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第一部:光とレーザ
第二部:レーザ工法の種類
第三部:レーザ溶接
第四部:レーザ溶接以外の工法
第五部:レーザマーキング
第六部:安全対策
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第一部:光とレーザ
第二部:レーザ工法の種類
第三部:レーザ溶接
第四部:レーザ溶接以外の工法
第五部:レーザマーキング
第六部:安全対策
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光の一般的性質
1.光の主な性質
光の性質としては、粒子性と波動性があり、以下の特徴を裏付けます。
1:光は直進する 反射 レーザ進行方向
2:光は反射する
3:光は屈折する(波長により屈折率が異なります)
屈折
4:光は干渉する
5:光は回折する
光の反射と屈折
2.光の種類
光の種類は、大きく「自然光」と「人工光」に分けられます。
その中で、眼に見える光は全て可視光線となり、波長により、
人の眼に見えたり見えなかったりします。(レーザ光は人工光になります。)
自然光 1) 太陽光
2) 放射光(電磁波)
赤外線・可視光線・紫外線・X線等
人工光 3) レーザ光
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光の一般的性質
3.光の波長と色
光にはいろいろな色があります。この色の違いを表す場合、光の波長ということばを使います。
つまり、光は、波長の大小によって、人間の目には様々な色の違いとして見えます。
光の波長の単位はnm(ナノメートル)が使われ、人間の目に見える範囲は約380nmから
750nmの波長の光となり、380nmより短いものは紫外線、750nmを超えるものは赤外線となり、
目に見えない不可視光となります。
色 波長
紫 380~450nm
400nm 600nm 800nm
青 450~495nm
緑 495~570nm
黄色 570~590nm
波長の違いによる光のスペクトル図
橙色 590~620nm
赤 620~750nm
例):光の波長によって曲がる角度(屈折率)が異なるというプリズムの
性質を利用し、太陽光をプリズムに当てると、波長によって屈折角が
異なるので、色が分解され、異なる7色の虹色を作ることができます。
太陽光は全ての波長を持っているためで、光は全ての色が集まると
白色になります。
イメージ
【プリズムを通して光が分解された様子】
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光の一般的性質
4.光の吸収と反射
物体に光を当てると、光は反射したり、吸収したりします。
イチゴがなぜ赤いのか?太陽からは前述の通り、いろいろな波長(色)の光が放出されています。
人の目で確認できる7色の光は、全てイチゴに当りますが、当った光の内、赤色の光だけが反射し、
その他の光は吸収されます。
そして反射した光は、人の目に入り「赤い」と感じる事ができます。
全ての物体は、光を受けた時に反射と吸収があり、反射した光によって人は色を見分けることができます。
レーザ光でもこれと同じことが起こります。
緑
黄
赤
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レーザとは
定義:
レーザは人工的に作り出された光で、誘導放出による光の増幅が語源です。
誘導放出現象は、光が原子によって吸収されるということの逆の現象、
つまり光によって電子のエネルギー遷移が起こり、同時にエネルギーの差が光として
放出される現象です。
この現象を人工的に誘発させることで、レーザが発生します。
Light 【レーザの性質】
Amplification by 1.単色性に優れている
Stimulated
2.指向性に優れている
Emission of
3.光干渉性に優れている
Radiation
(誘導放出による光の増幅) 4.高出力である
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レーザとは
1.レーザの発生方法
レーザ媒質(気体、液体、固体)にエネルギーを与えることで発生します。
正確には、レーザ媒質内にドープされている原子が、レーザを生み出します。
これを増幅することで、レーザとして出力されます。通常、「レーザを発振する」といいます。
原子の模式図 ○:エネルギーを与えられる前の電子
低いエネルギー状態
●:エネルギーを与えられた後の電子
レーザ媒質 高いエネルギー状態
例)YAGロッド エネルギーを与える(励起する)
(発振する)
発生した光→増幅される
レーザを生み出す原子 →レーザとして出力
誘導放出現象
→高いエネルギー状態となった電子は、
直ちに増えた分のエネルギーを放出し、低いエネルギー状態へ戻ろう
2.エネルギーの与え方 とする性質を持ちます。
A:電気 →半導体レーザ(LD):当社のレーザ製品に採用
B:光 →固体レーザ:当社のレーザ製品に採用
C:放電(電子衝突) →気体レーザ
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レーザとは
3.レーザの発振原理①
誘導放出と反転分布
原子が、高いエネルギー状態から自然に余分なエネルギーを放出することを「自然放出」といいます。
外部から光を与えることを「励起する」といいますが、
この「励起」により、低いエネルギー状態だったものを、高いエネルギー状態に導きます。
高いエネルギー状態となった原子がエネルギーを放出する現象を「誘導放出」といいます。
人工的に高いエネルギー状態に導いているため、「誘導」という言葉を用います。
「誘導放出」を起こすためには、「反転分布」を作り出す必要があります。
「反転分布」は、高いエネルギー状態の原子数が、低いエネルギー状態の原子数を上回っている状態を指します。
この状態になったことで、エネルギーが放出されレーザとなります。
原子の模式図 励起前 励起・反転分布 誘導放出
放出されたエネルギー
:レーザ
与えられた
エネルギー
低いエネルギー状態
:基底状態
高いエネルギー状態
:励起状態 基底状態:多 励起状態:少 基底状態:少 励起状態:多 基底状態:多 励起状態:少
反転分布により光を放出する様子
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レーザとは
4.レーザの発振原理②
誘導放出により発生した光は増幅されることで、レーザ媒質よりレーザとして出力されます。
この増幅現象は、「共振」と呼ばれます。この共振によりレーザを増幅させる機構を、「共振器」といいます。
共振器の3大構成要素 共振とは・・・
①レーザ媒質→原子を閉じ込めた結晶体
②励起源→励起エネルギーの発生源
+
③共振器ミラー→増幅させるためのミラー 波長(山と山、谷と谷の間隔)が
同じ光が同一方向に発生、
重なりあい強まる現象。
例)YAGレーザ発振の原理
①ランプを点灯させ、レーザ媒質内の原子を励起します。(反転分布の状態を作り出します)
②レーザ媒質の両側にミラーを配置、ミラー間で励起により放出された光を増幅します。
③片側のミラーを半透過構造(光を少し透過させる)とし、これを出力側ミラーとします。
この出力側ミラーからレーザが出力されます。また、反対側は全反射構造とし、全反射ミラーとします。
④励起により放出された光が、両ミラー間を往復することで増幅されます。
⑤増幅された光が、出力側ミラーよりレーザとして出力されます。
フラッシュランプ :励起された原子 フラッシュランプ
(励起源) :励起されていない原子 (励起源)
全反射ミラー 全反射ミラー
レーザ
YAGロッド YAGロッド
(レーザ媒質) 出力 (レーザ媒質)
出力ミラー 出力ミラー
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レーザとは
5.レーザ発振器の構造
例)YAGレーザ溶接機
YAGレーザ溶接機は、共振器、ランプ電源、制御部、冷却器で構成されています。
1)結晶媒体ロッド
用途によってYAG、YVO4など、最適な結晶を使用する 可視光透過ミラー
(AI蒸着ミラー)
2)励起ランプ反射鏡筒
励起光を効率的に結晶体へ利用するために反射鏡筒を用いる ガイド光用可視レーザ
3)OCミラー及びHRミラー
OCミラーとHRミラーを共振器ミラーといい、パルスレーザでは、OCミラー
の反射率を50%前後、CWレーザでは90%位のものを使用する。
励起ランプ
4)共振器シャッター ピンフォトダイ
共振器内に配して、レーザ光が漏れないよう安全のために取り付ける。 HRミラー オード(パワー
またCWレーザ等ではランプを点灯させたまま、シャッターを開け、閉めして、 モニター)
レーザ光を発振させたり、止めたりする時に利用する。 共振器 YAG反射
シャッター 可視光透過ミラー
励起ランプ
反射鏡筒 結晶媒体ロッド
共振器
シャッター
O,Cミラー
5)YAG反射 可視光透過ミラー
レーザパワーをモニタリングするため、HRミラーの後方に配して、HRミラーの
ほんの少しの漏れ光を反射させ、ガイド光用可視レーザを透過させる。
6)ピンフォトダイオード
YAG反射、可視光透過ミラーより反射されたレーザ光を受光しモニタリングする。
7)ガイド光用可視レーザ
主に可視光レーザ(He-Neレーザ:632.8nm又はLDレーザ:650nm)が使用される。
8)可視光反射ミラー
2軸可変にて光軸調整が可能。
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レーザの種類
波長 出力 効率※
種類 媒質 発振形式 用途例
(μm) (W/J) (%)
ルビー 0.69 P ~20J ~1 穴あけ
ガラス 1.06 P ~90J ~4 穴あけ,核融合
固体
Nd・YAG 1.06 P/CW CW ~ 1kW, P ~ 150J ~3 穴あけ,切断,溶接,印字
レーザ
Yb・ディスク 1.06 CW CW~16kW ~20 穴あけ,切断,溶接,印字
Yb・ファイバー 1.06 P/CW CW~100kW ~48 穴あけ,切断,溶接,印字
半導体 通信,計測,情報処理,溶着,
DDL (GaAs,InGaAsPなど) 0.6~1.6 P/CW CW ~20kW ~40
レーザ 熱処理加工など
液体
色素レーザなど 0.4~0.7 P ~100J ~0.3 分光,研究
レーザ
He-Ne 0.63 CW ~1mW ~1 計測,ディスプレイなど
Ar 0.51 CW ~25W ~0.1 穴あけ,計測
気体
レーザ 0.15~
エキシマ P ~900mJ ~15 化学,医学,加工,その他多数
0.35
CO2 10.6 P/CW CW ~40kW ~20 穴あけ,切断,溶接,熱処理
※効率は「電気→光」の変換効率
四大固体レーザ
産業用金属加工には上記四種(■)のレーザが多く用いられます
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四大固体レーザの構造
YAG ファイバー
ンプ 全反射ミラー
ラ
励起
↓ ↓
↓↓ ↓↓ ↓↓
出力ミラー ↓↓ FC-LD
↓↓
↓ ↓↓
↓↓ ↓↓
↓ ↓↓
↓↓
結晶
レーザ
ランプを ランプの点灯を ランプ点灯の
点灯すると 続け原子を励起させ、 強さに合った
YAG結晶中の 放出光が共振器内を レーザ光が
原子が励起 往復することで 出射される
レーザパワーを強める
DDL 変換効率(電気→光)
光ファイバー
YAG ファイバーレーザ
約3% 約30%
LDユニット 出射光学系
DDL
約45%
ダイオードレーザ(LD)の光を結晶体を通さずに、
直接、熱加工に応用することができます。
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それぞれの特長
【凡例】◎:非常によい ○:よい △:普通(「非常によい」「よい」と比べ劣る)
一覧表 YAG ファイバー ディスク DDL
変換効率
(電気→光) △ ◎ ◎ ◎
高出力化 △ ◎ ◎ ◎
集光性 △ ◎ ○ ○
費用対出力 △ ◎ ○ ○
メンテ性 △ ◎ ○ ◎
熱レンズ効果 △ ◎ - ◎
熱レンズ効果とは YAGロッドと温度分布
YAGロッドは、励起ランプの照射による内部発熱と冷却バランスの結果、 内部発熱前 温度グラフ 影響 ロッド
ロッドの断面内に温度分布が形成し、 安定して増幅
中心から周囲に向かって低くなる屈折率分布を持つことになります。
このため、ロッドは等価的に凸レンズと見なされます。 ミラー
内部発熱後 冷却水で周辺部は冷やされる 屈折で角度変化
これを熱レンズ効果といい、これが発生するとビーム品質が低下し、
増幅が不安定に
安定してレーザ発振する動作領域が狭くなります。 →出力が不安定に
当社では、各種光学系の最適化を図り対策しています。 端面が膨張 中心部は発熱する
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ビーム品質の違いについて
比較一覧 マルチモード シングルモード
【断面写真】 【断面写真】
【ビームプロファイル】 【ビームプロファイル】
ビームプロファイル
/ 断面写真
マルチモードは、トップハット分布のビーム シングルモードは、光学構成の最適化にて
プロファイルを形成します。 ガウシアン(正規)分布のビームプロファイルを形
説明 成、小径ファイバーへの入射、つまり微小スポッ
ファイバー径が大きく、高出力化が可能です。 トによる溶接が可能です。
シングルモードと比べ幅の広い溶け込みが得ら マルチモードと比べ、細く深い溶け込みが得られ
れます。 ます。
ファイバー径 大 小
集光角 鈍角 鋭角
パワー密度 低 高
断面 幅広 細長
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第一部:光とレーザ
第二部:レーザ工法の種類
第三部:レーザ溶接
第四部:レーザ溶接以外の工法
第五部:レーザマーキング
第六部:安全対策
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一般的なレーザ工法と用途
代表的な工法
①レーザ切断 ②レーザマーキング ③レーザ溶接
代表的な用途
ボディ・板金
アマダ製品は?
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アマダ 微細溶接事業本部が得意とする分野
当社が得意とする分野
①レーザ切断 ②レーザマーキング ③レーザ溶接
厚物/微細 厚物/微細 厚物/微細
レーザの微細加工
指先から手のひらに乗る
部品への加工
ICパッケージ
コネクター
最新のトレンド
レーザはんだ付け/レーザ焼き入れ/レーザ樹脂溶着
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ハイブリッドカーへの採用実績
ヘッドランプ エンジン部品
Li-ion二次電池
モーター関連
センサー関連
タイヤ関連
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