3Dプリンタ　オーストラリア　ミート　プロセッサ株式会社（AMPC）の成功事例

AMPC アディティブ製造で食肉加工業界を変革 業界: 食肉加工 用途: 加工設備用製造パーツ テクノロジー : コニカミノルタオーストラリアがX7™を導入 マテリアル: Onyx®

お客様紹介 Australian Meat Processor Corporation 「食肉加工業者はさま （AMPC）は、オーストラリアの食肉加工 業界の研究開発法人です。信頼の上に築 ざまな機器を使用して かれた真のパートナーシップを通じて、 おり、それぞれが複数 世界レベルのイノベーション、普及、戦略 的ポリシーの立案を推進することを使命 のコンポーネントで構成 として掲げています。 されています。小さな 加工工場のような量産環境では、ボルト コンポーネントに不具 やローラーなどのパーツが摩耗したり 合が発生しただけでも、 破損したりすることがあります。どの 大きな代償を払うこと 業界でもそうですが、「時は金なり」です。 パーツに不具合が発生すると、パーツを になります」 調達して交換するまでの間に生産性が失 われ、コストのかさむダウンタイムが - AMPC CEO Chris Taylor氏 発生する可能性があります。 Markforgedのお客様の成功事例 AMPC 2

課題 AMPCは、コニカミノルタオーストラリアとMarkforged 作業員は、評価のための機能的プロトタイプの作成だ の両社と協働し、世界初の3Dプリントサービスモデル けでなく、最終用途の産業用複合パーツの製造も行う のトライアルを実施しました。このトライアルの目的は、 ことができます。コニカミノルタオーストラリアは、 オーストラリア全土の食肉加工業者が、食肉製品の 食肉加工業者が技術を理解して活用できるよう、現場 継続的な供給を保証するために、機器のパーツをプリ サポートを提供します。 ントし、機器のメンテナンスを刷新することでメリッ トを得られるようにすることでした。 このプログラムの一環として、The Casino Food Co-opは、 3Dプリンティングのメリットを得られる施設として この協働では、オーストラリア全土の食肉加工工場で 特定され、トライアル用のMarkforged X7 3Dプリン こうしたメリットを実現できるよう、3年間にわたる ターを受領しました。1933年に設立されたThe Casino 多角的なプログラムを実施します。 Food Co-opは、農業者が運営するオーストラリア最大 の世界的な食肉加工協同組合です。放牧場から食卓ま このプログラムでは、革新的な「購入前のお試し」方式で、 で携わる食肉加工において、最新鋭の設備を備えた 2台のMarkforged X7カーボンファイバー 3Dプリン 業界リーダーとしての地位を確立しています。ニュー ターを加工工場に出荷します。加工作業員はプリンター サウスウェールズ州ノーザンリバーズ地域のカジノに の使用方法についてトレーニングを受けているので、 位置する同社は、1日あたり1,200頭の牛の食肉処理 常設設備の購入が良い投資となるかどうかを評価でき 加工を行い、周辺地域から1,000人以上を雇用してい ます。これらのユニットは、最長8週間、1つの工場で ます。 試用されたのち、他の工場に移設されます。 「交換用パーツを 簡単にプリントで きるので、ダウン タ イ ム を 大 幅 に 短縮し、パーツの 到着を待つ必要性 を最小限に抑え、 食肉供給量が減少 するリスクを軽減 できました」 - AMPC CEO Chris Taylor氏 Markforgedのお客様の成功事例 AMPC 3

The Casino Food Co-opの施設では、3つの領域に対処 「製造停止の影響は大きく、皮なめし工場の1日あたり する必要がありました。1つ目の領域は、1日あたり数千 の生産損失額は数万ドルでした」と、Armstrong氏は 枚単位のラベルの製造に使用する数百台に及ぶラベル 振り返ります。 プリンターのヒンジでした。 3Dプリンティングを試した最後の領域は、冷却室の温度 The Casino Food Co-opの製図工兼プロジェクトサポー を最適化する蒸発装置のファンブレードでした。1枚の トオフィサーであるBrian Armstrong氏は、この課題 ブレードが不安定になると、蒸発装置全体がバラバラ について、以下のとおり述べています。「プラスチック に分解され、冷却室は最適なパフォーマンスを発揮で 製ヒンジは、長年使っていると変形して破損します。 きなくなります。蒸発装置を製造していたメーカーが 当社が使用していたパーツはメーカーが製造中止にし 既に廃業していたため、新しいブレードを製造するに ていたため、すべてのラベルマシンを交換するしかあ は多額の費用がかかりました。 りませんでしたが、それには莫大な費用がかかります」 「すべての冷却室がフル稼働しなければ、The Casino 2つ目の領域は、皮革を染める前に体毛や脂肪を除去す Food Co-opは製品を最大生産能力で提供できず、パー る皮なめし用ドラムでした。皮なめし用ギアが故障し、 トナーへのコミットメントに影響を及ぼす可能性があ 交換用パーツが製造できるまで皮革製造がストップし りました」と、Armstrong氏は指摘します。 ました。 AMPCは、Markforged X7™を使用して、食肉 加工工場の作業員のトレーニング用にVRシミュ レーションパーツをプリントしています。 Markforgedのお客様の成功事例 AMPC 4

ソリューション AMPC、コニカミノルタオーストラリア、Markforged 製造を委託する必要がありましたが、そのコストは1枚 の3Dプリンティングソリューションにより、The Casino あたり最大1万ドルでした。一方で、冷却機能が正常に Food Co-opは前述の課題を比較的容易に解決し、運用 動作している場所に肉を移動する必要があります。 全体でコストのかさむダウンタイムを回避できました。 今では、新しい鉄鋼製ブレードよりもはるかに低価 格で、交換用ブレードをわずか数日で3Dプリントでき ラベルプリンター用の新しいヒンジを必要に応じてプ るため、ビジネスに多大なメリットがもたらされてい リントできるようになったことで、The Casino Food ます。 Co-opはマシンのダウンタイムを回避し、ラベルのプ リントを継続できるようになりました。さらに、ラベ ルプリンターの寿命が延びたため、交換にかかるコス トが数千ドル単位で節約できました。 皮なめし用ギアを3Dプリントするということは、一時 的な交換品を3Dプリントでき、新しいギアが製造でき るまでマシンを継続稼動できることを意味していま した。処理加工作業を継続できたので、計画外のダウ ンタイムによる多額の損失を回避できました。 「The Casino Food Co-opは、皮なめし工場で1日あた り数万ドル相当の製品を生産しています。マシンの 継続稼働に必要な2つのギアは、18時間以内にプリン トして取り付けたため、生産性の損失はありませんで した」と、Brian Armstrong氏は力説しています。 冷却室の蒸発装置用のファンブレードを素早くプリン Onyx®を使用して、Markforged X7™で トできたため、コストとリスクも大幅に軽減できま 3Dプリントされた皮なめし用ギア した。同社は以前、鉄鋼メーカーに交換用ブレードの Markforged X7™でプリントされた2つの ギア。AMPCの皮なめし工場の継続稼働に 不可欠。 Markforgedのお客様の成功事例 AMPC 5

将来の展望 Brian Armstrong氏は、締めくくりとして、 「食肉加工における 次のとおり述べています。「こうした課題のソ 3Dプリンティング リューションを見つけることが不可欠でした。 私たちが3Dプリンターを使用した用途はす の可能性は無限で べて、The Casino Food Co-opにとって機器 あり、将来にわたっ のメンテナンスと運用に欠かせないものであ り、計画外のダウンタイムの回避と供給契約 て3Dプリンティン の履行に役立っています」 グを活用してどの 「コニカミノルタオーストラリアとMarkforged ように変革し続け X7のサポートがなければ、このような成果を 上げることはできませんでした。豊富な知識 られるかを楽しみ を持つコニカミノルタオーストラリアのチー にしています」 ムのおかげで、当社のニーズに対応したソ リューションを構築する際に、多くのサポー トが得られました。食肉加工における3Dプリ - The Casino Food Co-op ンティングの可能性は無限であり、将来にわ プロジェクトサポートオフィサー たって3Dプリンティングを活用してどのよう Brian Armstrong氏 に変革し続けられるかを楽しみにしています」 Markforgedのお客様の成功事例 AMPC 6