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ウェアラブル、モバイル、その他のスマート、コネクテッド機器に必須のバッテリ寿命を提供する上で低自己消費電流が果たす役割を検証します。
◆筆者 Meng He、エグゼクティブ・ビジネスマネージャー、
Steve Logan、エグゼクティブ・ビジネスマネージャー、コア製品グループ、 マキシム・インテグレーテッド
◆要約
機器の小型化が続き、しかもこれまで以上に多機能化と高性能化が予想されるため、バッテリ寿命に向けられる目が厳しさを増しています。将来の機器でバッテリ寿命を効果的に延長するには、低自己消費電流に関する知識が必要です。ここでは、今日の(そして将来の)ウェアラブル、モバイル、その他のスマート、コネクテッド機器に必須のバッテリ寿命を提供する上で低自己消費電流が果たす役割を検証します。
◆掲載内容
・はじめに
・バッテリ寿命を決める要素は何か?
・自己消費電流の影響を過小評価してはならない
・適切なブーストコンバータの選択
・TRUESHUTDOWN内蔵型超低自己消費電流ブーストコンバータ
・まとめ
・詳細を見る
・出典
◆詳細はカタログをダウンロードしご覧いただくか、お気軽にお問い合わせ下さい。
このカタログについて
ドキュメント名 | なぜ低自己消費電流がバッテリ寿命の延長にとって重要なのか |
---|---|
ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
ファイルサイズ | 1.4Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | アヴネット株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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なぜ低自己消費電流がバッテリ寿命の延長に
とって重要なのか
筆者 Meng He、エグゼクティブ・ビジネスマネージャー、
Steve Logan、エグゼクティブ・ビジネスマネージャー、コア製品グループ、
マキシム・インテグレーテッド
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要約
機器の小型化が続き、しかもこれまで以上に多機能化と高性能化が予想されるため、バ ッテリ寿命に向けられる目が厳
しさを増しています。将来の機器でバッテリ寿命を 効果的に延長するには、低自己消費電流に関する知識が必要です。こ
こでは、今日の (そして将来の)ウェアラブル、モバイル、その他のスマート、コネクテッド機器に必須 のバッテリ寿命を提
供する上で低自己消費電流が果たす役割を検証します。
はじめに
ウェラブルやモノのインターネット(IoT)に関するすべての話
題や動向を可能にしているものは何でしょう?体温を測定 Global Industry Analysts, Inc.によると、全世界のバッ
し、インスリンを投与し、また心拍数を監視する医療パッチ テリ動作ポータブル 製品の市場は「現在台頭しているネッ
は、長期間にわたって高い信頼性を保証しつつ動作する必要 トワークのワイヤレス時代における遍 在的なモビリティに
があります。さらに、通常これらの機器は通 常は貯蔵室や薬 対するニーズ拡大 に促進されて」、2020年には8,654億 ド
品棚に長期間保存され てから患者に使用されます。使用す ルに達することが予想されます1。個 々のIoTノードは、動作
る時点で機器のバッテリに十分な残量があるという確信が のためにバッ テリを必要とします。標準的な2人暮 しの家
必要です。同様に、スマートウォッチ、イヤホン、テレビゲーム 庭では、各機器に固有のエネル ギー使用パターンがありま
コントローラも、次の充電までに長期間動作する必要があり すが、30〜 60の範囲のバッテリが使用されます2。
ます(図1)。
常にバッテリの充電や交換を繰り返したり、機器の使用途中 以下では、バッテリ寿命がどのように 計算されるかを検討
に動作が停止することを望む人がいるでしょう 常にバッテリ し、なぜ自己消費 電流(IQ)が重要なのかを説明します。
の充電や交換を繰り返したり、機器の使用途中に動作が停
止することを望む人がいるでしょう
図1. 長時間のバッテリ寿命が不可欠なシステム例: スマートウォッ
チとイヤホン
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バッテリ寿命を決める要素は何か? 自己消費電流の影響を過小評価してはならない
多くのIoTノード機器は、製造された あと購入され電源を入 電源がスタンバイモードである時、消費電力は自己消費電流
れて使用されるま で、(通常は店頭で)シャットダウンモード (IQ)によって決定定義されます。これは、まったく負荷を駆
のままになっています。これらの機 器は、寿命の大部分をス 動せ ず入力がサイクルされていない、回路の静止状態に該
タンバイモードで過ごし、定期的に再起動して何らかの動作 当します。わずかな値 ですが、自己消費電流も軽負荷動作
やクラウドへのデータ送信を行います。このようなことは、 時 のシステムの電力伝達効率に大きく影響します。自己消
ユーザーが 運動時の比較的短期間だけ身に付けるウェア 費電流も軽負荷動作時 のシステムの電力伝達効率に大き
ラブルフィットネスモニタリング機器などの製品に特に当ては く影響します。
まります。これを前提に、機器がパッシブモード時の省電力を
向上させる方法を明らかにする必要があります。 自己消費電流は、シャットダウン電流と混同されることがあ
ります。自己消費電流の場合、システムはアイドル状態です
がいつでも再起動して何らかの動作を行うことが可能で、一
システム設計者は、中央制御ユニット(マイクロコントローラ 般的にユーザーが機器に望む状態にあたります。これに対し
など)のアクティブ、スリープ、およびハイバネート電流に基づ て、シャットダウン電流はスリープ状態の機器に該当します。
いてバッテリ寿命を計算します。関連するセンサーや無線 設計者は、自己消費電流を使って軽負荷時の電源の消費電
も、マイクロコントローラと協調して機能します。もちろん、電 力を評価します。またシャットダウン電流を使って、機器が電
源も不可欠で、システムの全機能ブロックにエネルギーを供 源オフでもバッテリがレギュレータに接続されている場合の
給します。アクティブ消費電流は バッテリ寿命を延長する上 バッテリ寿命を計算します。
で重要な要 素ですが、動作時間は最終的に各電力
モードで過ごす時間に影響されます。つ まり、スリープおよ 機器のバッテリ寿命を延長するためには、常に低電力マイク
び休止状態が占める時間が長いほど、各部品のスタ ロコントローラ、センサー、無線、および効率的な電源などの
部品を使って設計します。先進的ノードであるCMOS製造プロ
セスなどの設計技法も製品全体の消費電力低減に役立ち、
ひいてはバッテリ寿命にプラスの影響を与えます。バッテリ電
圧が低レベルになる場合、ブーストコンバータによるバッテリ
寿命の延長を選択する設計者もいるでしょう。しかし、適切な
コンバータを選択しない限り、この方法は実際には自己消費
電流を増大させ、バッテリの消耗を早める結果になります。
最終製品の形状も、重要な考慮事項です。消費者(したがっ
て設計者も)、小型化と軽量化を追求しています。問題は、機
器のバッテリが、通常、機器のボード上で最大かつ最重量の
部品だということです。もちろん、より小型のバッテリは容量
がより小さく、それはバッテリ寿命の延長という要求に矛盾
反します。そのため、設計者は効率的なパワーマネジメント
図2.コイン電池は長い動作時間を必要とするポータブル機器に 手法技術によって容量とサイズのバランスを取る必要があり
給電します ます。システムの電力効率向上は、バッテリ寿命を延長する
ための一般的な方法の一つです。
ンバイ電流が重要になります。そのような 状況で、電源の自 ブーストコンバータなどのパワーレギュレータの自己消費
己消費電流はシステム のスタンバイ消費電流の最大の要因 電流の仕様は、十 分な注意を払うに値します。この電 流が
です。 たとえば、在庫寿命1年の40mAh、 1.55Vの酸化銀コイ 小さいほど、より長くバッテリ寿命を延長することができま
ン電池(図2)によって給電されるシステムを考えてみます。消 す。特に今 日の超小型設計の場合、必要なのは、よ り低い
費電流を約4µAと想定すると、 電流を1µA低減するごとにウ 自己消費電流と現在市販され ているものより小型の形状
ェアラブ ルの在庫寿命は約3か月増大します。 の両方を実 現することができる技術です。この場 合、バッテ
リ寿命に影響を与えるため にはmA単位の電流でさえ十分
に低く はありません。今日のウェアラブル、モ バイル、およ
電源は通常、電圧のを昇圧または降圧するを行うスイッチン びIoT設計では、電流 の流れがわずか数nAであることが要
グレギュレータや低ロードロップアウトレギュレータ(LDO)な 求されます。
どのレギュレータからで構成されます。一部の電源は、複数の
電源アーキテクチャ、および場合によってはバッテリチャージ
まで内蔵したパワーマネジメントIC(PMIC)も備えています。
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適切なブーストコンバータの選択
ブーストコンバータは、出力電圧が電力源の電圧より高いDC-DCコンバータです。業界アナリストによると、ブーストコンバータ市場
の中で、VIN (5V)のブーストパワーマネジメント回路が最も急成長している分野です(図3:全世界全体のブーストコンバータの売
上げ予測)。この成長を促進しているIoTアプリケーションの要件に基づいて、設計者はより低い電圧レール、より長いバッテリ寿命、
およびより小型のソリューションサイズを提供するブーストコンバータを求めています。
バッテリ寿命の延長を実現する適切なブーストコンバータを選択する
には、以下のような主要な基準について慎重に検討する必要があ Vin (5V) Boost
ります: Worldwide Revenue ($M)
1. 自 己消費電流:この電流が低いほど、システムのスタンバイモ $500
ード時にコンバータがバッテリ寿命をより温存することができ
ます。 $400
2. True shutdown:シャットダウン 時に入力からの電流出力を阻 $300
止 することによって、この機能は最 終製品の効率を向上させ
在庫寿 命を延長します。コンバータの内蔵機能として利用提 $200
供される場合、高コストの外付け部品も不要になります。
3. 入力電圧範囲:ほぼ「デッド」状態のバッテリでの動作を可能に $100
します。
$0
4. 効率性:VIN、VOUT、およびIOUTで測定され、%値が高いほどバ 2017 2021
ッテリ寿命の延長に有効です(µAレベルで90%以上の効率が
理想的です)。 図3. 全世界全体のブーストコンバータの売上げ予測
パワーマネジメント技術に関するベンダーの実績を調べることも重要です。信頼すべきベンダーは、さまざまな業界のあらゆる規
模のお客様に先進技術を提供してきた長い歴史があり、長年にわたって継続的に自社の専門知識と製品を強化しています。設計
*Databeans 2016 Report 仕様に基づいて効率グラフと部品表(BOM)コストを評価するオンライン・シミュレーションツールをお客様に提供しているベンダー
**Gartner Forecast: Interneもt oあf Tりhiまngすs,。E評nd価poキinッtsトanやd評As価socボiaーtedドSへerアvicクesセ, Wスoでrldきwiれdeば, 2、0さ14まざまなサイズの設計のプロトタイプ作成が迅速化できます。さらに、
コストとサイズを重視する設計にとって超小型パッケージの提供が必須です。
1 | Maxim Integrated | Company Confidential
TRUE SHUTDOWN内蔵型 超低自己消費電流ブーストコンバータ
マキシムは現在、超低自己消費電流(300nA) L1
とTrue shutdown™技術を備えたブースト(ス 2.2µH
テップアップ)DC-DCコンバータを提供してお IN400mV TO 5.5V
り、長いバッテリ寿命を必要とするバッテリ
駆動アプリケーションに最適です。nanoPower OUT
ブーストレギュレータのMAX17222は CIN EN10µF
225mA/0.5A/1Aのピークインダクタ電流制限
を備えています(図4)。
True shutdown技術によって、出力は入力か GND
ら切断されて順方向または逆方向の電流が MAX17222
COUT
10µF
ゼロになります。出力電圧は、一つの標準1
%抵抗を使用して選択が可能です。MAX17222 STARTUP0.88 (TYP)
は、起動後のイネーブル過渡保護(ETP)を
備え、負荷電流に応じて、最低400mVの入力
電圧まで出力の安定化を維持することが RSEL
可能です。このブーストコンバータは6ピ ン
WLP(0.88mm x 1.4mm) お よ び 6 ピ ン
µDFNパッケージで提供され、95%のピーク効
率によって発熱を最小限に抑えます。 図4. nanoPowerブーストレギュレータのブロック図
4
SEL EN
IN
LX
GND OUT
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まとめ
次の設計でバッテリ寿命を延長する方法を検討する場合、自己消費電流の影響を過小評価しない でください。まず、最終製品の電力
プロファイルを理解することが重要です。それにより目指すべき目標が与えられます。実装する部品を検討する段階では、nAの範囲で可
能な限り最小の自己消費電流を提供する電源および処理回路を探してください。低自己消費電流と、True Shutdown、低 入力電圧範
囲、およびµAレベルでの最高効率などの仕様との組み合わせは、充電1回当りの長い 稼働時間に対する顧客の需要を満たすスマー
ト、コネクテッド製品を実現するために役立ちます。
詳細を見る
更なる詳細はMAX17220データシートをご覧になるか、アプリケーションの要件については販売担当者までお問い合わせください。
出典
1 http://www.strategyr.com/MarketResearch/Portable_Battery_Powered_Products_Market_Trends.asp
2 http://blog.batterysharks.com/average-household-and-the-number-of-batteries/
3. マキシム・インテグレーテッド、「。Meeting the Design Challenges of Wearable and IoT Devices(ウェエラブルおよびIoT機器の設計の課題への対応)」、サンノ
ゼ、2017年
Avnet
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