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EVERLOY CEMENTED CARBIDE TOOLS
【掲載内容】
製造工程・主要設備・検査設備
材種と物性値
用語集
超硬材種位置付け表
材種の組織
材種の諸特性
プレス金型用チップ
超硬合金 G種, TB種
微粒子超硬合金 KD種
放電加工用超硬合金 A10W
水切りワイヤ放電加工用超硬合金 WD20 など
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このカタログについて
ドキュメント名 | 超硬工具カタログ |
---|---|
ドキュメント種別 | 製品カタログ |
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登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 株式会社共立合金製作所 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
Page1
EVERLOY
CEMENTED CARBIDE TOOLS
超硬工具カタログ
https://www.everloy.co.jp
Page2
ごあいさつ
弊社は昭和13年創業以来、超硬工具とスプレーノズルの製造に着手し、
エバーロイの商品名で広くご愛顧いただいております。これ偏に、皆々様の
あたたかいご支援とご高配の賜と深く感謝いたしております。
現在の変化の激しい技術革新の中では、まずはその変化に順応しながら
も、当社のオリジナリティを生かし新たなニーズに全社一丸となり積極的に
取組んでいく所存であります。
どうか今後一層のご指導とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
Page4
お客様へのお願い
警告
①硬質工具材料は、非常に硬い場合は脆い特性があり、無理な締付けや衝撃を与えると破損・飛
散することがありますので注意してください。
②比重が 10 以上の硬質工具材料は、大型製品や数量が多い場合は重量物として取り扱い、重さ
に注意して取り扱いください。
③硬質工具材料への刻印をレーザー、電気ペン、電着砥石等で行うと亀裂を生じることがあります。
ワーク部分や応力が作用する部分への刻印を行わないようにしてください。
④硬質工具材料は一般のケース、ホルダ等の鋼材と熱膨張係数が異なることがあります、焼きばめ、
冷やしばめおよび温度が高くなる用途では割損・飛散することがありますので十分考慮して設計・
作業をしてください。
⑤硬質工具材料は、ろう付けなどにおいて耐熱衝撃温度より大きい温度変化を与えると割れるこ
とがあります。また適正なろう付け温度で行わないと、脱落したり破損することがあります。適切
な条件でろう付けしてください。
⑥一度使用した硬質工具材料の修理では、使用で生じた亀裂などの損耗部分を十分除去する必要
があります。独自の修理はしないようにしてください。
⑦硬質工具材料は、研削加工すると粉塵などが発生します。これらを飲み込んだり、吸引すると、
体に有害ですので、局所排気装置や保護マスク等の保護具を使用してください。
⑧硬質工具材料は、研削加工すると粉塵などが発生します。これらを目や皮膚と接触したり付着
すると、危険ですので、保護メガネ等の適切な保護具を適切に使用してください。
⑨もしも、研削加工した粉塵などが、皮膚や目に付着した場合は、水で洗い流してください。大量
に飲み込んだ場合及び目に入った場合は、速やかに専門医を受診してください。
⑩コバルト及びその無機化合物は特定化学物質に指定されています。通常の使用における工具は
適用除外されていますが、物理的な変化を加える(素材の加工・製品の修理をする)職場では特定
化学物質障害予防規則(特化則)に従った取扱いをする必要があります。
⑪応急処置の詳細、火災時の処置、漏出時の処置、廃棄上の注意等は素材の SDS を見て、適切
に対応してください。
注意
⑫耐食性が付与されていない硬質工具材料は、研削液や潤滑液、その他の水分で腐食して強度低
下を招くことがあります。
⑬硬質工具材料は、研削加工後の表面状態により強度が著しく低下することがありますので、適
切な加工条件で仕上げてください。
⑭硬質工具材料を放電加工すると、表面に微小亀裂や影響層を生じ強度低下などを生じますので、
本来の特性を得るためには微小亀裂や影響層を研削除去してください。
⑮硬質工具材料のうち熱処理を行う工具鋼・高速度工具鋼は、焼戻し温度以上に熱を与えると軟
化し、強度不足等を生じる恐れがあります。特に研削による発熱や、ろう付け温度、表面処理、
表面改質などの熱影響に十分留意ください。
注意事項は、『超硬工具材料を用いた製品の安全パンフレット 耐摩耗工具編』からの抜粋です。
EVERLOY CEMENTED CARBIDE TOOLS
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目次
製造工程・主要設備・検査設備……………………………………………… 4
材種と物性値…………………………………………………………………… 6
用語集…………………………………………………………………………… 8
超硬材種位置付け表…………………………………………………………… 9
材種の組織……………………………………………………………………… 10
材種の諸特性…………………………………………………………………… 12
プレス金型用チップ…………………………………………………………… 14
超硬合金 G種, TB種 …………………………………………………………… 16
微粒子超硬合金 KD種 ………………………………………………………… 18
放電加工用超硬合金 A10W …………………………………………………… 22
水切りワイヤ放電加工用超硬合金 WD20 …………………………………… 24
超硬合金
超微粒子超硬合金 EF種 ……………………………………………………… 26
非磁性・耐食性超硬合金 KN種 ……………………………………………… 27
ステンレス加工用超硬合金 KX01 …………………………………………… 30
高親和性金属加工用超硬合金 MC20 ………………………………………… 32
耐食性・放電加工用超硬合金 ME40 ………………………………………… 34
電磁鋼板加工用超硬合金 EX種 EW種 ……………………………………… 36
電磁鋼板カシメ型用超硬合金 EX種 …………………………………… 37
電磁鋼板抜き型用超硬合金 EW種 ……………………………………… 38
高耐摩耗超硬合金 SS種 ……………………………………………………… 40
超硬合金素材…………………………………………………………………… 42
大型超硬素材…………………………………………………………………… 43
超硬プレート…………………………………………………………………… 44
物性調査………………………………………………………………………… 45
精密加工技術…………………………………………………………………… 46
主要加工設備・主要検査機器(株式会社 共立合金製作所 加工品部) …… 47
主要加工設備・主要検査機器(株式会社 九州エバーロイ) ……………… 49
加工品 超硬精密金型パーツ(切断・曲げ)………………………………………… 50
超硬精密金型パーツ(モーターコア)……………………………………… 51
超硬精密金型パーツ(リードフレーム用)………………………………… 52
超硬精密金型パーツ(封止工程用)………………………………………… 53
超硬精密金型パーツ…………………………………………………………… 54
粉末成形金型パーツ…………………………………………………………… 55
ロール, ボールヘッダーダイ,シャーダイス,シャーブレード …………… 56
エバーロイスプレーノズル…………………………………………………… 57
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超硬合金 加工品
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製造工程
検査設備
万能試験機 金属顕微鏡 ロックウェル硬度計
4 EVERLOY CEMENTED CARBIDE TOOLS
製造工程
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主要設備
電子天秤 炭素分析装置 磁気測定器
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主要設備
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材種と物性値(代表値)
密度
WC粒度 Co量 硬度
区分 当社材種記号 JIS分類記号 [×103 抗折力
kg/m3]
[μm] [%] HRA [GPa]
{g/cm3} HV
H1 VM-10 1.0以上2.5未満 6 14.8 93.0 1900 1.9
G1 VM-20 1.0以上2.5未満 6 14.9 92.0 1750 2.0
G2 VM-30 1.0以上2.5未満 6 15.0 91.0 1610 2.5
G3 VM-40 1.0以上2.5未満 8 14.8 90.0 1480 2.7
耐摩耗・耐衝撃工具用 G4 VC-40 2.5以上5.0未満 1 0 1 4.6 89 .0 1360 2.9
G5 VC-50 2.5以上5.0未満 13 14.3 88.0 1250 3.2
TB6 VU-60 5.0以上 15 13.9 86.5 1060 3.1
TB7 VU-70 5.0以上 21 13.3 84.5 950 3.0
G8 VU-80 5.0以上 22 13.3 82.5 860 2.6
KD05 VF-20 1.0未満 8 14.7 92.0 1750 3.2
KD10 VF-30 1.0未満 10 14.5 91.0 1610 3.4
KD20 VF-40 1.0未満 13 14.2 90.0 1480 3.7
微粒子合金
KD30 VF-40 1.0未満 16 13.9 89.0 1360 3.7
KD40 VF-50 1.0未満 19 13.6 88.0 1250 3.7
KD50 VF-70 1.0未満 28 12.9 84.5 950 3.0
EF01 VF-10 1.0未満 *1 8 14.5 94.0 *4 2000 3.7
EF05 VF-10 1.0未満 *1 10 14.3 93.0 1900 3.7
超微粒子合金
EF10 VF-20 1.0未満 *1 13 14.0 92.0 1750 4.0
EF20 VF-40 1.0未満 *1 18 13.6 90.0 1480 4.0
EX20 VC-40 2.5以上5.0未満 6 14.9 90.0 1480 3.0
EW10 VM-30 1.0以上2.5未満 7 14.8 91.0 1610 3.5
電磁鋼板加工用
EW25 VM-40 1.0以上2.5未満 11 14.3 89.5 1420 3.5
EW40 VM-50 1.0以上2.5未満 15 13.9 88.0 1250 3.5
ステンレス用 KX01 VF-20 1.0未満 *1 13 *2 14.0 92.5 1820 4.0
軟質材用 MC20 VC-40 2.5以上5.0未満 6 14.9 90.0 1480 2.8
耐食性・放電加工用 ME40 VC-50 2.5以上5.0未満 12 14.1 88.0 1250 3.2
耐クラック A10W VM-30 1.0以上2.5未満 9 14.5 91.0 1610 3.7
放電加工用
耐食 WD20 VF-40 1.0未満 13 *2 14.1 90.5 1540 3.7
KN10 NF-30 1.0未満 9 *3 14.5 91.0 1610 3.3
KN20 NF-40 1.0未満 12 *3 14.2 90.0 1480 3.6
非磁性・耐食性合金
KN30 NF-40 1.0未満 14 *3 13.9 89.0 1360 3.6
KN40 NF-50 1.0未満 16 *3 13.7 88.0 1250 3.8
SS13 VF-10 1.0未満 1 14.2 - 2450 1.0
高耐摩耗用
SS15 VF-10 1.0未満 4 14.6 - 2100 2.0
切削加工用 KW3 VM-30 1.0以上2.5未満 6.5 14.6 91.0 1610 2.5
*1 EF種、KX01の粒度はKD種より細かい粒度です。 *2 一部Niを含有しています。 ・上記データは代表値であり、保証値ではありません。
*3 材種KN20の値は、Ni量を示します。 *4 HV硬度からの換算値を示します。 ・予告なしに変更する場合があります。
6 EVERLOY CEMENTED CARBIDE TOOLS
材種と物性値(代表値)
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*5 *6
破壊靭性値 引張強度 圧縮強度 ヤング率 熱膨張率 熱伝導率 衝撃強度
当社材種記号 ポアソン比
[MPa・m½] [GPa] [GPa] [GPa] [×10-6/K] [W/(m・K)] [kJ/m2]
H1 9 1.0 6.1 630 0.21 4.7 80 20
G1 10 1.0 5.7 620 0.21 4.7 80 23
G2 12 1.3 5.4 610 0.21 4.7 80 28
G3 18 1.4 5.0 590 0.21 5.0 75 36
G4 22 1.5 4.7 570 0.22 5.3 75 44
G5 26 1.6 4.3 540 0.22 5.6 71 56
TB6 - *7 1.6 3.9 530 0.23 5.8 67 64
TB7 - *7 1.5 3.3 480 0.23 6.6 63 83
G8 - *7 1.3 3.2 470 0.23 6.7 59 85
KD05 12 1.6 6.1 600 0.21 5.0 75 24
KD10 13 1.7 5.9 580 0.22 5.3 75 28
KD20 16 1.9 5.3 550 0.22 5.6 71 37
KD30 19 1.9 4.9 520 0.23 6.0 67 48
KD40 22 1.9 4.4 490 0.23 6.3 63 59
KD50 30 1.5 3.0 400 0.25 7.3 54 87
EF01 9 1.9 6.5 600 0.21 5.0 71 17
EF05 9 1.9 6.5 580 0.22 5.3 71 21
EF10 10 2.0 6.4 550 0.22 5.6 67 25
EF20 13 2.0 5.4 490 0.23 6.3 59 44
EX20 19 1.5 5.2 620 0.21 4.7 80 -
EW10 15 1.8 5.1 610 0.21 4.9 77 -
EW25 22 1.8 4.7 570 0.22 5.4 73 -
EW40 29 1.8 4.0 530 0.23 5.8 68 -
KX01 10 2.0 6.4 550 0.22 5.6 63 25
MC20 19 1.4 5.2 620 0.21 4.7 80 30
ME40 26 1.6 4.1 560 0.22 5.5 71 52
A10W 13 1.9 6.0 590 0.22 5.2 75 29
WD20 16 1.9 5.3 550 0.22 5.6 67 37
KN10 11 1.6 - 590 0.22 5.1 53 -
KN20 14 1.8 5.0 550 0.22 5.5 47 34
KN30 17 1.8 - 530 0.23 5.8 42 -
KN40 20 1.9 - 510 0.23 6.0 38 -
SS13 5 0.5 - 640 0.20 4.5 34 -
SS15 8 1.0 - 630 0.21 4.6 55 -
KW3 12 1.3 - - - - - -
*5 破壊靱性値は、JIS R1607のIF法による測定値です。 *6 引張強度以降は、文献からの参考値です。 ・上記データは代表値であり、保証値ではありません。
*7 値はG5より高くなっています。 ・予告なしに変更する場合があります。
https://www.everloy.co.jp 7
材種と物性値(代表値)
Page10
用語集
用語 用語の説明
WC粒度 ふるい又は他の適切な方法で測定した個々の粒子の直線的な大きさ。
Co量 結合相となるCoの量(一部材種は結合相がNiの場合もある)。
密度 単位体積当たりの質量。
硬度 材料に対して変形や傷が与えられようとする時の、物体の変形しにくさ、物体の傷つきにくさ。
試験片を一定距離に配置された2支点上に置き、支点間の一点に荷重を加え、
抗折力
試験片が破断した時の荷重から求めた最大曲げ応力の値。
破壊靭性値 予亀裂が急速に成長を開始する抵抗の値。
引張強度 試験片に荷重をかけ、破壊するまでの材料に生じる最大応力。
圧縮強度 圧縮静荷重を材料にかけ変形を与え、破壊したときの強さ。
ヤング率 材料の弾性特性の一つで、応力を加えた時の応力方向の弾性変形のしにくさを表す。
ポアソン比 横ひずみと縦ひずみの比。
熱膨張率 材料を加熱した時の、単位温度あたりの一定方向(長さ)の増加分。
熱伝導率 物質内の熱の流れ易さを示す物性値。
衝撃強度 試験片に衝撃を与えて切断し材料に吸収されたエネルギーの大小で測定した衝撃の強さ。
■ JIS(日本産業規格)分類記号
表1 1桁目の分類法 表2 2桁目の分類法 表3 4・5桁目の分類法
記号 結合相 記号 WC粒度 記号 硬さ
V Co F 1.0未満 10 93以上
R Co/Ni M 1.0以上2.5未満 20 92以上93未満
N Ni C 2.5以上5.0未満 30 91以上92未満
U 5.0以上 40 89以上91未満
*表1~3は、JIS B 4054 : 2020 からの引用です。 50 87以上89未満
60 85以上87未満
70 82以上85未満
80 82未満
8 EVERLOY CEMENTED CARBIDE TOOLS
用語集
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超硬合金材種位置付け表
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超硬合金材種位置付け表
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材種の組織
G種 KD種
WC粒度[μm] 1.0 - 5.0 以上 写真例: G5 WC粒度[μm] 1.0 未満 写真例: KD20
Co量[%] 6 - 22 Co量[%] 8 - 28
TB種 EF種
WC粒度[μm] 5.0 以上 写真例: TB6 WC粒度[μm] 1.0 未満 写真例: EF10
Co量[%] 15, 21 Co量[%] 8 - 18
EX種 EW種
WC粒度[μm] 2.5 以上- 5.0 未満 写真例: EX20 WC粒度[μm] 1.0 以上- 2.5 未満 写真例: EW25
Co量[%] 6 Co量[%] 7 - 15
金属顕微鏡×1000観察
10 EVERLOY CEMENTED CARBIDE TOOLS
材種の組織
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材種の組織
A10W WD20
WC粒度[μm] 1.0 以上 2.5 未満 WC粒度[μm] 1.0 未満
Co量[%] 9 Co量[%] 13 *
*一部Niを含有しています。
KX01 MC20
WC粒度[μm] 1.0 未満 WC粒度[μm] 2.5 以上 5.0 未満
Co量[%] 13 * Co量[%] 6
*一部Niを含有しています。
ME40 KN種
WC粒度[μm] 2.5以上 5.0 未満 WC粒度[μm] 1.0 未満 写真例: KN20
Co量[%] 12 Ni量[%] 9 -16
金属顕微鏡×1000観察
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材種の組織
Page14
材種の諸特性
1. Co量と硬度との関係
硬度は、Co量が少なくなるほど高くなります。
同一Co量では、WC粒度が小さくなるほど高くなります。
2. Co量と抗折力との関係
抗折力は、ある一定量まで、Co量が多くなるほど高くなりま
す。
同一Co量では、WC粒度が小さくなるほど高くなります。
3. Co量と圧縮強度との関係
圧縮強度は、Co量が少なくなるほど高くなります。
同一Co量では、WC粒度が小さくなるほど高くなります。
12 EVERLOY CEMENTED CARBIDE TOOLS
材種の諸特性
Page15
材種の諸特性
4. Co量とヤング率との関係表
ヤング率は、Co量が少なくなるほど高くなります。
5. Co量と破壊靱性値との関係
破壊靱性値は、Co量が多くなるほど高くなります。
同一Co量では、WC粒度が大きくなるほど高くなります。
6. Co量と衝撃強度との関係
衝撃強度は、Co量が多くなるほど高くなります。
同一Co量では、WC粒度が大きくなるほど高くなります。
https://www.everloy.co.jp 13
材種の諸特性
Page16
プレス金型用チップ
チップの材種は下の表の中から、最もその用途に適したものを選定して供給します。(材種の選定を誤りますと、破損又は早期摩耗を
起こすおそれがあります。)
一般用途での選定基準
用途 当社材種記号 JIS分類 旧規格* 加工時のメリット
EF01 (高耐摩耗) VF-10 Z01
EF05 VF-10 Z01
EF10 VF-20 Z10
KX01 耐チッピング性
VF-20 Z10
絞り型(軽衝撃) (ステンレス鋼用)
ガイド類(軽衝撃~一般的) KD05 VF-20 V20
抜き型(軽衝撃) KD10 VF-30 V20
しごき型(軽衝撃)
A10W VM-30 V20 放電加工性
H1 VM-10 V10, K01 耐チッピング性
G1 VM-20 V10, K10 -
G2 VM-30 V20, K20 -
EF20 VF-40 Z30
EW10 VM-30 V20
KD20 VF-40 V30 耐チッピング性
KN種 NF-30
絞り型(一般的~重衝撃) V30
(非磁性・耐食用) NF-50
ガイド類(一般的)
抜き型(軽衝撃~一般的) WD20 VF-40 V30 耐チッピング性
放電加工性
しごき型(一般的~重衝撃)
MC20(軟質金属用) VC-40 V20 -
EX20 VC-40 V10 耐凝着性
G3 VM-40 V30, K30 -
G4 VC-40 V30, K30 -
KD30 VF-40 V30 耐チッピング性
KD40 VF-50 V40 耐チッピング性
絞り型(衝撃を伴う)
曲げ型(最も一般的) ME40 VC-50 V30 放電加工性
抜き型(最も一般的) G5 VC-50 V40 -
せん断刃(一般的)
EW25 VM-40 V30 耐チッピング性
EW40 VM-50 V30 耐チッピング性
曲げ型(衝撃を伴う)
抜き型(衝撃を伴う、板厚大など)
TB6 VU-60 V40 -
コイニング型(軽衝撃)
せん断刃(衝撃を伴う)
曲げ型(特に衝撃の大きい場合) KD50 VF-70 V60 耐チッピング性
抜き型(衝撃大、板厚大など)
コイニング型(一般的)
せん断刃(衝撃大) TB7 VU-70 V50 -
コイニング型(衝劇を伴う) G8 VU-80 V60 -
*JIS含む
14 EVERLOY CEMENTED CARBIDE TOOLS
プレス金型用チップ
~
Page17
プレス金型用チップ
特殊用途での選定基準
選定時期 特徴 選定基準
一般的にはKD種を選択しますが、さらにシャープなエッジを求める場合にはEF種を選択し
耐チッピング性
ます。
加工時
一般的にはKD種を選択しますが、放電クラックの影響を抑制したい場合は、A10Wを選択
放電加工性
します。また、加工液に水を使用したときの腐食を抑制したい場合はWD20を選択します。
一般的にはH1、EF05が硬度が高く耐摩耗性に優れています。 さらに耐摩耗性を上げたい
高耐摩耗性
場合は、取り扱いに注意を要しますが、SS種やEF01を選択します。
磁場成形用モールド等非磁性を必要とする場合は、KN20を選択します。また、KN20は耐
非磁性・耐食性
食性、耐酸化性に優れていることから、メカニカルシールなどとして選択されます。
使用時
純鉄・純銅等超硬合金と反応性の高い金属を加工する場合は、反応性を抑制したMC20を
軟質金属用
選択します。
ステンレス等熱伝導率が低く加工硬化を生じやすい金属を加工する場合は、KX01を選択し
ステンレス鋼用
ます。
プレス金型用チップの寸法
プレス金型用チップは、指定寸法に焼結したもの(焼結品)又は一部加工したもの(研削チップ)、及び完成製品があります。焼結品
の標準仕上しろは片側 0.5 mm です。ただしダイブロックに異形の穴のある場合は、1個又は数個の丸穴を開けたままで供給するの
が一般的です。(この穴は顧客において放電加工される際に、通液孔となります。)また直タップ品も供給します。
■ 直タップ加工範囲(焼結品)
ねじの呼び M2 M3 M4 M5 M6 M8 M10 M12 M14 M16
完全ねじ部深さ[mm] 8 30 30 30 30 30 30 30 30 30
ピッチ[mm] 0.4 0.5 0.7 0.8 1.0 1.25 1.5 1.75 2.0 2.0
・ ねじ形状はJIS(ISO)規格外です。
・ 上記以外の寸法については、ご相談ください。
・ 記載以外の直タップ加工もご相談ください。
https://www.everloy.co.jp 15
プレス金型用チップ
Page18
超硬合金 G種
Line up ... G1, G2, G3, G4, G5, G8
一般的な超硬合金材種。
国内外で “EVERLOY”ブランドの超硬合金は、高品質・高性能で広く知られています。
多くの汎用工具、金型パーツとして採用されています。
耐摩耗部材としての耐摩耗性と靭性、加工性のバランスに優れています。
製品説明 細粒WCを使用することにより、高硬度・高強度が得られ、優れた耐摩耗性と耐カケ性を有します。
使用上の注意 腐食環境下でのご使用時は腐食にご注意ください。
用途/実績例 抜き、曲げ、絞り、粉末成形、冷間ロール、各種金型
超硬合金 TB種
Line up ... TB6, TB7
耐衝撃用超硬合金材種
耐衝撃性が必要な多くの汎用工具、金型パーツとして採用されています。
放電加工が要因となる破損に対しても耐久性があります。
粗粒WCの使用と、Co含有量の多さにより、高い衝撃強度が得られ、優れた耐カケ性、耐破損性を
製品説明
有します。
用途/実績例 冷間鍛造金型、各種金型
16 EVERLOY CEMENTED CARBIDE TOOLS
超硬合金 G種 TB種
Page19
G種とTB種の組織写真
G1 G5
G2 TB6
G3 TB7
G4 G8
金属顕微鏡×1000観察
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超硬合金 G種 TB種
Page20
微粒子超硬合金 KD種
Line up ... KD05, KD10, KD20, KD30, KD40, KD50
リードフレーム業界のスタンダードになっている超硬合金材種。
海外でも、“EVERLOY”“KD20”のブランドは高品質・高性能で広く知られています。
多くの半導体メーカーでリードフレームのプレス加工用金型、粉末成形プレス金型として採用されています。金型としての耐摩耗性と靭性
のバランス、金型寿命と精密加工時加工性とのバランスに優れています。
微粒WCを使用することにより、高硬度・高強度が得られ、優れた耐摩耗性と耐チッピング性を有し
製品説明
ます。
用途/実績例 電子部品金型、粉末成形金型など
KD種の加工と耐摩耗性の関係
抗折力高、玉のサイズ大 = 加工性良好
硬度高 = 耐摩耗性良好
*球の大きさは破壊靭性値を表しています。
機械的特性(HRA硬度と抗折力) 機械的特性(破壊靭性値)
18 EVERLOY CEMENTED CARBIDE TOOLS
微粒子超硬合金 KD種