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【ホワイトペーパー】環境課題解決と省エネを両立する 「バイオメタン発酵のノート」ハックジャパン

ホワイトペーパー

再生可能エネルギー「メタン発酵」施設におけるモニタリングに関する事例や安定稼働のためのヒントを掲載

環境課題解決と省エネを両立する「バイオメタン発酵のノート」:全17ページ。
「バイオマス」というキーワード焦点を当て、資料をまとめました。
事例やインタビューなども収載しています。

関連メディア

このカタログについて

ドキュメント名 【ホワイトペーパー】環境課題解決と省エネを両立する 「バイオメタン発酵のノート」ハックジャパン
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
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取り扱い企業 株式会社ハックジャパン (この企業の取り扱いカタログ一覧)

このカタログの内容

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HP_表紙-バイオメタン発酵3

環境課題解決と省エネを両立する バイオメタン発酵のノート INDEX ■ メタン発酵とVFAの常時監視 02 ■ 嫌気性消化槽のモニタリングにより、 プロセス異常の回避とバイオガス生産の最大化を実現 04 ■ 食品循環資源の再生利用に貢献 ~VFA値の「見える化」で、安定したメタン発酵処理を実現 08 ■ 揮発性脂肪酸(VFA)モニタリング スウェーデンの地方自治体合弁会社 VIVAB社の3サイトでフィールドテスト 12 ■ 【オンデマンド配信】VFAをオンライン測定するメリットとその原理 ~嫌気性消化処理、バイオガスプラントの安定稼働に貢献するEZ シリーズ他~ 16 ■ オンラインVFA計 EZ7200シリーズ ~製品紹介・Q&A 17 17 ページ
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HP_バイオメタン発酵のノート導入5

メタン発酵と VFAの常時監視 近年、持続可能な開発目標(SDGs)、地球規模での温室効果ガスの削減のためにも、太陽光・風力・バイオマ ス・水力・地熱といった「再生可能エネルギー」の技術開発と運用の重要度が増しています。 なかでも、廃棄される紙やプラスチック、し尿、食品廃棄物、建設廃材、下水汚泥などを資源としてエネルギーに 転換する「バイオマス」は、地方自治体や民間企業の自社工場稼働等、様々な形態で注目されています。 バイオマスエネルギー変換技術の1つである「メタン発酵」は汎用性が高く、発電・熱利用・輸送燃料などにおい て実際に利用されています。 ■ メタン発酵のエネルギー変換 メタン発酵は、嫌気性発酵または嫌気性消化ともいわれます。酸素のない嫌気状態で働く細菌の中で、メタンを合 成する細菌=メタン生成菌が、様々な有機性廃棄物を分解する段階においてメタンと二酸化炭素を発生させます。嫌 気性発酵による有機性廃棄物の処理は、100年以上前から、先進国のみならず途上国においても管理コストの安さか ら都市下水処理に多く利用されています。 有機化合物が含まれる、水汚泥、生ごみ、し尿等をメタン発酵槽(消化槽)の中に入れ、酸素のない状態で一定の 温度域を保つことにより、有機物を加水分解します。その後、糖類、アミノ酸、脂肪酸といった有機分子からVFA (Volatile fatty acid:揮発性脂肪酸)が発生します。さらに酢酸生成の段階にて酢酸、ギ酸、水素、二酸化炭素を 生成し、それぞれからメタン(バイオガス)と二酸化炭素を生成します。 ■メタン発酵(嫌気性消化)プロセスの概要 :Overview of the Anaerobic Digestion Process 有機化合物 炭水化物、タンパク質、脂質 ①加水分解  有機物を可溶性の状態に分解 可溶性有機分子 糖類、アミノ酸、脂肪酸 ②酸生成  可溶性有機分子からVFA(揮発性脂肪酸)が発生 VFA(揮発性脂肪酸) ③酢酸生成  VFAを(主として)酢酸に分解 水素、二酸化炭素 酢酸 ④メタン生成 ④メタン生成  メタン(バイオガス)と二酸化炭素の生成 メタン(バイオガス)、 二酸化炭素 ※②と③のステップをまとめて「発酵」という 2
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■ メタンガス化施設を安定的に稼働させるための指標 メタンガス化施設において、コンプライアンス強化、スムーズなバイオガス生産を維持し、生産効率最大化、安全 な運転をしていくためにはpH、温度、有機酸、アンモニア、アルカリ度などの指標をモニタリングしていく必要があ ります。 メタン生成菌は一般的にpH6.8~7.6程度の範囲でしか活性しないため、pHは優先順位が高い指標の1つです。し かし、pHはプロセスパラメーターとして、現場の運用に好ましくない面もあります。 pH電極は消耗品であり、発酵槽内の環境下では特に劣化が激しく安定的な測定が難しいことから、オフラインでの ラボ計測を行うことになります。仮に発酵槽内と同じ条件でラボ測定しても、ラボで数値に異常がみられた時点で、 すでに発酵槽全体は危機的状況に達しており、回復不可能な場合があります。メタン発酵は約28日という長い時間を 要するものです。プロセスが停止した場合、復旧から再開までに手間や時間をかけることは、バイオガスの生産量に 直結します。 この課題の解決策として、中間生成物であるVFA(揮発性脂肪酸)をモニタリングする方法があります。メタン生 成菌の活性が低下すると、VFAが大量に残留するため、VFAをモニタリングすることでプロセスの負荷や効率、安全 運転を維持することができるのです。 ■ オンラインでVFAを測定 生産性の向上・施設の保護・最適化を図るために、オンラインによるリアルタイムな監視は有効な手段です。 ハックのEZ7200は、メタンガス化施設を安定的に稼働させるための指標であるVFA、アルカリ度(全アルカリ度、 Pアルカリ度)、VFAとアルカリ度の比(VFA:ALK比、またはFOS/TACともいわれる)を自動でオンライン測定す ることができます。また、EZ7200本体から制御される自動洗浄機能付きの専用の前処理装置(EZ9130)を設置可 能なため、プロセス内でオンライン測定をする際によくあげられるサンプルの高SSや残渣などの課題も解決します。 EZ7200は2007年より世界中のプラントでの安定的で高効率なバイオガス生産を後押しています。 VFA計EZシリーズが研究論文等でも活用されていることがご覧いただけます。 ■ An integrated system to remote monitor and control anaerobic wastewater treatment plants through the internet 「嫌気性廃水処理施設をインターネットで遠隔監視・制御する統合システム」 ■ A VFA-based controller for anaerobic digestion of industrial winery wastewater 「産業用ワイナリー廃水の嫌気性消化における、VFAをベースとした管理」 ■ Report on full-scale performance of the sensors within TELEMAC Deliverable 2.7 「TELEMAC Deliverable 2.7におけるセンサーの性能に関する報告」 3
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HP_嫌気性消化槽のモニタリング_メディナカウンティ

【海外事例】  嫌気性消化槽のモニタリングにより、 プロセス異常の回避とバイオガス生産の最大化を実現 ■ 嫌気性消化の紹介 嫌気性消化は、公共および産業廃棄物の安定処理に利用されている技術です。処理工程で発生する、汚泥の病原菌 の含有量を減らし、製品の安全性を高め、有効利用につなげるためのプロセスです。また、他の安定処理と異なり、 発生したバイオガスからエネルギーを回収することが可能なため、様々な民間産業のほか、公共の水資源再生施設の 約10%で利用されています。 バイオガスは消化プロセスの副産物として生産され、ボイラーシステム、発電機のエンジン/タービン、さらには天 然ガスなど、多様なエネルギーの生産処理に使用することができます。 廃棄物に埋もれているエネルギーを回収できる嫌気性消化は、水資源再生施設が規制遵守の一環として資源回収に 取り組む上で、魅力的な技術となっています。 嫌気性消化槽には、水資源再生施設の水処理工程の上流で発生する汚泥や、油脂、グリース(FOG)、食品/産業 廃棄物などが投入されます。嫌気性消化槽には様々な構成(中温、高温など)がありますが、その目的は同じです。 それは「自然に発生する生物学的経路を通じて、有機物が制御され安定的に分解されるような環境を作り出すこと」 で、①加水分解、②酸生成、③酢酸生成、④メタン生成の4段階が、同時進行で行われます。 ■嫌気性消化プロセスの4段階 有機化合物 炭水化物、タンパク質、脂質 ①加水分解 ①加水分解  有機物を可溶性の状態に分解 ②酸生成 可溶性有機分子 糖類、アミノ酸、脂肪酸  可溶性有機分子からVFA(揮発性脂肪酸)が発生 ③酢酸生成 ②酸生成  VFAを(主として)酢酸に分解 VFA(揮発性脂肪酸) ④メタン生成  メタン(バイオガス)と二酸化炭素の生成 ③酢酸生成 ※②と③のステップをまとめて「発酵」という 酢酸 水素、二酸化炭素 ④メタン生成 ④メタン生成 メタン(バイオガス)、 二酸化炭素 メタン生成菌は、温度、pH、様々な有害物質の存在など、多くのプロセス条件に敏感です。最適なパフォーマンス が発揮できるのは、pH6.8~7.2の範囲内です。消化槽内のpHレベルが低下すると、メタン生成菌が抑制され、消化 プロセスやバイオガスの生産が完全に停止する可能性があります。 これは一般に消化槽の酸敗と呼ばれ、臭気が発生し、復旧に時間とコストが数万ドル(数百万円)かかる場合もあ ります。消化槽の安定性は、アルカリ度が高レベルの場合に大きく向上します。アルカリ度は、水中のアルカリ成分 を炭酸カルシウム(CaCO₃)に換算し、表したものです。アルカリ度に含まれる弱塩基はpHを維持する緩衝能力があ り、アルカリ度はpH変化の緩衝能力として定義されます。つまり、酸への傾きに対しての中和能力で、アルカリ度が 高ければpHの安定性が高く、逆にアルカリ度が低ければ多少の変化でpHが大きく変動してしまうことになります。 嫌気性消化槽では、アルカリ度は上図の②の段階でVFAが生成される際に低下します。アルカリ度は、メタン生成 菌がVFAをメタンに変換する際に生成されます(上図③参照)。 消化槽管理者は、供給量、撹拌、加熱等の運転管理を注意深くモニタリングすることにより、VFAとアルカリ度の 健全なバランスを維持することができます。 4
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【海外事例】 嫌気性消化槽のモニタリングにより、 プロセス異常の回避とバイオガス生産の最大化を実現 消化槽の異常やエネルギー回収の非効率性は、管理者が多く直面する課題です。 嫌気性消化の効率は、消化槽に投入される菌を分解する前処理技術を導入することで大幅な改善が可能です。菌を 分解することで、消化プロセスの効率化、エネルギー回収、環境保全、および廃棄物の削減が可能になります。その ような前処理技術の1つが熱加水分解プロセス(THP:Thermal Hydrolysis Process)です。このプロセスでは、極 めて高い圧力と熱を利用して結果を得ることができます。嫌気性汚泥の前処理は消化プロセスを大幅に改善すること ができますが、消化槽への過剰な投入を防ぐためにシステムを注意深くモニタリングする必要があります。 ■ 嫌気性消化槽のモニタリング 一般的な嫌気性消化槽のモニタリングは、pH、アルカリ度、およびVFAをラボで分析するための定期的なサンプル 採取が行われます(理想的には毎日)。ほとんどの嫌気性消化槽は、その運転条件に大きなばらつきがあります。そ のような場合、異常事態を避けるため、あるいは単に性能とエネルギー回収を最大化するために、追加のモニタリン グやサンプル採取の頻度の増加が必要になる場合があります。 消化槽の安定性と最適なエネルギー回収は、消化槽の健全性を示すいくつかの主要な指標を継続的なモニタリング で、一貫して安全に実施することができます。消化槽は温度とpHの変化に敏感であるため、オペレーターは異常が発 生しないよう、消化槽の温度とpHをモニタリングすればよいと思うかもしれません。しかし、この方法では不十分な 場合があります。 基本的に、pHが変化すると、利用可能なアルカリ度が枯渇するため、もはや消化槽の酸敗は避けられない可能性が あります。このような場合、メタン生成はすでに阻害されている可能性が高いのです。消化槽で生成されるVFAと アルカリ度の比(VFA:ALK比、またはFOS/TACともいわれる)を直接リアルタイムでモニタリングすることは、 嫌気性消化プロセスの全体的な健全性を把握する上でより有益な手段です。VFA:ALK比に加えて、アルカリ度のレベ ルは、原料の品質に連動して消化槽の安定性を判断するのに役立ちます(例えば、アルカリ度が高いレベルの場合 は、タンパク質含有量が高い原料と関連しています)。このVFA:ALK比で、オペレーターはメタン生成菌の健康状態 をより早く知ることができ、最適なパフォーマンスとエネルギー回収を維持することを可能にします。 5
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【海外事例】 嫌気性消化槽のモニタリングにより、 プロセス異常の回避とバイオガス生産の最大化を実現 ■ ケーススタディ  メディナ地区衛生技術当局(旧リバプール下水処理場) 2010年代初頭、オハイオ州メディナ群のケネス・W・ホッツ水 資源再生施設(旧リバプール下水処理場)のフィル・カミングス氏 (施設責任者)とドーン・テイラー氏(施設責任者補佐役)は、汚 泥処理プロセスをいかにして改善するかという課題に直面しまし た。既存の技術は老朽化した湿式酸化方式であり、稼働させるため に大量のガスと電力を必要とする、エネルギー集約型でした。そこ でコンサルタントと連携し、より環境的に持続可能でエネルギー的 にもプラスとなる方向、つまり熱加水分解を用いた嫌気性消化に移 行することを決定しました。 廃水処理から資源回収への移行 同地区では、バイオガスの生産と回収によるエネルギー効率を最 メディナ地区衛生技術当局 ケネス・W・ ホッツWRF(水資源再生施設) 大化するため、熱加水分解前処理を備えた嫌気性消化槽を採用する ことを決定しました。消化槽への最適な供給量を確保し、安定性を メディナ地区衛生技術当局は、メディナ郡、 継続的にモニタリングするため、標準的なラボ測定手順(VFA、ア ブランズウィック郡、および他のいくつか ルカリ度、pHのサンプル採取)を補うオンラインモニタリング技術 の町村にサービスを提供する公益事業を支 の調査を開始しました。徹底した市場調査の後、消化槽のVFA、ア 援しています。リバプール下水処理場とし ルカリ度、pHをリアルタイムでモニタリングするハックのオンラ て知られていた、ケネス・W・ホッツ インVFA計 EZ7200シリーズを導入することにしました。EZ7200 WRFを含む、3つの水資源再生施設を維持 シリーズは、熱加水分解システムの始動時に特に有効で、消化槽へ しています。この施設では、嫌気性消化シ の供給流量が過剰となり、メタン生成菌のpHレベルが抑制されない ステムから再生可能エネルギーを回収する ようにするとともに、バイオガスの最大生産量を確保することがで ための設備改修に資金を提供しました。 きました。 VFA:ALK 比 状況 判断 0.8 メタン生産が停止 投入停止、アルカリ成分添加 0.6 - 0.7 消化槽の安定性が不可欠 投入量の削減・停止、アルカリ成分の添加 0.4 - 0.5 嫌気性の条件が崩れる 供給流量を低減、運転条件を調整 アルカリ成分添加の検討 0.3 - 0.4 バイオガス生産量が多い 流量を低減または運転状況の調整を検討 0.2 - 0.3 バイオガス生産量が中程度 消化槽の状態のモニタリングを継続 < 0.2 バイオガス生産量が低い/保守的 ガス生産量増加のために流量を次第に増加 できる見込みがある VFA:ALK 比の評価に関する提案事項(MOP 16 "Anaerobic Sludge Digestion" 1987 からの抜粋) VFA:ALK比の最適な範囲は、アプリケーションによって異なる場合 があります。公共施設の場合、健全なVFA:ALK比は0.15から0.3、あ るいは生物学的脱リンのプロセスと組み合わせて実施する場合は0.4ま でとなります。純粋な工業用途では、安全かつ健全な運転が維持され る場合、もう少し高い範囲になることがあります。 VFA:ALK比のオンラインモニタリングにより早期に警告を発することを 可能にし、最適な消化槽の性能を維持する場合の課題は以下の通りです。 ・変動する供給流量 ・混合原料または未知の原料 ・加熱および撹拌効率 ・メタン生成菌の抑制 (栄養不足や有害物質による) ケネス・W・ホッツ水資源再生施設の嫌気性消化槽 6
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【海外事例】 嫌気性消化槽のモニタリングにより、 プロセス異常の回避とバイオガス生産の最大化を実現 オンラインモニタリングにより得られる可能性があるベネフィット ・汚泥中に含まれるエネルギーを回収し、付加価値を最大化 ・嫌気性消化システムの健全性をリアルタイムで把握することにより、ダウンタイムを最小化 オンラインVFA計 EZ7200シリーズと、前処理装置EZ9130の概要 施設のスタッフは、以下のラボ手順を用いて定期的に消化槽のサンプリングを行いました。 ・VFA エステル化法(メソッド10240)を用いたハックのTNTPlus™(TNT872) ・アルカリ度 ビュレット滴定、標準メソッド2320 B-97 ・pH pH電極を使用 この施設では、ラボでの作業時間と労力を軽減し、またラボの外でも 時間帯の嫌気性消化プロセスの可視性を高めるために、EZ7200シリー ズは消化槽の一次循環ラインのサンプル地点に設置されました。最小限 のメンテナンスで、厳しいサンプルに対応できるように設計された一体 型のろ過システム(EZ9130高負荷サンプル向けろ過システム)を通し て供給されます。そしてEZ7200シリーズで、サンプルのVFA、アルカ リ度、pHが一度に自動測定されます。結果は10~15分ごとに得られま す(頻度はカスタマイズ可能)。装置本体は、サンプルごとに揮発しな い独自の酸/塩基滴定アルゴリズムで作動し、自動洗浄、校正、バリデー ション、プライミングの順序を設定することが可能です。 EZ7250は、測定するパラメーターごとに3つの標準レンジを設定する ことができ、幅広い用途に対応することが可能です。この施設では、 VFAに5,000mg/L、アルカリ度に100mEq/Lの標準値を設定しました。 また、システムの立ち上げと同時にEZ7250を導入し、稼働状況を モニタリングしています。熱加水分解システムの立ち上げ時には、 EZ7250の外観 - VFA、アルカリ度、pHを EZ7250が消化槽の大幅かつ急速な変化をとらえました。 1回でオンライン測定 この施設では、立ち上げ時に、現場の状況に合わせて装置の自動洗浄の頻度を微調整し、EZ7250の信頼性と精度 を向上させました。それ以来、EZ7250は、消化槽の健全性と性能を継続的にモニタリングしています。また、シス テムのオンライン化に伴い、産業廃棄物の受け入れに関し、民間企業との協議を進めるための十分な余力があると判 断しています。 「EZ7250で状況を細かくモニタリングできるようになったことで、起動時の供給量を素早く最適化でき、汚泥 を大幅に削減できました。プロセスが安定してからは、その傾向をモニタリングし、どんな変化にもすぐに気づけ るようになりました。その結果、予期せぬ変化にも素早く対応し、問題を回避するために必要な調整が可能になり ました。」 ドーン・テイラー氏(施設責任者補佐役) 202303 7
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HP_インタビューVFA値の「見える化」5

【ユーザーインタビュー】  食品循環資源の再生利用に貢献 ~VFA値の「見える化」で、安定したメタン発酵処理を実現~ 株式会社Jバイオフードリサイクル 横浜工場  杉山  佳史 様 (工場長)  海老澤 拓哉 様 (技術グループリーダー)  株式会社Jバイオフードリサイクル様(神奈川県横浜市)は、2016年8月にJFEグループ(JFEGr)とJR東日本グループ (JR東日本Gr)により設立された、食品リサイクル工場を運営する企業です。JFEGrは、リサイクル事業の拡大、JR東日本 Gr は、廃棄物のリサイクル率の向上という目的のもと、両者が長年培ってきたノウハウや強みを生かし、廃棄物の中間 処分、リサイクルと発電事業を行っています。  こちらの横浜工場の処理工程において、ハック・ウルトラのオンライン VFA* 計 EZ7200 が活用されています。 具体的にどのようにお役に立っているのか、杉山様と海老澤様に当社代表取締役の藤澤がお話を伺いました。 *VFA:Volatile Fatty Acid(揮発性脂肪酸) ■ 食品廃棄物が、再生エネルギーとなる 藤澤:はじめに、横浜工場について教えてください。 杉山様:Jバイオフードリサイクル横浜工場は、2018年8月に操業を開始しました。駅ビルや商業施設や食品工場や レストラン等のセントラルキッチンからの食品廃棄物等を受け入れています。それら食品廃棄物の持つエネルギーを 微生物の力で取り出し、電気に変えています。またこの電気は、FIT(固定価格買取制度)を活用して売電しています。  従来、プラスチック包装や爪楊枝などの異物が混入した食品廃棄物は、焼却処分するしかありませんでした。しか し当工場では、そのような食品廃棄物を機械的に分別することが可能なため、そこから有機物を取り出すことが可能 となりました。その有機物を発酵させて得られたバイオガスで発電をしますが、ここから作られるメタンガスは、 およそ3,000世帯分を1年間まかなえる発電能力(約1,100万kWh/年)を有しています。 (設備概要) 処理能力 120t /日(産業廃棄物、一般廃棄物、廃飲料など) 処理処理方式 湿式メタン発酵方式 発電設備 消化ガス用エンジン 900kw ×2台 発電能力 約1,100万kWh/年 (一般家庭約3,000世帯分) 8
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【ユーザーインタビュー】 食品循環資源の再生利用に貢献 ~ VFA値の「見える化」で、安定したメタン発酵処理を実現~ 写真:藤澤(左)、海老澤様(中央)、杉山様(右) 藤澤:これまで廃棄されていた食品残渣や産業廃棄物が、相当量の電力として再生エネルギーとして循環する仕組み は素晴らしいですね。具体的にはどのような処理プロセスなのでしょうか。 杉山様:容器に入ったままの商品などは、ホッパーに容器包装ごと投入し、機械選別で有機物と容器包装等の異物を 分別します。また、製品廃棄物として持ち込まれるものに対しては、ホッパーではなく別の保管場所に保管し適宜処 理しています。分別された有機物に水分を加えて濃度調整を行い、発酵槽へと送液します。当工場では、37℃の中温 帯の湿式メタン発酵槽を採用しています。メタン発酵槽で処理したあとの発酵残渣は脱水機で固液分離し、ろ液は生 物処理後に調整槽で濃度調整槽用の水として再利用します。また脱水ケーキはサーマルリサイクル**や、肥料化をして います。また発生したガスはガスホルダーに送られ、ガスエンジン発電設備で電気となります。この電気は同じJFE エンジグループの小売電事業者であるアーバンエナジー株式会社を通じて売電されます。 **サーマルリサイクル:廃棄物の焼却時に発生する排熱を回収し、エネルギーとして再利用すること &T 図:施設の概要図(Jバイオフードリサイクル様 提供) 藤澤:発酵槽について、乾式ではなく湿式を採用されたのはどのような理由があるのですか。 海老澤様:運用とリサイクルの両面からのメリットがあるからです。まず運用面では、エネルギー効率、攪拌や温度 維持などの機械的な管理が容易な点が挙げられます。またリサイクルの観点では、発酵後の残渣を液肥や固形肥料と して再利用することが可能です。乾式では発酵残渣に異物が混ざっているため、肥料化に課題があると考えました。  ただ、湿式ならではの難しさもあります。それは水分やpHの調整、VFA管理など、人為的な管理が難しい点です。 また乾式よりも念入りに不適物を取り除く必要がありますし、湿式のほうが乾式よりも排水の発生量が多いという点 が挙げられます。 9
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【ユーザーインタビュー】 食品循環資源の再生利用に貢献 ~ VFA値の「見える化」で、安定したメタン発酵処理を実現~ ■ オンラインVFA計を導入したことで、操業方法が一変 藤澤:メタン発酵槽の管理には、難しさがあるというお声をよく聞きます。当社のオンラインVFA計 EZ7200をご利 用いただいていますが、どのようにお役に立っていますか。 杉山様:メタン発酵では微生物を相手にしているという難しさがあります。安定した状況を保ちつつ、メタンの発生 を最大化するためには、微生物の状態を見極めることが非常に重要です。VFAの他に、温度、pH、アルカリ度、アン モニア濃度、TS(固形物濃度)、メタン濃度、ガス発生量、栄養塩添加を管理項目としています。  EZ7200が役に立ったエピソードがあります。発酵不良が起きたときのことです。当初、ガス発生量が落ちているこ とに気がつきました。「特別変わったものを投入したわけでもないのになぜだろう」と思っていたのですが、VFA値 を確認してみたところ、通常の3倍の値になっていました。VFAの蓄積が発生したことによるものでしたが、VFA値 を確認しながら投入物や投入量のコントロールを行うことができたため、事なきを得ました。すぐに対処できたこと は本当に良かったと思っています。そのことがあってから、VFA値は1時間に一度は確認するようになりました。 オンラインVFA計を入れたことで、それまでとは操業方法が全く変わったといってもいいでしょう。速報値が分かる ため、レスポンスが圧倒的に違ってきます。このような経験から、EZ7200は「施設の核となる装置」といえます し、VFA値は一番見たい数字です。 写真:工場内に設置されている前処理装置EZ9130(左)と、VFA計EZ7200(右) ■「見える化」で、安定的な処理コントロールを実現 海老澤様:もともとVFAは分析機関に依頼していましたが、結果が得られるまでに1週間以上かかっていました。今お話 ししたようなことが発生した場合には、外部分析のみでは検知することが難しいですし、その間にも処理工程は進んでし まいます。  多様な食品廃棄物等を受け入れることは、瞬間的に発酵槽内が不安定になる場合があります。オンラインVFA計 で、発酵槽内の状況を「見える化」することは、「5でもいいのだが、2でやめておこう」というような、推測による 管理をしないということを意味します。例えば80tの処理していたところ、トラブルにより40tにまで処理量を落とし た場合、何tずつ回復させてフル操業に戻すのかという判断には、難しさがあります。また、処理が進まないことで、 最悪の場合には廃棄物の受入れを停止せざるを得ない事態となり、お客様にご迷惑をかけることになります。これは 決してあってはならないことだと考えています。そこで、EZ7200でリアルタイムのVFAを確認することで、段階を 踏んで適切な処理量に戻していくことができると考えます。 10
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【ユーザーインタビュー】 食品循環資源の再生利用に貢献 ~VFA値の「見える化」で、安定したメタン発酵処理を実現~ 藤澤:EZ7200が重要な役割を果たせていることが分かり、嬉しく思います。他にご評価をいただける点はございますか。 杉山様:EZ7200に前処理装置(EZ9130)が一体になっているのが、とても便利です。発酵槽の循環液を測定して いますが、他に前処理を行うことなくこれだけで完結できる点が良いと思います。 前処理装置EZ9130 オンラインVFA計EZ7200 藤澤:確かにサンプル目詰まりの洗浄作業などが発生すると、現場の方の負担も大きくなりますね。それでは最後に なりますが、今後EZ7200をより効果的に活用されるために検討されていることや、今後の展望についてお聞かせく ださい。 海老澤様:装置に関しては、EZ7200の測定値を監視室や従業員のPC・スマホでリアルタイム監視できるようにして いく予定です。また今後の事業の展望としては、「ダブルリサイクルループ」を構築していきたいと考えています。 1つは「電力ループ」です。発電した電気が、小売事業者を通じて店舗などで再利用される循環です。そしてもう 1つは「農業ループ」です。当工場の発酵残渣は肥料登録されており、その肥料を農家で使っていただき、作られた 農作物がまた排出事業者の元で戻り、消費されるという循環です。  既に、ある施設では当社を利用いただいたことで食品リサイクル率が年間30%向上したといった事例や、廃棄物の 収集にバイオガス由来の電気を充電した電気自動車が利用されるといった事例があります。今後も食品廃棄物リサイ クル発電事業を通して、さらなるSDGsの実現に貢献していきたいと考えています。 ■ 企業概要(2022年9月時点) 社名:株式会社Jバイオフードリサイクル 本社 /所在地:神奈川県横浜市鶴見区 事業内容: 食品リサイクル・バイオガス発電事業、 一般廃棄物処理業、産業廃棄物処理業 URL:https://www.j-bio.co.jp/ 202210 11
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HP_VIVABにおけるVFA計フィールドテスト8

【海外事例】  揮発性脂肪酸(VFA)モニタリング スウェーデンの地方自治体合弁会社 VIVAB社の3サイトでフィールドテスト 嫌気性プロセスにおける揮発性脂肪酸(VFA)生成のモニタリングと最適化、アルカリ度とpHの制御は、消化槽や 生物学的リン除去(EBPR:Enhanced biological phosphorus removal)プラントの急性障害やボトルネックを防 ぐために不可欠な要因です。オンライン測定器の設置は、消化槽内の状態を常に把握できるため、このようなプロセ スのモニターに有効な手段です。 オンラインVFA分析装置EZ7200は、pH、VFA、全アルカリ度、Pアルカリ度などのパラメータを測定し、嫌気性 プロセスのモニタリング、制御、最適化、保護を容易にします。 スウェーデンの地方自治体合弁会社であるVIVAB社(Vatten & Miljö i Väst AB)の3つのサイトでのテスト、 同じサンプルを3つの異なるメソッドで分析した内容をご紹介します。 ■ EZ7200の設置 EZ7200は、前処理ユニット(写真1)と分析ユニッ 1 ト(写真2)の2つで構成されています。 2 前処理ユニットは、さまざまな種類のバルブ、フィル ターを備えた前処理パネルと、空気圧調整器から構成 A されています。 H ■ ラボでの分析手順 B C EZ7200の評価のため、3つの異なる測定原理のラボ 用測定器との比較を行います。 D E ■ EZ7200のメソッド EZ7200の分析メソッドにならった測定をします。 F G ① Pアルカリ度の測定のために、20mLのサンプル を、0.1M硫酸(H₂SO₄)で滴定し、元のpHから pH5.75まで低下させます。 ② 全アルカリ度の測定のために、滴定でpH4.3ま で低下させます。pH4.0まで滴定し、炭酸塩を除 3 去するために90秒間エアレーションを行います。 ③ VFAを測定するために、0.02M水酸化ナトリウム (NaOH)で、pH4.0からpH5.0まで滴定を行い 現場の設置状況 ます。 1 前処理パネル 2 分析装置 3 試薬 ■ VIVAB社のメソッド(ファルケンベリ市) 部品名称 ファルケンベリ市のラボで認定されている方法では、 A ドレイン接続口、50mm OD 試験前にサンプルをろ過します。 ① 50mLのサンプルを0.1M硫酸で滴定し、元のpH B 外部リンスバルブ からpH5.75まで低下させ、Pアルカリ度を測定し C サンプル入口弁減圧弁 ます。 D サンプル出口、32mm OD ② pH4.0まで下げて全アルカリ度を測定します。 E サンプル入口、32mm OD 滴定はpH3.3から3.5の間になるまで続けます。 F ドレインチューブ ② サンプルを少なくとも3分間沸騰し、室温まで冷 却した後、0.05M水酸化ナトリウム(NaOH)で G サンプルチューブ pH4.0からpH7.0 まで滴定し、VFAを測定します。 H 計装エアー減圧弁 12
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【海外事例】 揮発性脂肪酸(VFA)モニタリング スウェーデンの地方自治体合弁会社 VIVAB社の 3サイトでフィールドテスト ■ ヴァールベリの認定ラボのメソッド このラボでは、汚泥と蒸留水を1:1の比率で希釈する手法をとっています。 ① 希釈後、サンプルは孔径6~10 µmのフィルターでろ過します。 ② 10 mLのろ過後のサンプルと90 mLの蒸留水を混合し、0.05 M塩酸で滴定を行います。 ③ Pアルカリ度はpH5.75で、全アルカリ度はpH4.00で測定されます。 ④ VFAはハックのキュベットテスト(LCK 365)を用いて測定し、サンプルを遠心分離してろ過しました(フィ ルター孔径6~10 µm)。 ■ 3つのサイトへの導入 ■ ゲッタロバケット下水処理場 ヴァ―ルベリ市にあるゲッタロバケットは、VIVAB社最大の下水処理場の1つです。処理能力は5,600kg BOD7/日 で、これは80,000 PE(PE:Population Equivalent、人口換算)に相当します。 この従来型の施設は、一般家庭の下水を処理しており、水産・漁業からの工場排水が流入するBOD7負荷は約7%に すぎません。900 m³の消化槽が4基あり、総容量は3,600 m³です。 EZ7200は、メイン消化槽に設置されました。この消化槽は最も大きなプロセス変動が発生すると予想されたから です。 さらに、VFAの増加によりプロセスが不安定になったり、アルカリ度が減少したりすることが、この消化槽で初期 に確認できると予想されています。このような現象は、有機物負荷と汚泥濃縮の変化によって引き起こされる可能性 があります。 ■ カールスバーグ社の前処理 ファルケンベルグの市街地やその周辺には、さまざまな産業が立地しています。工業排水の状態が不安定なため、 最大の下水処理場であるスメジホルメンでの処理は大きな課題となっています。 特に、カールスバーグ社のビール工場からの排水は、特別な前処理が必要でした。ここからの排水は、ファルケン ベルグ市の南部にある嫌気性内部循環リアクター(IC反応槽)で前処理されます。VIVAB社はこの施設のメンテナン スと運用に携わっています。 このIC反応槽は、バイオガス生産量の強化と、スメジホルメン下水処理場で処理する前のBOD負荷を低減すること を目的としています。 ■ ウラレッド下水処理場 ウラレッド下水処理場は、ファルケンベルグの市街地に位置し、主にゲコーズのショッピングセンター(店舗、飲 食店、キャンプ場)からの排水を受け入れています。 そのため、買い物客が多い時間帯や休日には、流入水の水質とBOD負荷に急激な変化が起こります。 ここでの処理能力は518kg BOD7/日で、7,400PEに相当します。ここは、生物脱リン法を用いた設備(BIO-P) と、VFA生成の循環型活性汚泥法(ARP)を採用しています。排水処理プロセスは、機械式処理、微生物処理、沈殿 槽の3つの主要なステップから構成されています。 ■ 結果と考察 ■ ゲッタロバケット下水処理場 EZ7200を設置した結果、ゲッタロバケット下水処理場の嫌気性消化プロセスの評価と性能の向上に役立ちました。 流入側の廃水が安定していたため、嫌気性消化プロセスでのアルカリ度とVFA値は非常に安定していました。オン ライン測定値を詳しく見たところ、遠心分離機の停止など、プロセスにおけるわずかな変化の発生も、すぐに認識で きることがわかりました。 プロセスの改善、エネルギー消費量の削減、コスト削減の可能性を示します。 前置濃縮器用のポリマーを節約することで、その使用量が3.8トン/年(2015年)からゼロになり、年間を通じ前 置濃縮器を通した場合、最大で15万SEK/年(SEK:スウェーデンクローナ、約200万円/年)のコストダウンが可能 です。さらに、汚泥の脱水性(水を拒絶する懸濁物質)を改善することで、汚泥の輸送コストの削減と内部循環の減 少がもたらされます。 13
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【海外事例】 揮発性脂肪酸(VFA)モニタリング スウェーデンの地方自治体合弁会社 VIVAB社の 3サイトでフィールドテスト 遠心分離機の停止 バイパスから開始 汚泥槽満杯 m 負荷の増加 遠心分離機の停止 バイパス停止 g/L 低汚泥レベル VFA 全アルカリ Pアルカリ VFA/全アルカリ 図1:2016年6月14日~8月23日 ゲッタロバケット下水処理場で行われたオンライン測定の結果 mg/L VFA オンライン測定値との比較では、 最適化後はすべてのグラフが同じ傾 向を示しています(図1)。 VIVABメソッドの値は、ろ過を追 加したことにより、オンライン測定 値よりも低くなりました。 ラボでのEZ7200メソッドでは、 VFA値が高いことを除き、オンライン 測定値とほぼ同じ範囲でした。 VIVABメソッドでは、オンライン EZ7200 VIVABメソッド ラボでEZ7200メソッド 認定ラボ 測定よりも常に低い値を示しました が、これはサンプルの追加フィルタ 図2:ゲッタロバケット下水処理場でのオンライン測定と週次ラボ測定結果の比較 リングに起因するものです。 mg/L 全アルカリ度 ヴァールベリの認定ラボの結果は、 すべての測定値が異なる範囲にあり ましたが、同じ傾向にあったことを 示しています。(図2+3)。 EZ7200 VIVABメソッド ラボでEZ7200メソッド 認定ラボ 図3:ゲッタロバケット下水処理場でのオンライン測定と週次ラボ測定結果の比較 14
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【海外事例】 揮発性脂肪酸(VFA)モニタリング スウェーデンの地方自治体合弁会社 VIVAB社の 3サイトでフィールドテスト ■ カールスバーグ社 mg/L 全アルカリ度 全アルカリ度の値は非常に速く不規 則に変化である一方、V F A値は 30mg/Lから55mg/Lでの変動で、か なり安定しました。 EZ7200 VFA値の測定は、排水が流入してく VIVAB メソッド るポイントでの全有機炭素(TOC)の オンライン測定と組み合わせると、よ ラ ボでEZ7200 り有効となります。これらの主要なパ メソッド ラメータに基づいて、反応槽への流入 量の調整が可能となるからです。 図4:カールスバーグ社でのオンライン測定とラボの結果の比較 オンライン測定値とラボ値の比較で は、すべての値が同じ傾向を示してお mg/L VFA り、分析装置が正常に動作しているこ とが示されました(図4+5)。 EZ7200 ■ ウラレッド下水処理場 VIVAB 前述の結果に対し、オンライン分析 メソッド 計の結果はより不安定なものでした。 ラボで これは通常の嫌気性消化槽で通常得 E Z7200 られるレベルと比較して、特に活性汚 メソッド 泥のアルカリ度とVFAが著しく低かっ たことによるものと考えられます。 図5:カールスバーグ社でのオンライン測定とラボの結果の比較 しかし、得られた結果はトレンドが 正確であり、活性汚泥プロセスで予想 mg/L VFA される変動に追従しているため、信頼 性の高いモニタリングが可能であるこ EZ7200 と示しています。 VIVAB オンライン測定とラボでの結果を全 メソッド 期間にわたって比較しました。ラボの ラ 値では、すべての値が同じ傾向を示し E ボで Z7200 ており、分析装置が適切に動作してい メソッド ることが示されました(図6)。 図6:ウラレッド下水処理場でのオンライン測定と実験室での測定結果との比較 ■ まとめ EZ7200のテストトライアルは、分析結果が信頼できるかどうか、また、この分析装置が下水処理場のプロセス監 視に有用な装置であるかの確認に焦点を絞って行われました。  装置の評価では、オンライン測定値が正確なことが示されました。オンライン測定値とラボでの測定値の比較から、 すべての値が同じ傾向を示し、EZ7200の値は信頼性が高く、プロセスにおけるわずかな変化も識別することがわか りました。したがって、EZ7200は消化槽が酸性化するリスクなしに、プロセスの最適化が可能となるのです。ゲッ タロバケット下水処理場では、前置濃縮器を通すことでプロセスを改善し、年間最大15万SEK/年(約200万円/年) の節約と汚泥の輸送コストが低減しました。 執筆者:VIVAB 研究開発部 リサーチマネージャー Alexander Keucken 博士 R&D エンジニア Moshe Habagil 氏 環境エンジニア Caroline Schleich 氏 202301 15
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HP_BioTector裏表紙-【オンデマンド配信】VFA

【オンデマンド配信】    VFAをオンライン測定するメリットとその原理 ~嫌気性消化処理、バイオガスプラントの安定稼働に貢献するEZ シリーズ他~ 本コンテンツは、2022年7月5日に開催したセミナーのオンデマンド配信です。(セミナー時間:約33分) 最新情報は、当社ホームページをご確認ください。  昨今、「再生可能エネルギー」への取り組みは、多くの企業にとってより注力すべきテーマとなっています。  その中で、工場や下水における排水や食品残渣・家畜の排せつ物から回収される有機物を活用してエネルギーを生成 するバイオガス発電は、二酸化炭素の排出量も少なく、ガスの汎用範囲の広さから注目されている再生エネルギーの 一つです。このバイオガス発電の過程において嫌気性消化処理を活用している場合、設備をより安定的に高効率で稼働 させることは非常に重要です。  発酵プロセスの重要なパラメータの一つである有機酸は、揮発性のため測定が困難で、また外部ラボによる測定では データ取得に時間がかかり、発酵槽の現状把握ができないことで、ダウンタイム発生や生産停止などにつながるケース もあるため、課題とされています。  ハック・ウルトラで、この課題の解決に貢献する、オンラインVFA 計等の装置をご提供しています。  本セミナーでは、オンラインでメタン発酵槽の監視をすることのメリットや装置の原理などをご紹介いたします。  ぜひご視聴ください。 ■ タイトル: VFAをオンライン測定するメリットとその原理 ~嫌気性消化処理、バイオガスプラントの安定稼働に貢献するEZ シリーズ他~ ■ 視聴お申込み: 以下のリンク先のフォームよりお申し込みください。(QRコード▶) (メールにてセミナーURLをお送りします)   https://hach.jp/form/1179/ ハック・ウルトラ オンラインセミナー オンデマンド配信 VFA をオンライン測定するメリットとその原理 ~嫌気性消化処理、バイオガスプラントの安定稼働に貢献するEZ シリーズ他~ オンライン ラボ用  詳しくはこちら > VFA分析計 吸光光度計 ・ご視聴には登録フォームへの情報入力が必要です。 EZ7200 DR3900 ・同業者様の視聴はご遠慮いただいております。 202211 16
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【対象製品】  ■ オンラインVFA計 EZ7200シリーズ 嫌気性消化処理(メタン発酵)プロセスを 安定的に連続測定 EZ7200シリーズはこの1台で嫌気処理プロセスの 重要なパラメーターであるVFAを測定、制御がで きるユニークかつ堅牢な操作性にも優れたオンラ イン滴定計です。 ■ 揮発性脂肪酸(VFA)、アルカリ度(全アルカリ度、Pアルカリ度)を一つの計測で自動測定 ■ 迅速な結果(10~15分)により、真のプロセス監視、保護、最適化が可能 ■ 自動洗浄機能付きフィルターにより、処理が難しいサンプルの高SS、残渣に対応 1 EZシリーズに使用する試薬は、インラインでの分析に必要ですか? 1 EZ7200シリーズは、各種パラメーターの測定にNaOHとH₂SO₄を使用します。 ご自身で試薬を調製していただくために、メソッドと試薬のシートをご用意しています。 2 VFA/TAC(FOS/TAC)のオフライン/オンラインの関係について教えてください。 例えば、測定方法を変更した場合、古い値と新しい値をどのように比較するのでしょうか? 2 個々の状況によって異なります。相関関係を理解するために、測定方法を変更した場合(例:実験室法から オンライン法へ)、最初に二重測定を行い、相関関係を確認することを推奨します。 3 複数ストリームの解析はできますか。 3 EZシリーズでは、最大8本のストリームが可能です。どのストリームを利用するか、EZアナライザーのパネ ルPCで決定します。連続したストリームをプログラムすることも、装置をスレーブモードで動作させ、DCS からの入力で分析装置やストリームを起動させることも可能です。 4 EZシリーズを制御システムに接続して、例えば飼料を制御したり、VFAに基づいて制御したりすることは可 能でしょうか。モニタリングだけでなく、制御にも使用できますか? 4 可能です。接続やプログラミングはユーザーのDCSシステムで行う必要がありますが、VFA計の測定結果を 4-20mA信号を使用してプラントのコントロールを行うことが可能です。 5 モニタリングに関して、より有効と考えられる設置事例があれば教えてください。 5 高濃度排水に強いオンラインTOC/TN/TP計BioTector(バイオテクター)B7000を同時に設置することで、 約10分以内のTN測定結果からプロセス上流工程の受け入れをコントロールすることが可能です。 BioTectorシリーズについては、当社WEBサイトをご参照ください。https://hach.jp/product/biotector/ 03-6205-5510(営業) 03-6205-5810(サービス) 03-6205-5980(FAX) https://hach.jp/ 202303 17