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天然繊維コンポジット材料
天然繊維コンポジット材料のご紹介
このカタログについて
ドキュメント名 | DNAP(ディーナップ) |
---|---|
ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 3.5Mb |
取り扱い企業 | 株式会社童夢 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
この企業の関連カタログ
このカタログの内容
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スライド番号 1
天然繊維 コンポジット材料のご紹介
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スライド番号 2
はじめに
炭素繊維複合材料 CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)は鉄よりも軽くて強いという特徴から、21世紀に入
り、自動車や航空機をはじめとする様々な製品に用いられています。
特に地球温暖化が叫ばれる現代では、軽量化を図ることにより燃費の向上を促進させ、CO2削減効果を高める、とい
う観点からこの問題に取り組んでいる企業もあります。
しかしながら、CFRPはリサイクルの難しさを抱えています。
そこで、CFRPに近い剛性感を持ちながらサスティナビリティを考慮したモノづくりを可能にする、ハイパフォーマ
ンスでサステナブルなコンポジット材料をご紹介させていただきます。
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スライド番号 3
Bcomp社の概要
2011年に発足。
当初、世界一軽量なスキー板を製作する
ことを目標としてバルサ材を用いたコア
材bCoreを開発。 その後、バルサのコア
材を亜麻繊維で補強したところ、剪断剛
性が著しく向上したこに着目し、亜麻繊
維織物の開発がスタートしました。
JECで幾度も表彰を受けており欧州のコン
ポジット業界ではかなり有名な企業と
なっています。
亜麻は、一年草であり輪作作物である為、
地球環境負荷をほとんどかけずにサステ
ナブルな社会を実現させます。
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スライド番号 4
亜麻の織物が出来るまで 「デューレッティング」
花の季節が終わり葉が落ちはじめ茎が成熟したころに亜麻(フラックス)を収穫します。亜麻(フラックス)の茎の部分
が紡績される糸の原材料となります。畑で栽培された亜麻(フラックス)は、根本から刈り取るように収穫されると、約
1か月ほど地面に寝かせ、太陽や雨風にさらします。そして土壌のバクテリアなどの力を借りて熟成させていきます。こ
れは、レッティングという作業工程のひとつ。レッティングとは、茎の繊維周辺のたんぱく質を腐らせて、繊維以外の部
分を取り除きやすくする作業工程となります。以前は川や池に浸して腐らせる「ウォーターレッティング」という方法が
主流でしたが、現在は川の水質汚染の問題で「ウォーターレッティング」は禁止されています。収穫した畑にそのまま放
置して雨や露(Dew デュー)で発酵させる「デューレッティング」という工法が採用されています。 「デューレッティ
ング」により水の消費を最小限に抑え、栄養素を畑に戻します。 Bcomp社の亜麻は欧州(フランスやポーランド)で
最低限の灌漑と肥料で生育されています。
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スライド番号 5
Bcomp社の亜麻繊維織物のCO2循環コンセプト
エネルギー+CO2
エネルギー
太陽エネルギー Bcomp社の天然繊 サステナブルな軽量化技術である Bcomp社の天然繊維ソリュー
とCO2により成 維であるampliTex ampliTexとpowerRibsにより生産さ ションで製作された製品は、廃棄
長する亜麻植物 とpowerRibsはサス れた内装類や外装類は、サステナブ 時は、サーマルリサイクルとして
テナブルに生産され ルなモビリティーの重要要素である 燃焼処理され熱エネルギーに変換
ています。 エネルギー消費を減少させます。 されます。
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スライド番号 6
繊維自体の二酸化炭素の排出量の比較
地球温暖化係数[kg CO2 eq/kg 繊維]
炭素繊維
ガラス繊維
バサルト繊維
亜麻繊維 ←-0.5
-10 0 10 20 30 40 50 60
kg CO2/kg 繊維
※Bcomp社調べ
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スライド番号 7
成形品_繊維強化プラスチックの二酸化炭素の排出量の比較
製造時CO2排出量 ㎤ 単位での比較
Mg合金
AL合金
鉄鋼
CFRP
GFRP
NFRP
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50
g/cm3
複合材としての樹脂含有率は50% 樹脂の生産時のCO2排出量を6kg / kg と仮定して算出 算出出典元:炭素繊維協会
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スライド番号 8
DNAPに採用しているBcomp社の材料の主成分である亜麻(フラックス)は、主にヨーロッパで栽培されているアマ科
の一年草のことです。亜麻栽培は肥料や農薬などを、ほとんど使用することなく、自然の摂理を利用したシンプルな
工程で、何千年も前から続くサステナブルな農業を続けています。また、生成時にCO2の排出が無く、成形後の製品
も焼却可能な為、地球環境への負荷は全くと言ってよい程ありません。
亜麻(フラックス)自体の引張強度は炭素繊維には及びませんが、 Bcomp社の織物材料であるampliTexと、
網状の材料であるpowerRibsを併用することにより、CFRP品に近い剛性感を維持したまま更なる軽量化が可能になります。
加えて、振動減衰性はCFRP品より優れており、また、クラッシュ時の破片の飛散が少ないこともあり、
近年の海外モータースポーツ車両には多く採用されています。
ampliTex+ powerRibs 併用時メリット
①CFRP品と同等の剛性感を維持し、且つ、比重が軽いという材料の特徴
を活かして軽量化も実現可能
②振動減衰性はCFRP品より優れる。
③クラッシュ時に破片が飛散するのを防げる。 ampliTex powerRibs
④生産から廃棄迄の全工程での地球環境への負荷が少ない。 (アンプリテックス) (パワーリブ)
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スライド番号 9
×
Bcomp社は多くの事業を国連のSDGs 17(Sustainable Development Goals)に基づき推進しております。
我々童夢では「未来のためのサステナブルな軽量化」を基軸に、製品のライフサイクルを通じてよりクリーンなモビリ
ティ社会実現を目標にしています。Bcompの採用は、弊社事業だけでなく、お客様がサステナブルな未来の実現に
プロアクティブである事の証明ともいえます。
製品の開発から出荷ま
プラスチック使用量 重量50%削減
でのCO2を75%削減
70%削減 車両のエネルギー
Certifications 効率拡大
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スライド番号 10
童夢プリプレグ DNAPの物性表
繊維品種 AmpliTex5040(綾織)
樹脂品種 エポキシ
プリプレグ比重 1.30
項目 単位 試験法
0°引張 強度 MPa JIS K 7164 130
弾性率 GPa 9
0°曲げ 強度 MPa JIS K 7017 180
弾性率 GPa 4
※童夢社調べ
強度は130~180[MPa]とアルミ鋳物程度、弾性率は4~9[GPa]とカーボンコンポジットには及びませんが、
比重が1.2~1.3とカーボンに対して3割程度軽いので、積層構造を工夫する事でカーボンと同程度の比剛性に
する事が可能です。また、破断した破片などは炭素繊維の様に鋭利になりにくい上、飛散防止にも効果があり
ます。
他の繊維強化プラスチックとの比較で言うと、ampliTex(DNAP)単体の利用では、強度は炭素繊維の1/10程
度しかなく、ガラス繊維にも及ばない程度の引張強度の品となる為、使い方には工夫が必要です。 強度はそ
れ程必要なく剛性(変形のしにくさ)があれば製品として成り立つ二輪や四輪の外装品(カウル類)に
powerRibsとの併用で欧州のモータースポーツを中心に採用されております。
ampliTex powerRibs
(アンプリテックス) (パワーリブ)
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Use Case
×
国内のモータースポーツでの採用がレギュレーション化されることが予想されるBcomp材料を調査分析したところ、
モータースポーツ業界で採用されているampliTexの90%近くがampliTex品番5040であることがわかりました。
童夢では、今後モータースポーツ関連のみならず、様々な業界・シーンでのBcomp材料活用を展開いたします。
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スライド番号 12
Use Case motorsports
ポルシェモータースポーツ が外装類にBcomp材料を利用した718ケーマンの GT4 クラブスポーツを発表
ニュルブルクリンクの24時間レースをに参戦
引用元: 2020年10月9日(金)_イギリス発祥のヴィンテージカー雑誌「オクタン日本版」の電子版等
炭素繊維との対比
1.サスティナビリティ 2.費用効果 3.安全性
二酸化炭素排出量を75%削減 原材料費を30%削減 powerRibの利用で
廃棄時はサーマルリサイクルが可能 衝突時に鋭利な破片となり散乱
するのを防止
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スライド番号 13
Use Case motorsports
フランスのスパークレーシングテクノロジー社が外装類にBcomp材料を利用したFIA認可のエクストリームE仕様とな
る
電動オデッセイSUVを開発。 2021年4月3日のサウジアラビア戦から始まり世界四か国で転戦予定。
引用元: 2021年4月7日(月)_Composite World 記事等(意訳_原文英字)
炭素繊維との対比
1.サスティナビリティ 2.走行性 3.安全性
二酸化炭素排出量を85%削減 振動減衰性を250%向上 powerRibの利用で
廃棄時はサーマルリサイクルが可能 衝突時に鋭利な破片となり散乱するのを防止
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スライド番号 14
Use Case motorsports
イタリアのYcom社が開発したBcomp材料利用のフォーミュラカー用ノーズコーンがFIA認可のクラッシュテストを通
過衝突時のエネルギー吸収量が考慮される部品においても使用可能であることを証明
引用元: 2020年10月23日(金)_Composite World 記事等(意訳_原文英字)
炭素繊維との対比
1.サスティナビリティ 2.安全性
二酸化炭素排出量を50%削減 衝突時の破片がCFRPほど鋭利にならない
廃棄時は サーマルリサイクルが可能
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スライド番号 15
Use Case X
日野自動車株式会社様が「日野チームスガワラ」としてダカール・ラリー20X22に参戦予定の車両にて、 ドア下ガー
ニッシュ及びサイドスカート部分に、弊社が製作した天然繊維コンポジットが採用されました。
仕様は、亜麻繊維の織物材料であるampliTexや、同じく亜麻繊維の網状材料であるpowerRibs(共にスイスBcomp
社)を 利用した亜麻繊維強化プラスチック製です。亜麻繊維強化プラスチックは、環境負荷低減の狙いのみにとどまら
ず、 比重の軽いampliTexと剛性を出すためのpowerRibsを併用することにより、ガラス繊維強化プラスチック同等の
剛性を保ちながらも20%以上の軽量化を実現しています。
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スライド番号 16
Use Case
欧州のモータースポーツ業界でCFRPからの材料置換が加速度的に進んでいるBcomp社の麻繊維材料を童夢では国内樹
脂メーカー協力の元に国内でのプリプレグ化に成功。2020年に開幕したフォーミュラリージョナル車両に日本国内
レース車両として初採用。
フォーミュラリージョナルのダンパーカバーにBcomp社材料を採用
採用ポイント①(営業戦略的視点) FIAとの打合せ情報や欧州でのBcomp社材料の状況を分析し、今後数年内に国
内のモータースポーツでもレギュレーション化されることを予想。
採用ポイント② (技術者的視点) ダンパーカバーの下部にGPSを配置しており、該当部分を炭素繊維で製作をす
ると電波を遮蔽して操縦出来ない可能性がある為、Bcomp社の麻材料を採用。
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スライド番号 17
Use Case
欧州のモータースポーツ業界でCFRPからの材料置換が加速度的に進んでいるBcomp社の麻繊維材料を童夢では国内樹
脂メーカー協力の元に国内でのプリプレグ化に成功。2020年に開幕したフォーミュラリージョナル車両に日本国内
フォーミュラレース車両としては初めてその可能性を検証しました。
フォーミュラリージョナルの外装類全般にトライアル車両としてBcomp社材料を採用
採用ポイント (営業戦略的視点) FIAとの打合せ情報や欧州でのBcomp社材料の状況を分析し、今後数年内に国内の
モータースポーツでもレギュレーション化されることを予想。
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スライド番号 18
DNAPプリプレグ販売開始のご案内
今後数年内に、国内のモータースポーツでの採用がレギュレーション化されることが予想されるBcomp材料を調査
分析したところ、モータースポーツ業界で採用されているampliTexの90%近くがampliTex品番5040であること
が判明。童夢では品番5040を国内樹脂メーカー協力のもとプリプレグ化した独自のプリプレグ「DNAP」、及び、
Bcomp材料の販売をしております。 Bcomp社公認の上、品番5040のプリプレグ「DNAP」以外にも、樹脂含浸の
されていない生機(きばた)や、パワーリブのご注文も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
アンプリテックス 綾織2/2 縒り無し 幅1000mm 目付300g/m2 繊度300テックス
ampliTex twill 2/2 no twist 1000mmwidth 300gsm 300tex
お問い合わせ窓口 株式会社童夢 加藤福人
〒521-0013滋賀県米原市梅ケ原2462番地
E-mail:kato-fukuto@dome.co.jp
Tel会社: 0749-52-3232 Tel携帯: 080-2465-1388
ampliTex5040を国内にてプリプレグ化した童夢オリジナルプリプレグ「DNAP」、及び、材料である
Bcomp社の生機(きばた)やパワーリブのご注文も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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