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アルテミシニンは、マラリアの標準的な治療に広く使われている薬です。植物のヨモギから抽出されますが、半合成も可能です。部分化学合成でも製造可能です。このカタログではアルテミシニンを90MHzで測定した結果を掲載しております。
このカタログについて
ドキュメント名 | 測定事例(アルテミシニン) |
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ドキュメント種別 | 事例紹介 |
ファイルサイズ | 468.2Kb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 株式会社朝日ラボ交易 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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アルテミシニン
アルテミシニンは、マラリアの標準的な治療に広く使われている薬です。植物のヨモギから抽出されますが、半合成も可能で
す 。部分化学合成でも製造可能です。図1は、250 mMのアルテミシニンサンプルのCDCl 中の1
3 H NMRスペクトルです。
1Dプロトン スペクトル
Figure 1: CDCl3中の250 mMアルテミシニンサンプルの1H NMRスペクトルを、Spinsolve 90 MHz シングルスキャンで測定。
1D カーボンスペクトル
図2は,CDCl3中の250 mMのアルテミシニンの13C NMRスペクトルで,1Hから13CへのNOE偏光変換と1Hデカップリングを用い
て取得しました。NOEを用いた1次元炭素実験は、試料中のすべての13Cに感度があります。また、期待される全ての共鳴を明
確に捉えることができます。
図 2: CDCl3中の250 mMアルテミシニンの13C NMRスペクトル(Spinsolve 90 MHzシステム120分で測定)
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2Dプロトン スペクトル
2次元COSY測定では、2次元データセットの対角線上にクロスピークが発生するため、1H核を識別することができます。図3では、
多数のクロスピークがきれいに観察できます。例えば、4位と17位の水素(紺色)が互いに結合している。さらにプロトン18は、
プロトン17(シアン)と19(ピンク)とカップリングしています。
図3: CDCl3中の250 mM アルテミニシンの1H 2D COSY測定(Spinsolve 90 MHzシステム13分で取得)。
2D HSQC-ME
HSQCは、1Hと単結合した13Cの相関をとるために広く用いられている強力なシーケンスです。SpinsolveはHSQC-MEが搭載されています。こ
れにより,DEPT-135 シーケンスの編集力が得られ,CH2 基のシグナル(青)とCHやCH3基のシグナル(赤)を区別するのに有効です。図4は,
CDCl3中の250 mMのアルテミニシンをNUS(non uniform sampling)を用いて測定時間を最適化することで8分で取得したHSQC-MEスペクトル
です。.
図4:CDCl3中の250mMアルテミシニンのHSQC-MEスペクトルで、1H(横)と13C(縦)のシグナルを示す
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2D HMBC
2つまたは3つの結合を介して長距離の1H-13C相関を得るには、Heteronuclear Multiple Bond Correlation (HMBC)測定を用いることができます。
図5は、250 mMのアルテミシニンのHMBCスペクトルを、Spinnsolve 90 MHzで34分で測定したものです。例としてプロトン19と炭素2、17、
18との長距離相関のシグナルが観測されています。この実験では、第4級炭素との相関も示されています。
図5:1Hと13Cの長距離結合を示すCDCl3中の250mM アルテミニシンのHMBCスペクトル.