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量産用金型製作のリードタイムを10分の1に劇的短縮 変革を助けた原動力は3次元設計と3DTascalX
制御機械メーカー大手のオムロン株式会社(以降、オムロン)において、電子部品の量産用金型を設計製作しているのが、精密加工技術センタ・金型グループである。同グループは、2006年に3次元CADと3DTascalXを導入。3次元設計データをすべての後工程で一貫して利用することで、約20週間かかっていた設計製作リードタイムを「10分の1」へと劇的に短縮することに成功した。
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このカタログについて
ドキュメント名 | 【導入事例】オムロン株式会社様 金型図面レス 3DTascalX 3Dビューア |
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ドキュメント種別 | 事例紹介 |
ファイルサイズ | 2.6Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 株式会社シーセット (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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C a s e S t u d y
オムロン株式会社様
量産用金型製作のリードタイムを10分の1に劇的短縮
変革を助けた原動力は3次元設計と3D Tascal X
制御機械メーカー大手のオムロン株式会社(以降、オムロン)において、
電子部品の量産用金型を設計製作しているのが、精密加工技術センタ・金型グループである。
同グループは、2006年に3次元CADと3D Tascal Xを導入。3次元設計データをすべての後工程で一貫して利用することで、
約20週間かかっていた設計製作リードタイムを「10分の1」へと劇的に短縮することに成功した。
「リードタイム10分の1」への一大変革が始動 0.1ミクロン精度の加工寸法計測ができるのは
リレー、スイッチ、コネクタ、センサなど、電子部品の金型を設計・製作 3D Tascal X だけ
しているのが、滋賀県草津市にあるオムロンの精密加工技術センタ・ ビューワの選定は、現場の加工作業者も加わり、慎重に行った。その
金型グループである。同グループが製造する金型は、オムロングルー 結果、選択したのが3D Tascal Xである。
プ各社へ納品され、制御機器などを作るときに用いられる。 評価ポイントは、次の3点だ。
同グル-プが作っているのは、量産用の総焼き入れ金型であり、研 第1に、0.1ミクロン単位の精度が求められる狭ピッチFPCコネクタを、
削、手作業を伴う研磨、放電加工などを複雑に組み合わせて製作 完全な3次元モデルとして扱い、高精度計測ができるのは、3D
する。 Tascal Xだけだった。
「従来はリレーやスイッチの金型が中心でしたが、2004年ごろから、よ 第2に、わかりやすく操作しやすいため、現場作業者がストレスなく使
り精密な狭ピッチFPCコネクタの仕事が増えてきました。従来に比べ いこなせる。
て、5~10倍の精度が求められるようになったため、リードタイムも増 「3D Tascal Xは、見る人が新しい副座標を作って点と点の間の距
大。リレー金型のリードタイムは8~10週間でしたが、狭ピッチFPCコ 離を測るといったことが、シンプルな操作でできます。カタログ上では同
ネクタでは16~25週間かかっていました」と、精密加工技術センタの じ機能をカバーしているビューワもありましたが、わかりやすい最短操
センタ長である岡本恭一氏は説明する。 作で、現場の人が加工に必要な寸法を計測できるのが3D Tascal
リードタイムの肥大は、精密加工技術センタにとっても、その金型を使 Xだったのです」と山口氏は言う。
うオムロングループにとっても大問題だ。そこで2005年、金型のリード 第3に、機能が充実していて、しかも、リーズナブルな価格だ。現場や
タイムを大幅に短縮するためのプロジェクトが発足した。 協力会社など、必要なところへ一気に配布できる優れたコストパ
「どうせ変革するなら、業界最先端の『2週間』を達成しよう、20週間 フォーマンスを備えていた。
のリードタイムを10分の1に短縮しようというのがプロジェクトの目標で
した」と岡本氏は言う。
「設計3日」を達成するには図面レスが不可欠
「リードタイム2週間」の内訳は、設計3日、加工1週間、検査・仕上げ3
~4日である。特に、設計のリードタイムを10分の1にするには、数十
枚にのぼる部品図をいちいち設計者が作り、紙出力する工程を省略
しなければならない。設計の3次元化に加えて、データの2次元化を一
切行わない「図面レス」を実現する必要があった。
「10年ほど前にも、設計の3次元化に取り組みましたが、CADのス
ペックがまだ不十分だったため断念しました。しかし、リードタイムを10
分の1にするには、3次元化は避けては通れません。それも、設計だけ
の3次元化ではダメであり、工程全体を3次元データで一貫させること
が至上命題でした」と、精密加工技術センタ主事の山口孝氏は語る。
そこで不可欠になったのが3次元ビューワだ。3次元ビューワと3次元
CADは、リードタイム短縮を進めるためのエンジンの両翼を担っていた。
オムロン株式会社 オムロン株式会社 オムロン株式会社
エレクトロニクスコンポーネンツ エレクトロニクスコンポーネンツ エレクトロニクスコンポーネンツ
ビジネスカンパニー ビジネスカンパニー ビジネスカンパニー
エンジニアリングセンタ エンジニアリングセンタ エンジニアリングセンタ
精密加工技術センタ センタ長 参与 精密加工技術センタ 主事 精密加工技術センタ 主査
岡本 恭一 様 山口 孝 様 平早水 幸治 様
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加工者も穴実寸などの情報を追加記入して 在、協力会社6社で3D Tascal Xを合計7ライセンス使っている。
後工程で生かす また、組織改革も行った。1つのプロジェクトについて、設計から、加工・組立・仕上げまで、すべての工程を一貫して見通すプロジェクト責
2006年、金型グループは、3D Tascal X導入を決定した。現在で 任者を任命し、組織の壁を超えたマネジメントができる権限を持たせた
は、ネットワークライセンスで16ライセンスを利用しており、すべての3D のである。
Tascal Xデータをサーバで一元管理している。
金型設計に用いる3次元CADは、SolidWorksとNeosolid.Moldで リードタイム10分の1を達成、次は20分の1だ
ある。大まかな手順としては、この設計データを3D Tascal Xで一括 2006年に3次元CADと3次元ビューイングをそろえてから約1年半。
変換し、社内デザインレビューをして、加工上の注意点などをコメント 金型チームは「、リードタイム10分の1」を達成した。
記入する。デザインレビュー参加者は、設計、購買、加工、組立、品質 設計者の工数は大幅に削減された。設計の標準化、図面レス、また、
管理など、プロジェクトにかかわる全員だ。 商品開発部が同じ3次元CADを使っているので仕上がり部品の設
加工者は、3D Tascal Xデータを手元のディスプレイで表示させ、必 計データを使って金型設計ができるようになったことなどの相乗効果
要なところを拡大したり、角度を変えたり、寸法を測ったりしながら、加 で、7~8日かかっていた設計を「3日」に大幅短縮することができた。
工を進める。また、加工段階で発生した情報も追加記入し、組立など、 「加工現場でも、作業のポイントがひと目で正確に把握できるため、作
次の工程の作業者がこれを確認しながら効率よく作業を進めるように 業がスピードアップし、ミスもなくなりました。3次元CADからNCデータ
している。 を生成することで、機械加工も生産性が上がっています」と精密加工
技術センタ 主査の平早水幸治氏は語る。
属性情報や注釈を作業工程ごとにレイヤ分割
して表示 変革に向けて協力会社を含めた全員の力を結集
オムロンの3D Tascal Xの使い方にはさまざまな特徴がある。そのひ 一大変革が成功した最大の理由は、変革に向けてのモチベーション
とつが、レイヤ機能の活用である。 が非常に高かったことである。
3D Tascal Xは、CADで入力した属性情報や注釈を、「穴あけ「」仕 「設計を3日でやるには図面レスしかない、われわれが生き残るには3
上げ」などの作業工程ごとにレイヤに分けて見ることができる。した 次元活用しかないということを、協力会社を含めた全員が納得したか
がって溶接担当者なら、溶接個所に関する情報だけを表示させて、シ らこそ、組織全体が1つの目的に向かって力を結集できました。いまま
ンプルな画面表示を見ながらミスのない作業ができる。また、紙図面を での個別最適ではなく、設計・加工・組立、協力会社まですべてが一
使わずに公差を伝達するためには、カラー表示の使い方を工夫した。 体になって『、やろう!』という気持ちが盛り上がったのです」と岡本氏は
設計ルールを見直して公差もルール化・標準化し、設計者がパーツご 言う。
とに色を塗るだけで、公差を加工者へ正確に伝えられるようにしたの 精密加工技術センタの金型チームが大きな成果をあげたことから、オ
である。 ムロングループの他の金型製作チームにも、3次元設計と3次元ビュー
協力会社まで一気に図面レス体制をとったのも重要なポイントだ。現 イング3D Tascal Xを使った図面レスの取り組みが、広がりつつある。
リードタイムを10分の1にするには図面レスしかない。
われわれが生き残るには3次元の一貫活用しかないということを
協力会社を含めたすべてのメンバーが納得したからこそ、
組織全体が変革に向かって力を結集できました。
株式会社シーセット http://www.3dtascal.com/ ユーザー様データ オムロン株式会社 OMRON Corporation
本 社: 〒432-8021 静岡県浜松市中区佐鳴台4-14-28
http://www.omron.co.jp/ 資本金:641億円(2008年3月31日)
営業部: 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-22-27 西新宿KNビル5F 本社:京都市下京区塩小路通堀川東入 売上高:単独3,322億920万円、連結7,630億円(2007年度)
TEL.03-5338-2725 FAX.03-5338-2710 東京本社:東京都港区虎ノ門3丁目4番10号 従業員数:単独5,593人、連結35,811人(2008年4月20日現在)
精密加工技術センタ:滋賀県草津市西草津2丁目2番1号 事業概要:制御機器、FAシステム、電子部品、車載電装部品など
3D Tascal Xは株式会社シーセットの商標登録です。 創業:1933年(昭和8年)5月10日 の大手メーカー。オンライン現金自動支払機(ATM)をはじめ「、世
また、それ以外に記載されている会社名及び商品名も各社の商標または登録商標です。 設立:1948年(昭和23年)5月19日 界初」の製品開発を数多く手がけてきたチャレンジ企業でもある。