プログラマブル ロジック:
車載システムのアクセラレーション
はじめに
車載システムは自動運転機能を装備するため、ますます高度な技術を必要としています。自動運転機能は、完全自動運転から、ドライバー
と運転権限をシェアする権限移譲型自動運転まで、さまざまな機能を網羅する複雑な技術分野です。この、自動運転機能を分類するため、
米国自動車技術会(SAE)では、次段階の基準を定めています。
SAE自
動運転 フォールバック(
レベル 名称 例 車両の制御 モニタリング 縮退運転) 車両の機能
0 自動化なし 該当なし 運転者(人) 運転者(人) 運転者(人) 該当なし
アダプティブクルー
1 運転者支援
ズコントロール/レ 運転者(人)と
ーンキープ & パー 車両
運転者(人 運転者(人 一部の走行モード
キングアシスト
2 部分自動運転 交通渋滞アシスト 車両 運転者(人 運転者(人 一部の走行モード
完全停止と発進 高
3 条件付き自動運転 速道路走行 セルフ 車両 車両 運転者(人 一部の走行モード
パーキング
4 高度自動運転 自動運転 車両 車両 車両 一部の走行モード
5 完全自動運転 無人運転 車両 車両 車両 すべての走行モード
自動運転機能を活用するには、車内通信、車両と交通インフラ間 単一のシステムのレベルにおける課題としては、 ISO26262規格へ
の通信、センサーのインターフェイス接続、センサーフュージョン、 の準拠を実証するために必要なセキュリティ認定の取得がありま
LiDAR、4Dレーダー、オートモーティブビジョン、ドライバーや同乗 す。また、権限のない部外者による変更も制限されなければなりま
者のモニタリングなど、実現の鍵となる技術を導入する必要があり せん。セキュリティの問題に加えて、車載システムは要求の厳しいリ
ます. アルタイム性能を達成し、車両が置かれている環境との安全なイン
タラクションを可能にする必要があります。
こうした機能を実現するにはさまざまな課題があ モジュールレベルでは、設計者は性能上の要件だけでなく、サイズ、
りシステム開発者はそれを解決しなければなりま 重量、電力、コスト目標(SWAP-C)もクリアしなければならないとい
せん。これらの課題は、システム・オブ・システム( う課題に直面します。これらの要件は、市場導入前にクリアしなければなりません。
社会・規格システムを考慮したシステム設計)と、
単一のシステム、そしてモジュールのレベルに分 ザイリンクスの車載テクノロジー
類することができます。 ザイリンクスの自動車ビジネス(XA)のポートフォリオは、XA Artix-7
および XA Spartan-7 FPGA ファミリ、 XA Zynq-7000 SoC および XA
Zynq UltraScale+MPSoC ファミリと各ファミリが利用するツールチ
システム・オブ・システムのレベルにおける課題としては、規格ドラフ ェーンを含みます。XAポートフォリオ内のすべてのデバイスに対して
トの承認に合わせて、新たな規格標準に柔軟に適応できる能力が は、AEC-Q100規格に準拠した部品承認のための試験が行われて
重要となります。これらの常に更新されていく規格は、サブシステム います。このようなコンポーネントの品質向上は、システム機能の安
同士の車車間通信、車両と交通インフラ間で行われる路車間通信 全をサポートし、全体的な信頼性の向上に寄与します。
の、両方に使用される条項が含まれています。また、車車間通信向
けのソリューション、路車、自動車・インフラ間通信向けのソリューシ
ョンも、世界各国どの地域でも利用可能である必要があります、地
域により異なる周波数での通信は不可欠です。
車載システムのアクセラレーション 2
ISO26262規格で定められているとおり、自動車安全水準(Automotive Safety Integrity Level、ASIL)による認証を可能にするため、ザ
イリンクスはさまざまな認定ツールチェーンとソフトウェアツールを用意しております。
電力効率とコスト効率に優れたソリューションでありながらも要件を満たすには、車載システムに適したデバイスを選択する必要があり
ます。XA Artix-7 および XA Spartan-7 ファミリのデバイスは、従来のFPGAベースからのアプローチを提供し、シーケンシャル処理が必要
な場合にはソフトコア・プロセッサを実装することが可能です。
要件がさらに厳しい性能が求められる場合は、ザイリンクス XA Zynq UltraScale + MPSoC や XA Zynq-7000 ヘテロジニアス SoC が、
処理システム(PS)とプログラマブルロジック(PL)の優れた組み合わせを提供します。
ザイリンクス XA Zynq UltraScale + MPSoC デバイスの特徴: ザイリンクス XA Zynq SoC デバイスの特徴:
– 最 大1.2GH(z fmax)で動作可能なクアッドコア 64 bitの ARM – 最大667MHz FMAXで動作できる32 ビット Dual core Arm
Cortex-A53 プロセッサと、最大500MH(z fmax)で動作可能な Cortex-A9 プロセッサを搭載したプロセッシングシステ
デュアル 32 bit ロックステップ ARM Cortex-R5 プロセッサを ム:PS部
内蔵したリアルタイム処理ユニットを搭載したプロセッシング
システム:PS部 – 最大464MH(z Fmax)で動作でき、設定が可能なロジック
ブロック、ブロック RAM 、およびDSPエレメントを内蔵する
– 最 大645MH(z fmax)で動作でき、設定が可能なロジックブロ 28nmアーキテクチャによるプログラマブル・ロジック:PL部
ック、ブロック RAM 、およびDSPエレメントを内蔵する16nm
UltraScale+ アーキテクチャによるプログラマブル・ロジッ
ク:PL部
Zynq UltraScale + MPSoC と Zynq-7000 によっても
たらされるPS部とPL部の密接な連携により、最新型
の車載システムの要求を満たすことができます。
FPGAソリューションも、ヘテロジニアスSoC向けソリューションも、ともに、プログラマブル・ロジックが搭載されています。このプログラマブ
ル・ロジックを使いアルゴリズムの並列処理を行うことで、アルゴリズムのレイテンシーを劇的に低下させ、確定的なアルゴリズム開発を可
能とします。プログラマブル・ロジックはまた、各種PHYとのAny-to-Anyのインターフェイスを自由う設計できるため、CPU、GPU、ASICソリュ
ーションと比べ、各種規格の変更やアップデートに柔軟に対応できます。
ザイリンクスのツールチェーン
ザイリンクスのXAデバイスの各PS, PL部の設計やコンフィギュレーションは、Vivado Design Suite を使用して開発されます。
Vivadoは統合開発環境で配置配線、シミュレーションのサポートなど、プログラム・ロジック開発において、多くの実績があります。もう一
つ、Vivadoの重要な側面として設計資産の再利用が挙げられます。これにより過去の設計資産やIPコアを使って、設計を完成させることが
容易です。Vivadoを使用することで、設計者は XA Zynq-7000 SoC や XA Zynq UltraScale-+MPSoC デバイスに搭載されるプロセッサと共
に、広範なIPカタログに登録されたIPコア群を周辺として活用することができます。
カスタムIPブロックが必要な場合は、VHDLやVerilogなどのハードウェア記述言語を使用して作成することもできます。また、Vivado Level
Synthesisにより、CまたはC++のデザインをプログラマブル・ロジック内に実装することも可能になります。
ソフトウェアソリューションの開発には、Vitisを用います。これは、Cortex-A9、A53、R5、および MicroBlaze ソフトコア・プロセッサ用のソフト
ウェアの作成を容易にする統合ソフトウェア開発用プラットフォームです。
車載システムのアクセラレーション 3
Vitisは、PetaLinux を使用した組み込みLinuxの開発をサポートす XA Zynq UltraScale + MPSoC デバイス・ファミリは、プロセッシ
ると同時に、FreeRTOSなどのリアルタイムOSもサポートします。フ ングシステム内のコンフィギュレーションセキュリティ・ユニット
レームワークが提供され、OpenAMPなどのマルチプロセッサ環境 (CSU)の機能を備えたセキュリティ機能をさらに強化し、階層型
における通信やライフサイクル・マネージメントが容易になります。 セキュリティ機能を実現します。CSUがAES 256- GCM、4096 RSAマ
ルチプライヤ、SHA-384をサポートしており、デバイスの安全な再
構成(コンフィギュレーション)が可能になりソリューションの機密
システム開発機能だけでなく、VITISは、 性、認証、堅牢性が実現します。
OPENCLを使用した高速化もサポートします
CSU暗号化エンジンのAES、RSA、SHAブロックをランタイムに使用
して、機密性、認証、堅牢性機能を実現することもできます。CSUの
OpenCLにより、APU(Application Processing Unit)の制御下で、 DMAは非常に効率的な処理を可能にします。CSUは、Rolling Key
アクセラレーション(高速化)カーネルをプログラマブル・ロジック 機能を有効にして、差動電力解析によるキー攻撃を防御するなど、
内に導入することが可能になります。これにより、アルゴリズムの キー管理を行うこともできます。
ハードウエア・アクセラレーションをソフトウエアエンジニアでも ランタイム・セキュリティ・サポートには、内蔵システムモニター
実現出来るようになります。これは、アルゴリズム内で利用される (FPGAデバイスとSoCデバイスの両方)による改ざん防止対策が
C、C++記述を高位合成でハード実装させることを意図します。ま 含まれています。これにより、デバイス電圧やダイ温度が限界を超
た、Pragma記述を使用することでアルゴリズム処理を並列処理に えた場合、警告を発信し、監視することができます。システムモニタ
展開しプログラマブル・ロジックに実装することで、パフォーマンス ーには外部接続もあり、エンクロージャレベルでの、より物理的な
を最適化することを可能としています。 不正操作防止策として使用できます。
セキュリティ 安全性
すべてのザイリンクスXAデバイスには、Advanced Encryption 自動車システムのメーカーが直面している重要な課題の1つは、
Standard( AES)に基づいて暗号化ビットストリームを使用し、デ 適切な安全性・品質規格に準拠した安全システムを実現すること
バイスを安全に再構成(コンフィギュレーション)する機能がありま です。
す。XA Zynq-7000 SoC や XA Zynq UltraScale + MPSoC のデバイ
スを利用すると、プロセッサ・システムとプログラマブル・ロジック 自動車業界においては、これは機能上の安全性に関連しており、
の組み合わせにより、セキュアな(再構成)コンフィギュレーション システムの危険性のレベルを示す ISO26262規格の自動車安全水
手法がより完全なものとなります。 準(Automotive Safety Integrity Level、ASIL)の4段階のうち、い
ずれかに準拠しなければなりません。
自動車
安全水準 重要度 故障率(FIT、10億時間 検出率 結果
(ASIL あたりの平均故障回数)
単一箇所における故障検
ASIL-D 最重要 FIT10未満 出率 >99% 潜在的な故障 Possible fatalities
検出率 >90% in community
単一箇所における故障検
ASIL-C FIT100未満 出率 >97% 潜在的な故障 Possible fatalities
検出率 >80%
単一箇所における故障検
ASIL-B FIT100未満 出率 >90%潜在的な故障 Possible for minor injuries
検出率 >60%
単一箇所における故障検
ASIL-A 最も低い重要度 FIT1000未満 出率 <90%潜在的な故障 Potential for minor injuries
検出率 < 60%
QM 品質管理 NA 安全性に関連しない
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Single point of failure(SPOF)は、単一障害によるリスクを防止す XA Zynq UltraScale + MPSoC 低電力ドメイン、リアルタイム処理
る安全設計の指標であり、Latent fault metric(LFM)は、安全設計 ユニット、および安全マニュアルは、このほど、ISO26262:2011規
によって検出できない複数箇所における故障に関する指標です。 格に基づきASIL-Cとして認証されました。
故障率FIT(Failure in Time)は、10億時間以内に発生が予測され
る装置の故障件数を表します。より重要なシステムには、より低い ASIL-Cソリューションの実装を可能にするアーキテクチャ機能に
FIT値が求められるため、設計者にとっては達成に試練を要する は、以下があります。
目標となります。
– Low power、Full power、およびプログラマブル・ロジックの3つ
システムに関するASILは、下記項目に関して危険分析を行うこと の独立したドメイン。各ドメインには、ハードウェアにフォールト
により、決定されます。 トレランスをもたらす専用電源とクロッキングを有します。
– 重大度 – ドライバーまたは同乗者が受けるおそれのある傷害 – プラットフォーム管理ユニットで、TMRブートの安全性、電源、エ
ラーを管理するプロセッサ
– 曝露確率 - 車載システムや車両が危険に曝される頻度
– Low powerドメインには、ロックステップモードつきの ARM
– 制 御可能性 – ドライバーや車両が傷害を防止するために取るこ Cortex-R5 プロセッサ
とのできる操作
– プロブラグラマブル・ロジックの分離を可能にする、メモリ・周
このため、車両に搭載されている各システムのASILリスク等級は 辺機器保護ユニット
異なります。たとえば、ブレーキ、ステアリング、エアバッグなどの
重要なシステムは、通常、ASIL-Dであり、 – Critical memoryのエラー訂正コード
一方、ヘッドライトやADASシステムなどのシステムは、通 – ロジックやメモリを内蔵したセルフテスト、エラーインジェクシ
常、ASIL-Bです。 ョン、ソフトウェアテストライブラリを含むテスト可能なアーキテ
クチャ
要求されているASILを満たす設計を実現するには、単一箇所に
おける故障および潜在的故障を検出してそのリスクを軽減でき 認証が必要な場合、 ザイリンクスの自動車用デバイスのポートフ
るよう、本格的な設計分析や故障モードの検討を行う必要があ ォリオを、ISO26262-8:2011規格に準拠して認証されたツールが
ります。 サポートします。
認証済みのツールを利用できるため、開発者は、開発期間全体を
IPコア、デバイスアーキテクチャ、およびザイリン 短縮でき、高品質かつ低コストでプロジェクトを期限に合わせて
クスWEBが提供するドキュメントサポートで、必
完了することができます。
要とされている機能安全レベルの達成できます また、安全マニュアル、ソフトウェア安全ユーザーガイド、 FMEDA
ツール、サンプル、定期的な信頼性レポートなど、認証を取得する
ために設計されたシステムおよび分析ツールもご用意しておりま
ブロック RAM のエラー検出や訂正を含む、信頼性の高い論理設 す。これらのリソースは、ザイリンクスの機能安全パッケージから
計のためのプログラマブル・ロジックのローレベル・サポートが行 入手可能です。
われます。Triple Module Redundan(t TMR)やロックステップのオ
プションのついた MicroBlazeソフトコア・プロセッサをプログラブ これらの開発ツールを、ザイリンクスの自動車用デバイスと組み
ルロジックに実装することで多様な構成を可能とします。 合わせて使用することで、開発者は、最新の自動車開発の課題に
対応することができます。
また、XADC と Sysmon を使用してデバイスの電源レールとダイ
温度を監視、閾値を超えた場合はアラームを発効させることも出
来ます。
プログラマブル・ロジック内における各機能の分離はザイリンク
スのIsolation design flow (IDF)とVivado Isolation Verifier (VIV)
を使用して実装検証できます。これにより プログラマブル・ロジッ
ク内に実装された機能の間の分離が確保されます。
車載システムのアクセラレーション 5
複数拠点間インターフェイス接続
自動運転機能を実装する核心部分となるのは、異なるモダリティを持つセンサー群、アクチュエータや多様な規格のインターフェイスとの
接続性と言えます。センサーからデータを受信すると、車両がそれに反応できるように判定処理を行う必要があります。
センサーとのインターフェイスとその処理における、重要な課題の1つとして、プロセッサはさまざまな高帯域センサーモダリティとのインタ
ーフェイス実現性が求められることが挙げられます。
これらのモダリティはすべて、異なるインターフェイス規格を備えています。一般的なソリューションでは、カメラ、レーダー、LiDARなどの広
帯域幅センター用のMIPI 、JESD204B、LVDS、GigEなどの高速インターフェイスを使用するさまざまなセンサーモダリティからデータを受信
します。また、加速度計等の低帯域センサーとのインターフェイスにはCAN、SPI、I2C、UART等の標準規格での通信とその処理が必要となり
ます。
Zynq UltraScale-+MPSoC のプロセッシングシステムやプログラマブル・ロジックは、CAN, SPI, I2C , UARTおよびギガビットEthernet等の
業界標準インターフェイスをサポートしています。
プログラマブル・ロジックが有するI/Oの柔軟性によりMIPI, LVDSやその他のGigaビット・ シリアルリンクとのダイレクト・インターフェイスが
可能です また、各種IPコアを搭載して、より高いレベルのプロトコルをプログラマブル・ロジック内に実装することができます。また、プロ
グラマブル・ロジックにプロトコルを実装することで、規格の改訂に素早く対応することができ、システムでサポートが求められる数多くのセ
ンサーの通信規格に柔軟に対応できます。また、プログラマブル・ロジックは、ハードウェア・デザインとして将来的に必要となるPHYとの接
続性を提供する可能性を持ち、真のAny to Anyインターフェイス接続を可能にしています。
画像処理の高速化
画像処理は、ナビゲーションから、ドライバーや同乗者のモニタリングにいたるまで、あまたの車載システムにおいて、その中核を担います。
通常、これらのシステムで使用されるアルゴリズムは、OpenCVなどの高レベルのフレームワークで作成されモデル化されます。
PLソリューションは、画像のパイプライン処理を論理的に構築できるため、画像処理システム
のパフォーマンスを大幅に向上させることができます。このパイプライン処理は、PLのパラレ
ル特性を活用します
OpenCVなどのフレームワークで作成された高レベルのアルゴリズム・モデルを、HDLによってすべて再作成することなく活用できるよう
にするため、ザイリンクスは、XF::OpenCVライブラリを提供いたします。Vitis統合ソフトウェア開発プラットフォームのハイレベル統合を
使用してPLに統合できるOpenCV関数のうち、一般に広く使用されているいくつかが、XF::OpenCVライブラリに含まれています。これによ
り、OpenCVを使用してハイレベルのモデリングを行うことができ、ハードウェア記述言語を延々と記述することなく、PLパイプライン内で、
同じ関数をすばやく簡単に実装できます。
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画像処理またはダウンストリーム処理に必要とされるH.264/H.265 がありました。ベースバンド信号は、アナログ-デジタル・コンバータ
エンコーディングまたはデコーディング処理性能をXA Zynq (ADC)およびデジタル-アナログ・コンバータ(DAC)を使用して、ア
UltraScale + MPSoC EVシリーズに搭載されたストリームのバッファ ナログ領域への変換および同領域からの変換が行われます。
リング用UltraRAMとVideo CODECユニットが提供します
ザイリンクスの Zynq UltraScale + RFSoC デバイスポートフォリオ
ニューラルネットワークの高速化 には、高性能クアッドコア ARM Cortex-A53 64 ビットプロセッサを
画像処理についで、オートメーションシステムの開発を可能にする
搭載したプロセッシングシステムだけでなく、
ための、もう1つの重要なテクノロジーが、機械学習です。たとえば、 GSPS(ギガサンプル/秒)クラスのADCやDACに加えて、アップコン
機械学習を利用して、高速道路上の物体を分類したり、ドライバー バータ、ダウンコンバータ、複雑なミキサー、インターポレーター、デ
や同乗者を監視したりモニタリングしたりすることができます。 シメーターなど、必要なサポートインフラストラクチャサポートイン
ニューラルネットワークの実装と高速化に、Vitis AI を利用可能
フラストラクチャを内蔵するプログラマブル・ロジックも含まれてい
です。Vitis AI は、プログラマ風呂ロジックを利用して、Caffe や
ます。
TensorFlow 等、広く利用されているML/AI フレームワークをア これにより、RFフロントエンドとのインターフェイスの複雑さが大幅
クセラレーションすることができます。Vitis AI は Model Zoo, AI に緩和されるだけでなく、要求される実装面積も全体的に縮小で
compiler, Optimizer, Quantizer, Profilerを提供し、システムへのデ きます。
ィープラーニング処理ユニットを実装を可能としました。
ザイリンクスの Zynq UltraScale + RFSoC の主な構成要素
ミックスドシグナル機能 は、GSPSレベルのサンプリングレートで処理可能なADCコンバータ
レーダーは、霧や豪雨など、明るさや天候条件を問わず、常に機能 とDACコンバータになります。世代によってこのサンプルレートには
する唯一のセンサー技術です。より高次のSAE自動運転レベルによ 幅があり、第1世代のADCでは2Gサンプル/秒、第3世代のデバイス
る運転を実現するため、十分に正確な情報を取得する目的で、頻繁 では5Gサンプル/秒で、4つのナイキストゾーンすべてで動作を可
に利用されるのが4次元レーダーです。 能にするRF入力帯域幅をサポートします。サンプリングDACのレー
トは、第1世代の6.5Gサンプル/秒から第2世代の10Gサンプル/
4Dレーダーにより、方位、高度、直線距離のほか、ドップラー周波数 秒まであります。このサンプリングレートと広いRF入力帯域幅の組
についても情報が得られます。ドップラー周波数を活用すれば、検 み合わせにより、RF Tx および Rx パスの複雑さが大幅に緩和され
出ターゲットの速度が決定できます。これにより、4Dレーダーは、広 ます。
い視野(100度)、細やかな空間分解能(1度)、それに長距離機能(
約300m)を備えたシステムを提供します。これが、交通渋滞時アシス 結論
ト、高速道路走行、セルフパーキングなどの機能を備えた、SAE自動 自動車の機能に対する要求が高まる中、設計者は、ザイリンクスXA
運転レベル2および3での自動運転を可能とします。 の車載デバイスやサポートツールチェーンのポートフォリオにより、
求められる性能だけでなく、必要とされる品質や機能上の安全性、
従来のレーダーソリューションでは、アップコンバージョンやダウン
また情報のセキュリティを実現することができます。
コンバージョンを行うには、RFフロントエンドにおける信号生成や
長時間の信号処理にベースバンドデジタル処理を使用する必要
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アヴネットについて
アヴネットは、グローバルな技術ソリューションプロバイダとして、膨大な
エコシステムを活かし、製品のライフサイクルのあらゆる段階において、
顧客へ設計、製品、マーケティング、およびサプライチェーンの知識経験を
提供しています。またアイディアをインテリジェントなソリューションに変
換し、商品化にかかる時間、コスト、そして複雑さを減らします。そして、約
100 年に亘り、世界中のお客さまおよび サプライヤーが技術の変革を実
現するために支援してきました。
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