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―音圧データの非線形解析(バイスペクトル)に基づいた振動特性調査―
■ はじめに
超超音波システム研究所は、0.1Hz~300MHzの振動測定評価を可能にする、超音波プローブを2012年に開発し、様々な振動測定に利用して来た。振動現象に関するのダイナミック特性を解析・評価する新しい評価パラメータ(発振・受振に関する相互作用)を開発した。超音波テスター(オリジナル音圧測定解析システム)を利用した計測・解析は、振動伝搬現象に関する各種の相互作用・応答特性(注)を検討(統計処理)することで、低周波と高周波の相互作用がダイナミックに変化する振動現象の有効利用(洗浄、加工、攪拌、溶接、・・・自動車、半導体、食品、インフラ、鉄道、造船・・・)に関して、新しい振動伝播制御方法(非線形振動現象の解析評価技術)として実用化している。
今回、新型切削ドリルに関して、切削性能が非常に高いと言うことで、類似製品との比較測定を行い、新型切削ドリルの振動特性を明確にした。
このカタログについて
ドキュメント名 | 超音波を利用した、機械加工振動の計測技術 |
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ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 2Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 超音波システム研究所 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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超音波を利用した、機械加工振動の計測技術
―音圧データの非線形解析(バイスペクトル)に基づいた振動特性調査―
超音波システム研究所 斉木和幸
図1 工作機械の振動測定
■ はじめに
超超音波システム研究所は、0.1Hz~300MHzの振動測定評価を可能にする、
超音波プローブを2012年に開発し、様々な振動測定に利用して来た。振動現象に関
するのダイナミック特性を解析・評価する新しい評価パラメータ(発振・受振に関する
相互作用)を開発した。超音波テスター(オリジナル音圧測定解析システム)を利用し
た計測・解析は、振動伝搬現象に関する各種の相互作用・応答特性(注)を検討(統計
処理)することで、低周波と高周波の相互作用がダイナミックに変化する振動現象の有
効利用(洗浄、加工、攪拌、溶接、・・・自動車、半導体、食品、インフラ、鉄道、造
船・・・)に関して、新しい振動伝播制御方法(非線形振動現象の解析評価技術)とし
て実用化している。
今回、新型切削ドリルに関して、切削性能が非常に高いと言うことで、類似製品との比
較測定を行い、新型切削ドリルの振動特性を明確にした。
写真1 振動測定:超音波測定用プローブ
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測定方法
超音波プローブを振動測定対象物に取り付けて振動測定を行う。
測定したデータについて、位置や状態と、弾性波動を考慮した、各種の解析で、
振動の伝搬状態(振動特性)として検出・評価する。
新型切削ドリルの実験結果 振動測定1(高周波成分の検出)
実験方法
超音波測定用(汎用)プローブを工作機械に取り付けて
非加工状態で、超音波プローブに伝搬する振動を計測・解析する
非加工状態:標準設定によるドリルの回転状態
<実験結果:音圧測定データ>
グラフ上 縦軸:電圧(100~-100mV) 横軸:時間(0-20ms)
グラフ下 縦軸:エネルギー(-20~-120dBu) 横軸:周波数(0-1MHz)
図2:音圧測定データ(切削ドリル)
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<音圧データ解析結果1:非線形現象の検出>
自己相関 横軸:Lag(最大153)
バイスペクトル 横軸:周波数(最大1MHz)
図3:音圧データ解析結果(切削ドリル)
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<音圧データ解析結果2:ダイナミックな変化(自己相関・バイスペクトル)>
矢印は20msの時間経過
図4:音圧データ解析結果(新型切削ドリル:非線形現象のダイナミックな変化)
写真2:低周波(0.1Hz~)の振動測定用超音波プローブ(特別タイプ)
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■結果 <新型切削ドリルの特徴>
1)500kHz以上の超音波が伝搬する
2)非線形現象(高調波)を発生する構造がある
3)高調波のダイナミックな変化(注)が実現する
注:比較対象製品では発生しない
表1:実験結果(切削ドリル)
図6:音圧データ解析結果(切削ドリル)
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「超音波テスターNA」(オシロスコープ100MHzタイプ)
写真3:振動測定用具の概要写真:超音波テスター100MHzタイプ
■ まとめ
新型切削ドリルの振動発生・伝搬特性は、これまでに無い新しいダイナミックな変
化(振動が次の振動)を発生させている。
新型切削ドリルの技術は、超音波との組み合わせにより、新しい切削加工技術とし
て飛躍する可能性がある。
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参考書籍
1)赤池 弘次 (著), 中川 東一郎 (著) ダイナミックシステムの統計的解析と制御
出版社: サイエンス社(1972)
2)佐藤 拓宋 (著) 叩いて超音波で見る―非線形効果を利用した計測
出版社: コロナ社 (1995)
3)田治米 鏡二 (著) 弾性波動論の基本
出版社: 槇書店 (1994)
超音波を利用した「振動計測技術」
http://ultrasonic-labo.com/?p=16046
超音波の非線形現象を評価する技術
http://ultrasonic-labo.com/?p=13919
超音波制御技術(オリジナル超音波プローブ)
http://ultrasonic-labo.com/?p=16309
超音波の音圧測定・解析システムと超音波発振制御システム
http://ultrasonic-labo.com/?p=1546
超音波発振システム(1MHz、20MHz)
http://ultrasonic-labo.com/?p=18817
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Page8
参考
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以上
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