特開 2021-171909 超音波加工 ver2.0
2023.11.21 超音波システム研究所
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【書類名】 特許請求の範囲
【請求項1】
機械加工において、対象物の表面を伝搬するメガヘルツの超音波振動を利用
することで、刃物と加工対象物の接触部に加工油が均一に広がることが実現
し、加工面と刃物に対して急激な負荷(応力・温度)を発生させない(精度
の高い加工物と長寿命の刃物の状態を実現する)超音波加工方法
【請求項2】
【請求項1】の超音波加工に関して
複数あるいは一つの超音波発振部材は、加工油の流れる部分に取り付け、超
音波の発振設定に関して、加工油・加工対象物・刃物の振動モードを考慮し
て、低周波(100kHz以下)の共振現象を発生させないように超音波発
振制御する超音波加工方法
【請求項3】
【請求項2】の超音波加工方法に関して、
低周波の共振現象を発生させない超音波伝搬状態(音圧、周波数、変化)を、
音圧データ(周波数範囲 0.01Hz~1GHz)の測定解析
(自己相関、バイスペクトル、パワー寄与率、インパルス応答)に基づいて
超音波制御設定する超音波加工方法
【請求項4】
【請求項3】の超音波加工方法に関して、
複数の異なる、1メガヘルツ~数メガヘルツのスイープ発振により
非線形振動現象と各種部材(加工機械・加工対象・加工油・・)の
相互作用について、音圧データ(測定解析周波数範囲 0.1Hz~
1GHz)に基づいて、20メガヘルツ以上の超音波伝搬周波数が、
主要伝搬周波数成分となる状態を実現した超音波加工の最適化方法
【請求項5】
【請求項4】の超音波加工に関して、
超音波の発振部材を、加工油のタンクに取り付ける、あるいはタンク内に
超音波発振プローブを入れるようにしたことを特徴とする
超音波加工方法
【請求項6】
【請求項5】の超音波加工に関して、
加工以外に、研磨、コーティング・・・表面処理に適用させた
超音波利用方法
【書類名】 明細書
【発明の名称】超音波加工
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械加工に関して、超音波振動現象を利用するための
超音波加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機械加工の超音波利用に関して、従来は18~50kHz範囲の超音波を
加工時に伝搬させて超音波加工処理として利用している。
【0003】
実際に、加工対象物の加工部は、刃物と加工油と加工部が接触する瞬間の
各種(振動・接触面積・応力・温度・・・)変化・バラツキが大きく、サ
ブミクロンの加工では、超音波振動による共振現象が起きている。その結
果、表面に低周波の振動モードに応じた表面の不均一化・バラツキが発生
し、均一な加工面にならない原因となっている。
【0004】
本発明の、超音波加工は、周波数がメガヘルツの超音波発振制御を、利用
することで、加工部に、20MHz以上の超音波振動が
主要超音波伝搬成分となるようにする。
【0005】
特に、単純な超音波発振では、低周波の共振現象の発生により
より大きな接触面積のバラツキを発生させる原因になる。
加工システム全体の振動現象を超音波の音圧データ解析により
検出することで、超音波の非線形現象に基づいた
効率の良い超音波加工(伝搬)状態をコントロール(実現)できる。
【0006】
加工状態のコントロールに関して
従来では、加工と振動現象について、刃物や加工対象物の周波数成分の変
化について測定解析評価が行われていなかった。特に、非線形現象の解析
(バイスペクトル)により加工状態と振動現象(発振制御)に関する対応
が可能になる。
【0007】
本発明では、0.1Hz~100MHz範囲の振動現象(音圧データ)を
解析管理(自己相関、バイスペクトル、パワー寄与率、インパルス応答)
することで、各種の加工に関する超音波制御設定事項を最適化する。
100Hz以下の振動計測により、加工機械の振動状態を評価することで
機械の設計・設置方法に関する問題を検出・改善できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】 【特許文献1】 特開 2014-037012
【特許文献2】 特許 5643882
【特許文献3】 特開 2006-281419
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
機械加工現象について、メガヘルツの超音波振動を利用することで
加工結果と超音波発振制御の関係を明確にして
超音波を効率よく効果的に加工に利用できるようにすること。
【課題を解決するための手段】
【0011】
加工部(刃物・加工油・加工対象部)に超音波振動を伝搬させるために
加工機(作業台・加工油が流れる部分・・)に
超音波発振制御プローブを取り付ける。
【0012】
加工対象物の加工される部分に、
共振現象の発生を押さえたメガヘルツの超音波振動を伝搬させるために、
音響特性を確認している加工装置(加工対象物、加工機械、治具・・)に、
非線形現象(バイスペクトルのダイナミック変化)を発生させる、
超音波のスイープ発振制御設定を行う。
【0013】
【0012】の超音波発振制御により、加工部に、
20MHz以上の超音波が超音波伝搬振動の主要の伝搬成分になる状態
を実現し、音圧データを解析・管理することで、加工対象物の目的(精度、
効率、・・)に合わせて最適化する。
【発明の効果】
【0013】
【図1】加工時の音圧測定データ
グラフ上 縦軸:音圧 V 横軸:時間 μs
グラフ下 縦軸:パワー dBu 横軸:周波数 MHz
【図2】超音波加工時の音圧測定データ
【図3】超音波加工(イラストモデル)
【図4】超音波加工実施例
図面番号の説明
① 加工用の刃物 ②加工対象物 ③加工油 ④超音波発振プローブ
⑤超音波発振機 ⑥加工装置の土台 ⑦音圧測定プローブ
⑧音圧モニター
【書類名】 要約書
【要約】
【課題】
機械加工時・加工部(刃物・加工油・加工表面)の各種管理が難しく、加工後、
加工表面残留応力のバラツキにより、精度、強度(特に、金属疲労強度)の低下・
表面の不均一化・・が発生する。
【解決手段】
加工について、超音波の振動を、共振現象を押さえて伝搬するようにしたことで、
加工時の加工油の流動性を含めた加工時の温度変化が安定的になり、刃物と加工
表面の状態が安定する。特に、超音波制御設定により、表面振動のバラツキを押
さえ、加工表面の均一化向上が実現できる。
加工機・加工対象物・治工具・加工油・・・に、超音波発振制御プローブを取り
付け、20MHz以上の超音波振動が超音波伝搬主要周波数成分となるように、
加工システムの振動特性に合わせた、高周波(数メガヘルツ~10メガヘルツ)
のスイープ発振を行うことで、低周波(100kHz以下)の共振現象の発生に
よる精度や強度のバラツキを目的に合わせて最適化できる。
【選択図】図2
【書類名】 図面
【図1】
【図4】
参考
超音波の音圧測定解析システム「超音波テスターNA」
http://ultrasonic-labo.com/?p=16120
超音波の音圧測定解析システム(オシロスコープ 100MHz タイプ)
http://ultrasonic-labo.com/?p=17972
超音波発振システム(1MHz、20MHz)
http://ultrasonic-labo.com/?p=18817
超音波システム(音圧測定解析、発振制御)
http://ultrasonic-labo.com/?p=19422
超音波技術資料(アペルザカタログ)
http://ultrasonic-labo.com/?p=8496