aperza
Smart Factory
Technology
Show
特集:最新事例と技術動向に学ぶ withコロナ時代のものづくり
3Dプリンター最新動向と
導入のポイント・
実用事例 JSR株式会社
Smart Factory
Technology
Show
はじめに
コロナウイルスの感染拡⼤は、製造現場にも⼤きな影響を与えています。⼈の移動や対⾯・接触が⼤きく制限されたこと
をきっかけに、従来の労働環境や業務プロセス、⽣産⼯程 / 体制を⾒直し、デジタル化する動きがさまざまな領域・分
野で⽣まれています。
働き⽅改⾰への対応や⼈⼿不⾜、熟練労働者の技術伝承といった従来の課題に加え、新型コロナウイルスのような環境変
化に対して、製造業の企業はどのように対応していくべきなのか。with / after コロナでの「新しい⽣活様式」が提唱さ
れるように、製造業における「新しい業務様式」を多くの企業が⽇々模索しています。
企業が抱えるさまざまな課題に対して、各社では最先端の“デジタルものづくり”どのように「新しい業務⽤式」として活
⽤しているのか。2020 年 8 ⽉ 6 ⽇に開催したアペルザのオンラインセミナー企画「SFTS TV*」では、“with コロナ時
代のものづくり”をテーマに、3D プリンティング事業を⼿がける JSR 株式会社 澤⽥さまをお招きし、最新のユーザー事
例について伺いました。
本レポートは、その内容をまとめたものになります。
みなさまの情報収集の⼀助となれば幸いです。
*「SFTV」とは
アペルザが企画・配信するオンライン番組です。2020 年 9 ⽉より、アペルザが主催するオンライン展⽰会『Smart Factory
Technology Show(略称︓SFTS)』がスタートします。先⽴って開始する『SFTV』では、毎回さまざまなゲストとの対談、ライブ配
信による資料者からの質疑応答に加え、最先端のデジタルものづくりやその最新技術を“リアルな課題”と“解決事例”を通してお伝えして
いきます。
今後の開催予定などの最新情報は「アペルザカタログ総合メールマガジン」にて配信しております。
以下の URL より、購読をお申し込みいただけます。
https://account.aperza.com/mail(要会員登録)
3D プリンター最新動向と
導⼊のポイント・
実⽤事例
JSR 株式会社
3D プリンター最新動向と導⼊のポイント・実⽤事例 |Smart Factory Technology Show
合成ゴムなどマテリアルにルーツ
近年は 3D プリンティング事業に
注⼒する JSR 株式会社
松本︓本⽇はナビゲーターとしてアペルザより下宮、松本が、そしてキーエ
ンスの⽣産現場でも経験を持つ、同じくアペルザの中島がコメンテーターと
して参加させていただきます。
本⽇のゲストは、エラストマー、合成樹脂といった材料に加え、3D プリン
ティング事業も⼿がけられている JSR 株式会社 澤⽥様にお越しいただいて
おります。どうぞよろしくお願いいたします。
澤⽥︓よろしくお願いいたします。
松本︓3D プリンタ、そしてデジタルマニュファクチュアリングというテー
マで「製造業の新しい業務様式」に迫っていければと思います。早速です
が、中島さん、このテーマいかがでしょうか。
中島︓3D プリンタというと、試作⽤途が中⼼で、最終製品に適⽤するのは
まだまだ難しそうなイメージがあります。特に試作でもサイズ感を確認した
りだとか、嵌合を調べたりだとか、そういった⽤途しかないと思っていたの
ですが、意外と進化してきていることを知ったので、今⽇はそのあたりの実
績を伺っていきたいです。
下宮︓では澤⽥様、会社の紹介をいただいてもよろしいでしょうか。
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3D プリンター最新動向と導⼊のポイント・実⽤事例 |Smart Factory Technology Show
澤⽥︓JSR は 1957 年に設⽴、60 数年の歴史を持つ企業です。もともとは
⽇本合成ゴムという社名で、合成ゴムを取り扱っていました。現在は合成樹
脂や電⼦材料、液晶テレビなんかに使われる部材なども取り扱っています。
また冒頭にもあったとおり、最近注⼒しているのが本⽇のテーマである 3D
プリンタ事業です。
本⽇のメインのトピックスとしてお話しするのは、『Carbon(カーボ
ン)』です。弊社も出資している、2013 年に設⽴したシリコンバレーの 3D
プリンタメーカーです。まず最初に、この『Carbon』が、従来の 3D プリン
タとどのように違うのかについて簡単にご説明します。
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3D プリンター最新動向と導⼊のポイント・実⽤事例 |Smart Factory Technology Show
要
設立:2013年
本社: 州
業員数:約500名
特 登録 出 件数:300件以上
展開中 (米 欧 )
6億8千万 以上 調達( E )
6 Carbon Confidential
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3D プリンター最新動向と導⼊のポイント・実⽤事例 |Smart Factory Technology Show
従来の 3D プリンタと
『Carbon』の違いとは︖
3D 題
方式 方式
FDM SLS SLA Polyjet
融 出 結
Carbon 技 用
両者 補
現行方式 題
解 空 性 方性 UV 性
7 Carbon Confidential
澤⽥︓スライドのとおり、樹脂 3D プリンタにはさまざまな⽅式がありま
す。ポピュラーな「SLA(光造形)」や、粉末の樹脂を溶かして積層してい
く「SLS」、またデスクトップ型として使える「FDM」など。いずれも「レ
イヤーを重ねていく」という仕組みが基本にあり、スピードだとか、表⾯に
筋ができるといった共通の課題を持ちます。
中でも特徴的なのが、「強度の異⽅性」です。⼀層⼀層完全に固めて層をつ
くっていくため、造形⽅向、すなわち厚み⽅向の強度が相対的に弱くなりま
す。そうすると、つくった部品の部位によって強度が違うということが起き
るので、最終製品には使えません。⽤途は「形状確認」に限定されてしまい
ます。
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3D プリンター最新動向と導⼊のポイント・実⽤事例 |Smart Factory Technology Show
中島︓確かに 3D プリンタってそういうイメージですよね。
澤⽥︓はい。⼀⽅で、『Carbon』は写真のとおり断⾯図が⾮常になめら
か。そして強度も XYZの各⽅向で異⽅性のない部品がつくれます。
従来の 3D プリンタは、試作や開発、あるいは個⼈で使われるケースが多か
ったのですが、このように材料や部品の制約がなくなってくると⽤途は広が
ります。
例えば⼀つつくっても、⼀万個つくってもそれほどコストが変わるわけでは
ありません。⼀箇所で集中⽣産する必要もないですし、マーケットの近くで
つくるなんてこともできる。型をおこす必要もなく、開発の過程でもデジタ
ル技術が使えるようになるので、より早くつくれます。つまり、ものづくり
のプロセス、さらにサプライチェーン全体についても⼤きく変わってくる。
そういうポテンシャルを持つ技術です。
方性 機 的 性
TRADITIONAL AM TRADITIONAL AM DIGITAL LIGHT SYNTHESIS DIGITAL LIGHT SYNTHESIS
8 Carbon Confidential
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3D プリンター最新動向と導⼊のポイント・実⽤事例 |Smart Factory Technology Show
中島︓確かに先ほど⾒せていただいた「強度が変わらない」っていうのは、
分かりやすい。⽤途が⼀気に広がりそうです。
澤⽥︓『Carbon』に限らず、3D プリンタでできることが広がっていけば、
少しずつ認識が変わってくるんじゃないかと思っています。3D プリンタと
いうと「開発ツール」のイメージなのですが、あえてここは「デジタルマニ
ュファクチャリング」という新しい定義、カテゴリで呼んでもいいのかな
と。
下宮︓おもしろいですね。ここから先は対談も挟みつつ、製造現場での事例
なんかについても触れていきたいと思います。
先ほどもあったとおり、現在は「試作でちょっと使ってみようかな」という
ケースが多いのかなと。「数年前に買ったけど社⻑がおもちゃとして使って
いるだけ」みたいな話もよく聞きます。技術的な⾰新も起こっているなか
で、もう少し幅広い⽤途で使えるようになってきていると思うのですが、具
体的にどういうところなのか、事例をお聞かせいただけますでしょうか。
澤⽥︓では『Carbon』に限定されるんですが、実際に採⽤されている領域
についてご案内していきたいと思います。コンシューマー向け、⾃動⾞、イ
ンダストリアルといったカテゴリで分けることもできるのですが、あえて
「ものづくりのプロセスを変えていく」という観点で、デザインや開発、そ
して最終製品の製造はこんなところが変わっていくんだ、というのをお⾒せ
したいと思います。
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3D プリンター最新動向と導⼊のポイント・実⽤事例 |Smart Factory Technology Show
事例① 技術⾰新
澤⽥︓ご存知の⽅も多いかと思いますが、アディダスがミッドソールの量産
に 3D プリンタを活⽤しています。写真のとおりミッドソールが格⼦構造な
んですね。これを我々は「ラティス」と呼んでいます。耐久性も⼗分にあり
ながら、従来の技術では実現できなかったようなパフォーマンスを発揮でき
る点がポイントです。
嵇崫崱崥嵤嵓
12 Carbon Confidential
澤⽥︓続いてこちらはアメフトのヘルメットの内装になります。Riddellは
アメリカのトップブランドなのですが、もともと選⼿の頭をスキャンして、
内装材を提案するというサービスを実施していました。
選⼿の脳しんとうなんかが社会問題になったりしましたが、内装材に先ほど
の「ラティス」を採⽤することで衝撃吸収性の向上を実現しています。あと
は通気性があるので快適だったり、軽量化にも貢献していますね。
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3D プリンター最新動向と導⼊のポイント・実⽤事例 |Smart Factory Technology Show
中島︓デザイン以外にもメリットがあるんですね。
内
9 (3D ⇒ 生成⇒L1造形)
9 1000 以上 選
9 撃 収性 動作性 久性 性
13 Carbon Confidential
澤⽥︓ちょっと変わったところでは、フランスのスタートアップが作ってい
るイヤホンカバーがあります。ユーザーが⾃分の⽿の形をスマホでスキャン
して送信すると、⾃分の⽿の形にあったイヤホンカバーが送られてくるとい
う。
中島︓おもしろい。「新しい体験」とも⾔えますね。
9
3D プリンター最新動向と導⼊のポイント・実⽤事例 |Smart Factory Technology Show
9 低
9 生体 合性 引 強度 性
9 性
14 Carbon Confidential
事例② 開発プロセス⾰新
澤⽥︓ 続いて NASAの事例を紹介します。⾃律⾶⾏して外観検査をするド
ローンの事例です。打上げまで約 1 年と開発期間が短く、また宇宙空間は太
陽が出れば⾼温、出なければ低温と温度の課題もありました。そこで選ばれ
たのが『Carbon』です。
中島︓NASAですからかなり厳しい要求基準があって、それを満たすことが
できた部品ということですよね。
澤⽥︓そうですね。オレンジ⾊の樹脂部品、実は初めてのアディティブでつ
くった部品でした。
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3D プリンター最新動向と導⼊のポイント・実⽤事例 |Smart Factory Technology Show
自 行検査
進 用高性能
9 打 上 約1年 時間的制約
9 数 配置 制約
9 量化
9 法 度
9 性
CE221 料 安全性 性能 要求 全
NASA 認定
20 Carbon Confidential
澤⽥︓続いて SPECIALLIZED という⾃転⾞メーカーの事例です。サドルに
先ほどの「ラティス」を採⽤しています。通常は開発⼯程が 24 ヶ⽉くらい
なのですが、こちらは 10ヶ⽉で仕上げています。
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3D プリンター最新動向と導⼊のポイント・実⽤事例 |Smart Factory Technology Show
S-WORKS POWER SADDLE WITH MIRROR
乗 心地 時 身体 支障
細 調整 適 定義 設計
9 力分 来 乗 心地
9 高品 感+最 表面 3D 品 初
9 市場投入期間 半減
別最 設計 内部
性 安定性 実現
21 Carbon Confidential
これら 2 つの事例をご覧いただいて分かったかと思うのですが、このような
「開発⼯程の短縮」というのが結構いろんなところで起こっています。従来
は試作・製造で使っている技術がそれぞれ違うために、設計変更をせざるを
得ないケースが結構あったのですが、それがなくなるんですね。
事例③ 製造プロセス⾰新
澤⽥︓最後に「製造」の事例です。やはり⾃動⾞が⼀番⼤きいと思っていま
す。アメリカの Fordでも早期より『Carbon』を取り⼊れています。
Fordでの実績は、「電動パーキングブレーキブラケット」「デリートプラ
グ」「HVAC レバーアームサービスパーツ」の 3 つがあります。それぞれ少
量の部品で、「HVAC レバーアームサービスパーツ」は保守部品ですね。⼀
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3D プリンター最新動向と導⼊のポイント・実⽤事例 |Smart Factory Technology Show
般的にモデルチェンジ後、⼤体 15 年は在庫を維持しなければいけないです
し、⾦型もなかなか捨てられないんです。
Ford のデジタル ポリマ
v
Focus HVAC
9 在庫削
9 半
9 注 削
Mustang GT500 動
9 樹 化 化 割以上
9 削 型成型品対比
9 作業性改善
9 改善 性 向上
F150Raptor
9 対応
9 改 回/ 日
9 9
9 外 性 二次
9 初 最 品
9 内 候性 性 UV 性 品性
USCAR2 性 ISO3795 性
SAEJ1756
Carbon Confidential
下宮︓ちなみに事前に視聴者の⽅からいくつか質問をいただいています。そ
のうちの⼀つが「国内外の⾃動⾞や航空機などモビリティへの 3D プリンタ
適応事例を教えてください」というものでした。
澤⽥︓今回ご案内できるのは『Carbon』の事例になってしまいますが、他
も含めると例えば⾃動⾞とか航空関係は欧⽶で先⾏して採⽤が拡⼤していま
す。特に航空関係の場合は軽量化を図れば燃料コストで⼤きなメリットが得
られます。しかも、元々⽣産量も少ない。なので採⽤が進んでいるんです
ね。
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3D プリンター最新動向と導⼊のポイント・実⽤事例 |Smart Factory Technology Show
下宮︓⾃動⾞とか航空機関連って求められる精度がすごく⾼くて 3D プリン
タの導⼊は難しいんじゃないのか︖ なんて思ったりするのですが、そこでも
実⽤化が進んでいるのはどのような背景があるのでしょうか。
澤⽥︓コストダウンの他にもいろいろあると思いますが、⼀つはカスタムへ
のニーズですね。あとは先ほども出た保守部品。経産省も進めていますけど
も、⾦型も不要なものは減らし、負担を減らしていこうという動きもありま
す。そういった中で 3D プリンタは有望なテクノロジーだと思っています。
EPX82は です。 な 、 い たわみ を し、 や一 、
まで くの でお いいただけます。
レベル レベル
サイクル
ヒートショック
、
、 、VOC
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3D プリンター最新動向と導⼊のポイント・実⽤事例 |Smart Factory Technology Show
用 保護
9 金 期
9 自動車 認 合格
課題
• 年間16,000個 小 製
• 金 約7 月 要
• 製品化 要 期間 減
• 生産部品 認 金 比半減 20 間
• 金 1 間 10回 変 実現 Fast Radi s Carbon 、Aptivが金型 比 20週間短い期間 、 用
• 成 品 成 性能特性 3D製造す 実現し、少量部品生産 おけ 将来的
道 開き し 。
-Jerry Rhinehart, Additive Manufacturing Technology Manager, Aptiv
26 Carbon Confidential
あとこちらは⽇本の事例になるのですが、NITTOKUさんという RFID のパ
ーツを製造されている企業で、⽐較的⽇本では早い時期から活⽤されていま
す。
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3D プリンター最新動向と導⼊のポイント・実⽤事例 |Smart Factory Technology Show
最新 9K 高 体RAM 1
行 自 高性 来
2 以上 通信 実現
27 Carbon Confidential
澤⽥︓次は製品ではなく治⼯具の事例です。
中島︓治⼯具は便利ですね︕
澤⽥︓EIZOさんは医療⽤モニターをメインで製造している企業で、もとも
と製造現場で治⼯具を作っていました。そのうち樹脂関係のものについては
3D プリンタでつくられています。また耐熱性が必要なものは⾦属を採⽤
し、外注していたのですが、これを『Carbon』でつくることによってスピ
ードアップとコストダウンを図りました。
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3D プリンター最新動向と導⼊のポイント・実⽤事例 |Smart Factory Technology Show
JIG FDM Carbon 出⼒速度 コスト(print time only) (resin cost only)
① 4パーツで 30パーツで 24倍30時間 9.5時間 (FDM対⽐)
検査治具 ② 1パーツで 3パーツで 24倍16時間 8時間 (FDM対⽐)
③ 1パーツで 4パーツで 9倍18時間 8時間 (FDM対⽐)
④ 1.3%(アルミ対⽐)
⑤ 1.6%(アルミ対⽐)
⑥ 6.7%(POM対⽐)
ü 医療⽤モニターは多機能多品種で機密性⾼いため、⽣産ライン・検査ラインともに⾃社製
ü 検査ラインには多くの治⼯具が必要(数百種類、各1個から数百個まで)
ü これまではFDMで試作し、簡便かつ強度不要のものは樹脂切り出し、強度や耐熱必要なものはアルミ切削で対応してきたが、
時間とコストが⼤きな課題
ü Carbon導⼊により、①圧倒的な時間短縮(〜10x)②コスト削減(特にアルミ代替)を実現
1 Carbon Confidentia l
中島︓製造現場に⾏くと、作業台、受治具、検査治具などを⼿間をかけなが
ら準備されているのをよく⾒かけます。そこに 3D プリンタが⼊るのはいい
ですね。
澤⽥︓3D プリンタの技術が治⼯具でも使えるようになってくると本当にお
もしろいと思います。
ここまで⼀通り『Carbon』の技術を紹介してきましたが、カスタマイズ、
オンデマンドなど、さまざまなシーンで使えるようになってきていますよ
ね。おそらくものづくりのサプライチェーン、それぞれのプロセスがさらに
⼤きく変わっていくんじゃないかなと思っています。
中島︓先ほど保守部品、⾃動⾞だったら 15 年という話もありました。装
置、⾦型、場所を残しておいて、受注が⼊ったら少量を⼀⽣懸命つくって、
納品して、⽚付けて、というのが今まで普通だったんですもんね。
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3D プリンター最新動向と導⼊のポイント・実⽤事例 |Smart Factory Technology Show
冒頭の話でもありましたが、⾦型がなくてもつくれるということは、⾦型が
残っているからここでつくる、ではなくどこででもできるようになるという
ことですよね。
本体価格や維持費、材料など
費⽤感は︖――視聴者からの質問
下宮︓最後に、視聴者の⽅からもリアルタイムで質問をいただいております
ので回答したいと思います。「3D プリンタを導⼊するとなった場合の本体
価格や維持費、汎⽤材料の価格について参考程度でよいので教えていただけ
ますでしょうか」ということで、ストレートな質問です。いかがでしょう
か︕
澤⽥︓弊社は 3D プリンタという装置を販売しているわけではないんです
ね。サブスクリプションでの提供になります。材料は有償です。
先ほどのアディダスの事例のように、格⼦構造を使った製品を開発する⼯程
だとか、実際に導⼊に際してデザインをさらに最適化して、最終的には量産
の条件を整えていくとか、そういったサービスもすべてパッケージされてい
るサブスクリプションとなります。
お値段なんですが、⽇本では年間 725万円。最初は 3 年間のご契約をいた
だくことになります。初期はユーザーさんの環境によって必要な⼯事を⾏っ
たり、周辺装置も揃えます。初期費⽤としては 1000万円から 1500万円く
らいあればセットアップして、導⼊ができますね。2 年⽬以降はサブスクリ
プションの年間費⽤と材料費⽤のみとなります。
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