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工作機械の主軸においては、複数個の転がり軸受が組み込まれており、温度、速度、公差等の様々な状況下での検討が必要です。
工作機械の主軸においては、複数個の転がり軸受が組み込まれており、高精度化、高速化、高負荷化等が求められる主軸の設計においては、大きな役割を担っております。MESYS Shaft System プ
ログラムを利用して非線形な各軸受剛性を考慮して、最適な軸受の選定、配置、すきま、予圧等を検
討することができます。
1) 最適な内部すきま、予圧の検討(定位置、定圧)
2) 荷重スペクトルによる様々な運転条件(速度、温度、負荷)
3) 固有振動計算、周波数応答計算
このカタログについて
ドキュメント名 | 【ケーススタディ】主軸の軸受設計計算 |
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ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 864.7Kb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | MESYS Japan (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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工作機械主軸(スピンドル)の軸受設計
工作機械の主軸においては、複数個の転がり軸受が組み込まれており、高精度化、高速化、高負
荷化等が求められる主軸の設計においては、大きな役割を担っております。MESYS Shaft System プ
ログラムを利用して非線形な各軸受剛性を考慮して、最適な軸受の選定、配置、すきま、予圧等を検
討することができます。
1) 最適な内部すきま、予圧の検討(定位置、定圧)
2) 荷重スペクトルによる様々な運転条件(速度、温度、負荷)
3) 固有振動計算、周波数応答計算
1.様々な軸受を選択、配置
スピンドルのモデル化は、まず梁(ビーム)要素であるシャフを設定して行きます。シャフトは、外径、
内径、長さ、材料、温度等を入力して作成します。シャフトには、荷重、サポート、セクションとして境界
条件を設定して行きます。
サポートの一つの種類として、アンギュラ玉軸
受、ころ軸受、円すいころ軸受等いろいろなタイプ
の転がり軸受を選択、配置し、各軸受の内部すき
ま、予圧、はめ合い等の設定を行います。
予圧の与え方には、様々な方法があります。ア
キシアル方向のオフセット位置を定義することによ
り予圧を与えたり、マイナスすきまで予圧を与える
方法やアキシアル荷重を与えたり、バネ剛性を設
定することもできます。
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MESYS シャフト計算の 2022 バージョンでは、オプションで転がり軸受をアキシアル方向およびラジ
アル方向の接触として、直接さまざまな部品に接続できるようになりました。 これにより、転がり軸受間
の間座(スペーサー等)の設定が簡単になりました。
熱的な効果の検討や、ナット(右側の赤い部分)でクランプすることによる軸受荷重の変化の評価等
が簡単に設定できるようになりました。
2.固有振動数、キャンベル線図
固有振動数は、非線形な軸受剛性を考慮して、曲
げ、アキシアル、ねじりのモードを考慮して計算されま
す。各々の軸ごとに追加の質量を定義することができま
す。 ジャイロ効果を考慮することができ、キャンベルダイ
アグラム表示もソフトウェアに含まれています。各モード
形状の表示として 2 次元表示に加えて、3 次元でのアニ
メーションも可能です。
固有振動数の速度依存は、キャンベル線図で表示する
ことができます。アキシアル、ラジアル、ねじりモードを表
示します。
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3.周波数応答計算
MESYS シャフト計算の 2022 バージョンには、周波数応答を評価するためのダイアログが追加され
ました。 速度に対する調和応答に対して、この計算では一定のシャフト速度(一般的な多くの場合、テ
スト条件として速度ゼロ)を想定しています。
以前のバージョンでは、周波数応答は
パラメーターバリエーション機能を使用して
計算する必要がありましたが、新しいオプ
ションは使い易く、より高速に計算すること
ができます。
動的な荷重、不釣り合い、偏心荷重等を
与えて、速度または時間に対する値を表示
することができます。
4.転がり軸受の最適化
最適なすきまや予圧を決定するために、以下のような様々なパラメータを基準として計算、検討する
ことができます。バリエーション機能を利用すると、温度、シャフト速度等に対するすきま、予圧をパラメ
ータとして数百ケースの計算を一気に計算することができます。
・軸受寿命
・シャフトの最大変位
・シャフトの固有振動数
・各軸受内部の最大接触応力
・各軸受内部の最小接触応力
・各軸受のスピン/ロール比
・各軸受のボール進み遅れ
・各軸受の摩擦モーメント
このモデルでは、4つのアンギュラ玉軸受が配置されており、各々異なった予圧が設定されておりま
す。MESYS シャフト計算によって各転がり軸受の内部荷重分布、接触応力を計算、比較することがで
きます。
次の図では、B1~B4 までのアンギュラ玉軸受の転動体荷重とスピン/ころがり比を表しています。
また、マイナスのアキシアルすきまを設定して、温度を3ケール変更した際の軸受寿命への影響も表し
ています。
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5.荷重スペクトル
荷重スペクトルは、システムに簡単に追加できます。 設定ページで “荷重スペクトルを考慮”を選択
すると、新しいページ “荷重スペクトル”が現れます。負荷割合、回転速度、温度、負荷荷重等をテーブ
ルに設定、ケースが多い場合はファイルからインポートも可能です。
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