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IoTの現状と今後の動向が分かるトピックや基礎知識をまとめました。ぜひご自身のビジネスにお役立てください。
私たちの暮らしやビジネスを大きく変えていくと言われている、注目度の高いIoTソリューション。
これからIoTビジネスを進める中で、何と向き合い、どのように進めていくべきなのか。
IoTの現状と今後の動向が分かるトピックや基礎知識をまとめました。ぜひご自身のビジネスにお役立てください。
【掲載内容】
1. ビジネスを根底から覆すIoTソリューション
2. IoTビジネスで知っておくべき6つのトレンド
3. 今後、確実に重要となるエッジコンピューティング
4. IoTビジネスに取り組む前に考えるべき危険性
5. IoTセキュリティの3つの基本
6. 必要なのは、エンド・ツー・エンドのテクニカルパートナー
7. 参考調査資料「製品開発者から見たハードウェアの今後」
◆詳細はカタログをダウンロードしご覧いただくか、お気軽にお問い合わせ下さい。
このカタログについて
ドキュメント名 | 初心者でもわかる IoT 導入・活用の手引き「IoT ビジネス最前線 2019」 |
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ドキュメント種別 | ハンドブック |
ファイルサイズ | 1.9Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | アヴネット株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
この企業の関連カタログ
このカタログの内容
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IoT ビジネス最前線 2019
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INDEX
IoT ビジネス最前線 2019
私たちの暮らしやビジネスを大きく変えていくと言われている、注目度の高いIoTソリューション。これか
らIoTビジネスを進める中で、何と向き合い、どのように進めていくべきなのか。IoTの現状と今後の動向
が分かるトピックや基礎知識をまとめました。ぜひご自身のビジネスにお役立てください。
1 ビジネスを根底から覆すIoTソリューション
2 IoTビジネスで知っておくべき6つのトレンド
3 今後、確実に重要となるエッジコンピューティング
4 IoTビジネスに取り組む前に考えるべき危険性
5 IoTセキュリティの3つの基本
6 必要なのは、エンド・ツー・エンドのテクニカルパートナー
7 参考調査資料「製品開発者から見たハードウェアの今後」
出典一覧・問い合わせ先
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1 ビジネスを根底から覆すIoTソリューション
IoTサブスクリプションサービスの時代到来!
ある予測では、2年以内になんと200億以上ものIoT(モノのインターネット)
デバイスが、業務用と個人用の両方で展開されると予測しています。これは
2018年に流通した量の約2倍。あらゆる業種において、IoTアプリケーションへ
の投資は開始されているのです。PwCが行った調査ではメーカーの47%がす
でにIoT製品やサービスを提供しており、IoTベースのソリューションに牽引さ
れて自社の収益が5年間で平均10%増加すると見込んでいるとのデータもあ
ります。
これまでは、新しい製品を開発しても、1回限りの収益で終わることが多かっ
たのですが、これからは、単に製品を1つ売るだけではなく、持続可能な収益が
見込めるサービスが注目されていきます。たとえば、冷蔵庫を買うことは1回限
りの取引ですが、常にインターネットと繋がった世界では、冷蔵庫が買い物メモを更新したりニュースや天気予報までも提供することが
できるようになります。つまり、家電メーカーは顧客と24時間365日寄り添った現在進行形の関係を築くことができるようになるので
す。IoTデバイスを活用したサブスクリプションサービスが、継続的な収益を生み出すようにビジネスを変革しているのです。
IoTでリスクを軽減、市場を拡大
サブスクリプションによるIoTソリューションのメリットには、設置やメンテナンス、コストや運営についてのリスク軽減があります。ま
た、集めたデータを使って、よりスマートにビジネスを開発できることも特長です。リアルタイムのインサイトを使えば在庫管理コストを
減らすことができますし、商品化に要する時間を短くすることも可能。他にもダウンタイムを最小化できるなど、多くの戦略的利益が見
込めます。
さらにIoTは、今まで遠隔操作による測定や管理、モニタリングといった部分にも、新たな収益をもたらすことが期待されています。現
に農家では、低コストのセンサーやドローン、機械学習アルゴリズムを使った生産性向上や廃棄生産物の削減、サプライチェーンの監視
や水の管理など、IoTを活用することで、ビジネスそのものを大きく変える可能性が高まっています。
大手コーヒーメーカーの例
アヴネットはMicrosoftと連携し、世界的に有名な大手コーヒーショップのコーヒーメーカーをスマート化しています。そこでは、安全
なネットワークを構築するために、MicrosoftのAzure Sphereソリューションを活用しています。目下の目標は、機械の故障を軽減し、
将来的にはゼロにすることです。修理依頼の電話が1店舗当たり年1回減れば、IoT実装のコストをカバーできるのです。長期的ビジョン
で見た時に、IoTから得られるメリットは非常に大きなものとなります。
この大手コーヒーショップの顧客はいつも同じ品質のコーヒーが提供されることを求めています。もしそれが提供できなければ、顧客
は悲しい気分で1日を過ごすことになりブランドの信頼は失われます。企業がコーヒーメーカーの稼働状況を最適化し、いつでも品質の
高い商品を提供できる環境を維持することは、単に保守費用の節約だけではなく、素晴らしい顧客体験や、従業員の幸せと生産性を維
持しブランド価値を継続することにつながるのです。
IoTビジネス最前線2019
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2 IoTビジネスで知っておくべき6つのトレンド
2019年、多くの企業でIoTソリューションへの参入が進むでしょう。そんな状況の中でIoT戦略を成功させるため
には、次に挙げる6つの技術トレンドを知っておく必要があります。
Trend Trend
1 IoTデバイスへのAI搭載 2 暗号通貨の需要増加
高い負荷のかかる産業向けIoTアプリケーションでは“レイテン BitcoinやEthereumなどのブロックチェーンアプリケーションで取
シー(遅延)”が鍵。AIによってリアルタイムで動作するIoTデバイ 引できる企業は今現在有利な立場に立っており、今後も増えていく
スは、データがクラウド間を行き来する時間がビジネスに影響し ことが予想されます。しかし、信頼性を持って暗号通貨をIoT戦略に
ます。データをリアルタイムで収集・分析し、迅速な応答を得るた 組み込むには、高水準のコンピューティングパワーと、ストレージを
めには、クラウド上ではなくネットワークのエッジ(末端)となるIoT 確保するための資金、さらにそれらを保護するための事前計画が必
デバイスでAIを実行する必要があります。クラウドとのやり取りが 要です。ブロックチェーントランザクションの検証プロセスであるク
不要になることにより、パワフルなアルゴリズムでより迅速かつ正 リプトマイニングは、分散型ネットワークアーキテクチャを利用して
確な対応ができるようになります。 トランザクション認証を行います。しかし、電池式の低コストなIoT
ハードウェアには、ブロックチェーンアクティビティを最大限に活用
するための処理能力やエネルギーがないのが現状です。
Trend Trend
3 自律デバイスの進歩 4 ビルトイン型セキュリティ対策
自動運転車などで注目を集める自律デバイスは日々拡大していま 近年、IoTデバイスへ攻撃をするアタッカーが増加しており、今ま
す。環境の認知と受信データを組み合わせて、業務上の意思決定 でにないサイバー攻撃の脅威が生まれています。ハッカーはIoT
を行うIoTデバイスに自律の概念を拡大させています。近いうち デバイスに侵入し、デバイスをコンロトールしたり、データを盗ん
に、製造業や農業、金融サービスなどの業界でその恩恵を受ける だり、サービスの中断を狙うなど、様々な攻撃を行ってきます。
ことができるでしょう。新たなIoTデバイスの展開に伴い、アクショ IoTを活用したソリューション開発の場合、ソフトウェアとハード
ンにつながるデータをリアルタイムで収集・分析できる企業が増 ウェアの両方を保護するビルトイン型のセキュリティ対策および
えるため、今以上にエッジコンピューティングの重要性が高まると ポリシーを備えることが重要です。ネットワークの隅から隅までを
考えられます。 保護・強化しなければアタッカーに侵入されることになります。
Trend Trend
5 プライバシー規制に対する配慮 6 拡張現実の導入の拡大
欧州連合では2018年にEU一般データ保護規則(GDPR)が施行さ IoTアプリケーションの組み込みシステムにより、人間と電子機器
れ、厳格な罰則が課されることになりました。他国も欧州の後に続く との関係は大きく変化しています。アルゴリズムと機械学習の新
とみられています。IoTデバイスは相当な量のデータを収集するの たな進歩に伴い、ほとんどすべての業界向けソリューションで拡張
で、進化するプライバシー要件を満たすことは困難になると言われ 現実(AR)の普及が見込まれており、その参入時期はもう目の前
ている状況です。エンジニアは各国で異なる規制や認証を切り抜け にきています。今こそ計画と検証を前に進め、ネットワークやセ
る方法について、専門家からのアドバイスが不可欠。なぜなら、 キュリティ、プライバシーやテクノロジーの適切な選択をすること
GDPRに対する1件の違反だけで、最大2,000万ユーロまたはその が必要です。確かな経験を有する最高のパートナー企業を見つけ
組織の全世界の年間総売上高の4%に相当する罰金が科されるこ ることが、この競争の一歩先を行くことへ繋がります。
とがあるからです。遵守を怠り、更新プロセスを組み込まないと、
IoTソリューションの導入ができないだけではなく、企業の財務状況
にまで影響が及ぶ可能性があります。
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3 今後、確実に重要となるエッジコンピューティング
多くの分野でエッジコンピューティングが注目!
2018年、世界のエッジコンピューティング市場は106億ドル規模まで膨らみました。この金額はセキュリティやデータ処理分野、ソフ
トウェアシステム導入に関わるビジネスの分野に天井知らずの需要があることを示しています。
あなたのビジネスが扱う極秘データをフィルターをかけて除去する、残りのデータをクラウドに送ってルーチン処理する、エッジコン
ピューティングがこれらを現実にするのです。
アヴネットのパートナーであるIntelは、2018年に生産設備の広大なネットワーク中のすべてのファンフィルターユニットにセンサー
を取りつけました。ファンに過熱や不具合が発生すると、生産がストップする恐れがあるからです。このファンは産業用機械内の空気を清
浄化するもので、工場の生産現場の至る所に設置されています。予測メンテナ
ンスデータとエッジ分析を活用することで、Intelは工場の稼働停止時間を
300%も減らすことに成功しました。
他の多くの企業もエッジコンピューティングに取り組んでいます。アヴネット
とOctonionは協力して、エッジプロセッシング向けに、AIで動くセキュリティソ
リューション開発に取り組んでいます。さらにMicrosoftからはAzure Sphere
が発売されました。これは先駆的な新ソリューションであり、アヴネットが販売す
る業界トップのエッジテクノロジースタックにおいて、複雑なIoTシステム全体
に安全なタッチポイントを作ることができます。
効率的で持続可能なネットワークにエッジコンピューティングは不可欠な存在
多くの組織では、クラウドこそがAIの存在すべき場所であると考えられています。しかし機能的なIoTには各種センサー、ゲートウェ
イ、そしてクラウドからの双方向の相互接続性が欠かせず、そこにはレイテンシー(遅延)の問題が生じます。
産業界に変革をもたらすAIや機械学習アプリケーションは、多くの場合リアルタイムの応答が求められます。Amazon Echoの
Alexaに天気を尋ねた時に回答時間が少しかかっても気にならないかもしれま
せんが、道路の自律走行車や工場の産業機械、証券取引等の応答が遅いとなる
と、大きな問題となってしまいます。
多くのAIアプリケーションは、アルゴリズムやデバイスデータの処理に膨大
なコンピューティング能力を必要とします。リアルタイムの応答性と低レイテン
シーが重視されるということは、IoTデバイスのエッジコンピューティングの
アーキテクチャが必要になるということです。最も効率的で持続可能なIoTアー
キテクチャを設計するには、どこにどのようなコンピューティングパワーを持た
せるかを把握しておかなければなりません。
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4 IoTビジネスに取り組む前に考えるべき危険性
セキュリティを巡るハッカーとの攻防
IoTセキュリティへの支出が過去12カ月間で15億ドルに達したとのデータがあります。このデータからも分かるように、2018年は
メーカーとハッカーによる攻防の1年であったと言えるでしょう。IoTセキュリティ問題の大部分は、消費者がより小さくオシャレで軽いソ
リューションを求めている一方で、強力なセキュリティを実現することが難しいという点にあります。この二律背反は、急成長するIoT医
療機器分野において特に深刻です。2018年夏にはセキュリティの脆弱性による医療機器の大規模なリコールが2件発生しました。
Medtronic社は心臓用の装置を回収し、FDAはAbbott社の心臓ポンプ5,000個の回収を命じましたが、これらはいずれもセキュリ
ティ上の懸念によるものでした。医療機器はより軽量であることが好ましいで
すが、小さなフォーマットに収められる適切なセキュリティソリューションを考え
なければなりません。
サイバー攻撃などIoTセキュリティの脅威はテレビやドアの開閉装置のよう
な家庭用アイテムにも広がっています。ハッカーたちが家を人質に、お金を要
求してくるかもしれません。
2018年にはIoTのセキュリティとソリューションの必要性が注目を集めまし
た。実際に、Avnetの調査によると、IoTスタートアップ企業の81%がセキュリ
ティを製品発売時の障害の1つとみなしています。
セキュリティだけではない、プライバシーに関わる課題も浮上
さらに、プライバシーの同意による課題も生まれています。たとえば、IoTのセキュリティカメラがあなたの画像を捉えてそれをクラウ
ドや自動車のセンサーに送信することや、センサーがドライビングデータを集めて保険会社に送るといった場合です。メーカーや企業は
個人データの収集に関わるすべてのIoTデバイス上に、同意するかどうかのオ
プションを提供しなければならなくなり、そうしなければ罰金を払うリスクを負
うことになります。EU一般データ保護規則(GDPR)の施工により、この問題は
どの企業にとっても最重要事項となりました。先述しましたが、このGDPRは他
諸国が最終的に採用するテンプレートになると見込まれており、IoTプロバイ
ダーは近い将来、準備を迫られることになるでしょう。
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5 IoTセキュリティの3つの基本
セキュリティ対策は大丈夫?
ある調査では、今後2年以内にセキュリティの侵害に備えると回答したサー
ビスプロバイダーはわずか40%でした。つまり、プロバイダーの10社に6社が
システムの欠陥に対してほとんど準備をしていないということです。もしかし
たらそのシステムは御社の製品が使用しているシステムかもしれません。
また、データが安全でない場合、3人のうち2人近くが製品の購入を考え直
すという調査もあります。セキュリティ侵害が発生すると、後々にわたりマイナ
スの宣伝効果を製品ブランドにもたらし、悪影響を与えかねません。いま考え
ているIoTサービスは、セキュリティが万全かどうかを改めて見直してみてくだ
さい。立ち止まって考えてみることがとても重要です。
ブランド毀損を防ぐために考えるべき3つのこと
セキュリティ=IoTのアイデンティティ
たとえるならIoTはパスポートです。空港の保安官が乗客一人残らず細部にわたる身元調査を行わなくてもパスポートが身元を証明するのと同
様に、IoTでは有効性を実証するクレジットカードのセキュリティチップのように、セキュアに構成されたエレメントがパスポートとなります。接続
先一つひとつのデバイスやサーバがその構成要素を信頼し確認するための手段となります。
相互認証、メッセージ整合性、機密性の確保
メッセージが確認されてからも、以下の3つの基準を守る必要があります。
◆相互認証
正確な固有のアイデンティティにより、各デバイスまたはサーバを検証。
◆メッセージ整合性
データの整合性を保証するため、デバイスおよびサーバ間で送信される信頼メッセージは妨害者によるハッキングや改造、変更ができない。
◆メッセージ機密性
コミュニケーションの機密性を保証するため、適切な担当者のみがIoTソリューションのデータを閲覧可。
カスタマイズによる複雑化
今日の消費者向け電子機器には、1つのネットワークですべてに対応し、さらにエンド・ツー・エンドのセキュリティを実現できる技術はありませ
ん。つまり、製品の独自性を高めるためにカスタマイズを行うと、不具合が生じる可能性が高まる場所が多く存在することになります。スタート
アップが手がけるほとんどの消費者向け製品では、接続されたデバイス同士が互いに会話することは少なく、さまざまな階層のネットワークを通
じ、クラウドのエッジまたはクラウドで報告を行うことが多くなっています。これはネットワークセキュリティだけですべてをまかなうことはできな
いことを意味しています。デバイスからサーバまで、エンド・ツー・エンドにわたるIoTセキュリティを構築する必要があります。
また、ソフトウェアベースのみのセキュリティは、ハードウェアとは異なり、修正や上書き、複製が可能なため、IoTセキュリティではうまくいきま
せん。効率的なIoTセキュリティとは、ハードウェアを信頼の起点とした、すぐに発見や試験、修正できるコンポーネントであることを認識する必要
があります。
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6 必要なのは、エンド・ツー・エンドのテクニカルパートナー
IoT製品を市場に出す場合、各分野の複数のスペシャリストと組むか、総合的な知見がある“エンド・ツー・エンド”
のパートナーと組むかの二択になります。どのような選択をするのがよいでしょうか?
アイディア段階からパートナー選びは始まっている
鳥を観賞するための餌台を製品化することを考えてみましょう。新しい鳥が来るたびに通知が届き、最
もよく撮れた鳥の写真がInstagramにアップロードされ、餌の補給が必要な時にはスマートフォンにテ
キストが届き、さらには訪れる鳥たち一羽一羽の図鑑まで作成されるようになるかもしれません。
アイディアを作り出すこの段階は、実はパートナーの選択を行うべき最初の場面です。単一のスペ
シャリストと提携するのか、IoTを隅から隅までを知るエンド・ツー・エンドのパートナーと提携するのか。
この早い段階での判断や意思決定が、製品化までの時間短縮、技術的な苦労の軽減、コスト削減など、
プロジェクトに大きく影響します。
スペシャリストのメリットとデメリット
餌台の例では、カメラが非常に重要な要素となります。カメラはただ小さければよいのではなく、活発に動き回る動物や好奇心旺盛な
鳥はもちろん、雨風や照りつける太陽にも耐えうる耐久性を備えなければなりません。このケースでは、カメラの組み込みに関する製品
設計のスペシャリストがいれば開発プロセスは加速するでしょう。一方、ビジネス全体で考えた際、この餌台に必要なのはカメラだけで
はなく、餌の量の計測センサーや充電ドック、さらにカメラが乗っ取られないようにIoTセキュリティの知識が必要となることが分かりま
す。それら一つ一つに各分野のスペシャリストを配置する選択肢もあり得ます。しかし、設計のスペシャリストは基板レベルでの知識は熟
知しているかもしれませんが、製品の製造段階でのスケジュールの短縮や効率化についての知見はないかもしれません。
工程の全体を知るエンド・ツー・エンドのパートナーとは?
ひとつの分野・工程でなく全体を把握しているエンド・ツー・エンドのパートナーは、予期せぬ障害を含め新製品を取り巻く仕組み全体
を把握しています。
製品化までの時間の短縮 技術的な複雑さの軽減 コストの削減
IoTを利用した素晴らしいアイディアと同じ構想 多くの場合、クリエイターやスペシャリストは自分 消費者向け製品では価格が非常に重要です。短期
が、同時期に他社で描かれている可能性は充分に の専門分野を深く理解していても、必要なすべて 的なコストを考えれば、スペシャリストと提携する
あります。競争の激しい今日の環境は時間との戦 の要素に精通しているわけではありません。それ 安価な選択をしたくなるかもしれませんが、設計段
いであり、競合相手との戦いです。そういった意味 とは反対に、エンド・ツー・エンドのエキスパートが 階の1ドルの支出が開発段階の10ドルの節約や展
でもIoTの包括的な知見を持つエンド・ツー・エン 抱えるチームは、技術の統合や製品の差別化につ 開段階の100ドルの節約につながることは少なく
ドのパートナーは、基本的に広範なチームであり ながる、まだ市場に出ていないものも含めた技術 ありません。エンド・ツー・エンドのパートナーは、業
プロセスを迅速に進められます。また、多数の専門 のロードマップを常に把握しています。彼らは世界 界についての大局観、専門工場との深い関係、幅
家を一手に管理することで、時間の短縮が可能と 中で日々生まれているあらゆる要素の最新イノ 広いネットワークを持っており、サプライチェーン
なるのです。 ベーションに常に注目・精通しており、それらを見 の課題や拡張性、さらには地政学的な問題を切り
逃すことはありません。 抜けるためのグローバルな経験を備えています。
上記のように、エンド・ツー・エンドのパートナーには多くのメリットがあります。IoTシステムはとても複雑です。時に10社ものパート
ナーが必要になることもあります。そんな状況でも、開発の大部分を調整できるパートナー1社を見つけることができれば、より迅速に
進めるだけでなくビジネスに集中できるようになり、大きな競争上の強みを得られます。これらを踏まえて、スペシャリストと組むか、全
体を知るエンド・ツー・エンドのパートナーと組むかを適切かつ戦略的に判断することが、IoTビジネスを進める上ではとても重要です。
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7 参考調査資料「製品開発者から見たハードウェアの今後」
アヴネットは、Element14とHackster.ioという2つのエンジニアリングコミュニティを保有しています。
合計130万人強のメンバーに対してアンケートを実施し、新技術を設計し、製品を市場へ送り出す際に直面する課
題を探りました。有効回答数は1,190に上りました。
比較的容易な課題は? 比較的困難な課題は? 過小評価されているのは?
・プロトタイプの開発およびテスト ・適切な技術の見極め 圧倒的にセンサー(17%)。
・生産のスケーリング ・製品認証の獲得 イノベーションを推進する技術の
・技術ソースの見極め ・資金調達 中で最も過小評価されている。
重要視されている技術 パートナーに求めること
開発者の3人に1人が、
IoTとセンサーが最も 商品化を支援してくれるパートナー
重要な技術の上位2つに を探している。
IoT センサー
IoTは2018年に最も進化した技術
2位は人工知能(AI)
業界における 開発者が 強力な
強力な実績 求めているのは 技術サポート
IoT開発における最も困難な技術上の問題とは?
IoTセキュリティ スタートアップ企業の81%
81 が、新製品・サービスを発売す% る際の大きな障壁としてIoTセキュリティを挙げている。 人間関係や推薦
開発者のホンネ 開発者にとって今ホットなことは?
76 製品開発者は主に以下の取り組みを行っています% 開発者の4人に3人は、専門技術を柔軟に選択したい。 エンタテイメント IT/データ分析 非営利
また、開発者は設計から製造に移る際の
最大の課題はコストであると答えている。
柔軟性と選択肢を備えた包括的なエコシステ
ムと、コスト面のベネフィットを求めており、エン
ド・ツー・エンドのパートナーに期待している。
IoTビジネス最前線2019
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出典一覧 ・ お問い合わせ先
出典一覧
本資料は、下記の記事を元に制作しています。ぜひ詳細をご覧になってください。
1 スタートアップが知っておくべきIoTセキュリティに関する3つの基本
https://news.mynavi.jp/kikaku/iot_introduction-1/
2 IoTの構成要素:ただ積み重ねればよいわけではない
https://news.mynavi.jp/kikaku/iot_introduction-2/
3 IoTブレイク元年となった2018年
https://news.mynavi.jp/kikaku/iot_introduction-3/
4 6大トレンド:IoTソリューションの需要に備える
https://news.mynavi.jp/kikaku/iot_introduction-4/
5 あなたのIoTビジネスは安全ですか?
https://news.mynavi.jp/kikaku/iot_introduction-5/
6 製品開発者を対象とした調査により、新技術の市場参入におけるIoTの重要性の高まりが明らかに
https://news.mynavi.jp/kikaku/iot_introduction-6/
7 あなたのIoTソリューションを経常収益に変えるには?
https://news.mynavi.jp/kikaku/iot_introduction-7/
8 エッジにおけるIoT:AIによるIoTアーキテクチャの変化
https://news.mynavi.jp/kikaku/iot_introduction-8/
9 スペシャリストとエンドツーエンドのパートナー:開発者にとってのメリットとデメリット
https://news.mynavi.jp/kikaku/iot_introduction-9/
お問い合わせ先
アヴネット株式会社 マーケティングコミュニケーション部
〒150-6023
東京都渋谷区恵比寿4丁目20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー23階
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