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空中超音波制御(表面弾性波の非線形振動現象)による表面刺激-Ver2

事例紹介

超音波伝搬状態の最適化技術による空中超音波の非線形発振制御システム

技術の進化とともに、
新しい応用や組み合わせの可能性が大きく広がっている
特に、超音波の伝搬特性に基づいた分類方法を取り入れることで、
超音波という技術は、新しい利用方法が飛躍すると感じる
超音波の可能性を考え、
超音波技術の抽象代数学モデルを利用して、
自由な超音波に対する発想により、
新たな技術:空中超音波制御(表面弾性波の非線形振動現象)による表面刺激を実現している

注:解析には下記ツールを利用します
注:OML(Open Market License)
注:TIMSAC(TIMe Series Analysis and Control program)

超音波の伝搬特性
1)振動モードの検出(自己相関の変化)
2)非線形現象の検出(バイスペクトルの変化)
3)応答特性の検出(インパルス応答の解析)
4)相互作用の検出(パワー寄与率の解析)

注:「R」フリーな統計処理言語かつ環境
 autcor:自己相関の解析関数
 bispec:バイスペクトルの解析関数
 mulmar:インパルス応答の解析関数
 mulnos:パワー寄与率の解析関数

このカタログについて

ドキュメント名 空中超音波制御(表面弾性波の非線形振動現象)による表面刺激-Ver2
ドキュメント種別 事例紹介
ファイルサイズ 3.3Mb
取り扱い企業 超音波システム研究所 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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空中超音波の応用 空中超音波制御(表面弾性波の非線形振動現象)による表面刺激 超音波システム研究所 斉木和幸 写真1 空中超音波伝搬(発振 500kHz 5V) ■ はじめに 超音波の伝搬にはたくさんの条件があり、それぞれの影響が複雑に関連している。その 中に、影響の大きさに比べ研究が少ない事項が、空中超音波のダイナミックな伝搬現象 である。この特性を対象物への空中超音波伝搬現象として検討し、超音波のダイナミッ ク特性を解析・評価する新しい評価パラメータ(発振・受振に関する相互作用)を開発 した。超音波テスター(オリジナル音圧測定解析システム)を利用したこれまでの計測・ 解析により、超音波伝搬現象に関する各種の相互作用・応答特性(注)を検討(統計処 理)することで、空中超音波の伝搬状態と各種機器の構造と表面の状態に関する評価に 関する方法(非線形振動現象の解析評価技術)を開発した。 注:パワー寄与率、インパルス応答・・・ 現在、この超音波システムを応用して、超音波による表面検査を実施している。 その結果、目的とする超音波伝搬状態に対して伝搬状態の判断が可能な、測定条 件の最適化技術による空中超音波の非線形発振制御システムが実現した。 1
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■1)何が問題か? 現在、超音波は幅広く利用されているが、多数の問題がある。 最大の問題は、ダイナミックな測定・評価方法がないために 超音波伝搬状態に関する、適切な状態・表現が明確になっていないことである。 偶然(対象物、表面弾性波、相互作用、非線形現象、発振回路、発振波形、インパクト、 共振、干渉、冶具、設置条件、環境、気候の変化 等)に左右されているのが実状である。 この問題を、 超音波テスター(オリジナル音圧測定解析システム)を応用した、 超音波溶接、超音波加工、超音波溶着、超音波攪拌・・の成功経験に基づいた「表面弾 性波の測定解析技術」と、複数の超音波を利用したダイナミック超音波洗浄制御システ ム開発の成功経験を利用した「抽象代数学の論理モデルに基づいた、時系列データの解 析技術」を組み合わせることで「超音波伝搬に関する非線形振動の伝搬特性」を利用す ることで解決し、対象に伝搬する空中超音波の特徴を評価することが可能になった。 写真2 超超音波測定プローブ 写真3 超音波発振制御プローブ 2
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■2)どのようにして解決するのか? 新しい超音波の測定解析システム技術 超音波伝搬状態の測定解析による、超音波のダイナミック特性の利用技術 <超音波伝搬状態の発振・測定・解析システム> *測定周波数の範囲 仕様 0.1Hz から 200MHz *表面の振動計測が可能 *24時間の連続測定が可能 *任意の2点を同時測定 *測定結果をグラフで表示 *時系列データの解析ソフトを添付 測定方法 超音波プローブを対象物に取り付けて発振・測定を行う。 測定したデータについて、位置や状態と、弾性波動を考慮した解析で、 各種の音響性能として検出する。 超音波発振制御プローブ:概略仕様 測定範囲 0.01Hz~200MHz(測定電圧 0-20V) 発振範囲 0.1kHz~25MHz(発振電圧 0-20V) 伝搬範囲 0.5kHz~700MHz以上 材質 ステンレス、LCP樹脂、シリコン、テフロン、ガラス・・・ 発振機器 例 ファンクションジェネレータ 発振方法 対象物・・の音響特性に対応した制御設定を行う その結果、オリジナル非線形共振現象のコントロールにより 目的に合わせた超音波伝搬状態を実現する。 図1:超音波測定データ(非線形発振制御による空中送受信データ) 3
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図2:超音波測定データの解析結果 超音波テスター(オリジナル音圧測定解析システム)による 超音波の音圧測定・解析 1)時系列データに関して、 多変量自己回帰モデルによるフィードバック解析により 測定データの統計的な性質(超音波の安定性・変化)について解析評価する 2)超音波発振による、発振部の発振による影響を インパルス応答特性・自己相関の解析により対象物の表面状態・・に関して 超音波振動現象の相互作用として解析評価する 3)発振と対象物(洗浄物、洗浄液、水槽・・)の 相互作用をパワー寄与率の解析により評価する 4)超音波の利用(洗浄・加工・攪拌・・)に関して 超音波効果の主要因である対象物(表面弾性波の伝搬) あるいは対象液に伝搬する超音波の非線形(バイスペクトル解析結果)現象により 超音波のダイナミック特性を解析評価する この解析方法は、 複雑な超音波振動のダイナミック特性を時系列データの解析手法により、 超音波の測定データに適応させる、これまでの経験と実績に基づいて実現している。 超音波の伝搬特性 1)振動モードの検出(自己相関の変化) 2)非線形現象の検出(バイスペクトルの変化) 3)応答特性の検出(インパルス応答の解析) 4)相互作用の検出(パワー寄与率の解析) 4
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図3:超音波伝搬状態のダイナミック特性(バイスペクトル) 以上の技術を基礎として 空中超音波伝搬状態の測定解析評価を実現させる 図4:超音波伝搬状態のダイナミック特性(インパルス応答) 5
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■3)どうして新しい超音波システムなのか? 超音波システムの特徴 機械設計技術(材料力学、流体力学、熱力学、加工工学、振動工学、・・) 制御設計技術(自動制御工学、システム工学、統計学、プログラミング・・) 上記により、 現状では検出・解決が難しい 超音波伝搬状態のダイナミック特性を検出する 測定パラメータの最適化 圧電素子の表面特性と、発振超音波の特性(周波数、出力・・)について 相互作用による不安定な影響を最小限にする 特に、超音波プローブの超音波を送受信する部分は、表面状態を調整することで 目的に応じた様々な特性が検出可能になる 実用的な最適化として、 測定条件(サンプリング時間の設定)を実験確認により決定する 写真4:超音波プローブ(発振用、受信用) 写真5:150kHzの線形空中超音波伝搬 6
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写真6:250kHzの非線形空中超音波伝搬 図5:非線形空中超音波送受信データ ■4)<具体例> 以上による空中超音波の利用に関して 伝搬する超音波のダイナミック特性を考えた場合、 技術として最も重要な事項は 対象物と超音波プローブの送受信部の形状・材質・製造方法・・と、 対象物の超音波振動に関する相互作用である 測定解析評価により、影響の小さい方法を採用することが必要であるが、 様々な測定評価事例から、測定環境条件による変化を利用することで 簡単に解決できることが分かった。以下具体的な事例を紹介する。 7
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物による空間の変化を音圧データ解析(バイスペクトル)で検出 写真7-9 音圧データ測定解析 8
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解析結果(バイスペクトルの変化)を利用するために、目的の表面状態に対して 評価基準値を(統計数理に基づいて)設定することで、簡単に検出評価(注)が実現で きる 注:具体的な対象に関する各種条件(素材、加工、サイズ・・)に合わせた設定が必要 となる より精密に行うためには、解析結果の内容に自己相関・パワースペクトルを追加する さらに、応答特性(インパルス応答、パワー寄与率・・)に関する解析結果を追加する ことで、ユニークな空間特性の検出が可能となる 写真10:非線形発振制御技術 9
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<< 空間超音波に関するまとめ >> 音響特性として「空間の複雑さ」を超音波伝搬状態の音圧データ解析結果で定義する その結果 1:空間の構造が複雑で、目的とする超音波発振がシンプルな場合 空間への超音波伝搬状態は制御しやすいが 高周波の伝搬制御は難しい (このような場合、配管・壁・・・による制御が有効) 2:空間の構造がシンプルで、目的とする超音波発振が複雑な場合 空間への超音波制御は難しいが 高周波(高調波)の伝搬は実現しやすい (このような場合、超音波の発振制御が有効) 3:空間の構造が複雑で、目的とする超音波発振が複雑な場合 (現実的な場合) 超音波の、発振・受振に関する相互作用を測定し、 測定データの非線形解析により 超音波の伝搬特性を評価する 上記の評価に基づいて、発振波形・出力・制御・・を設定 目的に応じた、超音波の伝搬状態が実現出来る 上記のように 超音波計測・解析により 空間の構造・・・諸条件・・を推定し 超音波利用を決定することが可能となる 注意 超音波の測定・解析に関して サンプリング時間・・・の設定は オリジナルのシミュレーション技術を利用している( オリジナルノウハウ ) 写真11:超音波発振計測解析システム 10
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■ システムの概要 超音波の測定解析:超音波テスター オシロスコープ、超音波測定プローブ、解析システム 超音波の発振 ファンクションジェネレータ、超音波発振制御プローブ、超音波発振シミュレーション 写真12:超音波の発振測定システム 11
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■ 空中超音波制御(表面弾性波の非線形振動現象)による表面刺激 技術の進化とともに、新しい応用や組み合わせの可能性が大きく広がっている 特に、超音波の伝搬特性に基づいた分類方法を取り入れることで、超音波という技術は、 新しい利用方法が飛躍すると感じる 超音波の可能性を考え、超音波技術の抽象代数学モデルを利用して、自由な超音波に対 する発想により、新たな技術:空中超音波制御(表面弾性波の非線形振動現象)による表 面刺激を実現している 図6:超音波の分類 写真13:空中超音波を利用したシステム 12
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写真14:空中超音波を利用したシステム 写真15:空中超音波を利用したシステム 13
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写真16:空中超音波を利用したシステム 参考書籍 1)ダイナミックシステムの統計的解析と制御 赤池 弘次 (著), 中川 東一郎 (著) 出版社: サイエンス社(1972) 2)叩いて超音波で見る―非線形効果を利用した計測 佐藤 拓宋 (著) 出版社: コロナ社 (1995) 3)弾性波動論の基本 田治米 鏡二 (著) 槇書店 (1994) 参考情報 超音波の応答特性を利用した、表面検査技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=10465 超音波を利用した「振動計測技術」 http://ultrasonic-labo.com/?p=16046 超音波技術:フィードバック解析 http://ultrasonic-labo.com/?p=15785 オリジナル超音波プローブ http://ultrasonic-labo.com/?p=8163 超音波の音圧測定解析システムの製造技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=18021 音圧測定解析システム(100MHzタイプ) http://ultrasonic-labo.com/?p=17972 超音波の音圧測定解析 http://ultrasonic-labo.com/?p=17849 ファインバブルと超音波による、表面処理技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=18109 超音波とファインバブル(マイクロバブル)による洗浄技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=18101 超音波による、ナノレベルの攪拌・乳化・分散・粉砕技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=17339 14
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追加写真資料(2024.5.3) 15
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超音波「音圧測定解析装置(超音波テスターNA)」 http://ultrasonic-labo.com/?p=1722 超音波発振制御システム(20MHz) http://ultrasonic-labo.com/?p=18817 超音波システム(音圧測定解析、発振制御)の利用技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=16477 以上 17