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超音波の音圧測定用部材に関する表面改質技術

事例紹介

――超音波とファインバブルによる表面残留応力の緩和処理技術――

はじめに
ファインバブルの現象には沢山の条件があり、
それぞれの影響が複雑に関連している。
その中に、影響の大きさに比べ研究が少ない事項が、水槽と液循環である。

この条件をファインバブルについて検討し、
超音波との組み合わせによる新しいファインバブル・超音波システムを開発した。

このシステムを使用して、超音波とファインバブルによる
「樹脂・金属の表面改質処理」を行っている。

その結果、超音波による、ファインバブルのウルトラファインバブル化を利用することで、
目的とする表面刺激(超音波伝搬状態)として、
最適化制御が可能な、「樹脂・金属の表面改質」が実現した。

特に、メガヘルツの超音波を適切に利用することで、大きな部品や、
金属粉末・・・における表面処理、
新しい表面状態の均一化効果・・・に発展している。

このカタログについて

ドキュメント名 超音波の音圧測定用部材に関する表面改質技術
ドキュメント種別 事例紹介
ファイルサイズ 3.6Mb
取り扱い企業 超音波システム研究所 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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超音波の音圧測定用部材に関する表面改質技術 Ver2 ――超音波とファインバブルによる表面残留応力の緩和処理技術―― 2024.7.9 超音波システム研究所 はじめに ファインバブルの現象には沢山の条件があり、 それぞれの影響が複雑に関連している。 その中に、影響の大きさに比べ研究が少ない事項が、水槽と液循環である。 この条件をファインバブルについて検討し、超音波との組み合わせによる新し いファインバブル・超音波システムを開発した。このシステムを使用して、超音 波とファインバブルによる「樹脂・金属の表面改質処理」を行っている。その結 果、超音波による、ファインバブルのウルトラファインバブル化を利用するこ とで、目的とする表面刺激(超音波伝搬状態)として、最適化制御が可能な、「樹 脂・金属の表面改質」が実現した。特に、メガヘルツの超音波を適切に利用する ことで、大きな部品や、金属粉末・・・における表面処理、新しい表面状態の均 一化効果・・・に発展している。
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1.何が問題か? 現在、超音波やファインバブルを利用した、表面残留応力の緩和処は幅広く利用 されているが、多数の問題がある。最大の問題は、対象物の表面全体に、ダイナ ミックな超音波刺激が行われていないことである。具体的には、対象物の表面 弾性波の伝搬特性に合わせた超音波の制御を、効率よく実現する手段が不十分 なことである。 問題点 1)対象物の振動特性の把握(音圧測定・解析・評価)が不十分 2)対象物の表面特性に合わせた、ファインバブルサイズの制御が不十分 (ファインバブルの安定した発生制御技術が必要) 3)水槽内のファインバブルサイズ分布制御が不十分(成り行き状態) (水槽内の液全体が循環する工夫が必要) 4)20μ以下のファインバブルが、水槽内で 80%以上にする必要がある (1μ以下のウルトラファインバブルが、水槽内で50%以上にする必要がある) 5)水槽のゆがみが大きく、超音波振動の制御・伝搬効率が不十分 (適切な使用により、1年程度で伝搬効率は2~4倍に変わります) 6)超音波の発振周波数と出力の最適化が不十分 (非線形現象の測定解析に基づいた制御が必要) 7)1日、1週間、1年・・を通して安定して、ファインバブルを利用できる 構造(システム)が不十分 (気圧、気温、湿度・・・環境による影響を考慮した対策が必要)
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特に、金属表面に対する適切な超音波刺激を実現する制御方法が採用されてい ないため、偶然(対象物、冶具、環境、気候の変化 等)に左右されているのが 実状である。 上記の、問題点を、超音波(音圧測定解析・発振制御)システムを利用すること で解決(対象に最適な超音波刺激を実現)し、効率の良い、 目的に合わせた「表面改質(残留応力の緩和)処理」が可能になった。 脱気ファインバブル発生液循環システム 超音波の音圧測定用部材に関する表面改質技術
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2.どのようにして解決するのか? 超音波とファインバブルの組み合わせ 2.1 ファインバブルの効果1 音圧測定解析に基づいた、適切な水槽(構造と製造方法)と適切な液循環により 水槽内の液、全体に20μ以下のファインバブルが均一な分布で実現する液循 環を行う。(液循環位置:ポンプの吸込・吐出と、ポンプのタイマー制御により 実現する ノウハウ:非線形現象の測定解析) 20μ以下のファインバブルによる液循環を、水槽サイズに合わせて、数時間~ 数日程度行うことで、水槽の大きなゆがみ除去と表面の均一化促進が実現する。 (適切なエージング処理が重要 20年以上問題なく継続使用できます)
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2.2 超音波とファインバブルの効果2 ファインバブルの効果1の後で、ファインバブルによる連続液循環を行いなが ら、出力20-30%程度で、超音波をタイマー制御(超音波のエージング処 理)する。ポイントは、超音波(音圧測定解析・発振制御)システムを利用して、 超音波振動子の表面について測定解析評価する。 以上により、均一な水槽、均一なファインバブル液循環、均一な超音波振動子の 超音波発振面が実現することで、各種制御による目的に合わせた超音波利用が 実現する。
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3. 新しい超音波による表面改質(残留応力の緩和)システム オリジナル超音波プロ-ブの製造技術により プローブの音響特性に基づいた、発振制御技術による 表面弾性波の非線形振動現象をコントロールする技術を開発した。 ポイントは、超音波素子表面の表面弾性波について 伝搬特性と利用目的に合わせた、超音波伝搬状態の最適化である。 そのために、 オリジナルプローブの超音波伝搬特性の動作確認 (音圧レベル、周波数範囲、非線形性、・・ダイナミック特性)による、 超音波伝搬状態に関するダイナミックな特性評価が重要である。
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特に、複数の超音波プローブ(あるいは素子)による、 超音波の送受信により、ダイナミックに変化する応答特性の測定・解析・評価が 必要である。(ポイント:高調波の非線形現象を確認評価すること) 機器の設置・接続状態と応答特性から、 音圧レベル・周波数・非線形性の利用・制御範囲を決定する。 現状では、以下の範囲について対応可能となっている。 超音波プローブ:概略仕様 測定範囲 0.01Hz~200MHz 発振範囲 0.5kHz~25MHz 伝搬範囲 0.5kHz~700MHz以上(解析により確認評価) 材質 ステンレス、LCP樹脂、シリコン、テフロン、ガラス・・・ 発振機器 例 ファンクションジェネレータ
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各種対象(水槽、振動子、プローブ、治具、対象物・・・)について 基本的な超音波の音響特性(応答特性、伝搬特性)を確認することで、 利用目的に合わせた、超音波伝搬状態を、発振制御により実現する。 2種類以上の非線形共振型超音波発振制御プローブによる、 スイープ発振、パルス発振・・の発振条件の設定により 高い音圧レベルの共振現象と、 高調波の発生現象(10次以上の非線形現象)による、 100MHz以上の高周波伝搬状態を、ダイナミック制御する。
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ダイナミック変動型の超音波伝搬制御を実現 事例1 超音波洗浄器 1)3MHz~20MHzのスイープ発振(矩形波 duty47%) 2)42kHz 35W(超音波洗浄器) 3)脱気ファインバブル発生液循環システム による、超音波のダイナミック制御(洗浄、攪拌、・・・) ――ペットボトルの超音波伝搬特性を利用した ステンレス部品の表面処理方法――
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事例2 超音波洗浄器 1)3MHz~20MHzのスイープ発振 2)40kHz 100W(超音波洗浄器) による、超音波のダイナミック制御(洗浄、攪拌、・・・) ――樹脂容器と超音波洗浄器の相互作用を 最適化したステンレス部品の表面処理方法―― (ポイント:樹脂容器の位置と固定方法)
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まとめ 2013年から、多数のメーカーに精密洗浄と表面処理の技術として、提案・提 供している。特に、自動車・プラント業界・・に於いて、2~3年経過した時点 (2015-2016)で、金属疲労強度の向上として高い評価が得られ、現在(2024)、 レンズ・半導体・医療機器・・・への提供を実現している。異質なジャンルや根 本的な学問(数学や哲学)を取り入れることで、今後ますます、メガヘルツの超 音波による表面弾性波の応用技術は飛躍すると感じる。 超音波の非線形振動現象の可能性を考え、700MHz以上の超音波伝搬現 象を利用した、新たな技術開発を検討していきたいと考えている。 参考文献 1) ダイナミックシステムの統計的解析と制御 :赤池 弘次/共著 中川 東一郎/共著:サイエンス社 2) 超音波工学と応用技術 :ベ.ア.アグラナート/[他]共著 青山 忠明/訳 遠藤 敬一/訳:日ソ通信社 3) 超音波入門(科学普及新書) :エリ・デ・ローゼンベルク 著, 上田光隆 訳 出版者 東京図書株式会社 出版年 1967
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参考 超音波<キャビテーション・音響流>制御技術を開発 http://ultrasonic-labo.com/?p=2950 超音波技術資料「イプロス 資料 2」 http://ultrasonic-labo.com/?p=17379 超音波技術資料(アペルザカタログ) http://ultrasonic-labo.com/?p=8496 キャビテーションと音響流の制御技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=2947 ウルトラファインバブルとメガヘルツ超音波の音響流制御技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=14443
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「脱気・マイクロバブル発生装置」を利用した超音波システム http://ultrasonic-labo.com/?p=1996 超音波洗浄器による<メガヘルツの超音波洗浄>技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=1879 ファインバブル(マイクロバブル)を利用した超音波洗浄機 http://ultrasonic-labo.com/?p=2906 <統計的な考え方>を利用した「超音波技術」 http://ultrasonic-labo.com/?p=3270 超音波現象と論理モデルの統合 http://ultrasonic-labo.com/?p=14726 抽象数学における、スペクトル系列を利用した超音波制御技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=1716
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以上