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プラロード 設計マニュアル
プラロード式簡易仮設道路工法は、従来の仮設道路工法の工種、路盤工で使用する路盤材を、再生プラスチックのブロック形状の物に変えた簡易仮設工法になります。主として水田・畑等の耕作地帯で速やかな現状復旧が必要な場所での使用を目的としております。
【掲載内容】
◆プラロード式簡易仮設道路の基本
◆プラロード式簡易仮設道路工法の設計
◆施工上の留意点
◆詳細はカタログをダウンロードしご覧いただくか、お気軽にお問い合わせ下さい。
このカタログについて
ドキュメント名 | 軟弱地盤における迅速な仮設道路構築を実現した『プラロード』 |
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ドキュメント種別 | その他 |
ファイルサイズ | 294.4Kb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 新舘建設株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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プラロード式簡易仮設道路
設計マニュアル
平成 26 年 1 月
新舘建設株式会社
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目 次
1. プラロード式簡易仮設道路の基本 ・・・・・・・ 1
1-1 基本方針 ・・・・・・・・・・・・・・・1
1-2 構造の基本 ・・・・・・・・・・・・・・2
2. プラロード式簡易仮設道路工法の設計 ・・・・・・・ 3
2-1 設計の基本方針 ・・・・・・・・・・・・ 3
2-2 設計の手順 ・・・・・・・・・・・・・・ 4~8
3. 施工上の留意点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
施工上の安全面について ・・・・・・・・・・・・・ 9
<参考文献>
・セキスイテクノ成型株式会社 製品概要書
・雨水貯留浸透技術協会 クロスウェーブ工法技術評価認定書
・土木工事仮設計画ガイドブック(Ⅱ)工事用道路
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1. プラロード式簡易仮設道路工法の基本
1-1 基本方針
プラロード式簡易仮設道路工法は、従来の仮設道路工法の工種、路盤工
で使用する路盤材を、再生プラスチックのブロック形状の物に変えた簡
易仮設工法になります。主として水田・畑等の耕作地帯で速やかな現状
復旧が必要な場所での使用を目的としております。
解説
従来、水田地帯、軟弱地盤に仮設道路や資材置場を設置する場合、山砂
や砕石を現場に持ち込んで地盤を正整します。重機及び仮設置場として
使用する場合も同様に敷鉄板を敷設する構造が一般的であります。従来
の路盤形成の施工は、現場へ山砂や砕石をダンプカーで搬入後、敷均し
締固めを行う為、施工に関して多大な時間を要します。施工中に雨が降
れば細粒分が流れ出し周辺の土壌環境及び水環境を乱す恐れもあります。
又、仮設道路を撤去する際に盛土を行っている為、盛土材の撤去が不完
全になる場合もあり、用地の復旧や使い終わった後の山砂や砕石等の処
分にも課題が残ります。こうした課題の中で、プラロード式簡易仮設道
路工法は樹脂製ブロック(再生プラスチックブロック)を用いて、従来
工法の解決手段として工法の提案をしております。プラロード式簡易仮
設道路が使用出来ない条件として、池、沼等でN値1以下、浮力(プラ
スチック製品の為浮き上がる)が働く場所、上部常時積載荷重が 80kN/
㎡(T-25 荷重を越える)を越える場合。以上の条件が当てはまる用地にお
いてはプラロード式簡易仮設道路工法の施工は出来ません。地盤改良が
可能であり、上記の影響を受けない地盤を形成出来る場合においては、
本マニュアルが適用出来ます。
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1-2 構造の基本
プラロード式簡易仮設道路工法は、積水テクノ成型株式会社製品、「クロ
スウェーブ」を使用し人力により積槽敷設にて施工を行います。プラロ
ード敷設前に地盤に土木シート(引張強度:200N/cm 以上)を敷設します。
又側面部に関してもプラロードを傷付けない様にする為、地盤に敷設し
たシートを立ち上げ、積槽した上部で折り返し、鉄板を設置した形を基
本形と致しております。最終的にプラロード撤去後の地盤形状を傷めな
い構造体とします。
解説
プラロード式簡易仮設道路工法で使用する材料は、クロスウェーブフル
サイズ、クロスウェーブハーフサイズ、スペーサー、プラロード材料及
び地盤を傷付けない様にする為の土木シートを使用致します。最終的に
プラロード上部は車輌が通行出来る様に鉄板を敷並べた形が基本構造と
なります。クロスウェーブ材料詳細図及びプラロード積槽詳細断面図は
下図参照の事。
●クロスウェーブ製品詳細図
●クロスウェーブ積槽断面図(参考)
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2. プラロード式簡易仮設道路工法の設計
2-1 設計の基本方針
プラロード式簡易仮設道路工法の設計にあたり、長期間に渡り仮設道路及
び仮設置場の路盤材として機能を発揮出来る様に設計を行います。プラロ
ード式簡易仮設道路の施工幅は、一方通行の場合は幅を 5.0m とし敷鉄板幅
を 4.5mとする。又交互通行の場合は幅を6.0mとし敷鉄板幅を6.0mとする。
延長は本体工事に応じて敷設可能であり、N値 1以上の土地とします。プ
ラロード式簡易仮設道路に掛る鉛直荷重に関しては、許容応力度荷重 80kN/
㎡(T-25)未満の積載荷重を考慮して設計を行います。
解説
プラロード式簡易仮設道路工法は、仮設置場等で車輌が走行する場所でプ
ラロード式簡易仮設道路を設置する場合を除いて、一方通行の場合は設置
幅を 5m、交互通行の場合は幅 6mとします。一方通行での設置幅 5m、交
互通行での設置幅 6mを実施する事により鉄板からの落下を抑止します。鉄
板の設置幅に関しては設置幅 5m に対して鉄板敷設幅 4.5m、設置幅 6mに対
しては鉄板敷設幅 6mにする事により、鉄板がずれる事によって車輌が直接
プラロード上に乗り陥没する様な事故を抑止する事が出来ます。冒頭でも述
べましたが、N値1以下の土地に関しては地盤が安定しない為、プラロード
自体に浮力が発生し積槽したプラロードが崩壊を起こし車輌事故に発展す
る恐れがあります。また現地地盤を傷める形にもなります。設計の際は、上
記設置幅に対して鉄板の敷設幅の基準並びに、N値1以下は敷設できない基
準を必ず厳守する様にして下さい。
2-2 設計の手順
プラロード式簡易仮設道路工法の設計の手順として、①土質調査、②仮設
道路計画、③仮設道路内に関わる水路・畦部の措置計画、乗入れ部及び斜
路部のスロープ勾配計画、進行方向を変える場合の有無を検討、一般車輌通
行に関して検討行います。
解説
① 土質調査
土質調査により仮設道路設置範囲はN値1以上の地盤なのか確認。
②仮設道路計画
土質データを基に、N値1以上を踏まえた地盤上に仮設路を設計。並び
に本体工事に支障の無い仮設道路の位置を決定する。仮設道路位置決定
後、プラロード割付図を作成する。設置幅は一方通行の場合は設置幅 5m
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、交互通行の場合は設置幅 6mとし、延長は本体施工に応じた形状と
します。プラロード上で重機施工を検討している場合は T-25 荷重を越
えない施工を検討します。下図に参考平面図を記載。
a) 一方通行路:設置幅5m(参考平面図・断面図)
<参考平面図:一方通行の場合(設置幅 5mとする)>
<参考断面図:一方通行の場合敷鉄板は設置幅 4.5mとする>
プラロード仮設道路からの車輌が転落しない様に転落防止柵(単管バリケード)
を設置する事により、車輌の転落及び仮設路の位置が現場場内で明確に分かる。
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b) 交互通行路:設置幅6m(参考平面図・断面図)
<参考平面:交互通行の場合(設置幅 6mとする)>
<参考断面図:交互通行の場合敷鉄板は設置幅 6mとする>
一方通行同様に、プラロード仮設道路から車輌が転落しない様に転落防止柵(単
管バリケード)を設置し、車輌の転落防止を図る。
③ 仮設道路内に関わる水路・畦部の処理計画、乗入れ部及び斜路部の勾配計
画仮設道路を計画した場所に、水路を跨いでプラロード式簡易仮設道路を
設置する場合、水路の現状を崩さない形で水路部の補強を検討し設計を行
います。例として水路部の補強、畦部及び斜路部の勾配計画に関して、次
ページ図及び解説参照を願います。
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c)水路部の補強例
<水路部補強例>推奨:コルゲートによる補強
d) 畦部の補強例
<畦部>
畦部に関しては「撤去・復旧」を基本に仮設道路の設計を行う。畦部に関し
て撤去を行わない場合は仮設道路を畦部で止め、水路部同様に上部をまたぐ
形式をとります。水路の補強と同様に畦部を土嚢で補強をした上に鉄板を敷
き並べる形になります。
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e)斜路部の勾配計画
斜路部(乗入れ部も含めて)に関して大型車輌が通行可能な勾配とします。
15%以内の勾配であれば通常の大型車輌は走行が可能であります。斜路部に関
しても水路部及び畦(撤去しない場合)同様に鉄板下の空隙に関しては土嚢
等で充填をする様に図面に明記致します(車輌通行による鉄板沈下を考慮)
<斜路部の断面図例>
【15%以内のスロープ勾配について】
建設省、農林水産省では、土木工事仮設計画ガイドブック(Ⅱ)工事用道路よ
り、一般的に縦断勾配は工事用道路の設計速度に応じて定めるものであるが、
現場条件を考慮の上、最急勾配を 15%以下としています。
f)進行方向を変える場合の有無ついての検討
仮設道路で俗に言うカーブにより進行方向に変化が有る場合に、プラロードと
プラロードの間に隙間が出来ます。隙間が出来た場合は土嚢で充填をする様に
致します。
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g)一般車輌通行に関しての検討
一般車輌の通行に際して仮設道路の検討を行う。プラロード設置幅5mに関し
ては鉄板(滑り止め加工済)幅4.5m敷設、交互通行を行う際はプラロード設
置幅6mに対して鉄板(滑り止め加工済)幅を6mとする。又、歩行者通路を設
置する様御願い致します。下図に参考断面図を記載致します。
<参考断面図:一方通行(設置幅 5m)の場合>
敷鉄板設置幅 W=4.5m とする
<参考断面図:交互通行(設置幅 6m)の場合>
敷鉄板設置幅 W=6.0m とする
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3. 施工上の留意点
施工上の安全面について
プラロード式簡易仮設道路の施工上、安全に施工を行う為に気を付けなけ
ればならない点を補足致します。現場で施工される際は下記項目を厳守し
て施工を御願いします。
1) プラロード材料(クロスウェーブ)に関しては1枚辺りの重量が軽い為
人力及び手作業で設置する事が出来ます。設置する際に手を挟まれた
り、プラロード上部で作業を行う際に足元を滑らせ転倒する恐れがあ
りますので、作業する方は「手元」「足元」に十分注意して作業を行っ
て下さい。又、鉄板設置の際にも挟まれ等に十分注意して下さい。
2) プラロード材料(クロスウェーブ)は素材に再生ポリプロピレンを使
用しており熱に弱く、夏場は材料自体が伸び、冬場は材料自体が縮む
傾向、いわゆる伸縮を起こします。プラロード設置後に鉄板を敷き並
べた際に、鉄板のズレ留め溶接を行います。クロスウェーブ自体素材
が熱に弱い為、溶接により火種が出来、クロスウェーブを燃やしてし
まうおそれがあります(事故事例有り)。溶接の際は、クロスウェー
ブに引火しない様な措置(防火マット)をして作業を行って下さい。
又、消火器又は防火バケツを手元に置いて防火対策を必ず行って下さ
い。防火対策に関しては施工される業者様方で万全な体制で作業が出
来る形を現場で更に検討して頂きます様御願い致します。
3) 積載荷重 T-25(常時荷重)を厳守して下さい。規定以上の重量物がプ
ラロード式簡易仮設道路上に乗りますと崩壊を起こします。あくまで例
でございますが、止む負えず重量物を載せなければならない場合は敷鉄
板を2枚敷き積載荷重を分散させる方法もございます。その際は荷重計
算をきちんと行い十分な安全性を検討して下さい。
4) 水路部、斜路部、畦部に関しての渡し鉄板下の土嚢充填について、鉄
板の上に車輌が乗っても沈まない様、十分に充填する様に御願い致し
ます。段差等が出来ますと車輌事故に繋がる恐れがあります。
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