超音波洗浄の基礎と活用事例・トラブル対策
【オンラインセミナー】 講師:超音波システム研究所 斉木
はじめに::洗浄の現実と対策 3頁
1.洗浄の基礎知識 14頁
2.各種動画による説明 51頁
3.洗浄で使われる超音波 61頁
3.1 超音波の利用ノウハウ(液循環) 106頁
3.2 超音波振動の伝搬現象 115頁
3.3 キャビテーションと音響流 123頁
4.洗浄事例(めっき処理 他) 136頁
□ 質疑応答□
参考資料 5.精密洗浄事例(シャワー洗浄 他) 149頁
参考資料 6.洗浄・攪拌システム 153頁
参考資料 7.洗浄の問題解決テクニック 175頁
参考資料 8.超音波洗浄における、洗浄対象物について 190頁
まとめ 198頁
はじめに 洗浄の現実と対策
適切な、学習・実験・検討による
経験の積み重ねが洗浄レベルの向上に結び付く
「超音波洗浄機・キャビテーション・・により洗浄できる」
と言った単純な考え方では洗浄の改善はできない
1:超音波洗浄の主要因は非線形現象(音響流)である
2:目的に有効な超音波の測定・解析・確認が重要
3:洗浄プロセスのシステムとしての対応が重要
脱気・ファインバブル(マイクロバブル)発生液循環装置
洗浄液を均一な(溶存気体濃度の分布)状態にすることで
超音波が水槽内の液体全体に、均一に効率よく伝搬する
吐出力の高いポンプの、吸い込み側のホースを絞る
安価なポンプの利用でファインバブルは簡単に発生する
適切な液循環の実現には総合的な技術が必要
1)超音波洗浄の主要因は、音響流(非線形現象)
音響流のダイナミック制御が超音波洗浄技術
2)現状への応急対策
現状の洗浄装置に、非線形振動現象を追加する
*洗浄液の均一化(5-6万円程度のマグネットポンプ)
*低価格の機器(超音波発振システム)により
変化するメガヘルツの超音波を追加する
洗浄効果の大きい非線形振動の伝搬を実現する
3)恒久対策
洗浄物・洗浄水槽・洗浄液・・・洗浄目的に合わせた
制御条件(超音波、ポンプ、搬送装置、・・)と
超音波の伝搬条件(キャビテーション・音響流)の最適化
を統計数理に基づいて追求し続ける
(統計数理の継続的な学習が必要)
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スライド 7: 現状の超音波洗浄機の改善
非線形振動現象の制御システム
1:脱気ファインバブル発生液循環装置
2:水槽・振動子の表面処理(表面残留応力の緩和)
3:メガへルツの超音波利用
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スライド 12: 超音波利用の考え方
1)超音波の複雑な現象は誰も正確に理解していない
2)どのような 超音波現象も、調べるときりがない
3)超音波利用に対する
独自の対象物・加工方法・・・を考慮した
オリジナルの利用技術開発を行う
4)実験・検討・経験・学習・・・
(メーカや識者・各種情報・・に迷わされなければ)
必ず、未知の部分への挑戦になります
従って 自分で考え追及する ことが必要
例 超音波を減衰させる効果を組み合わせることで、
減衰対策が実現できる場合もあります
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スライド 13: 超音波洗浄の考え方2 洗浄物の振動特性に合わせた超音波制御を実現する
対象物の、音響特性
1)伝搬周波数特性 2)音圧レベルの減衰特性 3)高調波・低調波の発生特性
上記に基づいて、効果的な超音波洗浄機の利用方法を考案
1)発振周波数・発振出力 2)制御方法 3)効果的な治工具、効果的な洗浄方法
1.洗浄の基礎知識
(1).洗浄の目的と原理
(2).洗浄のエネルギー
a.汚れと付着力
b.洗浄と表面エネルギー
(3).洗浄の方法
a.物理作用 b.化学作用
c.マイクロバブル(ファインバブル)
(4).一般的な洗浄プロセス
(5).洗浄液(洗剤、溶剤、・・・)
(6).洗浄効果の確認・評価方法
(7).洗浄システムの具体例
1.洗浄の基礎知識
(1).洗浄の目的と原理
どのような製品・部品・材料・・の
どのような汚れ・コンタミ・パーティクル・・を
どのような洗浄レベル・表面状態・・・に
どのような時間・費用・操作・・・で
どのような装置・システム・作業・・を通して
実現するのかということを
検討・確認して「表現する」ことが重要です
この「表現(言葉による説明)」に基づいて
洗浄原理(論理モデル)、装置設計、
システム開発・・・・各種作業内容が決まります
(例 クリーンルームのクラス選定・・は上記の検討から導かれます)
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スライド 16: 〔1〕洗浄の目的と原理
洗浄目的を具体的に掘り下げることが
洗浄の改善につながります
研究レベルと大量生産ラインでの洗浄で考えると
必要な洗浄目的に関する 詳細な優先順位が決まります
具体例
洗浄レベル
(全体、部分、バラツキ、・・)
次工程の歩留まり
(安定性、作業者、季節、時間・・)
評価・確認方法
数値化できない場合は
標準見本・・・
ポイント
目的と評価方法の検討
洗浄とは、
洗浄物から汚れを除去すること 写真上:洗浄でドリル先端が欠けた事例
定義1(一般的な洗浄)
洗浄とは、洗浄対象に対する作用により、
発生する現象で、洗浄物から汚れを除去すること
洗浄現象は大変複雑です
洗浄に関連した部分は、
ほとんど解明されていません
簡易的に、
実験・確認を行うことが
重要です 写真上:洗浄で角が丸くなった事例
洗浄とは、洗浄物から汚れを除去すること
定義2(理想的な洗浄)
洗浄とは、汚れが除去された被着体の
表面性が満足される状態になるようにすること
洗浄とは、洗浄物から汚れを除去すること
定義3(洗浄の原理)
洗浄には、物理作用と化学作用による
2種類の要素がある 、
物理作用は各種の物理力(キャビテーション、水の流速、・・)
特に、洗浄液の振動により洗浄を行うこと、
化学作用は水や洗浄液の化学反応により洗浄を行うこと
注:現実は複合作用
*写真:瓶のラベルを乳化して洗浄*
1.洗浄の基礎知識
(2).洗浄のエネルギー
a.汚れと付着力
b.洗浄と表面エネルギー
現実的には、不明な状況での取り組みが多い状況です
しかし、確実に
洗浄レベルの向上、継続的な改善・・・
を実現していくためには
「不明」という設定から始めて
「**成分の汚れ」「金属粉末の汚れ」・・・
の記録をもとに
推測・想定することが重要です
(その結果、オリジナルの洗浄システムにつながっている事例が多数あります)