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超音波・ファインバブル(マイクロバブル)に関する基礎知識と発生メカニズム

事例紹介

球形サイズで 20μm以下の、ファインバブルを安定して利用する技術ーー超音波の音響流をコントロールするナノレベルの洗浄方法ーー

超音波・ファインバブル(マイクロバブル)に関する基礎知識と発生メカニズム

球形サイズで 20μm以下の、ファインバブルを安定して利用する技術ーー超音波の音響流をコントロールするナノレベルの洗浄方法ーー
 
1-1.超音波の基礎
1-2.超音波振動の伝搬現象
1-3.ファインバブル(マイクロバブル)

*マイクロバブルの性質*

1)10μm程度の気泡は1mをおよそ3時間かけてゆっくり上昇する。
2)発生した気泡同士は非合体で単独に存在することから、分散性に優れている。
3)水の中をゆっくりと浮上し、微小なゴミを吸着して水面に浮上させる性質をもっている。
・・・
13)マイナスの電位は水のpHに依存している。
14)マイクロバブルは超音波の散乱特性が優れている。
15)マイクロバブルは超音波照射の際に共振現象として崩壊する。

以上の性質は今後さらに解明されていくと思われますが、現状では不明な点を多く含んでいます

このカタログについて

ドキュメント名 超音波・ファインバブル(マイクロバブル)に関する基礎知識と発生メカニズム
ドキュメント種別 事例紹介
ファイルサイズ 8.5Mb
取り扱い企業 超音波システム研究所 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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スライド 1

超音波・ファインバブル(マイクロバブル) に関する基礎知識と発生メカニズム 2024.6.25 超音波システム研究所
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スライド 3: 超音波とマイクロバブル(ナノバブル・ファインバブル)

ポイント 洗浄システムとしての 「利用・応用技術」 プラントのプロセス制御のような、全体への視点が重要
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スライド 4

超音波・ファインバブル(マイクロバブル) に関する基礎知識と発生メカニズム 1-1.超音波の基礎 1-2.超音波振動の伝搬現象 1-3.ファインバブル (マイクロバブル)
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スライド 5: 超音波の基礎

「周波数が高くて耳に聞こえない音」 人間の耳で聴き取れる周波数は、16Hzから18,000Hzといわれ、 超音波はその可聴領域以上の高い周波数です。 痛みを感じる音 120dB やっと聞こえる音 0dB
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スライド 7: 物理・化学的反応 

*写真: 加速度効果で 引き伸ばされたキャビテーション* 超音波のキャビテーションは、慣れてくると見えます(ポンプの渦と同様です)
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スライド 8

超音波の性質 音の速さ (縦波) 空中: 340m/s 水中:1500m/s 氷:3000m/s 波の長さ(波長) 空中: 100kHzの場合 340/100000=0.34mm 水中: 100kHzの場合 1500/100000=15mm 氷 : 100kHzの場合 3000/100000=30mm 波の時間(周期) 100kHzの場合 1/100000=10μs(マイクロ秒) 40kHzの場合 1/40000=25μs(マイクロ秒) 音の強さ( 10log ) 強さ = パワー(出力) / 面積 音 圧( 20log ) 圧力 = 力 / 面積 音圧は強さの平方根に比例する 基準について 空中音響では人が聞こえる音 20μPa 水中音響では物理的基準 1μPa 参考:アルミニウム(弾性体) 音速 縦波:6400m/s 横波:3100m/s
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スライド 10: 洗浄液の物性:音速        洗浄液:水 振動子から液面までの標準高さ

<1波長=音速÷周波数 標準高さ= 1/2波長 * 整数 > 注:音速は液温・粘度により変化します 100kHzの場合、1500000(mm/秒)÷100000(Hz)=15mm・・1波長 半波長は、15mm÷2=約7.5mm  標準高さ 7.5mm*20=150mm 165mm 180mm 187.5mm 195mm・・・ 40kHzの場合、1500000(mm/秒)÷40000(Hz)=37.5mm・・1波長 半波長は、37.5mm÷2=約18.75mm  標準高さ 18.75*8=150mm 168.75mm 187.5mm ・・ 各振動子の正確な発振周波数に合わせることが重要です (例 40kHz製品の実際の周波数 37.8kHz・・)
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スライド 11

洗浄で使われる超音波 超音波振動の伝搬現象 a.液体 魚群探知機、赤ちゃんの診断・・・ 液体中を伝搬する超音波は 非常にわかりやすく便利です 理由は、以下の通りです 1)液中は縦波だけで検討できる 2)ほとんどの液体の音速は 1000-1500m/sの範囲に入る (従って、水の1500m/sは最大である)
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スライド 12: 水中の超音波 キャビテーション模様

デジタルカメラに対する注意: 超音波水槽の水面からも超音波が空中に照射・伝搬しています 水面に近づけすぎると、カメラの回路に故障が発生する場合があります 空中では超音波の減衰が大きいのですが 出来るだけ離れた所から、撮影するようにしてください
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スライド 13: 水中超音波 定在波

定在波: 進行方向が逆向きの波が重なり、波形が進行せず、 その場に止まって振動しているようにみえる波動。 *写真:目的に合わせた超音波(定在波)の制御*
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スライド 14

洗浄で使われる超音波 超音波振動の伝搬現象 b.気体 気体中を伝搬する超音波は 大きな減衰とともに複雑です 理由は、 1)もの(弾性体)の表面は気体に包まれています 2)境界面はインピーダンスの違いにより 超音波の<透過・反射・屈折>が起きます 現実として 洗浄水槽の表面、洗浄液の液面、・・・ 超音波が複雑に変化しています (複雑な変化を、洗浄効果として利用した成功事例があります)
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スライド 15: 空中の超音波

空中の超音波は減衰が大きい
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スライド 16

洗浄で使われる超音波 超音波振動の伝搬現象 c.弾性体 物の表面を伝搬する音は、 骨伝導・探傷・・・ 実用化されていますが 学習する機会(書籍、大学、セミナー・・)が 非常に少ない状況です 理由は以下の通りです 1)地震の研究に見られるように複雑で難しい (重畳性、縦波・横波、モード変換・・・) 2)形状、表面、端部、構造、強度、硬度・・・・ 結合、接触、・・・により大きく変化するため 対象物に対する一般論は難しい (十分な理解でなくても、学習した分だけ洗浄技術は発展すると考えています)
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スライド 18

ファインバブル マイクロバブル マイクロバブルの効果は 溶存気体濃度に関する、液体の均一化と 液体の浄化(液体に溶存しているコンタミ除去)です 原理は、マイクロバブルの拡散性と 汚れを付着して浮上する性質の利用です 不均一な洗浄液での各種洗浄方法では バラツキの発生は対処が難しく費用が膨らみます めっき液、各種溶剤、・・・大きな成果実績があります
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スライド 19

*マイクロバブルの性質* ノウハウ 1)10μm程度の気泡は1mをおよそ3時間かけてゆっくり上昇する。 2)発生した気泡同士は非合体で単独に存在することから、分散性に優れている。 3)水の中をゆっくりと浮上し、微小なゴミを吸着して水面に浮上させる性質をもっている。 4)マイクロバブルに強い超音波をあてると微細な泡は70度にまで発熱。 その熱を使ってがん細胞を焼くという挑戦が始まっている。 5)マイクロバブルは自ら収縮し、より小さい「ナノバブル」に変化するという重要な性質がある。 6)ゆるやかな流動と広範囲の拡散特性を有する。 7)固有の物理化学的特性を有する。 8)生体に対して生理活性を誘起する。 9)有機物の混入は、泡の界面の粘性を増加させ、泡の寿命を長くする。 10)マイクロバブルのほとんどは、マイナスの電位を有している。 11)一般に温度が低いほど発生量は多く、高くなると少なくなる。 12)マイクロバブルの圧壊の過程で水中のイオン類が気泡周囲に濃縮することで、静電気的 な反発力を生じ、気泡が完全に消滅することを抑制している。(マイクロバブルの圧壊とは、物 理的な刺激(水の流動過程で生じる圧縮や膨張、渦流等)を加えることでマイクロバブルが急 激に断熱圧縮する現象であり、超高圧・超高温の極限反応場を形成する。 この極限反応場により周囲の水分子が分解されて・OHなどのフリーラジカルを形成する。) 13)マイナスの電位は水のpHに依存している。 14)マイクロバブルは超音波の散乱特性が優れている。 15)マイクロバブルは超音波照射の際に共振現象として崩壊する。 以上の性質は今後さらに解明されていくと思われますが、現状では不明な点を多く含んでいます
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スライド 20: 参考:ファインバブル学会連合

2013年に国際標準化機構(ISO) (本部:ジュネーブ(スイス))にて 「ファインバブル技術専門委員会」が設立され、 これらの“微細な気泡”の定義や規格化が検討されています。こ こで世界各国からの代表者による合議により、 球相当直径が100マイクロメートル以下の気泡を 「ファインバブル」と呼び、 その他の気泡とは区別されました。 さらにその内訳として、 直径が1~100マイクロメートルの気泡を 「マイクロバブル」 直径が1マイクロメートル以下の気泡を 「ウルトラファインバブル」 と呼ぶことで統一されることになりました。 コメント:サイズ分布の視点が不足していると考えます(斉木)