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部品表 /BOM データのマネジメントに、 悩んでいる皆様へ

ホワイトペーパー

BOM探求

掲載内容

はじめに 今、なぜBOMが問題なのか

1章 製品設計のためのBOM
・BOMとは、マテリアルの数量的な関係を示した一覧表である
・BOMデータのマネジメントとは

2章 購買のためのBOM
・購買部門には、設計部品表
・E BOM を原材料の形までさかのぼった、別の形の表が必要

3章 工程設計のためのBOM
・製造のプロセスを表現するには、ストラクチャー型
・BOM が必要
・設計部門がE BOM 、購買部門が P BOM 、そして階層構造の形で製造工程の情報をつけ加えた製造部品表 M BOM ができあがる

4章 計画とスケジュールのためのBOM
・MRPのロジックは単純明快ながら、その実行が簡単でない理由

5章 在庫管理のためのBOM
・BOMの基盤となるマテリアル・マスタ
・「利用目的によって違う」マテリアルの同一性

6章 製造のためのBOM
・いわゆる『E BOM と M BOM の乖離問題』
・EBOM と M BOM が乖離していく理由

7章 物流のためのBOM
・物流業務においてBOM を考える
・異なる入り数の商品の場合は
・物流加工とは

8章 販売のためのBOM
・多様な消費者ニーズに柔軟に対応する
・生産と販売をつなぐ重要なツール「コンフィギュレータ」

9章 アフターサービスのためのBOM
・ロット番号の使われ方
・ロット番号の定義
・製造ロットと製造オーダーの関係

10章 設備保全のためのBOM
・製造資源(Manufacturing resource)
・BORとは
・装置・機器の保全計画に必要なコード管理

11章 原価管理のためのBOM
・当期製品製造原価
・製造指図に付随した
・BOM を利用する価値

BOM中心のものづくり「r BOM」

◆詳細はカタログをダウンロードしご覧いただくか、お気軽にお問い合わせ下さい。

このカタログについて

ドキュメント名 部品表 /BOM データのマネジメントに、 悩んでいる皆様へ
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
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このカタログの内容

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BOM探求 ダイジェスト 部品表/BOMデータの マネジメントに、 悩んでいる皆様へ BOMに関する専門入門書 「BOM/部品表入門」プレゼント 佐藤知一・山崎誠著「BPOM/部品表入門」 (日本能率協会マネジメントセンター刊) Copyright © DAiKO+PLUS(プラス) All Rights Reserved.
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もくじ はじめに ~ 今、なぜBOMが問題なのか 1章 製品設計のためのBOM BOMとは、マテリアルの数量的な関係を示した一覧表である BOMデータのマネジメントとは 2章 購買のためのBOM 購買部門には、設計部品表E-BOMを原材料の形までさかのぼった、別の形の表が必要 3章 工程設計のためのBOM 製造のプロセスを表現するには、ストラクチャー型BOMが必要 設計部門がE-BOM、購買部門がP-BOM、そして階層構造の形で製造工程の情報をつけ加えた 製造部品表M-BOMができあがる 4章 計画とスケジュールのためのBOM MRPのロジックは単純明快ながら、その実行が簡単でない理由 5章 在庫管理のためのBOM BOMの基盤となるマテリアル・マスタ 「利用目的によって違う」 マテリアルの同一性 6章 製造のためのBOM いわゆる『E-BOMとM-BOMの乖離問題』 E-BOMとM-BOMが乖離していく理由 7章 物流のためのBOM 物流業務においてBOMを考える 異なる入り数の商品の場合は 物流加工とは 8章 販売のためのBOM 多様な消費者ニーズに柔軟に対応する 生産と販売をつなぐ重要なツール 「コンフィギュレータ」 9章 アフターサービスのためのBOM ロット番号の使われ方 ロット番号の定義 製造ロットと製造オーダーの関係 10章 設備保全のためのBOM 製造資源(Manufacturing resource) BORとは 装置・機器の保全計画に必要なコード管理 11章 原価管理のためのBOM 当期製品製造原価 製造指図に付随したBOMを利用する価値 BOM中心のものづくり「rBOM」 Copyright © DAiKO+PLUS(プラス) All Rights Reserved. 2
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はじめに ~ 今、なぜBOMが問題なのか これからの製造業ではデータが非常に重要になる 最近、「データ・ドリブン経営」という言葉を、ときどき耳にするようになりました。「製造業DX」について語る 人も、増えてきているようです。そして「スマート工場」という用語も、もう何年も前から話題になっています。 これらの言葉が実際に何を指すのかについては、必ずしも意見が定まっていません。ただ共通するのは、こ れからの製造業ではデータが非常に重要になる、ということです。 もちろん、製造業がこれまで、データを無視してきた訳ではありません。設計図は今や、多くがCADデータで しょうし、製造指図も生産実績も、多くの企業では生産管理システムの中に、データとして記録されている はずです。品質検査記録から、サプライヤーとの発注・入荷、製品の出荷実績に至るまで、ほとんどは手 書き伝票でなく、情報システムで管理しているでしょう。 ならば、なぜ今更「データが大事」という標語が叫ばれるのでしょうか。 たとえば、品質トレーサビリティの問題 こういうケースを考えてみてください。顧客からある日、納入した製品に関する品質のクレームが入りました。 一大事です。品質検査記録を調べ、納入製品が、どの製造ロットに属しているかを、さかのぼって確定し なければなりません。 次に、品質不良の原因探しです。一体どの工程で、誰が、どの機械やツールを使って、どんな製造条件で、 それを作ったのか。さらに、同じ製造ロットで作られた部品が、どれとどれの製品に含まれていたかを、割り出 さなければなりません。品質トラブルの起きる可能性のある製品は出荷を止め、既に納入している場合に は、顧客に連絡して頭を下げる必要があるからです。 この品質トレーサビリティ問題は、どこの工場でも起きる可能性のあることですが、皆さんの職場では、この 作業をスムーズに、短時間で行うことができるでしょうか? 品質検査記録、出荷台帳、製造指図台帳、 部品表、製造日報、出荷記録など、様々な種類の台帳を追いかけなければならない企業も、少なくない でしょう。 Copyright © DAiKO+PLUS(プラス) All Rights Reserved. 4
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はじめに ~ 今、なぜBOMが問題なのか たとえば、サプライチェーンの問題 もう一つ例を挙げてみます。あるサプライヤーに発注していた部品の納期が、急にひどく遅れると連絡が入り ました。世界的にサプライチェーンが混乱している昨今、起きがちな事象です。では、当該部品が使われる 予定の製品は、どれとどれか。そのうち、現在すでに製造に着手しているものは、どこまで作業が進捗してい るのか。それぞれ最終的な納期は、いつになりそうか。 こうした問いにすぐ答えるためには、受発注データ、部品表、製造指図データ、製造日報、工程別の作業 進捗等が、きちんとタイムリーに、つながり良く整理されている必要があります。 実はこの「タイムリーに、つながり良く」が、「データが大事」との標語のポイントなのです。データの分析・活用 においては、網羅性・関連性が重要だからです。発注記録は発注システムのサーバにあり、品質記録は 検査システムのPCの中、生産スケジュールや進捗率は誰かのExcelの表の中、といった状況では、問題に 俊敏に対応することができません。 統合のハブにあたるのは何でしょうか それが「部品表(BOM)データです それでは、製造業における多種多様なデータの「つながり」の中心、いわば統合のハブにあたるのは何でしょ うか。それが「部品表(BOM)データ」であるという事を、これからの一連の記事でご説明したいと考えて います。 ところで多くの企業が、部品表/BOMデータのマネジメントに、悩んでおられます。何故でしょうか。 (中略) BOMはBill of Materialsの略で、製品とその部品・材料の関係を表すリスト(表)です。製造業であ れば、どんな会社もBOMを持っています。そうでなければ部品・材料を買いに行けないはずです。ただ、そ れがデータになっているかどうか、そして適切にマネジメントされているかどうかが、問題になるのです。 製造業であればどんな会社もBOMを持っている。 しかし、BOMをマネジメントしている会社は少ない。 2022.6.1掲載 本編 もしくは へ Copyright © DAiKO+PLUS(プラス) All Rights Reserved. 5
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1章 製品設計のためのBOM BOMとは、マテリアルの数量的な関係を示した一覧表である 繰り返しになりますが、BOMは “Bill of Materials” という英語の略です。Billとは、リストや表を束にした もののことを指します。レストランの勘定書きも、英語ではBillといいます(米語ではCheckと呼びますが)。 古くはB/Mとも略されており、今でもこの略語を使っている業界も残っています。 Bill of Materialsとは、マテリアルの表を意味します。マテリアルとは、部品・素材・原料・材料・資材・中 間品・アセンブリ、そして製品までの、すべての物品(マテリアル)を包含する用語です。つまり、少し抽象 化した表現をすると、 「BOMとは、マテリアルの数量的な関係を示した一覧表である」 とご理解ください。 (中略) BOMデータのマネジメントとは では、BOMデータのマネジメントとは、何を意味するのでしょうか。「マネジメント」とはどういう意味かを製造 業の方に問えば、多くの方が「PDCAサイクルを回すこと」と答えると思います。PDCAサイクルが継続的改 善の枠組みである事は、説明の必要はないでしょう。 ところで、このPDCAサイクルは、繰り返し性のある仕事に適応するべきものです。しかし企業内の業務には、 個別性・一過性の仕事も、存在します。例えば製品の企画開発・設計等は、その良い例でしょう。工場 では全く同じ製品を繰り返し作りますが、製品開発が生み出すものは、毎回異なります。そしてBOMデー タは、製品開発の中から生まれてくるのです。 製品開発・設計といった、個別性・一過性の仕事に対しては、継続的改善のアプローチは、うまく適用で きません。では、どうすればマネジメントしたことになるのか? 答えはある意味、簡単です。その仕事ないし 結果を、 ・再利用可能にする PDCA 繰返し性の ・計画可能にする サイクル 企業内の ある仕事 ことにあります。 業務 個別性・一過 再利用可能にする 性の仕事 計画可能にする 製品設計業務とBOMの関係とは にて解説します (2022.6.1より掲載) Copyright © DAiKO+PLUS(プラス) All Rights Reserved. 6
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2章 購買のためのBOM 購買部門には、設計部品表E-BOMを原材料の形までさかのぼった、別の形の表 が必要 日本の大手メーカーは、自社内で最終組立てと検査のみを行い、部品は全てサプライヤーから納入しても らう形態が、少なくありません。そうした企業では、設計部品表E-BOMがほぼそのまま、外部から購入する 部品リストになります。しかし自社内で部品加工を行うメーカーもあります。そうした企業にとって、上記の 形態のE-BOMのままで、買い物リストに使うわけにはいきません。 E-BOMとは、料理のレシピにたとえるならば、最終形の料理を構成する材料や中間品のリストにあたりま す。冷し中華1人前の材料は、中華のゆで麺1玉と、錦糸玉子50gと、キュウリ30g、チャーシュー50g 個に、たれ70cc・・という具合です。料理は一種のものづくり=製造業務ととらえることができますが、E- BOMは料理の「最終組立工程」における、親製品と子部品との関係を示したものです。 (中略) 工場も同様です。E-BOMに指定された部品類は、加工する前の原材料を調達しなければなりません。し たがって購買部門には、設計部品表E-BOMを原材料の形までさかのぼった、別の形の表が必要になりま す。これを購買部品表P-BOM(Procurement BIll of Material)と呼びます。P-BOMは料理のレ シピにある材料表に相当します。 P-BOMも、親である最終製品の下に、子である原材料・購入部品が並ぶ、2階層のフラットなBOMの形 になるのが普通です。 設計部品表(E-BOM) 購買用部品表(P-BOM) 冷し中華一人前 冷し中華 チ ャ き チ 錦 糸 ゆ ー ゅ ャ き し ご で シ う た 生 生 ー ゅ ょ 砂 玉 ュ り れ 卵 麺 シ う う 糖 酢 ま 子 麺 ー 細 ュ り ゆ 油 細 切 ー 切 50 150 50 30 70 1 1 50 1 大さじ 小さじ 大さじ 小さじ g g g g cc 2 玉 g 4 1 1 1 1 1 個 個 2 E-BOMとP-BOMのちがいとは にて解説します (2022.6.8より掲載) Copyright © DAiKO+PLUS(プラス) All Rights Reserved. 7
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3章 工程設計のためのBOM 製造のプロセスを表現するには、ストラクチャー型BOMが必要 設計部品表E-BOMと購買部品表P-BOMは、ともにフラットなサマリー型BOMだとお話ししました。サマ リー型BOMは部品購買と積算(標準原価計算)に有用です。しかし、親製品と子部品の2階層だけ で表現しているため、様々な部品が、どのような加工を経て、またどのような順序で組み立てられていくの かについては、分かりません。いいかえると、サマリー型BOMは製造のプロセスを表現していないのです。 製造のプロセスを表現するには、原材料や購入部品から最終製品に至る複数の階層を表現した、 ストラクチャー型BOMが必要です。ストラクチャー型BOMは、どの購入資材から何の製品を、どういった 工程順序で作っていくのか、体系立てて表現したものです。 冷やし中華の例でいうならば、上にのせる錦糸玉子の原料は、生卵と砂糖と酒少々です。まず生卵に 砂糖と酒を加えて、油をしいたフライパンで薄く焼き、包丁で細切りにして、錦糸玉子ができあがる訳です。 ストラクチャー型BOMの階層構造は、こういった材料の途中段階の順序(別の見方をすれば工程 順)を表現します。 設計部門がE-BOM、購買部門がP-BOM、そして階層構造の形で製造工程の情 報をつけ加えた製造部品表M-BOMができあがる 設計部門がE-BOMを作成し、購買部門がP-BOMに展開した後、階層構造の形で製造工程の情報 をつけ加えたストラクチャー型BOMを、製造部品表M-BOM(Manufacturing Bill of Material) と呼びます。製造工程を最初から最後まで知っていないと、M-BOMは作成できません。 M-BOMには、どこまで細かく、途中段階を登録すべきか にて解説します (2022.6.15より掲載) Copyright © DAiKO+PLUS(プラス) All Rights Reserved. 8
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4章 計画とスケジュールのためのBOM MRPのロジックは単純明快ながら、その実行が簡単でない理由 「ストラクチャー型BOM」(構造型部品表)は、もともと1960年代から70年代にかけて、米国で考案さ れ発達した概念です。米国ではその当時、MRP = Material Requirement Planning(資材 所要量計画)と呼ばれる新しい生産管理手法が、コンピュータの発達とともに登場していました。 MRPは製品単位の需要量を、部品単位の生産スケジュールと購買手配に結びつけるために生まれたもの です。それ以前の米国では、製品や中間部品はロット生産を行い、資材手配は発注点管理が普通でし た。各製品がずっと同じペースで売れていくなら、これでも良いでしょう。しかし製品の需要が変動するのに、 お構いなしにロット生産や購買を続けていけば、工場の中は余計な在庫で溢れかえります。MRPはこの問 題を解決し、必要なものを必要なタイミングに、必要な数量だけ生産することを目的に開発されました。 (中略) ただしMRPの所要量計算を正確に行なうためには、BOMがきちんと整備されており、かつ製品・部品の引 当可能な在庫量を、正確に把握している必要があります。中間部品や原材料の手元ストック量を正確に つかむには、こまめな努力が必要です。MRPのロジックは単純明快ながら、その実行が簡単でない理由は、 この点にあります。 日本の商慣習での最適解とは にて解説します (2022.6.22より掲載) Copyright © DAiKO+PLUS(プラス) All Rights Reserved. 9
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5章 在庫管理のためのBOM BOMの基盤となるマテリアル・マスタ 3章「工程設計のためのBOM」では、BOMの基盤となるマテリアル・マスタに登録するべき品目とは、 『在庫品として数量を管理すべきもの』だとご説明しました。 理由は単純です。在庫管理をITシステムで行う場合には、品目コードと保管場所がキーとなった在庫テー ブルを維持する必要があるからです。マテリアル・マスタに品目コードの登録がなければ、その在庫数量を入 力することができません。 「利用目的によって違う」 マテリアルの同一性 ところで、ここでしばしば問題になりがちなことがあります。それは同一性の問題、すなわち、「2つの品目が 同一であるかどうか」、ということに関する議論です。そんなことは自明ではないか、と思われるかもしれませ んが、じつはかなり奥の深い問題なのです。 わたしがよく使う例をとりましょう。1Lの牛乳パックと2Lの牛乳は同じものか、違うものでしょうか。低脂 肪乳と無調整乳は、別物か。十勝産と岩手産は区別すべきか? みなさんがレストランの仕入係だったら、 どう考えますか。 牛乳の産地や製造方法は、ある意味では牛乳という品目の品質をきめる「属性」に思えます。味に大差 がない限り、コップに注いでお客の前に出してしまえば同じですから、品目としての区別はいらないと考える でしょう。 ところが、みなさんがもしチーズ工場の資材係だったら、両者は大違いです。製品の出来に直接影響しま す。品質の差では済まない。低脂肪乳と無調整乳は別物と考えるでしょう。 いったい、牛乳の調整方法は属性項目に書くべき事柄なのか、それとも品目分類の基準として縦に書くべ きなのか。そもそもマテリアルの区分と、属性の区分はどこで切り分けるのか? 答えは、「利用目的によって違う」です。マテリアルの同一性とは、「使用目的に照らしてキーとなる属性群 が、同一の条件を満たしていると認められるマテリアルの集合である」と定義されます。同一性は、使用目 的と、属性群の定義と、条件付けによって、異なるのです マテリアルマスタに持つべき属性とは にて解説します (2022.6.29より掲載) Copyright © DAiKO+PLUS(プラス) All Rights Reserved. 10
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6章 製造のためのBOM いわゆる『E-BOMとM-BOMの乖離問題』 「BOMとはマテリアルの数量的な関係を示した一覧表である」と、第1節でご説明しました。この定義に従え ば、資材倉庫から製造現場に部品材料を払い出す際に用いる、ピッキング・リストもBOMの一種であること がわかります。こうしたピッキング・リストは、製造オーダー(製造指図)に付随して発行されるのが通常です。 ところで、この製造オーダーとBOMの関係を子細に見ていくと、いわゆる『E-BOMとM-BOMの乖離問題』 が、しばしば浮かび上がってくるのです。設計部門がつくる部品表(E-BOM)に対し、製造側の部品表 (M-BOM)が社内に別途存在し、両者が二元管理状態ないし乖離していく現象が、非常に多くのケース で見られます。 E-BOMとM-BOMが乖離していく理由 たとえば、サプライヤー側の事情で、設計上指定された資材が手に入らず、やむなく工場で代替品を使い はじめ、それが恒常化していく場合があります。あるいは設計変更が行なわれたが、ストックを無駄にしたく ないため、古い資材を使い続けている場合もあります。 逆に、資材の側はすでに性状が進歩しているにもかかわらず、設計の方がそれを反映していない場合もあ りそうです。さらには、複数購買をしているけれども、購入先によって全く同じ資材が供給されていない場合。 設計に過剰なマージンや曖昧さがあって、使用すべき資材にいろいろな選択肢がある場合、等々・・。 設計部門と製造部門で、同一品目に対して異なるマテリアル・コードを使っているケースも、ときどき見受け られます。 こうしてE-BOMとM-BOMが別々に一人歩きをはじめると、あちこちで歪みがでてきます。資材在庫の計 画と実績があわなくなるかもしれません。出荷した製品のパーツが設計と異なっていて、アフターサービスが できなくなることも考えられます。設計変更が製造現場に正しく伝わらなくなる。製造原価計算が混乱する かもしれません。 E-BOMとM-BOMの乖離を回避するには にて解説します (2022.7.6より掲載) Copyright © DAiKO+PLUS(プラス) All Rights Reserved. 11
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7章 物流のためのBOM 物流業務においてBOMを考える 物流業務においてBOMを考える際、とくに工場と独立した物流センターでの業務においては、 SKU(Stock Keeping Unit)という概念を理解する必要があります。SKUとは、文字通り個別に 保管する品目のことを指します。 たとえばアパレル業界などでは、同じモデル(デザイン)の衣服でも、色違いやサイズ違いのバリエーション が多数存在します。サイズ違いについては、シャツならば首周りと袖丈の組合せだけで、何十通りもできて しまうのが常です。こうした品目は、モデルが同じである限り価格も同じで、ふつう同一の商品コード(JAN コード)を付番します。しかし、流通上は別物として区別しなければいけません。したがって、一つの品目が 複数のSKUとして取り扱われます。 異なる入り数の商品の場合は 別の例をあげましょう。日用雑貨品業界などでは、同じ製品でも入り数をかえて複数のパッケージをつくりま す。製造側のマテリアル・マスタ上では、製品は単一の品目として扱われるかもしれません。しかし、販売物 流の世界では、異なる入り数の商品は、別物としてハンドリングする必要があります。 シート・薄板など反物の場合も、ロール単位と、2m等の定尺に切ったものでは、流通上、区別しなけれ ばなりません。このように、保管・輸送などの物流にまつわる作業(これをマテリアル・ハンドリング、略してマ テハンと呼びます)では、たとえ同一の品目であっても数量や包装形態によって、別物と認識する必要が あります。これをSKUと呼ぶのです。 物流加工とは さて、物流センターの仕事は実際には多岐にわたっており、大規模なセンターの業務は事実上、工場と変 わらないところもあります。とくに「物流加工」と呼ぶ作業の比重が増えているのが最近の傾向でしょう。 物流加工とは、工場の外に出てから行なう加工のことです。これは、大きく分けて3種類あります。 (1)大きな商品を小分けする加工 (2)複数の商品を組み合わせる加工 (3)ラベル貼り・値札づけ・クリーニング・表面加工など、広い意味で包装の仕事の延長に位置づけら れる加工(すなわち保管用の形態から出荷に適した形態に変える作業) 物流におけるBOMの必要性とは にて解説します (2022.7.13より掲載) Copyright © DAiKO+PLUS(プラス) All Rights Reserved. 12
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8章 販売のためのBOM 多様な消費者ニーズに柔軟に対応する 自動車やPCに代表される消費者向け機械・電機製品の業界では、標準モデルに追加できる オプション仕様を用意することが、広く行なわれています。たとえば自動車であれば外装の色、インテリアの仕 上げ、変速がマニュアルシフトかATか、エアバッグの装備、搭載オーディオ機器のグレードなどなど、かなりの種 類のオプションを選べます。 このようなオプションが導入されたのは、多様な消費者ニーズに柔軟に対応するためです。単一モデル販売で は競争に勝てないため、さまざまなオプションをつけることによって、消費者の細かな好みに合わせていく訳です。 (中略) 製品オプションとモジュラー部品表 • 多様な製品オプションを、構成比率でBOMの形に表現した計画用BOM (最終的には購買用P-BOMに展開して、資材発注計画に用いる) • 複数オプションの所要量展開が可能だが、BOM登録は1種類で済む • ただし、製品バリエーションがオプション・モジュールの組合せの形で実現されるよう、設計する必要あり 生産と販売をつなぐ重要なツール 「コンフィギュレータ」 マス・カスタマイゼーションにおいて、生産と販売をつなぐ重要なツールとなるのが、コンフィギュレータです。コン フィギュレータとは、顧客の希望する仕様やオプションを入力すると、それに必要な部品・アイテムを正しくリスト アップするソフトウェアです。コンフィギュレータへの入力データは、営業担当者が顧客から受け取った情報です。 出力されたリストは製造部門にオンラインで受け渡され、製番等にひもづけられます コンフィギュレータの価値とは にて解説します (2022.7.20より掲載) Copyright © DAiKO+PLUS(プラス) All Rights Reserved. 13
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9章 アフターサービスのためのBOM ロット番号の使われ方 わたし達が市場で製品を買うと、それに『ロット番号』が表示されていることがよくあります。たとえばペットボト ルの飲料などが、よい例です。こうしたロット番号は、通常の場合、消費者にとってあまり用のないものに思 えます。しかし万が一、製品に不良が見つかった場合、メーカー側はアフターサービスのために、購入したお 客様に連絡し、あるいは返品・交換などの作業をしなければなりません。 もしもロット番号が一切付番されていなかったら、売った製品全てを返品サービス対象にしなければなりま せん。その点、不良の生じた可能性のあるロット番号が特定できれば、サービス範囲を狭めることができま すし、あるいは流通段階で出荷を止めることもできます。したがって、ロット番号はアフターサービスにとって、 非常に需要です。 (中略) ロット番号の定義 『製造ロット』とは、主要な品質特性が同一だと考えられるモノの集合をいいます。たとえば、同じ原料から 作ったモノの集合であるかもしれません。あるいは、同じ製造方法で作ったモノの集合かもしれません。それ はたとえば、同じ焼成窯で製造したもの(=バッチ)とか、同じ金型から製造したもの(=連続ロット) などでしょう。 製造ロットと製造オーダーの関係 製造ロットはふつう製造オーダー(製造指図)と一対一の関係をもっています。ロットはモノのまとまりで、 オーダーは指示情報である、という違いに留意してください。 ロットが活躍する場面とは にて解説します (2022.7.27より掲載) Copyright © DAiKO+PLUS(プラス) All Rights Reserved. 14
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10章 設備保全のためのBOM 製造資源(Manufacturing resource) 生産活動においては、機械設備・工具・金型・治具など、さまざまな道具立てを活用します。こうした製造 作業に活用されるモノは、作業中は占有されますが、作業が終わると解放され、他の作業に再利用され ます。その点で、作業が終わると消費される部品・材料類と、性質が異なります。こうした、設備に代表さ れる、繰り返し使う種類のものを、製造資源(Manufacturing resource)と呼びます。経営資源 の一種ということになります。 BORとは ものづくりに用いる部品・材料類のリストを、BOM = Bill of Material(部品表・材料表)と呼ぶのに 対し、上記のような製造資源のリストを、BOR = Bill of Resource(資源表)と呼びます。 装置・機器の保全計画に必要なコード管理 (中略) 企業では固定資産管理のために、資産となる装置・機器・備品等に識別番号を付番して台帳管理する のが一般的です。通常は、装置・機器のシリアル番号と関連付けてコード化されます。このようなコードを 「機器番号」と呼んでおくことにします。 ところで、装置・機器の保全計画を立案し遂行するという保全管理業務のためには、もう一つの別のコー ド体系が必要になります。それは、装置の機能的な位置づけのコードです(英語ではFunctional locationなどと呼ばれます)。しばしば、「タグ番号」などとも呼ばれます。「機器番号」が具体的な機器に 付されるのに対して、「機能番号(タグ番号)」は、論理的に定義される機能場所に対して付番されるこ とになります。 種類 特徴 機器番号 個別の機器に付番。シリアルNo.と対応 機能番号(タグ番号) 論理的な機能に付番。工程図上で定義 モデル番号 機器ベンダーが付番。交換可能性の参考情報 パーツ番号 機器ベンダーのBOMで定義。保守に使用 保全管理の視点でのBOMとは にて解説します (2022.8.3より掲載) Copyright © DAiKO+PLUS(プラス) All Rights Reserved. 15
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11章 原価管理のためのBOM 当期製品製造原価 製造業における原価管理の重要性については、今さら説明の要はないと思います。会計上、当期製品 製造原価は、次の式で計算されます。 当期製品製造原価=当期製造総費用-当期仕掛品在庫増 =当期製造総費用+(期首仕掛品在庫高-期末仕掛品在庫高) したがって製造原価を求めるためには、当期の製造行為にかかった費用すべてと、仕掛品在庫の増減を 調べなければなりません。 製造指図に付随したBOMを利用する価値 正しく実際原価計算を行なうためには、製造作業ごとに材料使用数量と良品率・ロス率を求め、製造実 績に記録しておき、それに単価をかけて費用を求めるのが筋です。しかし現実には、いろいろな事情からそ こまで実現できないケースが少なくありません。そこで、プッシュ型の生産工程では、払出しのBOMを参考 にして計算することになります。 もし材料の払出しをプル型の補充で行なっていると、製造ロット番号(製造指図)と使用数量の紐付け が失われてしまいます。この場合は、製造指図に付随したBOMを利用することになります。製造指図にと もなってBOMの一時的代替が行なわれる場合でも、この方式ならば比較的正しく材料費を得ることがで きます。 精度の高い原価計算には にて解説します (2022.8.11より掲載) Copyright © DAiKO+PLUS(プラス) All Rights Reserved. 16
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スマートファクトリ―実現に向けた第一歩 BOM中心のものづくり 「rBOM」 Copyright © DAiKO+PLUS(プラス) All Rights Reserved.
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「部品表中心のモノづくり」 を実現 リアルタイム統合管理システム「rBOM」 とは BOMを中心に考えると会社の中が整理される • BOM = 製造に必要な要素の一覧 特に個別受注生産、多品種少ロット生産の企業における情報共有の仕組みつくりや業務効率化・コスト 削減、競争力強化などに貢献ができます。 詳しい内容については、ぜひ弊社までお問い合わせください。 個別受注業務に特化し、 国内統合BOM導入実績ナンバーワン。 設計・製造・保守のリアルタイム統合BOMを実現しています。 PDM、ERPなど個々の導入が 不要のためコスト削減につながります。 設計・製造・調達・保守まで、全ての業務機能を提供しています。 受注から出荷までの情報を見える化し、 リードタイムを短縮。 設計変更、手配進捗、原価進捗など部門間でリアルタイムな情 報共有が可能です。 ベテランの知識を蓄積、 技術継承の課題も解消。 情報を一元管理・蓄積することで、「ナレッジデータベース」を構築 することができ、技術継承を進めることができます。 Copyright © DAiKO+PLUS(プラス) All Rights Reserved. 18
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見える化がすすめば工場がつながる 製造業として基準とするものはBOM • BOM = 製造に必要な要素の一覧 Bills of materials = 部品・素材のリストとして、ツリー型やサマリ型など、各企業ではそれぞれのかたち で表現していることでしょう。決まったかたちに拘らなければ、必ずどの企業にもBOMは存在します。 お客様からの要求仕様に合わせて組み上げた見積時点のものから、お客様に納品したメンテナンス中の ものも含まれるかもしれません。 そこに関わった人やお金、関連する文章や図面などの情報まで、BOMを中心にすべての情報が紐づくい ています。 BOMを外さない • ERPよりもBOM 経営者が喜ぶデータの可視化とは、ERPと呼ばれるグローバルを意識した基幹システムで表現さ れたダッシュボードだったりします。 ですが、見える化するためのデータにポリシーが無ければ、満足のいくカタチでは見えません。 芯の通ったデータがあれば、ちゃんと会社の状況も見え、次の一手も見えてきます。 故にBOM(芯)が必要と考えましょう。 Copyright © DAiKO+PLUS(プラス) All Rights Reserved. 19
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見える化がすすめば工場がつながる 目的のある「見える化」を実践する指針「つながる工場マップ」 • 目的のある「見える化」のために 製造業の目的は、価値ある製品を適正な価格でお客様に提供し、優良な企業として社会貢献を することです。 各部門がこの目的を意識して活動すると、それぞれの業務や部門をまたがる情報連鎖の重要性を 再認識することだろうと推察されます。 自社の「つながる工場マップ」を作ってみる • それぞれの会社には、それぞれの「つながる工場マップ」が存在する 企業それぞれの存在意義、大切にしていることを意識したデータ化・見える化を考えると、データをつなぐ 重要性と優先順位が見えてきます。 たとえば ✓ お客様との接点を重視する ✓ お客様の生産を止めないために、保守作業を迅速に行う ✓ 生産の状態を誰もが見える様にし、コミュニケーションの質を上げる ✓ 現場(顧客、製造現場、保守)から得た情報を、製品品質の向上に活かす DAiKOは、貴社の工場マップを作成するお手伝いをいたします。 Copyright © DAiKO+PLUS(プラス) All Rights Reserved. 20