1/4ページ
ダウンロード(819.1Kb)
ブルシン(2,3-ジメトキシストリキニジン-10-オン)はアルカロイドの一種で、構造的にはストリキニーネと似ていますが、毒性は低い化合物です。この化合物を90MHzにて測定した結果をカタログに収録しております。
このカタログについて
ドキュメント名 | 測定事例(プルシン) |
---|---|
ドキュメント種別 | 事例紹介 |
ファイルサイズ | 819.1Kb |
取り扱い企業 | 株式会社朝日ラボ交易 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
この企業の関連カタログ
このカタログの内容
Page1
ブルシン化合物(2,3-ジメトキシストリキニジン-10-オン水和物)
ブルシン化合物(2,3-ジメトキシストリキニジン-10-オン水和物)はアルカロイドの一種で,構造的にはストリキニーネに似ているが,毒
性は低い。図1は,CDCl3中の250 mMブルシン化合物の1H NMRスペクトルで,10秒のシングルスキャンで測定したものである。
1D Proton spectrum
Figure 1: 1H NMR spectrum of a 250 mM Brucine sample in CDCl3 measured on a Spinsolve 90 MHz system in a single scan.
1D Carbon spectrum
図2は,CDCl3中の250 mM ブルシン化合物の13C NMRスペクトルで,1Hから13CへのNOE偏光変換と1Hデカップリングを用い
て取得したものである。NOEを用いた1次元カーボンでは、試料中のすべての13Cを検知できます。。すべての共鳴を明確に捉
えることができます。
Figure2: 13C NMR spectrum of a 250 mM Brucine sample in CDCl3 measured on a Spinsolve90 MHz systemin 120 minutes.
Page2
2D COSY spectrum
2次元COSY実験では、2次元データの対角線上にクロスピークが発生するため、結合した1H原子核を識別することができる。図3では、多数のク
ロスピークがきれいに観察されます。例えば、6番と11番の陽子(薄緑色)や、19番と10番の陽子(水色)、12番(オレンジ色)、22番(ピンク色)が
互いに結合している。また、8番と9番の陽子(濃い青)や、8番、9番と14番、15番の陽子(濃い緑)とのカップリングもきれいに解像できます。
Figure 3: 1H 2D COSY experiment of a 250 mM Brucine sample in CDCl3 acquired in 13 minutes on a Spinsolve90 MHz system (top); zoom into the aliphatic
region(0.5-5.0 ppm) of the 1H 2D COSY spectrum which underlines the superb resolution.
Page3
2D JRES spectrum
この測定はは、直接方向に沿ってJカップリングを消去させることで、各グループに1本の線を生成し、化学的な結合を
識別するのに役立ちます。マルチプレットは垂直方向に沿って生成されます。
Figure 4:Homonuclear J-resolved (JRES) spectrum of 250 mM Brucine in CDCl3 on a Spinsolve90 MHz.
2D HSQC-ME
HSQCは、1Hと単結合した13Cとの相関をとるために広く用いられている強力なパルス配列です。Spinsolveには、HSQC-MEが搭載
されています。これは,DEPT-135 のパルス配列を提供するもので,CH2 基のシグナル(青)と CH3 基のシグナル(赤)を識別する
のに有効である。図5は,CDCl3中の250mM ブラシン化合物を2分で取得したHSQC-MEスペクトルです。測定時間は,NUS(non
uniform sampling)を適用して最適化した。
Figure 5: HSQC-ME spectrum of a 250 mM Brucine sample in CDCl3 showing the correlation betweenthe 1H (horizontal) and 13C (vertical) signals.
Page4
2D HMBC
2つ先または3つ先の結合間が長い1H-13C相関を得るには、HMBC(Heteronuclear Multiple Bond Correlation)実験を用いることがで
きます。図6は、プロトン8と炭素2、3、5、7、17との長距離相関を示したものである(この配列では、4級炭素との相関も示している)。
Figure6: HMBC spectrum of a 250 mM Brucine sample in CDCl3 showing the long-rangecouplings between 1H and 13C nuclei.