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イーサネット接続や光ファイバの使用に関する メリットとデメリットの解説
マシンビジョンアプリケーションの革新的なインタフェースである CoaXPress-over-Fiber をリリース。高解像度の画像を取得するために CoaXPress プロトコルを標準のイーサネット物理層 (PHY) として使用すること により、100Gbpsや200Gbps などのより高い帯域幅に向けて絶え間なく増大するインタフェースが将来にわたって保証される。さらに光ファイバへの移行が簡単に実現する。
このカタログについて
ドキュメント名 | 次世代高速光ファイバーフレームグラバーCoaXPress-over-Fiber |
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ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 376Kb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | Euresys Japan株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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product focus on CoaXPress-over-Fiber
次世代高速光ファイバーフレーム
グラバーCoaXPress-over-Fiber
佐野樹
マシンビジョンアプリケーションの革新的なインタフェースであるCoaX
Press-over-Fiberをリリース。高解像度の画像を取得するためにCoaX
Pressプロトコルを標準のイーサネット物理層(PHY)として使用すること
により、100Gbpsや200Gbps などのより高い帯域幅に向けて絶え間な
く増大するインタフェースが将来にわたって保証される。さらに光ファイバ
への移行が簡単に実現する。
CoaXPress-over-Fiberとは の策定はJIIA(日本インダストリアル Euresys社及びSensor to Image社は、
CoaXPress-over-Fiberは、 既 存 の イメージング協会: http://jiia.org/) が 2018年 にCoaXPress-over-Fiberの 開
CoaX Press仕様の拡張で、光ファイ 担当している。CoaXPress-over-Fiber 発を開始した。2020年初頭より、Eu
バを使った伝送をサポートしている。 は、CoaXPress2.0仕様へのアドオン resys社と、最大手ビジョンメーカー
CoaX Press(CXP)は、高帯域幅コン という形態で設計されてる。CoaX が集まるCoaXPress分科会は、JIIA
ピュータビジョンアプリケーションの事 Pressプロトコルをそのまま変更せず においてCoaXPress規格へのアドオン
実上の標準である。この仕様の最新バ に、光ファイバを含む標準のイーサネ としての仕様審査に取り組んでいる。
ージョンであるCoaXPress2.0は、CXP-12 ット接続で実行する手段を提供するも
の速度を、同軸銅ケーブルでの12.5Gbps のである。そのためCoaXPress-over- イーサネット接続を使用する
(毎秒ギガビット)と指定している。 Fiberはイーサネット用に設計された メリット
CoaXPressのリンクアグリゲーション 標準的なエレクトロニクス製品、コネ イーサネット接続を使用すれば、
は標準であるため、4つのCXP-12リン クタ、およびケーブルを使用するが、 CoaXPress-over-Fiberで、イーサネッ
クを使えば50Gbpsの帯域幅(12.5X4) プロトコルはイーサネットやGigE Vision ト用に設計された標準的な低コスト設
は簡単に達成できる。CoaXPress仕様 で は な く、CoaXPressを 使 用 す る。 備(コネクタやケーブル)を使用できる
CoaXPress-over-Fiberイメージ図。
1 December 2020 V I S I O N S Y S T E M S D E S I G N J A PA N
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図1 CoaXPress-over-
Fiber は CoaXPress 規
格のアドオンであるため、
既 存 のCoaXPressカメ
ラは、大幅な再開発や新
しいプロトコルのテストを
行 う こ と な く、 簡 単 に
CoaXPress-over-Fiber
にアップグレードすること
ができる。
というメリットがある。イーサネットは とは不可能。よってカメラなどのデバ CoaXPressカメラに既に使用されて
IEEE 802.3標準によって定義されてい イスには、別途、電力供給源が必要と いるFPGAには、イーサネット標準を
る。これらの標準を活用するというこ なる。 サポートするための機能が多数含まれ
と は、CoaXPress-over-Fiber で も、 ている。IEEE規格の802.3 Clause 46
さらに広帯域化を続けるイーサネット カメラメーカーにとっての に定義されている10Gbps媒体独立イ
の進化を活用できることになる。 CoaXPress-over-Fiberの ンタフェース(XGMII)は10Gイーサ
メリット ネットの物理レイヤーへの主要アクセ
光ファイバの使用に関する CoaXPress-over-FiberはCoaXPress スである。このインタフェースの汎用
メリットとデメリット 規格のアドオンであるため、既存の 的 な 特 性 に よ り、CoaXPressか ら
メリット CoaXPressカメラは、大幅な再開発や PCS/PMAイーサネットサブレイヤー
・ ファイバ接続には基本的に長さの制 新しいプロトコルのテストを行うこと への信号送信をマッピングすることが
限がないため、ケーブルの長さに伴 な く、 簡 単 にCoaXPress-over-Fiber できる。XGMIIを使用することで、
う問題がない。 にアップグレードすることができる。 CoaXPressは、IEEE規 格802.3の 条
・ 光ファイバはより広い帯域幅を提供
可能である。現在の標準帯域幅は、
ファイバ当たり10Gbpsと25Gbpsで、
データセンターなどで広く使用されて
いる。
・光 ファイバには電気ノイズへの耐性が
ある。製造エリアや医療分野での応用
に大きな優位性がある。
・ 光ファイバは、同等の銅ケーブルよ
りも軽量で小型であるため、柔軟な
システム設計が可能である。
デメリット
「パワーオーバーファイバ」がない。
光ファイバ内の信号は光を使って伝送
されるため、光ファイバで送電するこ 図2 CoaXPress/CoaX-over-Fiber帯域幅(Gbps)。
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product focus on CoaXPress-over-Fiber
図3 40GBASE-SR4 QSFP+850nm 150m MTP/MPO光トランシーバモジュール(MMF用)。MTP/MPOファイバコネクタ、最大150
メートルの光ファイバケーブルを使用。
項106に定義されている25Gbps媒体 ジュールを使った100 Gbps)や4X50 ケーブル種類、最大長
独立インタフェース(25GMII)による Gbps(QSFP56モジュールを使った CoaXPress-over-Fiberの最も重要な
さらに高い帯域幅にも対応することも 200Gbps)にアップグレードすること メリットには、多数のメーカーがすで
可能となる。25GMIIは、論理的には が可能である(図2)。 に多様な接続オプションを提供してい
XGMIIに相当する一方で、それをさ ることである。10Gbpsの初 期 的 な
らに高速化したバージョンと言える。 CoaXPress-over-Fiberが CoaXPress-over-Fiber接続オプション
Euresys社子会社であるSensor to エンドユーザーにもたらす は、SFP+ とQSFP+(クワッド、また
Image社は、CXPからXGMIIへ、お メリット はSFP+の4倍)モジュールがある。
よびXGMIIからCXPへのIPコアをす イーサネット接続を活用すれば、 固定インタフェースと比較した場合
でに評価目的で提供している(図1)。 CoaXPress-over-Fiberで、イーサネッ のモジュールの利点は、用途で必要と
ト用に設計された標準的な低コスト設 なる適切なトランシーバをポートに装
CoaXPress-over-Fiberの 備(コネクタやケーブル)を使用できる 備できる点である。多様なトランスミ
帯域幅 だけでなく、より高い帯域幅へと継続 ッターとレシーバーを利用できるため、
CoaXPress-over-Fiberの 初 期 構 成 的に進化するイーサネットをそのまま利 ユーザーは、マルチモードまたはシン
は、単一QSFP+モジュールにおける 用できるというメリットがある。エンド グルモードファイバで必要な光リーチ
4X10Gbpsで、カメラ当たり40Gbps ユーザーは、さらに高解像度のイメー を提供する上で適したトランシーバを
を達成できる。これは、4本の銅線同 ジング技術だけでなく、より高速な検 選択できる。
軸ケーブルでの4つCXP-12リンクと同 査速度と信頼性に対する今後の需要に 一つの応用として、マルチモードフ
じ総帯域幅であるが、CoaXPress-over- も製品が対応できることを期待できる。 ァイバ用の40GBASE-SR4 QSFP+光
Fiberであれば4X25Gbps(QSFP28モ CoaXPress-over-Fiber対応 トランシーバモジュールを使用すると、
図4 40GBASE-ER4 QSFP+ 1310nm 40km LC DOM光トランシーバモジュール(SMF用)。LCデュプレックスファイバコネクタ、最大
40kmの光ファイバケーブルの使用。
3 December 2020 V I S I O N S Y S T E M S D E S I G N J A PA N
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図5 A0C(アクティブ光
ケーブル)トランシーバを
装 備 し た Euresys
CoaXlink QSFP+。
最大150メートルの光ファイバケーブル の200Gbpsになっている。既に安価 最終的な仕様の公開は、数か月以内
でMTP/MPOファイバコネクタで接続 なアダプタもあり、SFPトランシーバ になると思われる。
する方法である(図3)。このソリューシ をQSFPポートに設置することが可能 加えて、2020年1月に、JIIAより、
ョンは、マシンビジョン用途に最適で である。 CoaXPressの光ファイバコネクタオプ
ある。 ションを詳 しく説 明 した「Optical
もう一つのオプションとして、シン CoaXPress-over-Fiberの Interface Guideline for CoaXPress
グルモードファイバ用の40GBASE- 将来展望 (CoaXPressの光インタフェースに関
ER4 QSFP+ LC DOM光トランシーバ 2020年11月現在、CoaXPress-over- するガイドライン)」が公開されており
モジュールを使用すると、最大40キロ Fiber規格の正式認可待ちの状態であ 実用化に向けたグローバル標準化は間
メートルの光ファイバケーブルでLCデ るが、既に4つの双方向10Gbpsリン もなく策定されることになる。
ュプレックスファイバコネクタにて接 クを提供するQSFP+ケージを備えた
続する。このソリューションは、ビデ CoaXPress-over-Fiber PCIeフレーム まとめ
オ転送用途などに適している(図4)。 グラバー「Coaxlink QSFP+」は、Eure CoaXPress-over-FiberはCoaXPress
ブレイクアウトアクティブ光ケーブ sys社よりカメラメーカーに対し提供 プロトコルに基づくものであり、ジッ
ルも利用可能である。このケーブルに されている(図5)。また、CoaXPress- ターとレイテンシーに関し、CoaX
は、片方に40G QSFP+トランシーバ over-Fiber Bridge IPコアは、Sensor Pressと同様に高いパフォーマンスを
(フレームグラバー用)、もう片方に4 to Image社よりカメラメーカーを対象 提供する。その上、CoaXPress-over-
つの10G SFP+トランシーバ(4台のカ に提供されている(図1)。 FiberはCoaXPressに比べ、より高い
メラ用)が備わっている。 経緯として、Euresys社及びSensor 転送速度をサポートしているため、ジ
このソリューションではさらに高速の to Image社は、2018年にCoaXPress- ッターとレイテンシーはさらに改善さ
オプションも利用できる状態であるた over-Fiberの開発とデモを開始。2020 れ る。CoaXPress-over-FiberはCoaX
め、将来的な需要にも対応可能となる。 年初頭より、Euresys社と最大手ビジ Press規格のメリットを維持するだけ
SFP28イテレーションは、25Gbpsの速 ョンメーカーが集まるCoaXPress分科 でなく、高帯域幅、低レイテンシー、
度に対応できるように設計されてお 会は、JIIAにおいてCoaXPress規格 高い安定性と信頼性をさらに進展させ
り、QSFP28(クワッドSFP28)系統の へのアドオンとしての仕様の審査に取 ていくことになる。
場合は、最大100Gbpsとなる。QSFP り組んできた。
56は、2019年の時点ですでに標準化
されており、主要ベンダーからすでに 著者紹介
販売されている製品の最高速度は2倍 佐野樹氏は、Euresys Japanのセールスマネージャー。 VSDJ
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