88ns
Vds(100V/div) Vds(100V/di
v)
図21 スイッチング特性のグラフ
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2.5ゲートチャージ、ボディーダイオード特性 (Tj=25℃) :温度依存あり
規格値
パラメーター 記号 測定条件 単位
Min Typ Max
Gate charge
characteristics
ゲート・ソース 電荷量 Qgs - 8 -
ゲート・ドレイン 電荷量 Qgd - 19 -
スイッチング特性に影響 nC
トータルゲートチャージ量
ゲート電圧が V
Q DS=480V, ID=20A,
g V - 59 -
ドライブ損失に影響 GS=10V
ゲートプラトー電圧
スイッチング時に、ミラー容量の Vplateau - 4.2 - V
充放電が始まるゲート電圧の値。
Reverse Diode
(ソースとドレイン間の特性)
ソース電流
MOSFETのボディーダイオード IS VGS=0V - - 20 A
の
順方向電流の許容最大値(連続)
ダイオードの順方向電圧
ボディーダイオードに順方向の電 VSD VGS=0V, IS=IF - 0.9 1.2 V
流が流れたときの電圧
逆回復時間
逆回復電流が消滅するまでの時 trr - 358 - ns
間
逆回復電荷量 VRR=480V, IS=IF,
逆回復電流が消滅するまでの Qrr diFIdt=100 A/µS - 6.8 - µC
電荷量
ピーク逆回復電流
Irm -
逆回復特性時のピークの電流値 43.1 - A
Source-Drain Diode Forward Voltage
100
ボディーダイオード
TJ = 125˚C TJ = 25˚C
10
1
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2
VSD - Source-to-Drain Voltage (V)
図22 ソースドレイン間にあるダイオードの順方向電圧に流れる電流の関係
VSDソース・ドレイン電圧とIS-ソース電流
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IS - Source Current (A)
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Gate Charge
VDS = 480V
ID = 20A 10
9 ミラー期間 図23 ゲートの電荷容量の特性
8 Qgs=Qg-Qgd
Qgs1 Qgd Qgs2
7 Qgs=Qgs1+Qgs2
6
ゲートへ定電流印加するとゲート電圧
5
があがり、MOSFETがオンし、ゲート
4
Vth とソース間そしてミラー期間にゲート
3
とドレイン間に電荷がチャージされます。
2 Qg このときのゲート電流と時間の総量で
1
ゲート電荷量Qgが決まります。
0
0 10 20 30 40 50 60 ゲートドライブロスにつながるので、
Qg - Total Gate Charge (nC) 低い値が良いとされます。
VDS
FOM :Figure Of Meritはパワー半導体
ID の性能指数として使われ、
VON FOM=RDS (on)xQg(Ω.nC)で示さ
t れます。より低い値が優れた特性と
なります。
2.6 安全動作領域について
Maximum Rated Forward Biased Safe この表は25℃を基本に表示されていますが、
Operating Area ケース温度が上がるとSOA範囲が狭まります。
100
RDS(on) Limited
Id maxVGS=10V
例:パルス幅10usec、ケース温度
10µs
10
TA = 25oC, Tc=75degCの時どのようにSOAが狭まるか
Single 100µs
説明します。
1ms
1
10ms ケース温度Tcへ温度変換するときは、
DC
R Derating Rate D=(150-Tc)/125*100
DS(on) による制限
0.1
Package による制限 として計算します。
Thermal 制限
0.01 PW=10μs,Tc=75℃の保証は
0.1 1 10 100 1000 16A*600V=9600W
VDS - Drain-to-Source Voltage (V) VDSS MAX D=0.6なので、
図24 安全動作領域 Pd(75)=P(25)xD
Idmax, RDS(on)、チャネル損失PW=10ms、 =9600x0.6
BVRDSSで制限される領域内で使用 =5580W
よって、図のオレンジのラインがパルス幅
10μsec、Tc=75degCの時のSOA範囲とな
ります。
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VGS - Gate-to-Source Voltage (V)
ID - Drain Current (A)
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3.7 過渡熱抵抗特性について
Transient Thermal Response,
Junction-to-Case
1.00
0.50
0.20
0.10
0.10
0.05
0.02
0.01
Single Pulse
0.00
1.0E-06 1.0E-05 1.0E-04 1.0E-03 1.0E-02 1.0E-01 1.0E+00
t - Time (seconds)
図25 過渡熱抵抗特性r(t)-パルス幅時間特性
t1=Pulse Width=PW
t2=Total Time
Duty=t1/t2
MOSFETのチャネル上昇ΔTchを算出するのに、図24からr(t)の値を参照します。
例1パルス幅t1 PW=10ms, D=0.2 (Duty Cycle=20%)のとき、
消費電力60Wのときの温度上昇はいくらになりますか。
グラフよりr(t)=0.6、Rthjc=0.69degC/W よって
ΔTch=P*r(t)=60x0.6x0.69=24.84℃
例2 ケース温度Tc=85℃、電力40W, 印加時間 10ms, Single Pulseのとき
Tjはいくらになりますか。
Tc=85degC、Rthjc=0.69degC/W 、 P=40W 、 Duty=0 、 r(t)=0.5 よって
ΔTch=P*r(t)=40x0.5x0.69=13.8℃
Tj=Tc+P*r(t)=85+(40x0.5x0.69) =98.8℃
例3 ケース温度Tc=85℃、周波数2kHz, Duty Cycle=20%, ピーク電力50W
のとき、ジャンクション温度Tjはいくらになりますか。
Tc=85degC、Rthjc=0.69degC/W 、 P=50W 、 Duty=0.2 、f=2kHz
r(t)=0.24 Pulse width=Duty*1/f=0.2/2000=1E-4sec
Tj=Tc+P*r(t)=85+(50x0.24x0.69) =93.28℃
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r(t) - Transient Thermal Resistance (Normalized)
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3.製品ファミリー
3.1製品リスト
BVDSS ID RDSON Qg FOM IAR Package *Pbfree
Min. Max. Max. Typ. (Ω・ (A) TO=TO220*
(V) (A) (Ω) (nC) nC) FP=Full Pak*
GEN Product W=TO247*
Avalanche D=TO252
L=DFN
B=TO263
Current C=Wafer*
ICE47N60 600 47 0.068 189 12.85 20 W,C
ICE60N130 600 25 0.15 84 12.60 11.5 TO,FP,W,C
ICE22N60 600 22 0.16 84 13.44 11 TO, B ,W
ICE20N170 600 20 0.199 59 11.74 10 TO,FP,W,C,B
1 ICE20N60 600 20 0.19 59 11.21 10 TO,FP,W,B,C
ICE19N60 600 19 0.22 59 12.98 9.5 L8x8
ICE15N60 600 15 0.25 59 14.75 7.5 TO,FP,W,L8x8
ICE11N70 700 11 0.25 84 21.00 7.5 TO,FP,W,B,C
ICE10N60 600 10 0.33 43 14.19 5 TO,FP,W,B,L8x8
ICE32S60 600 32 0.078 47 3.67 10 TO,FP,W,C
ICE25S65 650 25 0.133 34 4.52 8 TO,FP,W,C,B
ICE24S65 650 24 0.141 34 4.79 8 L8x8
2
ICE15S60 600 15 0.175 30 5.25 5 TO,FP,W,C,B
ICE14S65 650 14 0.195 24 4.68 5 TO,FP,W,C,B
ICE8S65 650 7.8 0.4 11.5 4.60 2.7 TO,FP,W,B,C,L5x6
ICE117T60* 600 117 0.0134 304 4.07 13 Wplus
3 ICE18T60* 600 18 0.15 31 4.65 5 TO,FP,W,B,D,C,L5x6
ICE15T65* 650 15 0.22 23 5.06 2 TO,FP,W,,B,D,C,L5x6
3.2製品タイプ別のDC-DCコンバータ―の出力パワーレンジ
回路は出力パワー毎に異なります。フルブリッジ回路は1700W 以上出ることがありますので、出力パワーに合った製品を
お選び下さい。例えば、100Wのフライバックであれば、ICE20N170がMax Id=20Aとして使用推奨、Max Id=15A
であれば、ICE15S60が推奨されます。
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4.0 アプリケーション
4.1 使用されるアプリケーションのマトリクス ★:各アプリケーションで使われる回路を表示
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4.2 回路図
4.2.1 フルブリッジコンバーター(絶縁型)
サーバー電源回路構成例: ICE32S60, ICE47N60, ICE117T60 x 4
ICE47N60やICE32S60を4個使用
4.2.2 LLC Resonant ハーフブリッジコンバーター(絶縁型)
ICE60N130やICE25S65を2個使用した例
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4.2.3 フォワードコンバーター(絶縁型)
ICE20N170, ICE60N130
ICE20N170,ICE60N130を1つ使用した例。このシステムは広範囲の出力を供給できま
す。フライバックに比べ、ダイオードとチョークコイルを入れる必要はありますが、リップル電圧
は低くなります。出力電圧は一次側と二次側のTurn比で決まります。
4.2.4 フライバックコンバーター(絶縁型)
ICE15S60, ICE20N170
ICE15S60やICE20N170を2個使用した例
リップル電圧は他のコンバーターと比べると大きいので比較的大き目のキャパシター
が必要となる。出力電圧は一次側と二次側のTurn比で決まります。
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4.3 応用アプリケーション: ホームアプリケーション
モータードライブやハードスイッチコミニケーション
モータードライブマーケットでは効率化、コンパクトサイズ、システムの頑強さが求められます。
白物家電のスマート化が特にアプリケーションにおいて必要とされるためです。パワースイッチ
技術は異なるオペレーション状態のために選択され、マーケットの要求事項に見合う事が重要
となってきます。スーパージャンクションはこのような要求に見合う実用性のあるオプションと
なります。
エネルギーコストが上昇した結果、高い優先順位となるのは省エネの促進です。定常状態時の
パワーロスを減らすことに、注意する必要があります。いくつかのアプリケーションでは、フル
ロード時に加え、低負荷においても同様に、省エネが求められます。効果的なスイッチを選ぶこ
とで、低電流状態をコントロールすることがゴールに到達するためには重要な要素となります
。
モーターコントロールのアプリケーションは、様々な電圧と周波数のインバーターで組まれてい
ます。パワーコンバーターの目的は、電圧と周波数のコントロールを可能にすることで、DC回
路のパルス幅変調からAC波形を生み出すことです。これを可能にするのが、いくつかの変調
技術です。このイラストは、一般的なモーターコントロールのアプリケーション例です。基礎的な
電圧ソースのインバーターで、3つのハーフブリッジ、または、モータへ3相ACを作り出します。
このトポロジーは6つのパワースイッチで構
成されており、モータへ電圧を供給し、モー
ターのスピードや、位置、電磁トルクを管理
します。それぞれのハーフブリッジはハード
スイッチで整流し、抵抗性誘導負荷である
モーターにおいて、引き続き電流を流して、
すべての整流が惰性で稼働する状態になる
ように、6つのダイオードがパワースイッチ
と結合され、逆電流が導通します。
ローサイドのダイオードが、リバースリカバリーの状態となった時、電流の方向がハイサイドのス
イッチとおなじ方向に流れ、または逆もしかり、 ターンオンしてオーバーシュートが起こること
で、パワーロスを引き起こします。 これはハーフブリッジのトポロジーにおいて、ハードスイッチ
の整流をさせることを意味するため、還流ダイオードにおいては、低い順方向電圧特性とファ
ストリバースリカバリー特性(低い trrとQrr)が求められます。
様々なモータードライブアプリケーションが4kHzから20kHzにおいて駆動されていますが、
人に聞こえるノイズを減らすように努めています。主に低い導通ロスをなくし、二次的にはスイ
ッチングロスを減らすような、完全なパワースイッチが必要となります。
モータードライブに使われるようなデバイスは、頑強で、アクティブ化したときには、図式を保
護するようにするために、充分に長い時間の障害時に耐えうる能力のあるデバイスを推奨しま
す。
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4.4.応用事例:再生エネルギーインバーター 太陽光アプリケーション
ソーラーインバーター技術
典型的なインバーターデザインは主に2つ(位相とパワースイッチコントロール)により特徴づ
けられます。コントロールを自己振動、もしくは別の回路で駆動させることにより、位相をシン
グル、またはダブルエンドの回路構成にします。好ましいアプローチは対費用効果によるパフ
ォーマンスによります。
シングルエンド位相はダブルエンド位相と比べ、より少ないパワースイッチとその関連回路構
成になるので、費用を低く抑えることができます。しかしながらトランジスターをパワースイッ
チとして使用するので、電流、電圧において回路全体をロードさせる必要があります。 従って
シングルエンドはダブルエンドデザインよりも、より大きい電流駆動と高いブレークダウン電
圧のデバイスを必要とします。それにはバイポーラトランジスター並みのパフォーマンスを求
められますが、残念ながら低い周波数における制限があります。
そこで、問題を解決するのがスーパージャンクションMOSFETとなります。低い RDS (on) に
よりバイポーラトランジスター並みの電流駆動を可能にします。早いスイッチングスピードと
シンプルな回路駆動でMOSFETがシングルエンド位相の選択となります。
ダブルエンドインバーターは、少なくとも2つのパワースイッチを使います。結果として、それ
ぞれのパワートランジスターはすべてのロード電流を運びますが、それは半分の電圧となりま
す。他の位相ではトランジスターは半分の電流を運びますが、それはフル電圧となります。
よって同じように、MOSFETは、優れた RDS (on) とシンプルな回路駆動の選択となり、ス
ーパージャンクションパワーMOSFETが理想的でしょう。
ソーラーパネルでは、インバーターはDCの
ソースからの電力をもらい駆動します。
電力は250V~600Vの範囲で作られます。DCパ
ワーはインバーターの中でACパワーに変換
されます。
このDCからAC変換にはソリッドステートの
デバイスが使われます。例えばIGBTや、ス
ーパージャンクションMOSFETなどがありま
す。
これらのデバイスは、典型的なH-Bridge回
路に接続されDCパワーを発振し、それによ
って、ACパワーが生成されるのです。
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6kWまでのソーラーデザインのシステムブロック図
ICE54T60FDW
High Efficient
and Reliable
Concept
DC-DC回路においては シングルブースター回路が通常使われます。
DC-AC回路には上の図のように3つの方法があります。
Product BVDSS ID RDSON Qg Pd FOM Rthjc IAR Package
Min. Max. Max. Typ. (W) (Ω・ (degC/W) (A) TO=TO220
GEN (V) (A) (Ω) (nC) nC) FP=Full Pak
W=TO247
Avalanche D=TO252
8=DFN8x8
Current C=Wafer
1 ICE47N60 600 47 0.068 189 431 12.85 0.29 20 W,C
ICE54T60FDW
3 600 54 0.037 136 255 5.03 0.49 7 W
fast recovery
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