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汎用2D/3D半導体デバイスシミュレータAPSYSのオプション群を説明
3次元電流流れオプション、3次元ベンドメッシュ、アドバンスドk.p摂動モデル、アドバンスドオプティクスモデル/ポンプレーザ、Csupremビルダー/メッシュインターフェイス、エキシトン/多体効果オプション、FDTDインターフェイス、Franz-Keldyshモデルなど様々なオプションや物理モデルについて紹介。
このカタログについて
ドキュメント名 | オプション説明一覧 (APSYS) |
---|---|
ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 223.3Kb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | クロスライトソフトウェアインク日本支社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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デバイスシミュレータ オプション説明資料
APSYS のオプション
●3D-Flow Option(3次元電流流れオプション)
●3D Bended Mesh(3次元ベンドメッシュ)
●Advanced k.p model/Plane Orientations(アドバンスド k.p 摂動モデル)
●Advanced Optics Model(AOM)/Pumped Laser(アドバンスドオプティクスモデル/ポンプレーザ)
●CSUPREM Builder/Mesh interface(Csuprem ビルダー/メッシュインターフェイス)
●Exciton/Manybody Option(エキシトン/多体効果オプション)
●FDTD Interface(FDTDインターフェイス)
●Franz-Keldysh (Bulk modulator)(Franz-Keldysh モデル)
●Intersubband Option(QWIP/QCL)(インターサブバンドオプション)
●Light Emitting Diode Option(LEDオプション)
●OLED/Polymer Semiconductors(OLED/ポリマー半導体)
●Photonic Crystal LED (PhCLED)(フォトニック結晶 LED)
●PML(Perfectly Match Layer)/EEIM(Enhanced Effective Index Method)(拡張型等価屈折率法オプション)
●Quantum Dots Model(量子ドットモデル)
●Quantum Tunneling/Transport Option(量子トンネル・トランスポート効果オプション)
●Ray Tracing Option(光線追跡オプション)
●Resonant Cavity LED (RCLED)(共鳴共振器 LED)
●Self-Consistent MQW/Piezo Option(自己無撞着多重量子井戸オプション)
●Thermal Option(熱解析オプション)
●Type II QW transport(タイプ II 型量子井戸輸送モデル)
●Waveguide Modes Option(導波路モードオプション)
●NEGF(非平衡グリーン関数モデル)
●Mixed Mode Simulation(ミックスモード)
●Rotated MQW(回転多重量子井戸)
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デバイスシミュレータ オプション説明資料
オプション説明一覧 (APSYS)
●3D-Flow Option(3次元電流流れオプション)
このオプションで、精密な 3次元解析を行います。2次元 断面を定義したプレーンをつなぎ合わせることで z方
向の電流流れも考慮し、ドリフト拡散方程式とエネルギー輸送方程式に対しフル 3次元モデルを実現します。また、
熱解析オプションと合わせて 3次元熱流計算も可能です。
●3D Bended Mesh(3次元ベンドメッシュ)
MaskEditorで設計された複雑な 3次元形状のメッシュを取込むためのオプションです。メッシュ面の追加挿入や z
セグメントの特定領域のメッシュ密度を増やすのに使われます。丸いデバイス形状に合わせて「湾曲した」メッシュ
面を追加する場合に最もよく使われ、普通のメッシュ面追加に比べてより簡潔な解決方法です。
●Advanced k.p model/Plane Orientations(アドバンスド k.p 摂動モデル)
8x8 k.p摂動モデルを利用することでより高度な k.p摂動計算ができます。結晶方位に起因する歪みを伴った量子
井戸の価電子バンドは k.p摂動法に基づいて計算されます。価電子バンド混合効果をシミュレーションに取入れるこ
ともできます。8x8 k.p 摂動計算では InGaAsP のようなバンドギャップが狭いシステムにおいて精度を改善します。
●Advanced Optics Model(AOM)/Pumped Laser(アドバンスドオプティクスモデル/ポンプレーザ)
アドバンスドオプティクスモデルを利用することで、多層膜材料中の干渉効果等を考慮した高度な光伝播の計算が
できます。ポンプレーザオプションでは、正確な光学利得モデルを用いることで、光ポンプ作用によるレーザ発振に
関する特性を計算することが出来ます。
●CSUPREM Builder/Mesh interface(Csupremビルダー/メッシュインターフェイス)
クロスライト独自のプロセス・シミュレータ Csupremで生成したデバイス構造、不純物プロファイルやメッシュ情
報などを取り込む場合に必要です。特に、複雑な 3次元メッシュを Csupremで生成しそれを取込んだフル 3次元シミ
ュレーションを行う場合に必要です。
●Exciton/Manybody Option(エキシトン/多体効果オプション)
励起子効果を取入れるオプションです。電子・ホール対の間に働くクーロン引力が放射再結合を強めたり、クーロ
ン-ホール自己エネルギーと遮蔽交換シフトのためにクーロン引力が結果としてバンドギャップを減少させたりする
ことを考慮します。
●FDTD Interface(FDTDインターフェイス)
FDTD(Finite Difference Time Domain)方法でフィールド・パターンの時間発展を追跡することができます。電場
をフーリエ変換することで伝播/反射スペクトルが得られます。一回のシミュレーション実行で、応答スペクトルの
広い範囲を得ることができます。MEEPインターフェイスとクロスライト独自の CLFDTDが用意されています。CLFDTD
と MEEPの CPU計算では MPIによる並列計算が可能です。CLFDTDは GPU計算が可能です。
●Franz-Keldysh (Bulk modulator)(Franz-Keldysh モデル)
Franz-Keldysh効果を考慮した計算を行います。Franz-Keldysh効果は外部 DC電界が存在すると生じ、バルク半導
体のインターバンド吸収スペクトラムが変化する現象として広く知られています。Franz-Keldysh効果は、電界吸収
型光変調器にその用途を持ちます。
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デバイスシミュレータ オプション説明資料
●Intersubband Option(QWIP/QCL)(インターサブバンドオプション)
インターサブバンド遷移モデルを利用することにより QWIPや量子カスケード(QC)レーザの計算が可能です。確立
した微視的なレート方程式でサブバンド占有率を計算します。QC構造では全ての量子状態に対して、エネルギーレ
ベルとインターサブバンド遷移双極子モーメントが計算されます。QCレーザのサブバンド構造エンジニアリングは、
巨視的な輸送や空間ホールバーニングの振舞いを自己無撞着シミュレーションする効果的な第一歩です。
●Light Emitting Diode Option(LEDオプション)
APSYS用のオプションで、LEDの解析を行います。異なる方向での発光スペクトル、内部及び外部発光効率、スイ
ッチング(Turn on/off)特性などを計算することができます。また、これらの特性の温度依存性や、(熱オプションを
組合せた場合に)温度分布を得ることができます。
●OLED/Polymer Semiconductors(OLED/ポリマー半導体)
有機半導体におけるキャリア伝導は通常の半導体と異なります。キャリア伝導や二分子再結合は通常
Poole-Frenkelモデル形式で表記されます。本オプションの利点は、量子トンネリングや量子閉じ込め効果の特性を
通常の量子井戸半導体デバイスのように扱うことが出来ることです。
●Photonic Crystal LED (PhCLED)(フォトニック結晶 LED)
フォトニック結晶と LED を組み合わせた計算において、シミュレーターからの出力ファイルを解析し結果表示(ポ
ストプロセッシング)するためのオプションです。基本的には 2 次元フォトニック結晶を 2nd Order の DFB Grating
とみなしますが DFB グレーティングとの大きな違いは、一つ主なる散乱方向を持ち、ある制限された幅のエアーホ
ールを考慮した計算を行います。
●PML(Perfectly Match Layer)/EEIM(Enhanced Effective Index Method)(拡張型等価屈折率法オプション)
標準的な等価屈折率法では、すべての境界におけるモードは 0、または指数関数的に減衰するものと仮定されるた
め、放射モードを取り扱うことができません。EEIMオプションを使うと、放射モードを閉じ込めモードと同様に取
り扱うことが出来ます。横方向の光の漏れをきちんと見積もる際にこのオプションを使用します。
●Quantum Dots Model(量子ドットモデル)
量子ドット計算用のオプションです。異なるバンドの谷(HH、LH、CH、etc.)に対し、歪に依存するポテンシャルプ
ロファイルと異方性有効質量を使い、歪の効果が考慮されています。Zinc Blende構造と同様に Wurtzite構造(GaN
系)にも適用可能です。
●Quantum Tunneling/Transport Option(量子トンネル・トランスポート効果オプション)
高レベルにドープされたヘテロ接合部や、ショットキー接点における電流の量子トンネル効果は非常に重要な電流
輸送メカニズムです。また、量子トンネル効果は共鳴型トンネルダイオード(RTD)においても無視できません。本オ
プションで、これらのトンネル効果を考慮することが出来ます。
●Ray Tracing Option(光線追跡オプション)
このオプションでは、LED、太陽電池、PDの光線追跡が行えます。また、光線追跡の結果を可視化します。複雑な
形状を持つ LEDやエッジ効果が重要な場合にも有効なオプションです。2D/3D効果を伴ったより複雑な LEDの光抽出
モデルに本オプションが最適です。
●Resonant Cavity LED (RCLED)(共鳴共振器 LED)
双極子ソースと光強度の関係を考慮します。発光強度は双極子ソース位置の光場の重なりに強く依存し、強めあう
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干渉の場所では発光再結合は強められます。フォトンリサイクリング効果が自動的に考慮されます。RCLEDモデルで
は活性層は外部入射光線と同様に同デバイス内の双極子ソースが生成した光にも反応し、発光したフォトンが共振器
を反射し戻ることで自己光ポンピングを引き起こします。
●Self-Consistent MQW/Piezo Option(自己無撞着多重量子井戸オプション)
このオプションは、量子井戸層に強い電界がかかっている場合(ピエゾ効果等)、キャリアの波動関数(シュレーデ
ィンガーの波動方程式)を計算する際にその効果を考慮して、ポテンシャルと局在準位とキャリア分布がセルフコン
システントになるように計算します。また、シュタルク効果も考慮されます。
●Thermal Option(熱解析オプション)
このオプションでは、熱を考慮した解析を行います。電極に境界条件(温度や、電極からデバイスの外へ出る熱量
等)を設定します。熱源としては、電流・バンド間吸収・損失によるジュール熱、再結合・トムソン・ペルチエ効果
による熱を考慮します。あらかじめ温度依存性のある物性値を持つ物質を設定し、デバイス内の温度勾配に準じた計
算を行います。
●Type II QW transport(タイプ II 型量子井戸輸送モデル)
Type II型量子井戸に対する特別な量子輸送モデルのためのオプションです。Type II型多重量子井戸のミニバン
ドの精密な計算ができます。暗電流の原因としての材料の光吸収スペクトルおよび自発再結合速度を予測することが
可能です。量子力学の計算に基づくトンネル電流の非局在輸送に、局所光生成率が考慮されています。
●Waveguide Modes Option(導波路モードオプション)
導波路型フォトディテクターや電界吸収型光変調器のような受動素子には光導波モードによる相互作用が伴いま
す。本オプションは APSYS用で、電流と光モード間の相互作用を考慮した計算を行います。「SOR法」「有効屈折率法」
「Arnoldi法」が用意されており、複雑な屈折率分布を持つ導波路に対応します。本機能は PICS3D Fabry-Perot
Edition (旧 LASTIP)と PICS3D本体にはあらかじめ内蔵されています。
●NEGF(非平衡グリーン関数モデル)
クロスライトのデバイスシミュレータには非平衡グリーン関数(NEGF)輸送モデルが実装されています。(現在、電
子輸送のみ可能)このモデルは NEGF輸送の作用が及ぶ領域を設定しトンネリングコマンドと連携して動作します。
NEGFによる結果は移動拡散(Drift-Diffusion)方程式によるシミュレーションと比べて I-V特性で実験結果に近い
結果を得られます。
●Mixed Mode Simulation(ミックスモード)
Compact Modelは実験式に基づくモデルで IC設計に適用されますが、回路シミュレーションで複雑なデバイスや
複雑な物理現象を再現するのが困難です。Numerical Device Modelは物理モデルに基づくモデルで単体デバイスの
シミュレーションに適用されますが、これを回路シミュレーション中の compact modelと置き換えると大変複雑な計
算になります。Mixed Modeを用いると、1個またはそれ以上の Numerical Device Modelを回路シミュレーションに
含めることが可能になります。また逆に、Compact Modelをデバイスシミュレーションに含めることも可能です。
●Rotated MQW(回転多重量子井戸)
量子井戸の積層方向を指定するためのオプションです。通常は y方向に積層した量子井戸のデバイス構造を定義し
ますが、x方向や z方向に積層した量子井戸を定義しシミュレーションすることも可能です。また、autoを指定する
と自動的に積層方向が判別され、複雑な構造の場合に有用です。
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